文字の大きさ
大
中
小
28 / 57
27 新たな出発 3
「エニ……いや、厄災の魔女を滅ぼす!?」
「ああ」
クロウが目覚めたのは昼過ぎである。
彼はその足でブルーに会いに行った。そして、昼食中の彼の椅子を倒れさせた。
「それが結局のところ、俺たちの最終目標だろう?」
なにを驚くことがある? とでもいうようにクロウはブルーを見た。
「い、いやそれはもちろんだが、あの悲憤の魔女を倒したんだ。噂を聞きつけて、各地から俺たちの元に、戦いに加わりたい連中が続々と押し寄せている。俺たちは、もう一度、戦える組織を編成しなくてはならない」
「いよいよ本格的な軍隊というわけか。それはあんたに任せる」
クロウは立ち上がった。
「待てよ、クロウ。お前はもはや有名人だ。お前の元に人が集まっていると言っても過言じゃない。まぁ飯でも食えよ」
「……」
ブルーのすすめでクロウは再び腰をおろし、勧められたパンとチーズを口に運んだ。
「後でちゃんとした飯を食えよ。俺たちは体が資本だ」
「ああ、先はまだ長い」
「ミルクも飲め」
「俺は大勢を率いられる器じゃない。それはブルーやオーカーの仕事だ。
カーネリアだって俺よりずっと協調性がある」
クロウは、口を拭いながらさっきの話題に答えた。
「まぁ、お前はそう思っているんだろうがな……けどクロウ、お前には何かあるんだよ」
ブルーはつくづくとクロウを見やりながら言った。
どこか神秘性を帯びた淡麗な容姿。珍しい濃藍の髪は本人は無造作にしているようでも、腹が立つほど様子が良い。
長身で均整の取れた体は、細身でもかっちりと筋肉がつき、隙のない所作は素人が見ても、彼が相当な手練れだと感じられるだろう。
あと、妙に老成した落ち着いた物腰。
これがもうすぐ十九歳になる少年だとは、ブルーですら思えないくらいだった。
「何かって、なに?」
「えーと……みー、魅力? そう。お前には人を惹きつける魅力があるんだ」
「知らない。それに俺のことなんかどうでもいい」
「……やれやれ。そういうところなんだがな」
ブルーは広い肩をすくめた。
「まぁいい。それはそうと。聞いたか?」
「なに?」
このところずっと個人行動で、さっき起きたばかりのクロウは情報に疎かった。
「白藍の使徒っていう、戦士の集団のことをさ」
「白藍の使徒? 知らない」
「要するに、俺たちデューンブレイドみたいに、自発的に集まった魔女滅殺を目的とする戦闘集団だな。もっと南の方で始まって、この二年で急速に力をつけて来たらしい」
アルトア大陸の南は、比較的魔女の被害が少ない地域である。
「南で? なら、あまり期待できないんじゃないか? どのくらいの集団だ?」
「およそ二百から三百で編成されているらしい」
「へぇ、少ないな」
「ああ。そう思うだろ? だが、詳しい報告が入ったんだ。南から大陸の東沿いに北上し、厄災の魔女の拠点の一つ『亡者の牢獄』を打ち壊したのが、その白藍の使徒だって話」
『亡者の牢獄』とは、大陸の東にあった古い城塞都市が栄えた所で、ゴールディフロウ滅亡の翌年に滅び、その城塞はギマの巣となっている、と噂されていた場所だ。
「それはいつのことだ」
「一月ほど前のことらしい。俺たちはここ一年ずっと西で、ジャルマとか、ウォーターロウで戦っていたから、知らせを聞くのが遅れた」
「そうか」
まだ主要な街道も連絡手段も、破壊の痛手から立ち直っていない。大陸は広いから知らせが遅れるのは仕方がなかった。
「その白藍の使徒とやらが、何か言ってきたのか?」
「それが……二日ほど前に、幹部の一人がやってきて、その白藍の使徒のリーダー的な人物が、お前に会いたいと言っていると伝えてきた」
「俺に? なんで?」
「言ったろう? お前が高名で優れた戦士だからだよ。で、俺たちデューンブレイドと共同戦線ってやつを張りたいんじゃないか?」
「白藍の使徒のリーダーは、なんて名前のやつだ?」
「ゼル」
「ゼル? 聞かないな」
「そうだろ? 俺も知らない。で、使者はそれだけいうとすぐに戻った。自分達を信頼できないならそれでいいと言って。手紙もない。口伝だけの知らせだった。正確に言おうか?」
「聞こう」
クロウは目を閉じた。集中するための動作だ。
「よし、言うぞ」
『私たちは、魔女****を倒すために戦っている、白藍の使徒という集団だ。あなたたちデューンブレイド噂を聞いて、使者を送った。あなた方のリーダー、そして最高の戦士に会いたい。共に魔女を滅ぼすために。二日後の早朝、ゴールディフロウ王城背後の崖の上にて待つ。白藍の騎士、ゼル』
「……と、これだけだ」
ブルーは魔女の名を伏せて伝えた。
