【完結】英雄が番になるって聞いたのになんか違う

久乃り

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第7話 どうせ誰も見てない

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 目が覚めた時、部屋は暗かった。
 喉が渇いていたので、ナイトテーブルにある水を飲もうと動いた時、俺は体の違和感に気がついた。

「うっ…ぬ、抜いてない……」

 ディルドが、挿入たままだった。恐ろしいことだ。

 うつ伏せの体勢で致して正解だ。

 うん、でも、気持ちは悪くないよ。違和感はあるけれど、動くとなんか、こう・・・うん。
 でも、抜かないと座れないから抜くけどな。
 手をかけて、引っ張った瞬間、背中にまたしても何かが走った。そりゃもう、尾骶骨の辺りから、背骨に反って一気に上まで駆け上がる何かがあった。

「っう……くぁ…あ」

 躊躇いもなく引き抜いたため、またもやそれで達してしまった。呆気ないな、俺。
 そんなことのせいで、息が荒くなってしまった。更に喉の乾きが増す。

 呼吸を整えて、ゆっくりと水を飲み込むと、喉の乾きが取れて少しだけ気分が落ち着いた。
 自分の致したことで声を上げていたから、そんなに酷く喉はかすれていなかった。

 果物をゆっくりと口にすると、何となくほっとする。とりあえず、性欲以外の欲もちゃんとあることに安心した。
 Ωの発情期は、飲まず食わずでやりまくる。って聞いていたから、体験とはいえかなりビビっていたのは、確かだ。

 やはり薬で誘発しているからなのか、そんなに頭がグズグズになるほどでないことも助かる。
 しかし、食欲が満たされてしまったからだろうか?人間の3大欲求でもあることは確かだ。だがしかし、だからといってこんなにも単純でいいのだろうか?

 いや、よくない。

 よくないと、誰かに言って欲しい。

 喉の乾きも、腹も満たされて、よく寝た?とは思う。で、発情期のΩだから?また、ふつふつと下腹の辺りから何かが湧き上がってくるのがハッキリとわかってしまった。
 わかりたくはないけれど。

「うう、冷静に考える時間がない方がありがたかった」

 ふと一瞬でも腹が満たされて、冷静になってしまった自分が恨めしかった。
 下腹の辺りから湧き上がる熱が、あっという間に全身に駆け巡るのが分かると、もう自分の分身は立ち上がってるのだ。ハリとか硬さとか、そんなのはこの際どうでもいいのだ。

 シーツが、ぐじゃぐじゃになるほどイッたのに、イきまくったのに、寝て起きて、腹が満たされたらまた立ち上がるとか・・・俺の身体どうなってるの?そんなにヤりたがりなわけ?

 発情期のΩ恐るべしだ。

 シーツに臀をつけて座っているから、分かってしまうのだけれど、もう濡れている。
 冷たくなるほど、溢れている。
 わかってはいるのだが、視界の端に母上からの差し入れが、あるのだ。
 初心者が使うには、凶悪な感じのするディルドが。

 俺は実際困っていた。

 だって、身体が勝手に期待してしまっているのだ。膝同士が小さく擦り合わされて、両手を体の脇に下ろしてペタリとシーツにつけている。ちょっとしたお強請りしているような体勢をしていて、きっと目は潤んで熱っぽくアレを、見つめている。

 だが、残念なことにお強請りをする相手はいない。するのは自分だ。
 アレを、使ったらどんなことになるのだろう?なんて考えると、背中がゾクゾクしてしまうのだ。
 もう、膝のモジモジではなく、その動きは腰にまできていて、ゆるりと、腰が動いてしまっている。

 アレを、使って・・・って想像が頭だけでなく、もう、下半身にまで、きてしまっているのだ。口から涎がこぼれそうになるのを何度も堪えて、喉を上下させる。

 俺は、おずおずと手を伸ばして、母上からの差し入れを手に取った。実際、こんな形をしたモノを持っているやつはいないだろう。いたら怖い。
 俺はソレを手にして、その形状を指先でゆっくりと確かめた。

 コレを挿入したら、どんなことになるのだろうか?それこそ、胎内に満遍なく当たるということは予想できる。

 が、そんなに当たりまくったらまずいんじゃないか?ただでさえイイところに当たった時の達成感のようなあのカンジは、自分で致しているはずなのに背中が跳ねるぐらいの反応をしてしまって、思わず手を離してしまったほどだ。
 それを、コイツでグリっとしてしまったら・・・ダメだ、想像しただけで腰の辺りから背中に何かが駆け上がってきた。

「ちょ…ちょっと、いや…少しだけなら……」

 ちょっとも、少しも変わらないのに、もはや、誰に対しての言い訳なのかも分からない。
 後ろめたさと、好奇心がせめぎ合うけれど、勝つのは好奇心だ。

 いや、欲望だ。

 俺は自分の欲のままに高級そうなその小瓶を手にして、蓋を開け、凶悪な形をしているディルドにその液体を塗りつけた。

 凹凸のあるその形のせいで、塗りつける俺の動きに合わせてなんとも粘着質な水音が響く。

 その音で、更に俺の中の熱が高まる。

 昨日と同じようにうつ伏せの体勢をとり、まずは指先をあてがってみた。
 うっかり挿入ぱなしで寝てしまったからだろうか、指の一本二本がすんなり入ってしまって、我ながら驚いた。

「ふぁ……あ…あん……ん…っん」

 もう、直ぐに思考が停止するほど気持ちイイ。覚えたてのイイところを、指で何度も擦ると、腰が勝手に揺れだした。

「あっ…あっ……っん……っん…ぅん」

 腰を揺らしながらそんなことをしているだけで、俺の分身からは、ダラダラと白濁がこぼれるようにシーツに降り注がれた。

 見えないけれど、体勢が体勢なだけに太腿や膝の辺りに恥ずかしいぐらいについてしまったのが分かる。

 そんなことを思いつつも、俺の欲はとまらない。もっと、もっとと、腰が揺れる。

「ん…ふぁ……ん」

 ずっと目の前に置いていたソレを、俺はようやく手に取ると、塗りたくっておいたために怪しく光っていのさえ、俺の欲をかき乱すことになっているなんて、もはやどうでもよくなっていた。

 欲しい。

 ただそれだけが頭を支配して、他のことを考えられなくしていた。
 先端の形がちょっとアレなので、左手を使ってそっと入口をサポートすると、ソレは一瞬のひっかかりをしただけでするりと俺の胎内に入り込んだ。

「………ふぁ…っあ………あっ」

 尾骶骨から一気に背中を駆け上がる刺激が、容赦なくて、俺は涙をながしていた。
 一瞬で入り込んだソレが、俺のイイところどころか、あちらもこちらも満遍なくよくしてしまったのだ。

 しかもその衝撃で意志とは関係なく手が動いてしまい、悲鳴にもにた嬌声が出てしまった。
 こんな声出していたら、喉がやばい。
 けど、体が小刻みに痙攣してしまって、持つ手から力が抜ける。出したばかりなのに、もう次が出てしまったのか、下から回す左腕に雫がたれてきた。

 もうダメだった。

 母上からの差し入れは、俺のような初心者が使うともはやダメになる代物だった。
 俺は自分の口から出されているとは到底信じられないような、甘ったるいような、なんとも言えない声をあげて、ソイツを夢中で動かし続けた。

 もはや貪る。と言う表現が適しているだろう。何も考えられないぐらいに快楽だけを求めている。

 自分が何をしているのかとか、誰なのかとか、ここはどこなんだとか、そんなことどうでも良かった。

 ただ、ただ、ソレを夢中で動かしていた。腰もものすごく振っていた。
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