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51.私、積んだみたい
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絵梨香は使っていたナイフとフォークを器用に使い、ステーキを一口サイズに切り分けた。
切り分けた肉をフォークに刺した。
「はい、はーちゃん。あーん」
「え、絵梨香、皿に置いてくれれば良いよ……」
「恋人同士なんだからこれぐらい普通だよ?」
「だ、だけど……周りに人いるし……」
「けど、家でいっぱいそうゆう事してるじゃん?」
「うぐっ……」
言われてみればそうだ。
家では絵梨香と体を交えた事だっていっぱいしてる、それにこの前はトーストも食べさせてもらった。
なんで体を交える事は出来て、なんでこんな簡単な事でドキドキしてるんだ。
私は気持ちを押し殺してフォークに刺さった肉に飛びついた。
お肉はとても柔らかくて噛めば噛むほど肉汁が溢れ出てくる、ミディアムだからか丁度良い柔らかさでしっかりと噛み応えがある、味はメニュー表にも書いてあった特製BBQソースが肉と絶妙にマッチしていてとても美味しい。
「どう?美味しい?」
「うん、すっごく美味しい」
「そっか、良かった。それでさ」
「ん?」
「私には、あーんってしてくれないの?」
やっぱりそう来るだろうとは思っていたが、食べさせてあげることを意識しちゃうとより一層ドキドキが強くなってしまう。
だけど、ここで出来なかったらこの先も一生出来ないと思った。
それに、絵梨香には裸も晒したし、キスとかだっていっぱいしてる。
それに比べれば簡単なことだ、そう簡単な事。
私は皿にある食べかけのステーキをナイフで切り、切り分けたステーキをフォークに指して絵梨香の前に出した。
「はい、あーん」
「ふふふ、はーちゃん恥ずかしがっての可愛い。いただきまーす」
絵梨香はぱくっとステーキに飛びつき手で口を隠して口の中が見えないように上品に食べた。
絵梨香に食べさせてあげることは出来たが、まだドキドキは止まらない。
やっぱり苦手だなと思いながらステーキを食べようと思った時、スマホから着信音が店内に響いた。
「あ、やっば」
スマホの通知音をマックスまで上げていた事を忘れていた。
急いで通知音をゼロにした。
周囲を見渡すと、ほとんどの人が私の事を見ていた。
聞こえないだろうが小声で「すみません」と言い小さく頭を下げた。
「びっくりした。はーちゃん誰から電話来たの?」
反射的に電話を切ってしまったので確認していなかった。
スマホのロック画面を見ると「LIMUの通知で不在着信がありました」と表示されていたて、開いてみると中野先生からの電話だった。
「ごめん、ちょっと掛け直してくる」
「ん、わかった」
私は店を出た。
店先には入店待ちの人が沢山いたので私は近くのトイレに駆け込んだ。
幸い人は居なかったので中野先生に電話を掛け直した。
電話を掛けると3コール目ぐらいに中野先生は出てくれた。
「もしもし、すみません出れなくて」
「あぁいや、こちらこそすまないね。退院してから連絡が無かったからさ」
「あぁ……すみません、実は――」
私は中野先生に今の状況を説明した。
流石に「恋人がいて――」とは言えなかったので幼馴染が泊りに来てて連絡できませんでしたと話した。
「そうかい、良い所に電話してしまってすまなかったね。とりあえず落ち着いたら私に連絡してくれ、そしてFPSをやろう!」
「は、はい……分かりました」
「では私はこれで、本当にすまなかったね」
「いえいえ、気にしてません。先生も体に気を付けてくださいね?」
「うむ、では」
私は電話を切り、急いで店に戻った。
店内はまだ空きがあるような状況では無く、店先にもまだまだ人が居た。
店先に居た人たちに悪いなと思いつつ席に座った。
「誰からだったの?」
「まぁ……ちょっと縁があった人かな」
「ふーん、そっか」
絵梨香はとにかく嫉妬が激しい。
ここで「病院の先生だよ?」とか言ったら夜に何されるか分かんない、てか絵梨香っていつまで私の家に泊まってくつもりなんだ?
絵梨香は私が電話している間に食べ終わったのか、皿には何も残っていなかった。
私は待たせるのも悪いと思い残ってるステーキを切り分け、急いで口に運んだ。
結局絵梨香の言っていた太らない体作りの方法も試さず、急いで食べてしまった。
ポケットからティッシュを取り出して口を軽く拭いた。
「はーちゃん食べ終わった?」
「うん、そういえばさ絵梨香っていつまで私の家に泊まってくの?」
「え?ずっとだけど?」
「え……?」
思考が停止しそうになった。
ずっと……?
私の家にずっと住むってこと?
だけど、許可した覚えは無いし、そもそも誰かが許可したのか……?
