5 / 6
第五話︰迎え
しおりを挟む
「荷物、良し。挨拶良し。お父さんとお母さんへの手紙も出したし……」
あれから五日が経った、里入りの日。
紬は静まり返った我が家で、やり終えた事を指折り数える。
「うん。ばっちり。」
彗月らが帰っていった後、紬はすぐに、村中の人達に報告をして回った。
まさか「私は郷守の巫女っていう存在で……」「旦那様はあやかしで……」などと話をするわけにはいかないので、とにかく神楽の殿方に見初められて嫁入りに行く、ということにしておいた。
突然の嫁入りの報告に、誰もが驚き目を丸くしたものの、めでたいことだと盛大に祝った。そして、紬が村から離れることをとても惜しんだ。
特に子どもたちは、泣いて駄々をこねて大変だった。なんとか元気づけようと、約束の占い放題の会を開いたり、めでたい雰囲気の送別会を宴のように行ったりして───最後には、子どもたちも笑顔で「いってらっしゃい」と送り出してくれたので、よかった。
(この村とは、今生の別れになるかもしれないのよね)
すっかり片付いて、来客もいない我が家は、少し広くて物寂しい。
未練は無いが、つい感傷に浸ってしまう。
「そろそろ来る頃かしら、彗月さん……あっ」
ふと、感じた覚えのある気配がして、紬は外に意識を向ける。
すぐにまとめた荷物を持って、家を出た。
その時だった。
「!」
空で炎が渦巻き、あの時と同じ乗り物──紅蓮の御車が姿を現した。
その扉が開いて現れたのは、炎とはまるで正反対の涼しい顔をした、白皙の美青年。
「彗月さん。」
「お迎えに上がりました、紬さん」
丁寧に挨拶をしようかと思ったが、長くとどまって村の誰かに見られてもいけない。紬は彗月の元へ駆け寄る。
前に彼が言っていた通り、この炎は触れても燃えないようだった。近づいても不思議と熱くない。
「手を。」
「ありがとうございます。」
紬は差し出された手を取って、御車に乗り込んだ。中には沖も連もいない。今日は彗月一人でやって来たようだ。
道中は、空からの景色でも楽しもうかと思ったが、どうやらこの御車には窓が無いらしい。少し残念に思いつつ、「里へはどれくらいで着きますか?」と聞く。
「この御車は、焔様──主の式札で呼び出しているので、あっという間ですよ」
「へえ……特別なものなんですね、あの赤い札。」
「滅多なことでは預からない代物で、私も久しく使いましたね。消耗品なので、もう手元に残っていませんが」
彗月に促され、紬はおずおずと座席に腰を下ろす。その向かいに彼が座るという形は先日と同じだが、ちゃぶ台を挟んでいない分、距離が近い。
「……」
彗月の瞼は相変わらず閉じられている。
これでどうやって前を見ているのかしら、また妖術か特殊な道具か何かを使っているのかしらと、考えても分からないことを思って、彼の長い睫毛を見つめる。
そんな紬のぼんやりとした様子に気がついたのか、彗月は話題を提供するように、口を開いた。
「荷物が少ないようですが、何を持ってこられたんですか?」
「!……ええと、文箱と化粧道具です。衣類も装身具も、里の方で用意して下さっているという話だったので、お言葉に甘えてこれだけ。」
何か衣服を持って行こうにも、家にあるのは地味な麻衣ばかり。またどこかの誰かさんに薄汚いやら貧相やらと言われてしまっては癪なので、私物は思い切って置いてきた。
今着ている着物は、つい一週間ほど前に両親から送られてきた一張羅。これが無かったら、着ていくものが無く困り果てるところだった。狙ったわけでもないのになんて間が良いんだろうと、紬は遠方の両親を拝んだ。
「文箱は、村のみんなや両親と文通をしたいと思って、持ってきたんですが……里から送れるんでしょうか。手紙。」
「……そうですね、可能かと。里外への郵便は本来なら難しいのですが、貴女は郷守の巫女ですから、屋敷の者が直接式神を飛ばしてお届けします」
「あ、それは……ありがたいですね」
立場が立場なので、嫁入り先での待遇は良いのだろうということは察していた。が、想像以上かもしれない。
今の彗月の発言から、式神使いの使用人がいる屋敷に住むことになるのは分かったし、「郷守の巫女だから」という理由で、特別な対応をされるそうな。至れり尽くせりな予感がする。
「私が直接出向いたことで、貴女の故郷の村については皆よく分かっていますから、手違いなどもないでしょう」
「助かります。……両親の所在はころころと変わるんですが、それは大丈夫でしょうか」
「まあ、ある程度の地名と目印が分かれば。……所在が変わるというのは?」
「あの人たち、私が十八になった年に、世界をあちこち巡る旅を始めたんです。私も誘われましたがさすがに断りました。今は、北の白武を横断しているところかと」
着物が送られてきた時に一緒についていた手紙には、白武の国の郷土料理が美味しいという話と、とにかく熊が出るのですごいという話がいきいきと書かれていた。いきいきするな。熊だぞ熊。
「文字通り命がかかった旅になっていそうなので、ついて行かなくて正解でした。この間は、危うく熊と戦うところだったようですし」
「それはまた命知らずな……いえ、活動的なご両親ですね」
この彗月に命知らずと言わしめるのが、自分の両親なのだ。あの二人の凶事の未来が視えたことが一度もないのは、奇跡を超えた何かである。
「両親は自分の心配どころか、私の心配をしてるんですよ。なかなか良い嫁ぎ先が見つからないって。結婚が決まったことを手紙で報告したので、もう安心してくれるでしょうけど」
過去にいくつか舞い込んできた見合い話は、他国の商会からの申し出ばかりだった。父は見合いの写真を焼き捨てながら、「金にがめついだけの下衆な男にうちの娘はやらん」と憤慨していた。
紬は商会の詳細を知らされなかったが、普段温厚な父があれだけ言うのだから、見合い話の裏側はどれもこれも汚いものだったのだろう。若い女が下手に有名になってしまうと、こういうこともある。
それにしても焼き捨てるのは過激な気がするが、見合い写真を燃やす火は、母が焼き芋を焼くのに活用していたので、紬にとっては美味しい思い出だ。
「報告というのはどのように?」
「まさか、生まれ変わりやあやかしの話をするわけにも行きませんので……神楽の国からやってきた殿方から見初められた、という話にしておきました。お相手は貴族で、それはもうたいそうな男前だと」
これなら父も反対はするまい。強いて言うなら、好条件であることを強調しすぎて裏を疑われる可能性があるが、そうなった時には、仲睦まじい夫婦生活の一幕を執筆することで誤解を解いてもらう算段である。
「好条件だということは偽りありませんし、旦那様が男前だということも事実なので、致命的な嘘はついていません。問題ないです」
「はは、なるほど。それはどうも。」
笑って返す彗月の耳飾りが揺れる。白い髪と白い肌に映える、黒紐の耳飾りだ。落ち着いた色味の着物と装身具は、大人びた顔立ちの彼によく似合っている。
相変わらず見目麗しく気品に溢れている──が、彼はこう見えて荒々しい一面があるのだということが、紬の頭によぎる。あのとき沖を鎮めた一発は見事だった。この顔と雰囲気で強い腕っぷしを持っているのは、紬にとっては好印象である。
あれから五日が経った、里入りの日。
紬は静まり返った我が家で、やり終えた事を指折り数える。
「うん。ばっちり。」
彗月らが帰っていった後、紬はすぐに、村中の人達に報告をして回った。
まさか「私は郷守の巫女っていう存在で……」「旦那様はあやかしで……」などと話をするわけにはいかないので、とにかく神楽の殿方に見初められて嫁入りに行く、ということにしておいた。
突然の嫁入りの報告に、誰もが驚き目を丸くしたものの、めでたいことだと盛大に祝った。そして、紬が村から離れることをとても惜しんだ。
特に子どもたちは、泣いて駄々をこねて大変だった。なんとか元気づけようと、約束の占い放題の会を開いたり、めでたい雰囲気の送別会を宴のように行ったりして───最後には、子どもたちも笑顔で「いってらっしゃい」と送り出してくれたので、よかった。
(この村とは、今生の別れになるかもしれないのよね)
すっかり片付いて、来客もいない我が家は、少し広くて物寂しい。
未練は無いが、つい感傷に浸ってしまう。
「そろそろ来る頃かしら、彗月さん……あっ」
ふと、感じた覚えのある気配がして、紬は外に意識を向ける。
すぐにまとめた荷物を持って、家を出た。
その時だった。
「!」
空で炎が渦巻き、あの時と同じ乗り物──紅蓮の御車が姿を現した。
その扉が開いて現れたのは、炎とはまるで正反対の涼しい顔をした、白皙の美青年。
「彗月さん。」
「お迎えに上がりました、紬さん」
丁寧に挨拶をしようかと思ったが、長くとどまって村の誰かに見られてもいけない。紬は彗月の元へ駆け寄る。
前に彼が言っていた通り、この炎は触れても燃えないようだった。近づいても不思議と熱くない。
「手を。」
「ありがとうございます。」
紬は差し出された手を取って、御車に乗り込んだ。中には沖も連もいない。今日は彗月一人でやって来たようだ。
道中は、空からの景色でも楽しもうかと思ったが、どうやらこの御車には窓が無いらしい。少し残念に思いつつ、「里へはどれくらいで着きますか?」と聞く。
「この御車は、焔様──主の式札で呼び出しているので、あっという間ですよ」
「へえ……特別なものなんですね、あの赤い札。」
「滅多なことでは預からない代物で、私も久しく使いましたね。消耗品なので、もう手元に残っていませんが」
彗月に促され、紬はおずおずと座席に腰を下ろす。その向かいに彼が座るという形は先日と同じだが、ちゃぶ台を挟んでいない分、距離が近い。
「……」
彗月の瞼は相変わらず閉じられている。
これでどうやって前を見ているのかしら、また妖術か特殊な道具か何かを使っているのかしらと、考えても分からないことを思って、彼の長い睫毛を見つめる。
そんな紬のぼんやりとした様子に気がついたのか、彗月は話題を提供するように、口を開いた。
「荷物が少ないようですが、何を持ってこられたんですか?」
「!……ええと、文箱と化粧道具です。衣類も装身具も、里の方で用意して下さっているという話だったので、お言葉に甘えてこれだけ。」
何か衣服を持って行こうにも、家にあるのは地味な麻衣ばかり。またどこかの誰かさんに薄汚いやら貧相やらと言われてしまっては癪なので、私物は思い切って置いてきた。
今着ている着物は、つい一週間ほど前に両親から送られてきた一張羅。これが無かったら、着ていくものが無く困り果てるところだった。狙ったわけでもないのになんて間が良いんだろうと、紬は遠方の両親を拝んだ。
「文箱は、村のみんなや両親と文通をしたいと思って、持ってきたんですが……里から送れるんでしょうか。手紙。」
「……そうですね、可能かと。里外への郵便は本来なら難しいのですが、貴女は郷守の巫女ですから、屋敷の者が直接式神を飛ばしてお届けします」
「あ、それは……ありがたいですね」
立場が立場なので、嫁入り先での待遇は良いのだろうということは察していた。が、想像以上かもしれない。
今の彗月の発言から、式神使いの使用人がいる屋敷に住むことになるのは分かったし、「郷守の巫女だから」という理由で、特別な対応をされるそうな。至れり尽くせりな予感がする。
「私が直接出向いたことで、貴女の故郷の村については皆よく分かっていますから、手違いなどもないでしょう」
「助かります。……両親の所在はころころと変わるんですが、それは大丈夫でしょうか」
「まあ、ある程度の地名と目印が分かれば。……所在が変わるというのは?」
「あの人たち、私が十八になった年に、世界をあちこち巡る旅を始めたんです。私も誘われましたがさすがに断りました。今は、北の白武を横断しているところかと」
着物が送られてきた時に一緒についていた手紙には、白武の国の郷土料理が美味しいという話と、とにかく熊が出るのですごいという話がいきいきと書かれていた。いきいきするな。熊だぞ熊。
「文字通り命がかかった旅になっていそうなので、ついて行かなくて正解でした。この間は、危うく熊と戦うところだったようですし」
「それはまた命知らずな……いえ、活動的なご両親ですね」
この彗月に命知らずと言わしめるのが、自分の両親なのだ。あの二人の凶事の未来が視えたことが一度もないのは、奇跡を超えた何かである。
「両親は自分の心配どころか、私の心配をしてるんですよ。なかなか良い嫁ぎ先が見つからないって。結婚が決まったことを手紙で報告したので、もう安心してくれるでしょうけど」
過去にいくつか舞い込んできた見合い話は、他国の商会からの申し出ばかりだった。父は見合いの写真を焼き捨てながら、「金にがめついだけの下衆な男にうちの娘はやらん」と憤慨していた。
紬は商会の詳細を知らされなかったが、普段温厚な父があれだけ言うのだから、見合い話の裏側はどれもこれも汚いものだったのだろう。若い女が下手に有名になってしまうと、こういうこともある。
それにしても焼き捨てるのは過激な気がするが、見合い写真を燃やす火は、母が焼き芋を焼くのに活用していたので、紬にとっては美味しい思い出だ。
「報告というのはどのように?」
「まさか、生まれ変わりやあやかしの話をするわけにも行きませんので……神楽の国からやってきた殿方から見初められた、という話にしておきました。お相手は貴族で、それはもうたいそうな男前だと」
これなら父も反対はするまい。強いて言うなら、好条件であることを強調しすぎて裏を疑われる可能性があるが、そうなった時には、仲睦まじい夫婦生活の一幕を執筆することで誤解を解いてもらう算段である。
「好条件だということは偽りありませんし、旦那様が男前だということも事実なので、致命的な嘘はついていません。問題ないです」
「はは、なるほど。それはどうも。」
笑って返す彗月の耳飾りが揺れる。白い髪と白い肌に映える、黒紐の耳飾りだ。落ち着いた色味の着物と装身具は、大人びた顔立ちの彼によく似合っている。
相変わらず見目麗しく気品に溢れている──が、彼はこう見えて荒々しい一面があるのだということが、紬の頭によぎる。あのとき沖を鎮めた一発は見事だった。この顔と雰囲気で強い腕っぷしを持っているのは、紬にとっては好印象である。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】旦那に愛人がいると知ってから
よどら文鳥
恋愛
私(ジュリアーナ)は旦那のことをヒーローだと思っている。だからこそどんなに性格が変わってしまっても、いつの日か優しかった旦那に戻ることを願って今もなお愛している。
だが、私の気持ちなどお構いなく、旦那からの容赦ない暴言は絶えない。当然だが、私のことを愛してはくれていないのだろう。
それでも好きでいられる思い出があったから耐えてきた。
だが、偶然にも旦那が他の女と腕を組んでいる姿を目撃してしまった。
「……あの女、誰……!?」
この事件がきっかけで、私の大事にしていた思い出までもが崩れていく。
だが、今までの苦しい日々から解放される試練でもあった。
※前半が暗すぎるので、明るくなってくるところまで一気に更新しました。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
彼女の離縁とその波紋
豆狸
恋愛
夫にとって魅力的なのは、今も昔も恋人のあの女性なのでしょう。こうして私が悩んでいる間もふたりは楽しく笑い合っているのかと思うと、胸にぽっかりと穴が開いたような気持ちになりました。
※子どもに関するセンシティブな内容があります。
【完結】好きでもない私とは婚約解消してください
里音
恋愛
騎士団にいる彼はとても一途で誠実な人物だ。初恋で恋人だった幼なじみが家のために他家へ嫁いで行ってもまだ彼女を思い新たな恋人を作ることをしないと有名だ。私も憧れていた1人だった。
そんな彼との婚約が成立した。それは彼の行動で私が傷を負ったからだ。傷は残らないのに責任感からの婚約ではあるが、彼はプロポーズをしてくれた。その瞬間憧れが好きになっていた。
婚約して6ヶ月、接点のほとんどない2人だが少しずつ距離も縮まり幸せな日々を送っていた。と思っていたのに、彼の元恋人が離婚をして帰ってくる話を聞いて彼が私との婚約を「最悪だ」と後悔しているのを聞いてしまった。
不実なあなたに感謝を
黒木メイ
恋愛
王太子妃であるベアトリーチェと踊るのは最初のダンスのみ。落ち人のアンナとは望まれるまま何度も踊るのに。王太子であるマルコが誰に好意を寄せているかははたから見れば一目瞭然だ。けれど、マルコが心から愛しているのはベアトリーチェだけだった。そのことに気づいていながらも受け入れられないベアトリーチェ。そんな時、マルコとアンナがとうとう一線を越えたことを知る。――――不実なあなたを恨んだ回数は数知れず。けれど、今では感謝すらしている。愚かなあなたのおかげで『幸せ』を取り戻すことができたのだから。
※異世界転移をしている登場人物がいますが主人公ではないためタグを外しています。
※曖昧設定。
※一旦完結。
※性描写は匂わせ程度。
※小説家になろう様、カクヨム様にも掲載予定。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
私を見ないあなたに大嫌いを告げるまで
木蓮
恋愛
ミリアベルの婚約者カシアスは初恋の令嬢を想い続けている。
彼女を愛しながらも自分も言うことを聞く都合の良い相手として扱うカシアスに心折れたミリアベルは自分を見ない彼に別れを告げた。
「今さらあなたが私をどう思っているかなんて知りたくもない」
婚約者を信じられなかった令嬢と大切な人を失ってやっと現実が見えた令息のお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる