50 / 55
予知夢のなかの予知夢
しおりを挟む
友神との通話を終わらせたディアマンティアナは、彼女のすすめに従って酎ハイをグビグビ飲んでいた。
「……うん。目は覚めてるみたい。お酒飲んだら夢か現実か分かるって言ってたけど、ホントかなあ」
ディアマンティアナは、どきどきしながらグルグルマップを立ち上げた。リアルタイムモードに切り替えて、もう何回も打ち込んだ座標をタップする。
さっき友神と話す前。
泣いて居眠りしてしまう前は、確かになにもなかった座標。
しかし今、その場所には――
「ディアランド……ッ」
――ちゃんとある!!!
「じゃあ……じゃあ、今までのが全部予知夢だったってこと!!??」
ディアランドの滅亡はあくまでオマケで、最初の予知夢が本当に伝えたかったのは、ディアマンティアナ自身に降りかかる運命。下界に手出ししたせいで主神に怒られ、たくさんお手伝いをさせられる運命だったのだ。
「ええ~……わ、わたしいつから予知夢見てたの!?」
ディアマンティアナは手を一振りし、青空に星の運行表を映し出す。神々のカレンダーや時計のようなものだ。
「今日は――まだホウキ星落下前だ!」
運行表にひとつだけ、奇妙な動きの破線がある。あれがホウキ星だ。
「そうそう!思い出した!思い出してきた!」
そもそも、ややこしいことに予知夢の中で『ホウキ星の予知夢』を見たとき、ディアマンティアナはとても寝不足だったのだ。前日にアレアフォルトナがファンミ落選の愚痴電話をかけてきて、一晩中それに付き合ったから。
「その電話が今日かかってきた!ということは、明日がホウキ星の予知夢を見る日なんだわ!ん?予知夢の中で見た予知夢ってなんだったんだろ?ん?あれ?」
考えようとしたが、頭がこんがらがりそうなので止めた。
実はディアランドのおかげで、ディアマンティアナの信者がひそかに10万人を超え、他者への災い『ホウキ星落下の予知夢』を見ることが出来ただけなのだが、少しの差で自分の予知夢と重なって分からなくなっていたのだ。
目下の問題は、このホウキ星。
こいつがそもそもの元凶だ。
「……うん。目は覚めてるみたい。お酒飲んだら夢か現実か分かるって言ってたけど、ホントかなあ」
ディアマンティアナは、どきどきしながらグルグルマップを立ち上げた。リアルタイムモードに切り替えて、もう何回も打ち込んだ座標をタップする。
さっき友神と話す前。
泣いて居眠りしてしまう前は、確かになにもなかった座標。
しかし今、その場所には――
「ディアランド……ッ」
――ちゃんとある!!!
