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第8話 大切にされる理由
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「………っ……あ」
いつ寝たのか覚えていないけれど、カーテンの隙間から差し込む光で今が昼間なんだと理解した。
「の、ど…がっ」
口だけでなく、喉の奥までカサカサに乾いているのが分かって、俺は水を飲もうと上体を起こした。
「ひっ」
起こした瞬間、身体中に衝撃が走った。
「うっ…ぬ、抜いてなかった…」
俺はまたやらかしていた。
あんまり過ぎて目に涙が溜まってしまった。ちょっとお間抜けすぎる。
「はぁ…っあ…んんっ」
一気に引き抜くと、とんでもない衝撃が一気に背中を駆け上がった。
「………っふぁ…あ」
抜き出したモノを思わず眺めてしまったが、俺の体液がついているせいで、鈍く光っている。しかも、こんなものに朝日が当たっている。
「……ダメだろ、やっぱり」
俺はソレをシーツの上に置くと、改めて水を飲んだ。カサカサに乾ききってしまった喉が潤いを取り戻す。五臓六腑に染み渡る感じがするほど、俺の体は乾いていたらしい。
「あ、もしかして…発情期、終わった?」
ナイトテーブルの上にある、残りの果物を食べながら、俺は自分の体に触れてみる。
熱くはない。
胸にも触れてみるけれど、とくに何も感じなかった。それどころか、ゆっくりとした鼓動を感じるぐらいだ。
俺は立ち上がって寝室の鍵を開けた。
まぁ、開けただけで侍従に声をかけたりはしない。これだけで察してくれるはずなのだ。
俺はそうして浴室に行った。
薬での発情期間は3日から5日と聞いていたが、俺は三日目で終わったらしい。体に火照りはないし、頭もスッキリしている。
魔石を使った風呂は直ぐに熱いお湯が出てきた。
色んなバスボールがあるなかで、俺は気分的にミント系の物を選んでバスタブに投げ込んだ。
注がれるお湯に翻弄されて、バスボールがクルクル回り中から花びらが飛び出てくる。
女の子なら喜びそうな仕掛けのバスボールだな。
俺は男だけど。
元から裸だから、首につけているチョーカーだけを外して、バスタブに体を沈めた。ちょっと熱めのお湯が気持ちいい。
体の中からさっぱりする感じで汗が出てきた。
1人でしたから、ぐちゃぐちゃ南乃花ほとんど下半身にだけで、よく泡立てたキメの細かい泡でゆっくりと洗った。
髪も念入りに洗う。まさかとは思うけど、あの体勢で致していたとはいえ、自分の吐き出したものが髪についてる・・・とか、ないよな?
時折変に引っ掛かりのある髪が気にはなる。
ゆっくりと風呂を堪能して、上がると、丁寧に畳まれたバスローブが用意されていた。
それを羽織って部屋に出ると、侍従が当たり前のように俺の体を拭いてきた。
そのまま鏡台の前に座らされて、バスボールの紐は縛られた。髪を乾かすのに丁寧にタオルで拭かれる。オイルを馴染ませながら魔石を使って髪を乾かし始めた。
鏡越しに寝台を見れば、既に綺麗にメイキングされた後だった。さすが、仕事が早くていらっしゃる。
「軽めのお食事を用意致します」
侍従に言われて、頷いた。まぁ、3日間アレだったからな。いきなりガッツリ食べられるほど、俺の胃は鍛えられてはいない。
ゆったりとしたシャツにズボンというラフな格好をして、隣の部屋へと移動すると、既に食事が用意されていた。
温かなスープに、焼きたてのパン。サラダは生野菜じゃなくて温野菜なところが分かっていると思う。半熟トロトロのオムレツは、チーズのソースが俺の好物だ。
「ありがとう、すごく美味しい」
一口食べた途端に、胃が活動を初めてしまったんだけど、そこはやはり上位貴族の子弟としての矜恃がある。ゆっくりとひと口づつ、上品に食べねばならない。
ああ、本当はガッツリと、いきたいところなのに、Ωであるからにはもうそんなこと出来やしない。優秀なΩとなるべく、そこいらの令嬢になんか負けないほどのマナーを披露しなくてはならないのだから。
食餌が終わって、ゆっくりとお茶を飲んでいると、何やら伝言が来たらしく、侍従が俺に伝えに来た。
