149 / 172
〇2章【波乱と温泉】
12節~きもち、わるい~ 1
しおりを挟む
「お前、ちょっとは自分で歩く努力をしろよ……!」
「え~? だってぇ、せんぱいの方からくっついてくれることなんてないからぁ」
「ダメだ、この酔っ払いは……」
とりとめのないやりとりを交わしながら、ももとヒロトが、半ば絡み合うような格好でテーブルにたどり着いた。
少し離れたその席には、見慣れた顔ぶれ――いつものチームメンバーが揃っている。
女子たちはすでにいい具合に出来上がっていて、どこか解放された空気で盛り上がっていたが、遅れて現れた二人の姿を目にして、ぴたりと動きを止めた。
「ちょっと、あなたたち……」
麻衣が、呆れを込めた視線を投げる。
浴衣の袖に絡みついて離れようとしないももと、その腕をどう扱うべきか迷いながら歩いてくるヒロトの姿は、誤解を生むには十分すぎる光景だった。
彼女が何を想像しているか、ヒロトにも手に取るように分かる。
弁明しようと口を開くより早く、ちひろの陽気な声が宴会場の喧騒に負けないボリュームで響いた。
「ヒロトさん、公開いちゃいちゃはマズイですよぉ!」
よく通る声が、酔いのおかげでさらに増幅されている。
周囲の視線が一斉にこちらを向き、あちこちから冷やかし混じりの笑い声が起こった。
「やぁん、ちょっとせんぱい、変なトコ触らないでくださいよぉ」
「バカなこと言うな! ……とまぁ、このようにすっかり出来上がってるから、ちょっと介抱してやってくれ」
大きくため息をひとつ吐き、ヒロトはももの身柄を女子たちへと託す。
彼女はまだ名残惜しそうに腕にしがみついていたが、しおりが速やかにその体を引き寄せた。
「は~い……って、うわっ、天内ちゃん真っ赤っかじゃない!」
「そんなに楽しかったの?」
すみれも覗き込むようにして顔色を確認し、呆れ半分、心配半分といった声音を漏らす。
「ああっ、せんぱぁい」
ももはなおもヒロトへ縋ろうと手を伸ばすが、しおりとすみれが左右からがっちりと抱え込み、その腕を離させた。
「はいはい、こっち。女の子なんだから、人前ではお行儀よくね~?」
「はぁ~い……」
返事だけは素直だが、足取りは危うい。
それでも二人に支えられ、ももはなんとか席へと座らされる。
「無理して飲んだんだろ。井口たちのとこに入れられてたし」
ヒロトが状況を端的に付け加える。
その名が出た瞬間、空気がほんのりと引き締まったように感じた。
しかし、その鋭さを帯びかけた空気も、しおりたちの手際のよさに紛れてすぐに和らいでいく。
彼女たちは慣れた様子で、ももの浴衣の乱れを手早く整え、髪を耳にかけ直してやっていた。
「はい、これでよし。うん、せっかく可愛いんだから、ちゃんとしてなきゃ」
「え~? 可愛いなんて、そんなぁ……」
まるで姉と妹のようなやりとりに、テーブルの周りからくすくすと笑いが漏れる。
お役御免となったヒロトは、ようやく一息つくようにして、麻衣とキリカの間の空いた座布団に腰を落とした。
「お疲れ様」
麻衣が、グラスを軽く持ち上げながら労うように言う。
「ああ」
短く返しながら、ヒロトも手元のグラスを指先で回した。
麻衣もだいぶ気が抜けているようで、いつもより頬の赤みが濃い。
普段は飲みすぎにうるさい彼女の前にも、今はしっかりとアルコールの入ったグラスが鎮座していた。
「次はこっちの後輩ちゃんがお待ちかねみたいよ?」
からかうような声音でそう告げると、麻衣は顎で反対隣を示した。
視線を向けると、キリカがちょこんと座っていた。
火照った頬に、少し潤んだ瞳。
