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22話 翌日2
しおりを挟む「カトリーヌ・メッサー嬢がお出ででございます」
「通してくれ」
今日のカトリーヌは、侍女を連れて入って来た。
「ごきげんようジェイミー様、今日は……いい物をお持ちしましたわ」
カトリーヌは私を目にして驚いた。私は無視されないように、大きな声で彼女に挨拶した。
「おはようございます、カトリーヌ様」
「いらしてたのね、ローズ嬢。昨日あんな事があったのに、大した心臓ですこと!」
私は満面の笑みで答えた。
「ええ、一度止まってからは頑丈になりましたのよ、私の心臓」
カトリーヌは『ふん』と鼻を鳴らして皇子に向き直った。
「ジェイミー様、これを……うちのシェフが腕によりをかけて作りましたランチですわ。ジェイミー様がお召し上がりになって下さいませね」
そこでチラッと私に視線をくれたあと、また続けた。
「ローズ嬢が出す食事では成長期のジェイミー様には栄養不足ですわ。私がフィアンセとしてジェイミー様のためを思い、お持ちしたんですから、私の気持ちを無下にしないで下さいね」
侍女が執務室のテーブルの上に、次々と食べ物が入ったバスケットを並べていく。
カトリーヌと侍女が出て行くと、皇子はテーブル前のソファに腰掛けた。
えっ、まさか今ここで食べるの?
確かに今までカトリーヌが持って来たお菓子は、全てメイドや侍従に分け与えて、皇子は一切口にしていなかった。それを彼女は知ったのだろう。だから皇子自身に食べて欲しいと念を押したのだろうが……。
皇子はバスケットの蓋を何個か開けて、中身を確かめていた。美味しそうな匂いが漂ってくる。
「あの……」
横からおずおずと声を掛けると、皇子は振り向いて笑顔を見せた。
「ネイサン、今から剣術の稽古に向かう。このランチを全て皇室騎士団に持って行ってくれ。彼らのように体を酷使する者たちこそ、これを食べるにふさわしいだろう」
ネイサン――皇子付きの若い侍従が一礼し、バスケットに手を伸ばした。
私はほっと胸をなで下ろす。
「ローズ、心配するな。僕はもう誘惑に負けたりしない。それより今日の剣術の稽古のあとには、冷たい飲み物が欲しいな」
「そうですね。いいお天気ですし気温も高そうですから、すっきりしたアイスティーを用意致します」
皇子は残りの政務を片付けたあと、剣術の稽古へ。私はアイスティーを用意しに厨房へ向かった。
__________
本日はミントティーにします!
~♪チャカチャッチャッチャツチャッチャッ♪チャカチャッチャッチャツチャッチャッ♪
おお~テーマソング付き! あれ? でもアメリカのテレビドラマなのにどうして四分クッキングのテーマ?
そう思っているとカンペが出た。『このテーマは世界共通』
!!! ホントにぃ? そんなの聞いたことがないわ。
そう思っているとまたカンペが出た『なぁ~んちゃって』
ええええぇ、このテレビドラマのADさんは結構適当なのね、もういいや、いちいち気にしない。
さて気を取り直して、ミントティーの材料はシンプル。
渋みの少ない茶葉(今回はニルギリを使用)
ミントの葉(私はスペアミントの香りが好きなので、これ)
ラベンダー少々。
お好みでハチミツ。
少し多めに作りたいので大きめのポットふたつ分を用意した。
さて、氷を入れたグラスも準備して、皇子とブラウン副団長のもとへ届けなきゃ。おっとあれも忘れないようにしないと。
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