私がポカンとしていると絵梨香が経緯を説明し始めた。
「はーちゃんに言って無かったけ?私、はーちゃんのお母さんに連絡して「一緒に住みたいです!」って言ったら「良いよー」って許可してくれたって」
あの親は一体なんてことを許可してくれたんだ。
この人の恐ろしさをあの人は知らないのか、毎回毎回私を誘惑したり拘束したりして昼夜問わず私を襲って来たり襲わせるように仕向けたりととんでもないヘンタイって事を知らないのか。
それに小太郎にも許可は取ったのか?
小太郎だって絵梨香が遊びに来るのは良いかもしれないけど、一緒に住むってなったら話が変わってくるだろう。
そう、きっと小太郎なら分かってくれるはず。
「小太郎には許可取ったの?」
「もちろん、「えりちゃんが住むの?俺の事を誘惑しないんだったら良いよ?あ、姉貴だったら誘惑したり襲っても良いから」ってほら」
絵梨香は小太郎とのLIMUでのやり取りを見せて来た。
小太郎、あんたの事は信じてたのに。なんで。
私は少し家族の事を恨んだ。
てか、絵梨香の家族はどうなんだ。
あの人たちなら可愛い娘を大事にして「波瑠ちゃんの家に住みたいだって!?泊りに行くのは良いが住むのはだめだ!」みたいな感じで絵梨香を説得してくれているはず。
「え、絵梨香の家族は……?」
「ホームステイ見たいな感じで良いじゃない!って言ってた」
絵梨香のおじさんおばさん、私の家は外国じゃあありませんよ。
私、朝はご飯派なんです。好きな物は炒飯なんです。朝はパン派でもありませんし夜に歓迎会的な事もしなければ洋食も出ません。
出来れば娘さんを連れて帰って下さい。
なーんてメッセージを送る勇気は出なかったので私は諦めた。
「わ、わかったよ……けどお金とか家具はどうするの?」
「あー家賃とか光熱費とかその他諸々、全部うちの親が出してくれるから」
「わー、流石お金持ちー」
「凄い棒読みなんですけど……それで、家具は要らないでしょ?」
「え、ベッドとかは?」
「はーちゃんと一緒に寝るから良いし、シャンプーとかの日用品ははーちゃんと同じもの使うから。あ、流石に歯ブラシとかは私のがあるから安心してね?」
いや、安心できないよ。
一緒に寝る?そんなの、毎日襲ったり誘惑しますって言ってるようなものじゃないですか。
これが所謂、積みって言うものなんですかね。
「ぐぅ……わかったよもう……とりあえず店出ない?人待ってるみたいだし」
「そうだね」
私たちは伝票を持ってレジに向かった。
伝票を渡してレジに表示された金額は6792円。
普通に高くて驚いたが絵梨香が小声で「意外と安かったな……」と言っていた事にもっと驚いてしまった。
切り分けた肉をフォークに刺した。
「はい、はーちゃん。あーん」
「え、絵梨香、皿に置いてくれれば良いよ……」
「恋人同士なんだからこれぐらい普通だよ?」
「だ、だけど……周りに人いるし……」
「けど、家でいっぱいそうゆう事してるじゃん?」
「うぐっ……」
言われてみればそうだ。
家では絵梨香と体を交えた事だっていっぱいしてる、それにこの前はトーストも食べさせてもらった。
なんで体を交える事は出来て、なんでこんな簡単な事でドキドキしてるんだ。
私は気持ちを押し殺してフォークに刺さった肉に飛びついた。
お肉はとても柔らかくて噛めば噛むほど肉汁が溢れ出てくる、ミディアムだからか丁度良い柔らかさでしっかりと噛み応えがある、味はメニュー表にも書いてあった特製BBQソースが肉と絶妙にマッチしていてとても美味しい。
「どう?美味しい?」
「うん、すっごく美味しい」
「そっか、良かった。それでさ」
「ん?」
「私には、あーんってしてくれないの?」
やっぱりそう来るだろうとは思っていたが、食べさせてあげることを意識しちゃうとより一層ドキドキが強くなってしまう。
だけど、ここで出来なかったらこの先も一生出来ないと思った。
それに、絵梨香には裸も晒したし、キスとかだっていっぱいしてる。
それに比べれば簡単なことだ、そう簡単な事。
私は皿にある食べかけのステーキをナイフで切り、切り分けたステーキをフォークに指して絵梨香の前に出した。
「はい、あーん」
「ふふふ、はーちゃん恥ずかしがっての可愛い。いただきまーす」
絵梨香はぱくっとステーキに飛びつき手で口を隠して口の中が見えないように上品に食べた。
絵梨香に食べさせてあげることは出来たが、まだドキドキは止まらない。
やっぱり苦手だなと思いながらステーキを食べようと思った時、スマホから着信音が店内に響いた。
「あ、やっば」
スマホの通知音をマックスまで上げていた事を忘れていた。
急いで通知音をゼロにした。
周囲を見渡すと、ほとんどの人が私の事を見ていた。
聞こえないだろうが小声で「すみません」と言い小さく頭を下げた。
「びっくりした。はーちゃん誰から電話来たの?」