いつもの張り詰めたような肩の力が抜けて、ぽやぽやとした表情でグラスを抱えている。
「あ、先輩」
顔を上げたときの声も、どこか丸い。
そこには、普段のような警戒にも似た緊張感は見当たらなかった。
「なんだ、飲みすぎたか?」
「緊張で、いつもよりは……」
言葉を選ぶように言い淀む。
ヒロトは、ふと思い出して問いかけた。
「倉本が同じテーブルにいたろ、たしか」
その名前を聞いた途端、キリカの目が細くなる。
先ほどの一件を思い出したのだろう。
「あの人は、サイテーです」
「……あぁ、知ってる」
即答すると、二人の間に小さな笑いが生まれる。
グラスを手元でくるくる回しながら、キリカは少しだけ視線を落として続けた。
「……でも、色々話してくれました」
「…………ふーん」
ヒロトは曖昧に相槌を打ちながら、思わず倉本の方向へ顔を向けた。
遠くのテーブルで、当の本人はバカみたいな声を上げながら酒を呷っている。
余計なことは言っていないだろうな――と、睨むような視線を飛ばす。
「そっちこそ、何話してたんですか? なんか、どよめきが起きてましたけど」
キリカが首を傾げる。
さきほどの『ひろくん』騒動は、どうやらしっかり目撃されていたらしい。
「あー……」
ヒロトは苦笑し、無意識に頭をかいた。
さすがにあの出来事を、そのままの真実で伝えるわけにはいかない。
「ちょっと、恋愛トークが盛り上がっただけだ。気にすんな」
「そんな――」
「恋バナ!?」
言い終える前に、勢いよく割り込む声があった。
弾かれたように身を乗り出してきたのは、ちひろだった。
彼女の隣では、すみれが「また始まった」と言いたげに肩をすくめている。
「ちひろのテーブル、ずっと仕事と趣味の話だったんですって」
すみれが説明すると、ちひろは大げさに机に身を預けた。
「他の席ではみーんな誰と誰が怪しいとか、最悪だったデートの話とかしてたのに、私のところだけですよ!? 真面目かってくらい!」
「だから余計に飢えてるってわけね」
しおりが納得したように笑う。
その横では、ももが水を飲みながら、赤くなった自分の頬をぺちぺちと叩いていた。
「ずるいずるい! 私もお酒飲みながら甘酸っぱい話聞きたい!」
もはや駄々っ子のような口ぶりに、テーブル全体から笑いがこぼれた。
「恋バナって言ったってねぇ……このメンツじゃ、もう大した話出て来ないんじゃない?」
すみれがさらりと言う。
それに対して、恋愛話になればいつもは一歩引きがちなキリカが、珍しくぴしっと手を挙げた。
「あ、あの……藤田先輩って……も、モテるんですか?」
ぽつりと落ちた問いは、妙に真剣だった。
どこか切羽詰まったような、今ここで確かめなければならないとでも言いたげな表情。
まるで、何かの使命を背負っているかのような迫真さに――その瞬間、テーブルは水を打ったように静まり返った。
「ぷっ、あっはははっ!」
沈黙を破ったのは、しおりの吹き出す声だった。
続いて、ちひろも腹を抱える。
「な、なにその本気の顔!? 面談かなにか!?」
「あはははは! 明坂ちゃんが、すみれのスクープ持ってきた!」
「ち、違いますっ! そんなつもりじゃ……!」
キリカは慌てて両手を振り、真っ赤になった顔をぶんぶんと横に振る。
その様子がますますツボに入ったのか、周囲の笑いは収まりそうにない。
そんな中で、当のすみれだけが、穏やかな笑みを浮かべていた。
ほんの少しだけ目元を和らげ、落ち着いた声音で問い返す。
「モテるとかはないけど……それ、誰から聞いたの?」
「えっ? えっと、さっき倉本せんぱ――」
口にした瞬間、自分で自分の失言に気付いたように、キリカの動きが固まる。
