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.監視・カイン視点.
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「これは酷い怪我ですね、よく生きていられました」
「……」
「カイン様、どうしましたか?」
「いや…」
ルーエンさんに会うために怪我を治そうと病院に行こうと思っていたら、副騎士団長と寄宿舎の廊下で出会った。
しつこく何処に行くのか聞いてきたから答えると、部屋に医者を呼ばれた。
一人で行けると言ったのに「お疲れでしょうから」と俺の言葉は無視された。
帰ってきてから副騎士団長に何かと理由付けて部屋に押し戻される。
直接ではないが、まるで監禁でもされているようだ。
俺が一人で森に行くと言ってからだ。
最初は俺が言葉足らずで他の騎士達が使えないと思っているように聞こえたのかと思っていた。
使えないと言っているわけではない、むしろ俺は強い戦力だと思っている。
だからこそ、国を守ってほしいんだ…使えない奴に国を任せたりはしない。
でも、副騎士団長は俺が偵察に同行する時から様子が可笑しかった。
まるで、俺が森に入るのを反対しているようだ。
俺がまだ魔法使いと戦う力がないからと口では言うが、俺からしたら真意は別にあるように見える。
でもそれが何なのか分からない、副騎士団長達は俺をここに押し込めて偵察に向かっているらしい。
こっそり付いて行けばなにか分かるかもしれない。
医者が部屋から出て行き、俺も部屋から出ようとドアを開けた。
すると変にタイミングよく目の前に一人の騎士が現れた。
いつもこれだ、これが偶然だと言うなら俺の部屋の前で何をしているんだ。
「カイン様」
「なにか用か」
「実は酒場で乱闘騒ぎがあって、カイン様にお願いしたく」
「……分かった」
普段なら俺を呼ばずに新人騎士でも出来る仕事をわざわざ呼びにきている。
呼ばれたら行くが、こうやって国王の仕事以外の国民同士のトラブルもやってくる。
俺が偵察に行く前は、正直な話厄介な犯罪者以外は呼びにくる事はなかった。
俺も見回りをしてトラブルを解決した事があるが、呼んでまで俺が本当に必要なのか分からないトラブルばかりだ。
酒場に向かうが、俺と呼びに来た騎士だけだと思ったら他にも二人騎士が居た。
こんなにいるなら本当に俺はいらないんじゃないかと思いながら、酒場に到着した。
すると、別の騎士がもう既に解決していて本当に俺はいらなかった。
「さすがカイン様!」と何もしていないのに俺を褒めていて、それが気持ち悪く感じて酒場を離れた。
後ろから騎士が付いてくる、普通ならトラブルが解決したら自分の仕事に戻ればいいのに、俺を送ると断っても付いてくる。
俺が森に入らないように見張っているのかと思ってしまう。
この騎士は副騎士団長が可愛がっている部下だから余計にな。
息が詰まる、俺を監視して何になるというんだ。
あの時全て投げ捨ててルーエンさんと一緒にいれば良かった。
広場を歩いていると、俺に声を掛けてくる国民達がいてそれが唯一の癒しだった。
やっぱりダメだ、守らないと…俺は国民を守るために騎士団長になったんだ、自分の使命を終わらせるまで俺は戦い続ける。
途中で投げ出す男をルーエンさんが好きになってくれるわけがない。
今日の見回りはイレインなのか、おばあさんの荷物を持ってやっている。
魔法使いを前にしたイレインは性格が豹変していて止められなくなる事もある。
森に行った時は始まりの魔女を前に性格が豹変しないか不安だったが、初めての偵察だからか抑えていた。
これで下手したら二度と偵察に連れて行ってもらえなくなるとイレインでも分かっている。
両親を殺されたイレインは魔法使いに憎しみを抱いている。
イレインは魔女討伐部隊に入りたかったのに、父が死んでなくなったから俺と一緒に帝国の外で魔法使い達を討伐している。
普段の性格も軽いが、国を守りたい気持ちもあるから俺と気が合う。
「イレイン」
「あっ、カイン様!お疲れ様です!」
「今日は偵察の日だが、一緒に行かなかったのか?」
「行きたかったんですが、今日が見回りの奴に偵察に行くからって俺が代わりにやってるんですよ」
「……」
「カイン様、どうしましたか?」
「いや…」
ルーエンさんに会うために怪我を治そうと病院に行こうと思っていたら、副騎士団長と寄宿舎の廊下で出会った。
しつこく何処に行くのか聞いてきたから答えると、部屋に医者を呼ばれた。
一人で行けると言ったのに「お疲れでしょうから」と俺の言葉は無視された。
帰ってきてから副騎士団長に何かと理由付けて部屋に押し戻される。
直接ではないが、まるで監禁でもされているようだ。
俺が一人で森に行くと言ってからだ。
最初は俺が言葉足らずで他の騎士達が使えないと思っているように聞こえたのかと思っていた。
使えないと言っているわけではない、むしろ俺は強い戦力だと思っている。
だからこそ、国を守ってほしいんだ…使えない奴に国を任せたりはしない。
でも、副騎士団長は俺が偵察に同行する時から様子が可笑しかった。
まるで、俺が森に入るのを反対しているようだ。
俺がまだ魔法使いと戦う力がないからと口では言うが、俺からしたら真意は別にあるように見える。
でもそれが何なのか分からない、副騎士団長達は俺をここに押し込めて偵察に向かっているらしい。
こっそり付いて行けばなにか分かるかもしれない。
医者が部屋から出て行き、俺も部屋から出ようとドアを開けた。
すると変にタイミングよく目の前に一人の騎士が現れた。
いつもこれだ、これが偶然だと言うなら俺の部屋の前で何をしているんだ。
「カイン様」
「なにか用か」
「実は酒場で乱闘騒ぎがあって、カイン様にお願いしたく」
「……分かった」
普段なら俺を呼ばずに新人騎士でも出来る仕事をわざわざ呼びにきている。
呼ばれたら行くが、こうやって国王の仕事以外の国民同士のトラブルもやってくる。
俺が偵察に行く前は、正直な話厄介な犯罪者以外は呼びにくる事はなかった。
俺も見回りをしてトラブルを解決した事があるが、呼んでまで俺が本当に必要なのか分からないトラブルばかりだ。
酒場に向かうが、俺と呼びに来た騎士だけだと思ったら他にも二人騎士が居た。
こんなにいるなら本当に俺はいらないんじゃないかと思いながら、酒場に到着した。
すると、別の騎士がもう既に解決していて本当に俺はいらなかった。
「さすがカイン様!」と何もしていないのに俺を褒めていて、それが気持ち悪く感じて酒場を離れた。
後ろから騎士が付いてくる、普通ならトラブルが解決したら自分の仕事に戻ればいいのに、俺を送ると断っても付いてくる。
俺が森に入らないように見張っているのかと思ってしまう。
この騎士は副騎士団長が可愛がっている部下だから余計にな。
息が詰まる、俺を監視して何になるというんだ。
あの時全て投げ捨ててルーエンさんと一緒にいれば良かった。
広場を歩いていると、俺に声を掛けてくる国民達がいてそれが唯一の癒しだった。
やっぱりダメだ、守らないと…俺は国民を守るために騎士団長になったんだ、自分の使命を終わらせるまで俺は戦い続ける。
途中で投げ出す男をルーエンさんが好きになってくれるわけがない。
今日の見回りはイレインなのか、おばあさんの荷物を持ってやっている。
魔法使いを前にしたイレインは性格が豹変していて止められなくなる事もある。
森に行った時は始まりの魔女を前に性格が豹変しないか不安だったが、初めての偵察だからか抑えていた。
これで下手したら二度と偵察に連れて行ってもらえなくなるとイレインでも分かっている。
両親を殺されたイレインは魔法使いに憎しみを抱いている。
イレインは魔女討伐部隊に入りたかったのに、父が死んでなくなったから俺と一緒に帝国の外で魔法使い達を討伐している。
普段の性格も軽いが、国を守りたい気持ちもあるから俺と気が合う。
「イレイン」
「あっ、カイン様!お疲れ様です!」
「今日は偵察の日だが、一緒に行かなかったのか?」
「行きたかったんですが、今日が見回りの奴に偵察に行くからって俺が代わりにやってるんですよ」
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