反射的に電話を切ってしまったので確認していなかった。
スマホのロック画面を見ると「LIMUの通知で不在着信がありました」と表示されていたて、開いてみると中野先生からの電話だった。
「ごめん、ちょっと掛け直してくる」
「ん、わかった」
私は店を出た。
店先には入店待ちの人が沢山いたので私は近くのトイレに駆け込んだ。
幸い人は居なかったので中野先生に電話を掛け直した。
電話を掛けると3コール目ぐらいに中野先生は出てくれた。
「もしもし、すみません出れなくて」
「あぁいや、こちらこそすまないね。退院してから連絡が無かったからさ」
「あぁ……すみません、実は――」
私は中野先生に今の状況を説明した。
流石に「恋人がいて――」とは言えなかったので幼馴染が泊りに来てて連絡できませんでしたと話した。
「そうかい、良い所に電話してしまってすまなかったね。とりあえず落ち着いたら私に連絡してくれ、そしてFPSをやろう!」
「は、はい……分かりました」
「では私はこれで、本当にすまなかったね」
「いえいえ、気にしてません。先生も体に気を付けてくださいね?」
「うむ、では」
私は電話を切り、急いで店に戻った。
店内はまだ空きがあるような状況では無く、店先にもまだまだ人が居た。
店先に居た人たちに悪いなと思いつつ席に座った。
「誰からだったの?」
「まぁ……ちょっと縁があった人かな」
「ふーん、そっか」
絵梨香はとにかく嫉妬が激しい。
ここで「病院の先生だよ?」とか言ったら夜に何されるか分かんない、てか絵梨香っていつまで私の家に泊まってくつもりなんだ?
絵梨香は私が電話している間に食べ終わったのか、皿には何も残っていなかった。
私は待たせるのも悪いと思い残ってるステーキを切り分け、急いで口に運んだ。
結局絵梨香の言っていた太らない体作りの方法も試さず、急いで食べてしまった。
ポケットからティッシュを取り出して口を軽く拭いた。
「はーちゃん食べ終わった?」
「うん、そういえばさ絵梨香っていつまで私の家に泊まってくの?」
「え?ずっとだけど?」
「え……?」
思考が停止しそうになった。
ずっと……?
私の家にずっと住むってこと?
だけど、許可した覚えは無いし、そもそも誰かが許可したのか……?
私がポカンとしていると絵梨香が経緯を説明し始めた。
「はーちゃんに言って無かったけ?私、はーちゃんのお母さんに連絡して「一緒に住みたいです!」って言ったら「良いよー」って許可してくれたって」
あの親は一体なんてことを許可してくれたんだ。
この人の恐ろしさをあの人は知らないのか、毎回毎回私を誘惑したり拘束したりして昼夜問わず私を襲って来たり襲わせるように仕向けたりととんでもないヘンタイって事を知らないのか。
それに小太郎にも許可は取ったのか?
小太郎だって絵梨香が遊びに来るのは良いかもしれないけど、一緒に住むってなったら話が変わってくるだろう。
そう、きっと小太郎なら分かってくれるはず。
「小太郎には許可取ったの?」
「もちろん、「えりちゃんが住むの?俺の事を誘惑しないんだったら良いよ?あ、姉貴だったら誘惑したり襲っても良いから」ってほら」
絵梨香は小太郎とのLIMUでのやり取りを見せて来た。
小太郎、あんたの事は信じてたのに。なんで。
私は少し家族の事を恨んだ。
てか、絵梨香の家族はどうなんだ。
あの人たちなら可愛い娘を大事にして「波瑠ちゃんの家に住みたいだって!?泊りに行くのは良いが住むのはだめだ!」みたいな感じで絵梨香を説得してくれているはず。
「え、絵梨香の家族は……?」
「ホームステイ見たいな感じで良いじゃない!って言ってた」
絵梨香のおじさんおばさん、私の家は外国じゃあありませんよ。
私、朝はご飯派なんです。好きな物は炒飯なんです。朝はパン派でもありませんし夜に歓迎会的な事もしなければ洋食も出ません。
出来れば娘さんを連れて帰って下さい。
なーんてメッセージを送る勇気は出なかったので私は諦めた。
「わ、わかったよ……けどお金とか家具はどうするの?」
「あー家賃とか光熱費とかその他諸々、全部うちの親が出してくれるから」
「わー、流石お金持ちー」
「凄い棒読みなんですけど……それで、家具は要らないでしょ?」
「え、ベッドとかは?」
「はーちゃんと一緒に寝るから良いし、シャンプーとかの日用品ははーちゃんと同じもの使うから。あ、流石に歯ブラシとかは私のがあるから安心してね?」
いや、安心できないよ。
一緒に寝る?そんなの、毎日襲ったり誘惑しますって言ってるようなものじゃないですか。
これが所謂、積みって言うものなんですかね。
「ぐぅ……わかったよもう……とりあえず店出ない?人待ってるみたいだし」
「そうだね」
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