けれど、吐いた言葉はもう飲み込めない。
「ふぅーーん……」
すみれはゆっくりと目を細めた。
口元には微笑が貼り付いたままだが、その内側で空気の温度がすっと変わる。
笑っているのに、まるで笑っていないような視線。
テーブルの温度が、ほんの少し下がったように感じられた。
ヒロトは、その様子を見ながら、心の中でそっと手を合わせる。
ご愁傷様――と、遠く別の席で何も知らずに酒を呷っている倉本に向けて、静かに念を送った。
「え~? だってぇ、せんぱいの方からくっついてくれることなんてないからぁ」
「ダメだ、この酔っ払いは……」
とりとめのないやりとりを交わしながら、ももとヒロトが、半ば絡み合うような格好でテーブルにたどり着いた。
少し離れたその席には、見慣れた顔ぶれ――いつものチームメンバーが揃っている。
女子たちはすでにいい具合に出来上がっていて、どこか解放された空気で盛り上がっていたが、遅れて現れた二人の姿を目にして、ぴたりと動きを止めた。
「ちょっと、あなたたち……」
麻衣が、呆れを込めた視線を投げる。
浴衣の袖に絡みついて離れようとしないももと、その腕をどう扱うべきか迷いながら歩いてくるヒロトの姿は、誤解を生むには十分すぎる光景だった。
彼女が何を想像しているか、ヒロトにも手に取るように分かる。
弁明しようと口を開くより早く、ちひろの陽気な声が宴会場の喧騒に負けないボリュームで響いた。
「ヒロトさん、公開いちゃいちゃはマズイですよぉ!」
よく通る声が、酔いのおかげでさらに増幅されている。
周囲の視線が一斉にこちらを向き、あちこちから冷やかし混じりの笑い声が起こった。
「やぁん、ちょっとせんぱい、変なトコ触らないでくださいよぉ」
「バカなこと言うな! ……とまぁ、このようにすっかり出来上がってるから、ちょっと介抱してやってくれ」
大きくため息をひとつ吐き、ヒロトはももの身柄を女子たちへと託す。
彼女はまだ名残惜しそうに腕にしがみついていたが、しおりが速やかにその体を引き寄せた。
「は~い……って、うわっ、天内ちゃん真っ赤っかじゃない!」
「そんなに楽しかったの?」
すみれも覗き込むようにして顔色を確認し、呆れ半分、心配半分といった声音を漏らす。
「ああっ、せんぱぁい」
ももはなおもヒロトへ縋ろうと手を伸ばすが、しおりとすみれが左右からがっちりと抱え込み、その腕を離させた。
「はいはい、こっち。女の子なんだから、人前ではお行儀よくね~?」
「はぁ~い……」
返事だけは素直だが、足取りは危うい。
それでも二人に支えられ、ももはなんとか席へと座らされる。
「無理して飲んだんだろ。井口たちのとこに入れられてたし」
ヒロトが状況を端的に付け加える。
その名が出た瞬間、空気がほんのりと引き締まったように感じた。
しかし、その鋭さを帯びかけた空気も、しおりたちの手際のよさに紛れてすぐに和らいでいく。
彼女たちは慣れた様子で、ももの浴衣の乱れを手早く整え、髪を耳にかけ直してやっていた。
「はい、これでよし。うん、せっかく可愛いんだから、ちゃんとしてなきゃ」
「え~? 可愛いなんて、そんなぁ……」
まるで姉と妹のようなやりとりに、テーブルの周りからくすくすと笑いが漏れる。
お役御免となったヒロトは、ようやく一息つくようにして、麻衣とキリカの間の空いた座布団に腰を落とした。
「お疲れ様」
麻衣が、グラスを軽く持ち上げながら労うように言う。
「ああ」
短く返しながら、ヒロトも手元のグラスを指先で回した。
麻衣もだいぶ気が抜けているようで、いつもより頬の赤みが濃い。
普段は飲みすぎにうるさい彼女の前にも、今はしっかりとアルコールの入ったグラスが鎮座していた。
「次はこっちの後輩ちゃんがお待ちかねみたいよ?」
からかうような声音でそう告げると、麻衣は顎で反対隣を示した。
視線を向けると、キリカがちょこんと座っていた。
火照った頬に、少し潤んだ瞳。
いつもの張り詰めたような肩の力が抜けて、ぽやぽやとした表情でグラスを抱えている。
「あ、先輩」
顔を上げたときの声も、どこか丸い。
そこには、普段のような警戒にも似た緊張感は見当たらなかった。
「なんだ、飲みすぎたか?」
「緊張で、いつもよりは……」
言葉を選ぶように言い淀む。
ヒロトは、ふと思い出して問いかけた。
「倉本が同じテーブルにいたろ、たしか」
その名前を聞いた途端、キリカの目が細くなる。
先ほどの一件を思い出したのだろう。
「あの人は、サイテーです」
「……あぁ、知ってる」
即答すると、二人の間に小さな笑いが生まれる。
グラスを手元でくるくる回しながら、キリカは少しだけ視線を落として続けた。
「……でも、色々話してくれました」
「…………ふーん」
ヒロトは曖昧に相槌を打ちながら、思わず倉本の方向へ顔を向けた。
遠くのテーブルで、当の本人はバカみたいな声を上げながら酒を呷っている。
余計なことは言っていないだろうな――と、睨むような視線を飛ばす。
「そっちこそ、何話してたんですか? なんか、どよめきが起きてましたけど」
キリカが首を傾げる。
さきほどの『ひろくん』騒動は、どうやらしっかり目撃されていたらしい。
「あー……」
ヒロトは苦笑し、無意識に頭をかいた。
さすがにあの出来事を、そのままの真実で伝えるわけにはいかない。
「ちょっと、恋愛トークが盛り上がっただけだ。気にすんな」
「そんな――」
「恋バナ!?」
言い終える前に、勢いよく割り込む声があった。
弾かれたように身を乗り出してきたのは、ちひろだった。
彼女の隣では、すみれが「また始まった」と言いたげに肩をすくめている。
「ちひろのテーブル、ずっと仕事と趣味の話だったんですって」
すみれが説明すると、ちひろは大げさに机に身を預けた。
「他の席ではみーんな誰と誰が怪しいとか、最悪だったデートの話とかしてたのに、私のところだけですよ!? 真面目かってくらい!」
「だから余計に飢えてるってわけね」
しおりが納得したように笑う。
その横では、ももが水を飲みながら、赤くなった自分の頬をぺちぺちと叩いていた。
「ずるいずるい! 私もお酒飲みながら甘酸っぱい話聞きたい!」
もはや駄々っ子のような口ぶりに、テーブル全体から笑いがこぼれた。
「恋バナって言ったってねぇ……このメンツじゃ、もう大した話出て来ないんじゃない?」
すみれがさらりと言う。
それに対して、恋愛話になればいつもは一歩引きがちなキリカが、珍しくぴしっと手を挙げた。
「あ、あの……藤田先輩って……も、モテるんですか?」
ぽつりと落ちた問いは、妙に真剣だった。
どこか切羽詰まったような、今ここで確かめなければならないとでも言いたげな表情。
まるで、何かの使命を背負っているかのような迫真さに――その瞬間、テーブルは水を打ったように静まり返った。
「ぷっ、あっはははっ!」
沈黙を破ったのは、しおりの吹き出す声だった。
続いて、ちひろも腹を抱える。
「な、なにその本気の顔!? 面談かなにか!?」
「あはははは! 明坂ちゃんが、すみれのスクープ持ってきた!」
「ち、違いますっ! そんなつもりじゃ……!」
キリカは慌てて両手を振り、真っ赤になった顔をぶんぶんと横に振る。
その様子がますますツボに入ったのか、周囲の笑いは収まりそうにない。
