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怒り
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イリーシャは紅茶のせいでろくに抵抗もできないまま、公爵邸に連れ戻された。
いや、紅茶を飲んでいなくても、指先ひとつ動かせなかったかもしれない。
それほどにユージンから発せられる怒気は激しく、ビリビリと肌を痺れさせるほどだった。赤い瞳には紛れもない憤怒が揺らめき、こめかみが脈打っている。イリーシャを抱える腕には骨を砕きそうなほどの力がこめられ、硬く筋が浮き出していた。
無言のまま寝室に運び込まれ、ベッドに横たえられる。
イリーシャの目元に髪がかぶさる。ベッドに腰かけたユージンが指を伸ばし、丁寧に払いのけた。瞳孔の開ききった金の瞳があらわになる。
ユージンがふっと笑った。
「……イル、平気か?」
それがこの上なく甘やかな声だったので、イリーシャはちいさく震えた。額に冷たい汗が流れる。
「……わ、私は」
「うん? 何を怯えているんだ?」
ユージンはこの場に不釣り合いなほど明るい笑い声をあげた。広々とした寝室に、残響が虚ろに散らばる。「それにしても」と懐からひらりと何かを取り出した。
「神殿とは考えたな。ロビンの入れ知恵か?」
彼の手にあるのはロビンの手紙だった。いつの間にかルファスから取り返していたらしい。イリーシャの表情がこわばるのを、愉しそうに見つめた。
「妻の私信を盗み読むほど狭量な男ではないさ。これはきみに返そう」
目元に笑みの余韻を漂わせ、イリーシャの目の前に手紙をぶら下げる。彼女はそれを受け取ろうと、まだ動きの鈍い腕を必死に上げた。桜色の爪が封筒の端を弱々しく引っ掻く。その鼻先で、彼はさっと手紙を引っ込めた。
ユージンの顔から、すべての表情が抜け落ちた。
「……なぜルファスを頼った?」
手紙をしまいこみ、ユージンはイリーシャを見下ろした。シーツの上で身をよじらせる彼女の腹を、手のひらで軽く押さえる。ほとんど力は入れられていないのに、身動きを封じられた。腹の奥が熱くなる。
「それほどまでに俺から逃げたかったか?」
イリーシャは瞬き一つできず、ただ彼を見上げることしかできない。頬からはどんどん血の気が引き、色を失っていった。何か言おうにも舌はもつれ、言葉にならない。
その様子を見て、ユージンの口元に自嘲するような笑みがよぎった。
「だろうな」
彼を恐ろしいと思ったことは幾度もある。得体の知れない彼の愛を、イリーシャはずっと恐れていた。
しかしどこかで、ユージンは決定的な一線は踏み越えない、と甘く見ていたところがあったように思う。結婚式でも初夜でも、結局、彼はイリーシャに手を出さなかった。口づけを交わしてさえ、彼女はユージンから逃げることができた。おそらく彼の抱える愛の重さゆえに、彼は身動きできなかった。
だから、イリーシャは勘違いしていた。
ユージンはイリーシャ以外の人間には不幸を振り撒く災禍だが、イリーシャには——弱みを見せる隙があるのでは?
彼女が神殿に行こうと思えたのも、その余裕を心の隅に潜ませていたからだ。ロビンの手紙が背中を強く押したとしても、その足を動かす原動力となったのは、致死的なことは起こらないだろうという無邪気な楽観だった。
イリーシャは、ユージンに対して、徹底的に鈍感だった。
けれど今、ベッドの上で覚える恐怖は、過去のどれとも違っていた。
切実な愛を抱えながらも、今までユージンは余裕を持っていた。イリーシャの受け取り方は別として、彼なりに優しさやいたわりを持って接していた。それを引き剥がされた彼がどうするか、イリーシャは決定的に読み違えた。
ユージンがイリーシャを失おうというとき——これほどむき出しの狂気をさらすなど。
ユージンがベッドに乗り上げ、彼女の華奢な体を覆い隠す。彼の顔は逆光に沈んでいて、表情はよく読み取れない。ただ赤い瞳だけが爛々と底光りしていた。
「悪いが、俺はイルを手放すつもりはない」
瞼にキスを落とされる。唇でぐっと眼球を圧迫されて、喉が震えた。ユージンは吐息だけで笑う。
そのまま唇に噛みつかれた。弱々しく逃れようとするイリーシャの顎を手荒に掴み、容赦なく口内を蹂躙していく。イリーシャの口からあえかな吐息が漏れた。青ざめていた頬が薔薇色に染まる。それを見とめたユージンの、危うい目つきが甘く蕩けた。
「ベッドの上でそんな顔をして、俺にこの先何をされるか考えたことはないのか?」
こつん、と額が合わせられる。可愛らしい恋人同士のような仕草は、けれどその瞳の不穏さが裏切っていた。
「それとも、俺はそんなことをしないと思い込んでるのか? 可愛いな」
ユージンの指がイリーシャの胸元に伸びる。ドレスの胸先を留めているサテンのリボンをしゅるりと解いた。ビスチェのレースの縁取りが、花のこぼれるようにあらわになる。ユージンが身を屈め、胸元に口づけた。ちり、と痛みが走る。
「それも仕方ないか。俺は愛する人にキスしたら逃げられるような男だからな。あれは堪えたぞ」
くっ、と喉を鳴らして笑う。胸元に吐息がかかり、くすぐったさにイリーシャの体が小刻みに震えた。
「なあ、イル、教えてくれ。どうしたら俺はきみを手元に留めておける?」
何度も胸にキスを落としながら、ユージンが問う。イリーシャを辛くも守っていた、真っ白なビスチェのリボンもほどかれて、彼女はいまや急所を無防備にさらしている状態だった。ユージンのよく手入れされた爪が、つ、とイリーシャの脇腹をなぞる。
「もういっそ今ここで抱いてしまえば、少なくとも俺は忘れられない男になれるか? この先どんな男がきみに触れても、その度に俺を思い出すようなやり方で抱いてやろうか?」
イリーシャはぐらりと目眩を覚えた。経験のない彼女には想像もつかないが、おそらく酷い目に遭うだろう。死んだ方が良いくらいの痛みや苦しみを味わい、一生彼女が誰にも寄り添えなくなるような方法で純潔を奪われるに違いない。
ユージンがイリーシャの瞳を覗き、もの柔らかに微笑みかけた。
「そんなに怯えないでくれ。抑えが効かなくなる」
恐怖にひずむイリーシャの視界に、ユージンの首元が映った。イリーシャはハッと呼吸を止め、冷え切った指を伸べた。縊られた罪人のように、ぐるりと首に巻きつく呪紋をなぞる。ユージンがその手を優しく掴んだ。
「神殿が……ジーンの呪いを解くと」
「ああ、そんなことも言っていたな」
掴んだ手首に唇を這わせながら、そっけなく頷く。脈が速くなるのを気取られて、イリーシャの手のひらに汗がにじんだ。
「もっと、生きたいとは思わないのですか?」
「イルのいない人生を?」
ユージンは片目をすがめ、唇の端を歪めた。イリーシャの手に頬を寄せ、心地よさそうに瞼を閉じる。
「それに何の意味がある?」
迷いのない口調だった。ユージンは心の底から、本気で、イリーシャのいない人生には生きる価値がないと断じているのだ。もはや彼自身の命さえ、彼にとっては交渉材料になり得なかった。
イリーシャの指に自分の指を絡め、そっとシーツに押し付ける。イリーシャの指がのけぞるように開かれた。
ユージンが、流れるように話し出した。
「ルファスは次に何を言うだろうな? 神殿の簒奪者に文句をつけにくるか? 神殿には、保護対象者の安全を守るために自治権が与えられている。公爵家相手でも一歩も引かないだろうよ。ましてやイルを手に入れるためだ。強引な手段も使うだろうさ」
「それなら……」
「——だが、イルの足でも切り落として送りつければ、あいつも黙るだろう」
睦言を囁くような甘やかさで、恐ろしいことを告げる。足の付け根にユージンの指が触れた。鋭い刃を押し付けられたように冷たい。
「腕もいいな。イルの腕は、きっとそれだけで美しい」
指先が腕のラインをゆるやかに辿る。美術品を愛でるような手つきだった。
「いっそ全てを切り落としてしまうか。そうすれば、イルはもう俺から離れられない。誰にも奪われない。……安心しろ。俺が小さくなったきみを抱えて何処へでも連れていってやるから」
そう言って、ユージンは例えようもなく幸福そうに微笑った。
それでイリーシャを繋ぎ止めていた糸が切れた。彼女は気を失った。
いや、紅茶を飲んでいなくても、指先ひとつ動かせなかったかもしれない。
それほどにユージンから発せられる怒気は激しく、ビリビリと肌を痺れさせるほどだった。赤い瞳には紛れもない憤怒が揺らめき、こめかみが脈打っている。イリーシャを抱える腕には骨を砕きそうなほどの力がこめられ、硬く筋が浮き出していた。
無言のまま寝室に運び込まれ、ベッドに横たえられる。
イリーシャの目元に髪がかぶさる。ベッドに腰かけたユージンが指を伸ばし、丁寧に払いのけた。瞳孔の開ききった金の瞳があらわになる。
ユージンがふっと笑った。
「……イル、平気か?」
それがこの上なく甘やかな声だったので、イリーシャはちいさく震えた。額に冷たい汗が流れる。
「……わ、私は」
「うん? 何を怯えているんだ?」
ユージンはこの場に不釣り合いなほど明るい笑い声をあげた。広々とした寝室に、残響が虚ろに散らばる。「それにしても」と懐からひらりと何かを取り出した。
「神殿とは考えたな。ロビンの入れ知恵か?」
彼の手にあるのはロビンの手紙だった。いつの間にかルファスから取り返していたらしい。イリーシャの表情がこわばるのを、愉しそうに見つめた。
「妻の私信を盗み読むほど狭量な男ではないさ。これはきみに返そう」
目元に笑みの余韻を漂わせ、イリーシャの目の前に手紙をぶら下げる。彼女はそれを受け取ろうと、まだ動きの鈍い腕を必死に上げた。桜色の爪が封筒の端を弱々しく引っ掻く。その鼻先で、彼はさっと手紙を引っ込めた。
ユージンの顔から、すべての表情が抜け落ちた。
「……なぜルファスを頼った?」
手紙をしまいこみ、ユージンはイリーシャを見下ろした。シーツの上で身をよじらせる彼女の腹を、手のひらで軽く押さえる。ほとんど力は入れられていないのに、身動きを封じられた。腹の奥が熱くなる。
「それほどまでに俺から逃げたかったか?」
イリーシャは瞬き一つできず、ただ彼を見上げることしかできない。頬からはどんどん血の気が引き、色を失っていった。何か言おうにも舌はもつれ、言葉にならない。
その様子を見て、ユージンの口元に自嘲するような笑みがよぎった。
「だろうな」
彼を恐ろしいと思ったことは幾度もある。得体の知れない彼の愛を、イリーシャはずっと恐れていた。
しかしどこかで、ユージンは決定的な一線は踏み越えない、と甘く見ていたところがあったように思う。結婚式でも初夜でも、結局、彼はイリーシャに手を出さなかった。口づけを交わしてさえ、彼女はユージンから逃げることができた。おそらく彼の抱える愛の重さゆえに、彼は身動きできなかった。
だから、イリーシャは勘違いしていた。
ユージンはイリーシャ以外の人間には不幸を振り撒く災禍だが、イリーシャには——弱みを見せる隙があるのでは?
彼女が神殿に行こうと思えたのも、その余裕を心の隅に潜ませていたからだ。ロビンの手紙が背中を強く押したとしても、その足を動かす原動力となったのは、致死的なことは起こらないだろうという無邪気な楽観だった。
イリーシャは、ユージンに対して、徹底的に鈍感だった。
けれど今、ベッドの上で覚える恐怖は、過去のどれとも違っていた。
切実な愛を抱えながらも、今までユージンは余裕を持っていた。イリーシャの受け取り方は別として、彼なりに優しさやいたわりを持って接していた。それを引き剥がされた彼がどうするか、イリーシャは決定的に読み違えた。
ユージンがイリーシャを失おうというとき——これほどむき出しの狂気をさらすなど。
ユージンがベッドに乗り上げ、彼女の華奢な体を覆い隠す。彼の顔は逆光に沈んでいて、表情はよく読み取れない。ただ赤い瞳だけが爛々と底光りしていた。
「悪いが、俺はイルを手放すつもりはない」
瞼にキスを落とされる。唇でぐっと眼球を圧迫されて、喉が震えた。ユージンは吐息だけで笑う。
そのまま唇に噛みつかれた。弱々しく逃れようとするイリーシャの顎を手荒に掴み、容赦なく口内を蹂躙していく。イリーシャの口からあえかな吐息が漏れた。青ざめていた頬が薔薇色に染まる。それを見とめたユージンの、危うい目つきが甘く蕩けた。
「ベッドの上でそんな顔をして、俺にこの先何をされるか考えたことはないのか?」
こつん、と額が合わせられる。可愛らしい恋人同士のような仕草は、けれどその瞳の不穏さが裏切っていた。
「それとも、俺はそんなことをしないと思い込んでるのか? 可愛いな」
ユージンの指がイリーシャの胸元に伸びる。ドレスの胸先を留めているサテンのリボンをしゅるりと解いた。ビスチェのレースの縁取りが、花のこぼれるようにあらわになる。ユージンが身を屈め、胸元に口づけた。ちり、と痛みが走る。
「それも仕方ないか。俺は愛する人にキスしたら逃げられるような男だからな。あれは堪えたぞ」
くっ、と喉を鳴らして笑う。胸元に吐息がかかり、くすぐったさにイリーシャの体が小刻みに震えた。
「なあ、イル、教えてくれ。どうしたら俺はきみを手元に留めておける?」
何度も胸にキスを落としながら、ユージンが問う。イリーシャを辛くも守っていた、真っ白なビスチェのリボンもほどかれて、彼女はいまや急所を無防備にさらしている状態だった。ユージンのよく手入れされた爪が、つ、とイリーシャの脇腹をなぞる。
「もういっそ今ここで抱いてしまえば、少なくとも俺は忘れられない男になれるか? この先どんな男がきみに触れても、その度に俺を思い出すようなやり方で抱いてやろうか?」
イリーシャはぐらりと目眩を覚えた。経験のない彼女には想像もつかないが、おそらく酷い目に遭うだろう。死んだ方が良いくらいの痛みや苦しみを味わい、一生彼女が誰にも寄り添えなくなるような方法で純潔を奪われるに違いない。
ユージンがイリーシャの瞳を覗き、もの柔らかに微笑みかけた。
「そんなに怯えないでくれ。抑えが効かなくなる」
恐怖にひずむイリーシャの視界に、ユージンの首元が映った。イリーシャはハッと呼吸を止め、冷え切った指を伸べた。縊られた罪人のように、ぐるりと首に巻きつく呪紋をなぞる。ユージンがその手を優しく掴んだ。
「神殿が……ジーンの呪いを解くと」
「ああ、そんなことも言っていたな」
掴んだ手首に唇を這わせながら、そっけなく頷く。脈が速くなるのを気取られて、イリーシャの手のひらに汗がにじんだ。
「もっと、生きたいとは思わないのですか?」
「イルのいない人生を?」
ユージンは片目をすがめ、唇の端を歪めた。イリーシャの手に頬を寄せ、心地よさそうに瞼を閉じる。
「それに何の意味がある?」
迷いのない口調だった。ユージンは心の底から、本気で、イリーシャのいない人生には生きる価値がないと断じているのだ。もはや彼自身の命さえ、彼にとっては交渉材料になり得なかった。
イリーシャの指に自分の指を絡め、そっとシーツに押し付ける。イリーシャの指がのけぞるように開かれた。
ユージンが、流れるように話し出した。
「ルファスは次に何を言うだろうな? 神殿の簒奪者に文句をつけにくるか? 神殿には、保護対象者の安全を守るために自治権が与えられている。公爵家相手でも一歩も引かないだろうよ。ましてやイルを手に入れるためだ。強引な手段も使うだろうさ」
「それなら……」
「——だが、イルの足でも切り落として送りつければ、あいつも黙るだろう」
睦言を囁くような甘やかさで、恐ろしいことを告げる。足の付け根にユージンの指が触れた。鋭い刃を押し付けられたように冷たい。
「腕もいいな。イルの腕は、きっとそれだけで美しい」
指先が腕のラインをゆるやかに辿る。美術品を愛でるような手つきだった。
「いっそ全てを切り落としてしまうか。そうすれば、イルはもう俺から離れられない。誰にも奪われない。……安心しろ。俺が小さくなったきみを抱えて何処へでも連れていってやるから」
そう言って、ユージンは例えようもなく幸福そうに微笑った。
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