「使者は魔女の名前を告げたのか?」
「ああ。情けないが、それには少々驚いてしまった。割と平然としていたな」
魔女は自分の名を呼ばれることに敏感で、常に耳をそば立てているという。
実際に悪意を込めたり、冗談でその名を呼んだ者が、不審な死を遂げるのを見たことがあるブルーは、軽率にその名を口にしない。
「なるほど、それを信用するかしないかは、俺たちに投げて、そっちで判断しろってことか」
「そう言うこった。で、お前はどう思う?」
「あんたが会うと言うなら会うよ、ブルー。俺はあんたの判断に従う」
「俺は会おうと思っている。魔女を倒すためなら、白藍だろうが、紫だろうが、なんだって使う。会って、共に戦い魔女を殺すことができる組織かどうか、確かめる」
「わかった」
「オーカーも、背中を預けるに足る奴らか、会ってみたいと言っていたな」
「背中……はどうかわからないけど、志の程度くらいは推し量れるだろう」
クロウも考え深げにいった。
「わかった。じゃあ手配しておくから、お前も準備してほしい」
「わかった。頼む」
クロウはいきなり立ち上がった。
「……って、お前どこ行くつもりだ」
「何かもっと食べたい。数日ほとんど食べてなかったから」
「相変わらずひでぇ自己管理だな」
「どうかな?」
「まぁ、美味いものを食いたくなったのはいいことだな。だったらカーネリアに会って来てやれ。今なら市場にいるはずだ。あいつはお前のこと、すごく心配していた。もう戻ってこないんじゃないかってな」
「戻ってくるさ。いくら俺でも一人では戦えない。だからその白藍の使徒とやらにも会うんだ」
「はぁあ~」
セイジは大きなため息をついて、ひらひらと手を振った。
「とにかく、カーネリアに会ってこい。一緒に飯でも食って話せ。とにかく優しくしてやるんだぞ」
「……ああ?」
訳がわからないまま、クロウはブルーにうなずき返して部屋を出た。
白藍の使徒……そのリーダーである白藍の騎士……いったいどんな奴なんだろう?
レーゼを取り返すためなら、誰とだって手を組んでやるが、エニグマの罠だけは警戒しないと。
歩きながら考え込んでいたら、突然馬車が前を横切った。
ここはもう大通りなのだ。
かつてのゴールディフロウの王都だった頃は知らないが、廃墟と化した街にもこれだけ人が集い、日々の暮らしが営まれている。
市場はすぐに見つかった。
「すごいな」
人が集まれば物が集まり、当然そこには交流の場が生まれる。
市場もその一つだ。昼過ぎなので比較的空いているようだが、夕飯前にはまた人は増えるのだろう。
野菜の集荷場所にカーネリアはいた。荷物運びを手伝っていたらしい。
「カーネリア」
クロウが呼びかけると、カーネリアは振り向き、ぱっと顔を輝かせた。
「ああ」
クロウが目覚めたのは昼過ぎである。
彼はその足でブルーに会いに行った。そして、昼食中の彼の椅子を倒れさせた。
「それが結局のところ、俺たちの最終目標だろう?」
なにを驚くことがある? とでもいうようにクロウはブルーを見た。
「い、いやそれはもちろんだが、あの悲憤の魔女を倒したんだ。噂を聞きつけて、各地から俺たちの元に、戦いに加わりたい連中が続々と押し寄せている。俺たちは、もう一度、戦える組織を編成しなくてはならない」
「いよいよ本格的な軍隊というわけか。それはあんたに任せる」
クロウは立ち上がった。
「待てよ、クロウ。お前はもはや有名人だ。お前の元に人が集まっていると言っても過言じゃない。まぁ飯でも食えよ」
「……」
ブルーのすすめでクロウは再び腰をおろし、勧められたパンとチーズを口に運んだ。
「後でちゃんとした飯を食えよ。俺たちは体が資本だ」
「ああ、先はまだ長い」
「ミルクも飲め」
「俺は大勢を率いられる器じゃない。それはブルーやオーカーの仕事だ。
カーネリアだって俺よりずっと協調性がある」
クロウは、口を拭いながらさっきの話題に答えた。
「まぁ、お前はそう思っているんだろうがな……けどクロウ、お前には何かあるんだよ」
ブルーはつくづくとクロウを見やりながら言った。
どこか神秘性を帯びた淡麗な容姿。珍しい濃藍の髪は本人は無造作にしているようでも、腹が立つほど様子が良い。
長身で均整の取れた体は、細身でもかっちりと筋肉がつき、隙のない所作は素人が見ても、彼が相当な手練れだと感じられるだろう。
あと、妙に老成した落ち着いた物腰。
これがもうすぐ十九歳になる少年だとは、ブルーですら思えないくらいだった。
「何かって、なに?」
「えーと……みー、魅力? そう。お前には人を惹きつける魅力があるんだ」
「知らない。それに俺のことなんかどうでもいい」