「じゃあ……じゃあ、今までのが全部予知夢だったってこと!!??」
ディアランドの滅亡はあくまでオマケで、最初の予知夢が本当に伝えたかったのは、ディアマンティアナ自身に降りかかる運命。下界に手出ししたせいで主神に怒られ、たくさんお手伝いをさせられる運命だったのだ。
「ええ~……わ、わたしいつから予知夢見てたの!?」
ディアマンティアナは手を一振りし、青空に星の運行表を映し出す。神々のカレンダーや時計のようなものだ。
「今日は――まだホウキ星落下前だ!」
運行表にひとつだけ、奇妙な動きの破線がある。あれがホウキ星だ。
「そうそう!思い出した!思い出してきた!」
そもそも、ややこしいことに予知夢の中で『ホウキ星の予知夢』を見たとき、ディアマンティアナはとても寝不足だったのだ。前日にアレアフォルトナがファンミ落選の愚痴電話をかけてきて、一晩中それに付き合ったから。
「その電話が今日かかってきた!ということは、明日がホウキ星の予知夢を見る日なんだわ!ん?予知夢の中で見た予知夢ってなんだったんだろ?ん?あれ?」
考えようとしたが、頭がこんがらがりそうなので止めた。
実はディアランドのおかげで、ディアマンティアナの信者がひそかに10万人を超え、他者への災い『ホウキ星落下の予知夢』を見ることが出来ただけなのだが、少しの差で自分の予知夢と重なって分からなくなっていたのだ。
目下の問題は、このホウキ星。
こいつがそもそもの元凶だ。
368
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢の慟哭
浜柔
ファンタジー
前世の記憶を取り戻した侯爵令嬢エカテリーナ・ハイデルフトは自分の住む世界が乙女ゲームそっくりの世界であり、自らはそのゲームで悪役の位置づけになっている事に気付くが、時既に遅く、死の運命には逆らえなかった。
だが、死して尚彷徨うエカテリーナの復讐はこれから始まる。
※ここまでのあらすじは序章の内容に当たります。
※乙女ゲームのバッドエンド後の話になりますので、ゲーム内容については殆ど作中に出てきません。
「悪役令嬢の追憶」及び「悪役令嬢の徘徊」を若干の手直しをして統合しています。
「追憶」「徘徊」「慟哭」はそれぞれ雰囲気が異なります。
英雄一家は国を去る【一話完結】
青緑 ネトロア
ファンタジー
婚約者との舞踏会中、火急の知らせにより領地へ帰り、3年かけて魔物大発生を収めたテレジア。3年振りに王都へ戻ったが、国の一大事から護った一家へ言い渡されたのは、テレジアの婚約破棄だった。
- - - - - - - - - - - - -
ただいま後日談の加筆を計画中です。
2025/06/22
強制力がなくなった世界に残されたものは
りりん
ファンタジー
一人の令嬢が処刑によってこの世を去った
令嬢を虐げていた者達、処刑に狂喜乱舞した者達、そして最愛の娘であったはずの令嬢を冷たく切り捨てた家族達
世界の強制力が解けたその瞬間、その世界はどうなるのか
その世界を狂わせたものは
ねえ、今どんな気持ち?
かぜかおる
ファンタジー
アンナという1人の少女によって、私は第三王子の婚約者という地位も聖女の称号も奪われた
彼女はこの世界がゲームの世界と知っていて、裏ルートの攻略のために第三王子とその側近達を落としたみたい。
でも、あなたは真実を知らないみたいね
ふんわり設定、口調迷子は許してください・・・
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
聖女の証を義妹に奪われました。ただ証だけ持っていても意味はないのですけどね? など 恋愛作品集
にがりの少なかった豆腐
恋愛
こちらは過去に投稿し、完結している作品をまとめたものになります
章毎に一作品となります
これから投稿される『恋愛』カテゴリの作品は投稿完結後一定時間経過後、この短編集へ移動することになります
※こちらの作品へ移動する際、多少の修正を行うことがあります。
※タグに関してはおよそすべての作品に該当するものを選択しています。
出来損ないと言われて、国を追い出されました。魔物避けの効果も失われるので、魔物が押し寄せてきますが、頑張って倒してくださいね
猿喰 森繁
恋愛
「婚約破棄だ!」
広間に高らかに響く声。
私の婚約者であり、この国の王子である。
「そうですか」
「貴様は、魔法の一つもろくに使えないと聞く。そんな出来損ないは、俺にふさわしくない」
「… … …」
「よって、婚約は破棄だ!」
私は、周りを見渡す。
私を見下し、気持ち悪そうに見ているもの、冷ややかな笑いを浮かべているもの、私を守ってくれそうな人は、いないようだ。
「王様も同じ意見ということで、よろしいでしょうか?」
私のその言葉に王は言葉を返すでもなく、ただ一つ頷いた。それを確認して、私はため息をついた。たしかに私は魔法を使えない。魔力というものを持っていないからだ。
なにやら勘違いしているようだが、聖女は魔法なんて使えませんよ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる