スキル「奴隷化」をはね返され、ヤンデレなスライムの奴隷になった!

倉持コウスケ

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第24話 アンズと海へ

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「また出かけるのか? いいけどさ、新居を建てて、二人で日常生活を送るのもいいと思うよ?」

 アンズが、座ってる俺の膝に、体をこすりつけながら言う。

 蹴り飛ばしたい。

「いいじゃん! 温泉楽しかったからさ、今度は海に行こう、海に」

「えー! ヌカタ、水着姿の女の子に色目使わないかなあ。私も変化して水着きようかな。こういう体だから、心配なんだよな」

「そんなことしないって」

 本当にしないわ! おまえ嫉妬深いから、海にいる女の子全員食べかねないだろうが! だいたい、人間を食べないって約束だって、この先も守ってくれるのかあやしいもんだ!

「でも、ヌカタが遊びに行きたいって言うならいいよ! もう! 私はインドアな人間より、アウトドアな方がいいけどさ、ヌカタみたいに落ち着きのない彼氏だと、大変だよ!」

 俺だって、おまえみたいな狂ったスライムと一緒だと大変だよ!


 腕がいいと評判の封じ師は、ネンスーという小さな町に住んでいると聞いた。
 巨大で真っ白な翼をはやしたアンズにのり、一気に飛んだ。

 俺はこのアンズが勿論死ぬほど嫌いだが、こういうときには非常に役に立つ。

 ネンスーにつき、すぐ腕のいい封じ師に会いに行きたかったが、サイコ大福のアンズが「ヌカタ、海に行こう!」とほざくので、まず一緒に海に入りに行った。

 当然水着姿の女性もいたが、殺されたらかわいそうなので、アンズをじっと見ていた。見たくもないのに。

「ちょっと、なに私をじぃっと見てるの? もう」

 巨大な大福がかわいい声で喋るから、周りの人間がギョッとして見る。

「人間の姿になろうかな。ヌカタは色白と日焼けしてる女性、どっちが好み?」

 こういうことを聞かれると、マジでむかつく。どっちも好きだが、お前が変化した女は、死ぬほど嫌いだよ。
 だいたいさ、最近なんかなれなれしいんだよな。一度言ってやろうかな。

 いやいや、だめだ。ほかに好きな人ができたんだとか言って、適当な女性を殺すかもしれない。やけ食いしちゃったよ、なんて言って、町の人口を半分にしちゃうかもしれない。

 穏やかに行け。
 奴隷状態から解放され、スキル封じ師に協力を仰げば、こんなサイコ大福始末できる。
 落ち着け。

「アンズそのものが、俺は好きだよ。わかってるくせに」

 うおォォォォォ! 自分で言いながら死にてえェェェェェェ! 何ばかなこと言ってんだよ! 気持ち悪いんだよ! いまどき大学生のバカップルでも、こんなこと言わないわ!

 ああああ! はちみつを一気飲みしたいみたいな不快感があるわ! うえええええェェェェ!

「ヌカタ、もう、バカ」

 ああ、そうだよ! 俺はバカだよ! だがな、大福! お前だって馬鹿だからな! こんなばからしいこと言って、うわああああ、この大福、ちょっと赤くなってる!

 中身がちょっと透けてみるイチゴ大福みたいになってる!
 なんでこんなバカを、照れさせなくちゃいけないんだよ!

 最低だよ!

「愛してくれてるのはわかったよ。でも、ヌカタの浮気が心配だから、変化しておく」
 コノハ・オオカミを大量に喰らって得た、変化の力を使った。

 バカスライムのアンズは、160センチほどの、胸の大きな色白の美女に変化した。
 桃色の水着を着て、俺に微笑む。

「どうかな。煽情的?」

 なぁぁぁぁにが「煽情的?」だ、バカ!
 そんなセリフ、昔の巨乳アイドルだって言わないわ!

「ああ、アンズはいつもきれいだよ。行こう」

「うん!」

 畜生ォォォ! せっかくかわいい水着の女たちがいるのに、こんな化け物大福と海に入るなんて! でも、見た目はいいよなあ。
 かわいいよ。胸も大きいよ。
 でも、化け物サイコ大福なんだよなあ。


 アンズの阿呆に付き合って、結局三時間も海で遊ばねばいけなかった。
 アホなカップルがやってるのを見て、アンズは俺を砂に埋め始めた。顔だけ出して埋めて「キャハハハ」と楽しそうに笑うので、ぶっ殺したかったが、「もう、だしてくれよー」と情けない声を上げたら、もっと喜んだよ。

 そばのホテルに宿をとり、アンズが「海の魔物でも食べてくるよ」と言うので、封じ師を訪ねることにした。

 不安だなあ。
 アンズが人間を食べなくなったことはいいが、モンスターを食べて、もっと強くなったらどうしよう。

 だが何も食べるななんて言えないものなぁ。
 さっさとスキル封じ師に話を聞いてもらうしかないな。
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