「……やれやれ。そういうところなんだがな」
ブルーは広い肩をすくめた。
「まぁいい。それはそうと。聞いたか?」
「なに?」
このところずっと個人行動で、さっき起きたばかりのクロウは情報に疎かった。
「白藍の使徒っていう、戦士の集団のことをさ」
「白藍の使徒? 知らない」
「要するに、俺たちデューンブレイドみたいに、自発的に集まった魔女滅殺を目的とする戦闘集団だな。もっと南の方で始まって、この二年で急速に力をつけて来たらしい」
アルトア大陸の南は、比較的魔女の被害が少ない地域である。
「南で? なら、あまり期待できないんじゃないか? どのくらいの集団だ?」
「およそ二百から三百で編成されているらしい」
「へぇ、少ないな」
「ああ。そう思うだろ? だが、詳しい報告が入ったんだ。南から大陸の東沿いに北上し、厄災の魔女の拠点の一つ『亡者の牢獄』を打ち壊したのが、その白藍の使徒だって話」
『亡者の牢獄』とは、大陸の東にあった古い城塞都市が栄えた所で、ゴールディフロウ滅亡の翌年に滅び、その城塞はギマの巣となっている、と噂されていた場所だ。
「それはいつのことだ」
「一月ほど前のことらしい。俺たちはここ一年ずっと西で、ジャルマとか、ウォーターロウで戦っていたから、知らせを聞くのが遅れた」
「そうか」
まだ主要な街道も連絡手段も、破壊の痛手から立ち直っていない。大陸は広いから知らせが遅れるのは仕方がなかった。
「その白藍の使徒とやらが、何か言ってきたのか?」
「それが……二日ほど前に、幹部の一人がやってきて、その白藍の使徒のリーダー的な人物が、お前に会いたいと言っていると伝えてきた」
「俺に? なんで?」
「言ったろう? お前が高名で優れた戦士だからだよ。で、俺たちデューンブレイドと共同戦線ってやつを張りたいんじゃないか?」
「白藍の使徒のリーダーは、なんて名前のやつだ?」
「ゼル」
「ゼル? 聞かないな」
「そうだろ? 俺も知らない。で、使者はそれだけいうとすぐに戻った。自分達を信頼できないならそれでいいと言って。手紙もない。口伝だけの知らせだった。正確に言おうか?」
「聞こう」
クロウは目を閉じた。集中するための動作だ。
「よし、言うぞ」
『私たちは、魔女****を倒すために戦っている、白藍の使徒という集団だ。あなたたちデューンブレイド噂を聞いて、使者を送った。あなた方のリーダー、そして最高の戦士に会いたい。共に魔女を滅ぼすために。二日後の早朝、ゴールディフロウ王城背後の崖の上にて待つ。白藍の騎士、ゼル』
「……と、これだけだ」
ブルーは魔女の名を伏せて伝えた。
「使者は魔女の名前を告げたのか?」
「ああ。情けないが、それには少々驚いてしまった。割と平然としていたな」
魔女は自分の名を呼ばれることに敏感で、常に耳をそば立てているという。
実際に悪意を込めたり、冗談でその名を呼んだ者が、不審な死を遂げるのを見たことがあるブルーは、軽率にその名を口にしない。
「なるほど、それを信用するかしないかは、俺たちに投げて、そっちで判断しろってことか」
「そう言うこった。で、お前はどう思う?」
「あんたが会うと言うなら会うよ、ブルー。俺はあんたの判断に従う」
「俺は会おうと思っている。魔女を倒すためなら、白藍だろうが、紫だろうが、なんだって使う。会って、共に戦い魔女を殺すことができる組織かどうか、確かめる」
「わかった」
「オーカーも、背中を預けるに足る奴らか、会ってみたいと言っていたな」
「背中……はどうかわからないけど、志の程度くらいは推し量れるだろう」
クロウも考え深げにいった。
「わかった。じゃあ手配しておくから、お前も準備してほしい」
「わかった。頼む」
クロウはいきなり立ち上がった。
「……って、お前どこ行くつもりだ」
「何かもっと食べたい。数日ほとんど食べてなかったから」
「相変わらずひでぇ自己管理だな」
「どうかな?」
「まぁ、美味いものを食いたくなったのはいいことだな。だったらカーネリアに会って来てやれ。今なら市場にいるはずだ。あいつはお前のこと、すごく心配していた。もう戻ってこないんじゃないかってな」
「戻ってくるさ。いくら俺でも一人では戦えない。だからその白藍の使徒とやらにも会うんだ」
「はぁあ~」
セイジは大きなため息をついて、ひらひらと手を振った。
「とにかく、カーネリアに会ってこい。一緒に飯でも食って話せ。とにかく優しくしてやるんだぞ」
「……ああ?」
訳がわからないまま、クロウはブルーにうなずき返して部屋を出た。
白藍の使徒……そのリーダーである白藍の騎士……いったいどんな奴なんだろう?
レーゼを取り返すためなら、誰とだって手を組んでやるが、エニグマの罠だけは警戒しないと。
歩きながら考え込んでいたら、突然馬車が前を横切った。
ここはもう大通りなのだ。
かつてのゴールディフロウの王都だった頃は知らないが、廃墟と化した街にもこれだけ人が集い、日々の暮らしが営まれている。
市場はすぐに見つかった。
「すごいな」
人が集まれば物が集まり、当然そこには交流の場が生まれる。
市場もその一つだ。昼過ぎなので比較的空いているようだが、夕飯前にはまた人は増えるのだろう。
野菜の集荷場所にカーネリアはいた。荷物運びを手伝っていたらしい。
「カーネリア」
クロウが呼びかけると、カーネリアは振り向き、ぱっと顔を輝かせた。
感想 20
あなたにおすすめの小説
処刑されるはずだった没落令嬢ですが、姫様の初夜を身代わりしたら子を授かりました
新 星緒没落伯爵令嬢のエルゼは大恩がある姫様を救うために、初夜の身代わりを引き受ける。
そして姫様や国を守るために誰にも行く先を告げずに国を去った。
三年後。初夜の晩に息子ヴァルターを授かっていたエルゼは、ひっそりと暮らしていた。ところが元婚約者に拉致られて、あわやというところに初夜の相手であるハインツ王子が現れる。
「ようやく見つけた。エルゼ、愛している」
「初夜の相手が君だと最初からわかっていたが?」
――身代わり初夜から始まる、純愛溺愛執着愛のお話!
【完結】私、悪役令嬢なのに、攻略対象に溺愛されています!?
凪ことは。乙女ゲームの悪役令嬢に転生してしまったことに気づいた、侯爵令嬢リリアーナ。
待ち受けるのは婚約破棄、断罪、そして破滅エンド――のはずだった。
だからこそ彼女は決意する。
「攻略対象には近づかない。目立たない。平穏に生きる!」と。
しかしなぜか、氷の公爵令息レオンハルト・ヴァイスブルクが、彼女にだけ異常な執着を見せ始めて――!?
冷たい視線の裏に隠された独占欲。
逃げれば逃げるほど深まっていく溺愛。
さらには本来ヒロインを愛するはずの攻略対象たちまで、次々とリリアーナを囲み始め……!?
「お前を誰にも渡すつもりはない」
破滅回避したい悪役令嬢と、彼女を決して逃がさない最強攻略対象。
運命が大きく狂い始める、甘く危険な溺愛ファンタジー♡
まだ20歳の未亡人なので、この後は好きに生きてもいいですか?
