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地獄体験~あれ? 思ったよりも~
地獄に感動のフィナーレを!
しおりを挟む「地獄ってところも、なかなか悪くないな♪――」
――そう呟いた矢先、全てを吞み込む終焉が訪れた。
――全てを崩壊せしめんとする大轟音が鳴り響き、天蓋ひしめく鍾乳石はそのほとんどが滂沱の如く地に落ちた。
――直後に訪れた、天地を入れ替えたような大震動は、大地を隆起させ、大洞窟の天蓋をも砕き割った。
――天蓋の亀裂からは、赫灼たる溶岩が大瀑布も斯くやと言わんばかりに地上に降り注ぎ、瞬く間に地上を灼熱の大海へと変貌させた。
全ては「あっ!」っという間の出来事だった。
「もっと踊っていたかったのにぃ~。でも、この幕引きも悪くないね♪」
――真っ赤な緞帳が天井から垂れ下がり、足元にはレッドカーペットが一瞬にして拡がった。
パーティーの主催者としては、最後を素敵に締めくくる感動のフィナーレであった。
――ドドドドド――ッ、バリバリ――ッ!
――あまりの熱反応に、紫電が迸る。
「うわぁ~~~お⁉ ……雷って心くすぐられるよね♪」
ボクの心は、いま充足感に満ち満ちていた。
ここに至ってなお、ボクの警戒心は薄いまま――
『――そんな場合ではない!』
ここにきて初めて『彼』がボクを一喝した。
あまりの声量に、ボクのジャンプは過去最高度まで到達……からの、全力ダッシュ!
「……意識あるのかな?」
そんな囁きがあったのかなかったのか……。
――ボクは全てを、ゆだねたのだった。
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