発情期が終わった生徒は、食道で夕食をとるらしい。来られるなら、サロンでのお茶会に来るように。とのことで、俺はお茶会に参加することにした。
サロンに行くと、オウリルが既に座っていた。
「久しぶり」
俺が声をかけると、オウリルは笑顔で答えてくれた。
「ガゼルはまだなのかな?」
同じテーブルにつく仲間の一人、ガゼルの姿がない。
「なんか、大変みたいだよ」
オウリルが笑いながら言うので、俺はなんとなく察した。平民出身であるが故に、発情期明けの痴態を侍従に平然と片付けられて、大方パニックでも、起こしているのだろう。
さすがにかしずかれ慣れている俺だって、鏡越しにしか確認できないぐらい恥ずかしかった。
食事中に窓をしっかりと閉めていたから、理由を聞いたら、見回りでもない騎士たちが寮の庭をうろついていたらしい。
これは毎年恒例のことらしく、好みのフェロモンが居ないか、嗅ぎに来ているそうだ。特に角部屋は上位貴族の子弟が入ることが知られているため、ものすごく集まってくるらしい。
万が一、あったかもしれないわけだ。
絶対に、チョーカーは忘れずにつけよう。
楽しくお茶会をしながら、初めての発情期について語り合う。ってのも、なかなかなもんだ。
全員がサロンに来られるようになり、そうして学校が始まると、本格的なΩの授業がやってきた。
「皆さんは、一応発情期を、迎えられましたよね?」
教壇に立つ教師はΩの魔法使いだった。
「Ωにしか使えない魔法があることは知っていますか?」
皆顔を見合わせる。オウリルも俺と目を合わせて首を横に振った。
「一応、この魔法は国家機密に抵触しています」
言われてみな背筋を正した。特に平民出身のガゼルは顔が青ざめていた。
「Ωにしか使えない魔法を覚えてもらいます」
いつ寝たのか覚えていないけれど、カーテンの隙間から差し込む光で今が昼間なんだと理解した。
「の、ど…がっ」
口だけでなく、喉の奥までカサカサに乾いているのが分かって、俺は水を飲もうと上体を起こした。
「ひっ」
起こした瞬間、身体中に衝撃が走った。
「うっ…ぬ、抜いてなかった…」
俺はまたやらかしていた。
あんまり過ぎて目に涙が溜まってしまった。ちょっとお間抜けすぎる。
「はぁ…っあ…んんっ」
一気に引き抜くと、とんでもない衝撃が一気に背中を駆け上がった。
「………っふぁ…あ」
抜き出したモノを思わず眺めてしまったが、俺の体液がついているせいで、鈍く光っている。しかも、こんなものに朝日が当たっている。
「……ダメだろ、やっぱり」
俺はソレをシーツの上に置くと、改めて水を飲んだ。カサカサに乾ききってしまった喉が潤いを取り戻す。五臓六腑に染み渡る感じがするほど、俺の体は乾いていたらしい。
「あ、もしかして…発情期、終わった?」
ナイトテーブルの上にある、残りの果物を食べながら、俺は自分の体に触れてみる。
熱くはない。
胸にも触れてみるけれど、とくに何も感じなかった。それどころか、ゆっくりとした鼓動を感じるぐらいだ。
俺は立ち上がって寝室の鍵を開けた。
まぁ、開けただけで侍従に声をかけたりはしない。これだけで察してくれるはずなのだ。
俺はそうして浴室に行った。
薬での発情期間は3日から5日と聞いていたが、俺は三日目で終わったらしい。体に火照りはないし、頭もスッキリしている。
魔石を使った風呂は直ぐに熱いお湯が出てきた。
色んなバスボールがあるなかで、俺は気分的にミント系の物を選んでバスタブに投げ込んだ。
注がれるお湯に翻弄されて、バスボールがクルクル回り中から花びらが飛び出てくる。
女の子なら喜びそうな仕掛けのバスボールだな。
俺は男だけど。
元から裸だから、首につけているチョーカーだけを外して、バスタブに体を沈めた。ちょっと熱めのお湯が気持ちいい。
体の中からさっぱりする感じで汗が出てきた。
1人でしたから、ぐちゃぐちゃ南乃花ほとんど下半身にだけで、よく泡立てたキメの細かい泡でゆっくりと洗った。
髪も念入りに洗う。まさかとは思うけど、あの体勢で致していたとはいえ、自分の吐き出したものが髪についてる・・・とか、ないよな?
時折変に引っ掛かりのある髪が気にはなる。
ゆっくりと風呂を堪能して、上がると、丁寧に畳まれたバスローブが用意されていた。
それを羽織って部屋に出ると、侍従が当たり前のように俺の体を拭いてきた。
そのまま鏡台の前に座らされて、バスボールの紐は縛られた。髪を乾かすのに丁寧にタオルで拭かれる。オイルを馴染ませながら魔石を使って髪を乾かし始めた。
鏡越しに寝台を見れば、既に綺麗にメイキングされた後だった。さすが、仕事が早くていらっしゃる。
「軽めのお食事を用意致します」
侍従に言われて、頷いた。まぁ、3日間アレだったからな。いきなりガッツリ食べられるほど、俺の胃は鍛えられてはいない。
ゆったりとしたシャツにズボンというラフな格好をして、隣の部屋へと移動すると、既に食事が用意されていた。
温かなスープに、焼きたてのパン。サラダは生野菜じゃなくて温野菜なところが分かっていると思う。半熟トロトロのオムレツは、チーズのソースが俺の好物だ。
「ありがとう、すごく美味しい」
一口食べた途端に、胃が活動を初めてしまったんだけど、そこはやはり上位貴族の子弟としての矜恃がある。ゆっくりとひと口づつ、上品に食べねばならない。
ああ、本当はガッツリと、いきたいところなのに、Ωであるからにはもうそんなこと出来やしない。優秀なΩとなるべく、そこいらの令嬢になんか負けないほどのマナーを披露しなくてはならないのだから。
食餌が終わって、ゆっくりとお茶を飲んでいると、何やら伝言が来たらしく、侍従が俺に伝えに来た。
発情期が終わった生徒は、食道で夕食をとるらしい。来られるなら、サロンでのお茶会に来るように。とのことで、俺はお茶会に参加することにした。
サロンに行くと、オウリルが既に座っていた。
「久しぶり」
俺が声をかけると、オウリルは笑顔で答えてくれた。
「ガゼルはまだなのかな?」
同じテーブルにつく仲間の一人、ガゼルの姿がない。
「なんか、大変みたいだよ」
オウリルが笑いながら言うので、俺はなんとなく察した。平民出身であるが故に、発情期明けの痴態を侍従に平然と片付けられて、大方パニックでも、起こしているのだろう。
さすがにかしずかれ慣れている俺だって、鏡越しにしか確認できないぐらい恥ずかしかった。
食事中に窓をしっかりと閉めていたから、理由を聞いたら、見回りでもない騎士たちが寮の庭をうろついていたらしい。
これは毎年恒例のことらしく、好みのフェロモンが居ないか、嗅ぎに来ているそうだ。特に角部屋は上位貴族の子弟が入ることが知られているため、ものすごく集まってくるらしい。
万が一、あったかもしれないわけだ。
絶対に、チョーカーは忘れずにつけよう。
楽しくお茶会をしながら、初めての発情期について語り合う。ってのも、なかなかなもんだ。
全員がサロンに来られるようになり、そうして学校が始まると、本格的なΩの授業がやってきた。
「皆さんは、一応発情期を、迎えられましたよね?」
教壇に立つ教師はΩの魔法使いだった。
「Ωにしか使えない魔法があることは知っていますか?」
皆顔を見合わせる。オウリルも俺と目を合わせて首を横に振った。
「一応、この魔法は国家機密に抵触しています」
言われてみな背筋を正した。特に平民出身のガゼルは顔が青ざめていた。
「Ωにしか使えない魔法を覚えてもらいます」
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