せいめ 政略結婚で愛することもなかった旦那様が魔物討伐中の事故で亡くなったのが1年前。
喪が明け、子供がいない私はこの家を出て行くことに決めました。
そんな時でした。高額報酬の良い仕事があると声を掛けて頂いたのです。
その仕事内容とは高貴な身分の方の閨指導のようでした。非常に悩みましたが、家を出るのにお金が必要な私は、その仕事を受けることに決めたのです。
閨指導って、そんなに何度も会う必要ないですよね?しかも、指導が必要には見えませんでしたが…。
でも、高額な報酬なので文句は言いませんわ。
家を出る資金を得た私は、今度こそ自由に好きなことをして生きていきたいと考えて旅立つことに決めました。
その後、新しい生活を楽しんでいる私の所に現れたのは……。
まずは亡くなったはずの旦那様との話から。
ご都合主義です。
設定は緩いです。
誤字脱字申し訳ありません。
主人公の名前を途中から間違えていました。
アメリアです。すみません。
旦那様には好きな人がいる
えくれあ私の旦那様である、テオドール・セルヴァン侯爵様には好きな人がいる。
それは、幼馴染であり、王太子妃でもあるマチルダ様だ。
お二人は、いつもとても仲睦まじいご様子で、そんな叶わぬお二人の恋をそっと見守るのが私の日常だった。
そんなある日、夜会にめったに顔を出さない王太子殿下に、ダンスに誘われて。それがきっかけで、私の日常は少しずつ変化し始めた。
ド近眼の伯爵令嬢は婚約破棄されたらしいですが、相手が誰だか見えていませんでした
茨野 三智婚約破棄を告げられた伯爵令嬢エレノア。
けれど彼女は、相手の顔を見ても首をかしげるだけだった。
「失礼ですが……どちら様でしょう?」
重度の近眼ゆえに、婚約者の顔すら判別できなかったのである。
社交より研究が大好きな彼女は、婚約解消をあっさり受け入れ、魔導工学の研究へ没頭する日々を送ることに。そんなある日、王立図書館で出会った謎の青年リヒトの何気ない一言から、世界を変える大発明への道が開かれていく。
やがて誕生するのは、人々の人生を一変させる「魔導レンズ」。
見た目や噂だけで彼女を切り捨てた者たちが後悔する頃、エレノアの隣には、最初から彼女の価値を見抜いていた人物がいた――。
天然研究者令嬢が恋も夢もつかみ取る、ほのぼのラブコメファンタジーです。
「氷の公爵子息は、平凡令嬢を手放さない」
白瀬しおんただぶつかっただけのはずだった。
なのに気づけば、氷の公爵子息は隣に座り、手を取り、名前を呼ぶ。
そして——
「逃げてもいい。でも、逃げ切れない」
平凡令嬢を静かに囲い込む、逃げ場なしの溺愛。
最後に待つのは、拒否権のない婚約だった。
※初投稿のため、至らない点があるかもしれませんが、温かく見守っていただけると嬉しいです。
氷の王太子は初夜のあと、私だけを溺愛しすぎる
富士山麓公爵令嬢フェブラリーは、家と王家のため、氷の王太子イシュタルとの政略結婚を命じられる。
婚礼の日、王太子は一度も微笑まず、初夜の白磁の間で彼女に告げた。
「私は、君に興味がない」
愛されることなど期待していなかった。 ただ王太子妃として役目を果たせばいい。 そう自分に言い聞かせたフェブラリーだったが、翌朝、イシュタルの態度は一変する。
冷たかったはずの王太子は、なぜか彼女だけを見つめ、気遣い、甘やかし、重すぎるほどの溺愛を向けてくるようになった。
戸惑いながらも、少しずつ心を通わせていく二人。 しかし、王宮にはフェブラリーを快く思わない者たちがいた。
王太子の寵愛を受ける彼女への嫉妬。 王妃失格の噂。 裂かれるドレス。 仕掛けられる罠。
それでもフェブラリーは、ただ守られるだけの妃では終わらない。 傷ついても立ち上がり、傷跡さえ花に変え、王太子の隣で王宮を変えていく。
これは、政略結婚から始まった冷たい夫婦が、真実の愛を知り、やがて王と王妃として共に歩み出す物語。
氷の王太子の溺愛は、今日も王宮中を甘く揺らしている。 :::
【完結】身勝手な旦那様と離縁したら、異国で我が子と幸せになれました
綾雅(りょうが)要らない悪役令嬢腹を痛めて産んだ子を蔑ろにする身勝手な旦那様、離縁してくださいませ!
完璧な人生だと思っていた。優しい夫、大切にしてくれる義父母……待望の跡取り息子を産んだ私は、彼らの仕打ちに打ちのめされた。腹を痛めて産んだ我が子を取り戻すため、バレンティナは離縁を選ぶ。復讐する気のなかった彼女だが、新しく出会った隣国貴族に一目惚れで口説かれる。身勝手な元婚家は、嘘がバレて自業自得で没落していった。
崩壊する幸せ⇒異国での出会い⇒ハッピーエンド
元婚家の自業自得ざまぁ有りです。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2022/10/07……アルファポリス、女性向けHOT4位
2022/10/05……カクヨム、恋愛週間13位
2022/10/04……小説家になろう、恋愛日間63位
2022/09/30……エブリスタ、トレンド恋愛19位
2022/09/28……連載開始