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第1章

誰?

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「んんっ……」

 頭の痛さと共に目を開けると知らない場所だった。
 



「…ここ…どこ…?」
   重たい体を持ち上げて周りを見渡すと、オシャレなクローゼットに一人がけ用のソファ、そして私が寝ていたベッドは1人では勿体ないくらい大きくて、部屋一帯ピンクで染められている。

全てが私の好みで、まるで私のために作られたような部屋に目を輝かせる。
いやいやいやと首を振り私の左方向にある鉄のドアに目を向ける。

……なんで私家に居ないんだろう。本当にここは何処?

何処か分からないのに怖さを感じない自分に驚く。

   ベッドの横に足をだすが背が低い私には地面に届かなく、少しジャンプをしてベッドを下り、ドアへと向かう。

誰かいたらどうしよう…帰らしてくれるかな……そうだ、お礼を行ってダッシュで帰ろう!

   ドアの前に立ち、1回息を吸ってドアを開ける。

ガチャ

下に向いている顔を徐々に上に上げる。


顔を上げると、5人の知らない人が私を見ていた。

「詩音大丈夫か?」
一人の人が私に声をかけると心配そうな顔をしていた。

綺麗な顔してるなぁ……

いや、違うよ…………なんで私の名前知ってるの?

私なにかして、助けてもらったのかな?頭痛いし……

   ささっと出口のようなドアの前に行って男の人達の方を向き、お辞儀をする。

「あ。ありがとうございました…!」

   ガチャっとドアを明けて全力で傍の階段を降りて出口であろう所に走る。

「詩音さん!大丈夫なんですか?!」

下に降りると知らない人達が私を呼んでいたがペコッとお辞儀をして出口へ向かう。

「おいっ!詩音!」

大きな声に振り向くとさっき居た5人の中の黒髪の人だった。

「あ…すみません!よく分からないですけど助けてくださってありがとうございます!」

そう言って出口を出た。


   出口を出た所からさっきまで居た建物が見えなくなるまで走ると、家の帰り方が分からなかったが奇跡的にポケットにあった携帯のナビで家に帰ることにした。

プルルルルルルルル

携帯が手の中で震える。

…雪峰隼人…?誰だ?

着信が切れたので、電話と言うアイコンをタップし連絡先を確認すると知らない人の電話が自分の携帯に沢山入っており少し不安を抱く。

乗車中に電話がかかってきてもあれなので電源を切る。

駅員さんに聞き、電車を乗り継いで最寄り駅に着いた。

そこで電源を入れると液晶画面に並ぶのは不在着信25件の文字

「…怖い」

これは流石に怖いでしょ……身震いしながらも自分が出来ることを真剣に考える。

そうだ!美里ちゃんに電話しよう!

   親友の美里ちゃんに電話をかけると3コール目で通話状態になった。

「もしもし?詩音?大丈夫なの?!」

知っている声に安心しながらも今から会いたいという事を伝える。

「?大丈夫だよ?それよりさ今から美里ちゃんの家行っていい?」

「…別に良いけど…本当に大丈夫?」

不思議に思いながらも、もうすぐで着くから、と言って電話を切り、駅から近い美里ちゃんの家に向かって走る。



   毎日のように来ている美里ちゃんの家の前に着くと大きいお家の門の少し高い所にあるインターホンを背伸びしながら押す。

「はい?どちら様でしょうか?」

「高崎です!」

「あぁ。詩音ちゃんね。どうぞ。」

小さくて頭の上だけしか見えない私とお手伝いさんのテンプレの会話だ。

   大きい門が空き、見慣れた庭を見ながら少し遠いドアに向かった。





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