そんな中で、当のすみれだけが、穏やかな笑みを浮かべていた。
ほんの少しだけ目元を和らげ、落ち着いた声音で問い返す。
「モテるとかはないけど……それ、誰から聞いたの?」
「えっ? えっと、さっき倉本せんぱ――」
口にした瞬間、自分で自分の失言に気付いたように、キリカの動きが固まる。
けれど、吐いた言葉はもう飲み込めない。
「ふぅーーん……」
すみれはゆっくりと目を細めた。
口元には微笑が貼り付いたままだが、その内側で空気の温度がすっと変わる。
笑っているのに、まるで笑っていないような視線。
テーブルの温度が、ほんの少し下がったように感じられた。
ヒロトは、その様子を見ながら、心の中でそっと手を合わせる。
ご愁傷様――と、遠く別の席で何も知らずに酒を呷っている倉本に向けて、静かに念を送った。
0
あなたにおすすめの小説
おじさんは予防線にはなりません
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
「俺はただの……ただのおじさんだ」
それは、私を完全に拒絶する言葉でした――。
4月から私が派遣された職場はとてもキラキラしたところだったけれど。
女性ばかりでギスギスしていて、上司は影が薄くて頼りにならない。
「おじさんでよかったら、いつでも相談に乗るから」
そう声をかけてくれたおじさんは唯一、頼れそうでした。
でもまさか、この人を好きになるなんて思ってもなかった。
さらにおじさんは、私の気持ちを知って遠ざける。
だから私は、私に好意を持ってくれている宗正さんと偽装恋愛することにした。
……おじさんに、前と同じように笑いかけてほしくて。
羽坂詩乃
24歳、派遣社員
地味で堅実
真面目
一生懸命で応援してあげたくなる感じ
×
池松和佳
38歳、アパレル総合商社レディースファッション部係長
気配り上手でLF部の良心
怒ると怖い
黒ラブ系眼鏡男子
ただし、既婚
×
宗正大河
28歳、アパレル総合商社LF部主任
可愛いのは実は計算?
でももしかして根は真面目?
ミニチュアダックス系男子
選ぶのはもちろん大河?
それとも禁断の恋に手を出すの……?
******
表紙
巴世里様
Twitter@parsley0129
******
毎日20:10更新
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
ワケあり上司とヒミツの共有
咲良緋芽
恋愛
部署も違う、顔見知りでもない。
でも、社内で有名な津田部長。
ハンサム&クールな出で立ちが、
女子社員のハートを鷲掴みにしている。
接点なんて、何もない。
社内の廊下で、2、3度すれ違った位。
だから、
私が津田部長のヒミツを知ったのは、
偶然。
社内の誰も気が付いていないヒミツを
私は知ってしまった。
「どどど、どうしよう……!!」
私、美園江奈は、このヒミツを守れるの…?
オフィスにラブは落ちてねぇ!! 2
櫻井音衣
恋愛
会社は賃金を得るために
労働する場所であって、
異性との出会いや恋愛を求めて
来る場所ではない。
そこにあるのは
仕事としがらみと
お節介な優しい人たちとの
ちょっと面倒な人間関係だけだ。
『オフィスにはラブなんて落ちていない』
それが持論。
ある保険会社の支部内勤事務員で
社内では評判の
“明るく優しく仕事の速い内勤さん”
菅谷 愛美 、もうすぐ27歳、独身。
過去のつらい恋愛経験で心が荒み、
顔で笑っていつも心で毒を吐く。
好みのタイプは
真面目で優しくて性格の穏やかな
草食系眼鏡男子。
とにかく俺様男は大嫌い!!
……だったはず。
社内でも評判の長身イケメンエリートで
仏頂面で無茶な仕事を押し付ける
無愛想な俺様支部長
緒川 政弘、33歳、独身。
実は偽装俺様の彼は仕事を離れると
従順な人懐こい大型犬のように可愛く、
とびきり甘くて優しい愛美の恋人。
愛美と“政弘さん”が付き合い始めて4か月。
仕事で忙しい“政弘さん”に
無理をさせたくない愛美と
愛美にもっとわがままを言って
甘えて欲しい“政弘さん”は
お互いを気遣い遠慮して
言いたい事がなかなか言えない。
そんなある日、
二人の関係を揺るがす人物が現れて……。
上司がSNSでバズってる件
KABU.
恋愛
広告代理店で働く新入社員・**藤原真由(24)**は、
厳しいけれどどこか優しい上司・**柊誠(35)**に、
いつしか淡い憧れを抱いていた。
ある夜、SNSで話題になっていたアカウント
《#理想の上司はこうあってほしい》の投稿に心を打たれ、
「この人みたいな上司に出会いたい」と呟いた真由。
――けれど、まさかその“理想の上司”が、
いつも自分を叱っていた柊課長本人だなんて。
匿名のSNSで惹かれ合う二人。
けれど現実では、上司と部下。
秘密がバレた瞬間、関係はどう変わるのか。
理想と現実が交差する、少し切なくて温かいオフィス・ラブストーリー。
包んで、重ねて ~歳の差夫婦の極甘新婚生活~
吉沢 月見
恋愛
ひたすら妻を溺愛する夫は50歳の仕事人間の服飾デザイナー、新妻は23歳元モデル。
結婚をして、毎日一緒にいるから、君を愛して君に愛されることが本当に嬉しい。
何もできない妻に料理を教え、君からは愛を教わる。
【完結】夕凪のピボット
那月 結音
恋愛
季節は三度目の梅雨。
大学入学を機に日本で暮らし始めた佐伯瑛茉(さえきえま)は、住んでいたマンションの改築工事のため、三ヶ月間の仮住まいを余儀なくされる。
退去先が決まらず、苦慮していた折。
バイト先の店長から、彼の親友である九条光学副社長、九条崇弥(くじょうたかや)の自宅を退去先として提案される。
戸惑いつつも、瑛茉は提案を受け入れることに。
期間限定同居から始まる、女子大生と御曹司の、とある夏のおはなし。
✴︎ ゚・*:.。..。.:*・゜✴︎ ゚・*:.。..。.:*・゜✴︎ ゚・*:.。..。.:*・゜✴︎
【登場人物】
・佐伯 瑛茉(さえき えま)
文学部3年生。日本史専攻。日米ハーフ。
22歳。160cm。
・九条 崇弥(くじょう たかや)
株式会社九条光学副社長。
32歳。182cm。
・月尾 悠(つきお はるか)
和モダンカフェ『月見茶房』店主。崇弥の親友。
32歳。180cm。
✴︎ ゚・*:.。..。.:*・゜✴︎ ゚・*:.。..。.:*・゜✴︎ ゚・*:.。..。.:*・゜✴︎
※2024年初出
こじらせ女子の恋愛事情
あさの紅茶
恋愛
過去の恋愛の失敗を未だに引きずるこじらせアラサー女子の私、仁科真知(26)
そんな私のことをずっと好きだったと言う同期の宗田優くん(26)
いやいや、宗田くんには私なんかより、若くて可愛い可憐ちゃん(女子力高め)の方がお似合いだよ。
なんて自らまたこじらせる残念な私。
「俺はずっと好きだけど?」
「仁科の返事を待ってるんだよね」
宗田くんのまっすぐな瞳に耐えきれなくて逃げ出してしまった。
これ以上こじらせたくないから、神様どうか私に勇気をください。
*******************
この作品は、他のサイトにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる