自然食品店の熟女店長とパートのボクの切ない恋物語

しらかわからし

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第10話 勤務30日目 別れの知らせ、静かに訪れる転機

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由香里さんをはじめ、お客様、ご近所の方々、そしてスーパーのスタッフたち。  

この職場には、優しさと温もりが溢れていて、僕はこの環境で花の勉強ができることに心から感謝していた。


由香里さんから教えてもらうことは多く、まだまだ勉強不足だと感じることもある。
  
それでも、理想の自分に近づけるように、日々努力を重ねていた。

お客様に「和也君に頼んで良かった」と思ってもらえるように、これからも真剣に仕事と向き合っていきたい。  

そんな思いで、僕は毎朝一時間早く出勤し、タイムカードを押す前に花の世話を済ませるようにしていた。

そのことを由香里さんは知らなかった。  

けれど、彼女の休務日に店長代理として来ていた麻衣子さんが気づき、由香里さんに伝えてくれた。

翌日、由香里さんはその話を聞いて、「出てきた時にタイムカードを押しなさい」と言ってくれた。  

でも僕は、見習いの今だからこそ、できることを積み重ねていきたいと思っていた。

◇◆◇

今朝、由香里さんから大切な話を聞かされた。

彼女の母親が若年性認知症を患い、自宅で介護をしなければならなくなったという。  

父親はすでに他界していて、母親は独り暮らし。 
 
由香里さんが帰らなければ、誰も看る人がいない状況だった。

実家は静岡県清水市。  
この会社の支店は県庁所在地にしかなく、通勤は不可能だった。

だから、今月いっぱいで退職することが決まっていた。  

そのことを僕に言い出せず、ずっと悩んでいたという。

年次有給休暇を使って、残り一日だけの出勤。  

それが、由香里さんとこの店で過ごす最後の日になる。

僕が入社する前から、彼女の退職は決まっていた。  

それでも、僕は彼女と過ごした日々を、かけがえのない時間として胸に刻んでいた。

つづく

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