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88 王都再び 4
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長い廊下には誰もいなかった。
エルランドは少しの迷いもなくリザを連れて廊下を進み、一階へと続くホールへと出たが、その隅に一人の男が立っていた。
「……」
見覚えのあるその男に、エルランドは素早くリザを背後に隠した。
「いやいや、キーフェル卿、私にはなんの腹づもりもない。警戒は不要だよ」
男の声は穏やかだった。エルランドはさっと騎士の礼をとる。
「……これはシュラーク公爵閣下。恐れ入ります」
「え⁉︎」
その言葉に、リザはその人物をよく見ようと、エルランドの背後から顔を覗かせた。
シュラーク公爵とは、リザがもし兄の言いなりにエルランドと離縁していたら、再婚させられようとしていた相手だ。彼は大柄で、地味だが立派な服装の初老の男だった。
「それで、私に御用でしょうか? 閣下」
「いや……以前から私が妻に迎えるところだった姫君のお顔を、一度拝見したいと思っていたでな……。そうか、あなたが末の姫、リザ殿下であられるか。ご無礼致した。お初にお目もじいたします。我が名はシュラークと申します」
公爵はそう言って、優雅に腰を折った。
「はい。私がリザです。お初にお目にかかります。公爵様」
リザも前に出て腰を屈めた。
「可憐なお姿だ……しかし、ヴェセル陛下や兄君には似ておられませんな」
「ええ。ですからずっと嫌われ者でした。兄や姉からはカラスと呼ばれておりましたの」
リザは少しも悪びれずに答えた。
「ですが、この黒髪も瞳も、もう嫌いではありませんわ。エルランド様が美しいとおっしゃってくれるのですから」
「これはこれは。気高い姫君だ」
「ありがとうございます」
そう言ったリザを、公爵は射抜くような瞳で見つめている。
「……正直申して私は、別に後添いなど欲しくはなかったのですよ。亡くなった妻がしっかりした子ども達をたくさん残してくれましたからな。しかし、先王陛下の最後のお子だと言う、秘された末の姫君に少し興味が湧いて、後添いの話を受けたのです。王家に恩を売りたくもありましたし……ま、世馴れた老人のつまらぬ考えでしたが」
「……今、なぜそれを私に?」
あけすけな告白に、リザは少しだけ好感を持って尋ねた。その肩にエルランドの手が置かれている。
「姫は正い選択をしたと伝えるために」
侯爵はエルランドに向き直った。
「キーフェル卿、今回の件に関しては、これ以上厄介なことにはならないとお約束しよう。つまらぬ欲を出すと国が乱れる元だと、私からあちらにも言って聞かせる。そのくらいの意見を言う力はあるつもりだよ。王家が威信を保っていられるのは、我ら貴族の働きがあってこそなのだから。貴族とは家柄を誇るものではない。王家、ひいては国家への忠誠を誇るものだ」
「……」
「だが、国家にとって、王家とは必要なものでもある。多くの貴族や、軍隊、民草には象徴となる拠り所が必要なのだから。卿もわかっておられようが」
「御意」
エルランドは拳を胸に当てた。軍隊式の敬礼である。
「あちらはまぁその……愚かではないものの、特に深いお考えをお持ちではない。常に損得勘定で動くある意味御し易いお方だ。だから心配する必要はない」
公爵はリザに片目をつぶって見せた。
「だが、あの侍従に関しては、私もそろそろ腹に据えかねていたところである。あれに関しては近いうちにけじめをつける。筆頭侍従は財産の半分を没収の上、クビだな」
「そうして頂けるとありがたく存じます」
エルランドは冷淡に言った。
「ではリザ姫、ここであなたに会えてよかった。いや、どうかな? 少し惜しくなってしまったかもしれない……いや、これは冗談だが」
シュラークはエルランドの瞳がぎらりと光ったのを見て苦笑した。
「それではキーフェル卿ご夫妻、またいつかお会いしよう。我が領地にもぜひお越しくだされ」
鷹揚に手を振り、公爵は去っていく。
残された二人はほっと肩を落とし、お互いを見つめあった。
「……やれやれ、やっぱりここは油断ができない場所だ。リザ、こんなところさっさと出よう」
「ええ! 行きましょ!」
二人は手を繋いで一気に階段を下りた。リザのドレスが大きく膨らむ。
下で待ち構えていたコルとセローに合流すると、一行はそのまま正面大扉から外に出た。
冬の穏やかな午後である。陽はすでに傾きかけていた。
「ねぇエル……私、離宮に行きたい。行ってもいい?」
リザはエルランドの袖を掴んで言った。
「白藤宮へ? もちろん。ここからだと少し遠いな。馬で行こうか」
「いいの?」
リザは晴々とした様子で元気よく歩き出した。セローが準備をするためにすぐに駆けだした。
「ああ! 懐かしいわ! 半年も経っていないのに、随分前のことのよう!」
エルランドとリザを乗せたアスワドは、軽快に所々雪の積もった庭や小道を抜けていく。すれ違う衛兵や召使が目を丸くしてその姿を目で追っていたが、二人は意にも解さなかった。
そして、広い裏庭の奥。主要宮の屋根が木立に隠れてしまうところに、小さな離宮は佇んでいた。
住む人がいなくなったせいか、一層朽ちた感がある。それはもの寂しく美しい風景だった。季節が巡れば、いずれ森に飲み込まれてしまうだろう。
「リザ様? リザ様だ!」
庭の方から青年が顔を出した。
「まぁ! オジー! オジーじゃないの! どうして私が来るとわかったの?」
「エルランド様から知らせをもらって」
「伝えたの俺ですー」
セローが口を挟んだ。
「リザ様、見違えます!」
オジーは走ってきてリザの両手を取った。
「少しは太って貧相じゃなくなったでしょう?」
リザは自慢そうに胸を張った。
「いや、そうだけど。そうじゃなくて……すごくその……綺麗になったと言うか」
「そうよ。私いろいろ経験して勉強して、ちょっとだけ綺麗になったの。もう以前の私とは違うわ。エル……エルランド様もいるし」
「はぁ……お幸せならよかったです」
その噛み合わなさは相変わらずだとオジーは思ったが、横のエルランドが蕩けそうな顔をしているので、何を言っても無駄だと悟った。
「オジーがいるならニーケも連れてくればよかった。今日はお留守番なの、でも東の通りのウィルター商会に逗留しているからいつでも会いに来てね。しばらくはいるから」
「ありがとうございます。離宮は、あのまま日のままです」
「……もう住めないわね」
リザは落ち葉の舞い込んだかつての住まいに足を踏み入れた。
居間も寝室も、自立の一歩となった温室も、リザ達が出て行った時のまま、そこにあった。
静かな廃墟となって──。
ここで十九年もの間、リザは暮らしたのだ。最初は母と、その後はニーケと。
「お母様のお墓は? あのまま?」
「ええ。俺が時々手入れをしてます」
リザは離宮の裏に回った。名前のみ刻まれた小さな墓標がそこにある。
その名前も苔に埋もれ、半ばに見えなくなっていた。オジーが供えてくれたのだろう、小さな白い花束が露を含んでいる。
「お母さん、リザよ。会いに来たわ」
リザは小さな墓石の前に両膝をついた。後ろでエルランドもひざまづいている。
「私ね、居場所ができたの。とても素敵なところよ。だからお母さんはもう泣かなくていいのよ。私も、もう泣かない」
リザはそう言って、さっきエルランドに渡された青い宝石を花の横に置いた。
「お母上、大切な娘御は、私がきっとお守り申し上げる。安らかに眠られよ」
背中に温かさを感じてリザは微笑んだ。
静かな冬の森。小さな墓標に朽ちた離宮。
かつてそこだけがリザの世界だったのだ。
「十九年間、私を守ってくれてありがとう」
立ち上がったリザは、振り向かなかった。
「さようなら」
***
「ウェルター殿、いろいろ世話になったな。俺たちは明後日、イストラーダに帰る。北方よりは雪は少ないと言っても、やはり冬旅は厳しいから」
エルランドは優しくリザを見ている。
たった五日間の王都滞在だったが、もう十分だった。思ったことは全て果たせた。還らぬものもあったが、それはもういいのだ。欲しいものは全て手に入ったのだから。
「明日なのね」
「はい。私どももできる限りの準備をお手伝いします。それはそうと、今朝支店の方から報告が来たのですが。リザ様が花の絵付けをされた陶器は、出したその日中に全部売れたそうですよ」
「え⁉︎」
リザは思わず声をあげた。
「それは本当?」
「ええ。買っていたのは、主に市井の方々で、贅沢品ではなく、日用品としての需要だったそうです。価格にほとんど差がなかったら誰でも綺麗なものを使いたいですもの」
パーセラが今使っている茶器もリザが絵付けをしたものである。リザがお土産に持ってきたのだ。
「すごいじゃないか!」
「エルランド様。商人としての私の勘ですが、これはきっとイストラーダの産業の一つになります。ですからリザ様、これからもお続けなさいませ」
「新しい産業……私が絵を描いた陶器が……」
「そうだ。上手に描ける者が増えたら、村娘達の冬の仕事となる。そしたら春の市に出せるぞ」
「……」
リザが花の絵を描き始めたのは、死んだ母が庭師の下働きだったから花に興味を持ち、父王が植物絵図をくれたからだ。
それは陶器の絵付けという、思ってもみなかった形で成果になった。
リザはウェルターを見、それからエルランドを見た。彼は大きく頷いてくれた。
「ありがとう。私、やるわ。ええ、もっともっとやってみたい! ああ早くイストラーダに帰りたいわ!」
リザは東の空を見つめている。
冬晴れの空はどこまでも透明で、清麗な風が吹き抜けて行った。
エルランドは少しの迷いもなくリザを連れて廊下を進み、一階へと続くホールへと出たが、その隅に一人の男が立っていた。
「……」
見覚えのあるその男に、エルランドは素早くリザを背後に隠した。
「いやいや、キーフェル卿、私にはなんの腹づもりもない。警戒は不要だよ」
男の声は穏やかだった。エルランドはさっと騎士の礼をとる。
「……これはシュラーク公爵閣下。恐れ入ります」
「え⁉︎」
その言葉に、リザはその人物をよく見ようと、エルランドの背後から顔を覗かせた。
シュラーク公爵とは、リザがもし兄の言いなりにエルランドと離縁していたら、再婚させられようとしていた相手だ。彼は大柄で、地味だが立派な服装の初老の男だった。
「それで、私に御用でしょうか? 閣下」
「いや……以前から私が妻に迎えるところだった姫君のお顔を、一度拝見したいと思っていたでな……。そうか、あなたが末の姫、リザ殿下であられるか。ご無礼致した。お初にお目もじいたします。我が名はシュラークと申します」
公爵はそう言って、優雅に腰を折った。
「はい。私がリザです。お初にお目にかかります。公爵様」
リザも前に出て腰を屈めた。
「可憐なお姿だ……しかし、ヴェセル陛下や兄君には似ておられませんな」
「ええ。ですからずっと嫌われ者でした。兄や姉からはカラスと呼ばれておりましたの」
リザは少しも悪びれずに答えた。
「ですが、この黒髪も瞳も、もう嫌いではありませんわ。エルランド様が美しいとおっしゃってくれるのですから」
「これはこれは。気高い姫君だ」
「ありがとうございます」
そう言ったリザを、公爵は射抜くような瞳で見つめている。
「……正直申して私は、別に後添いなど欲しくはなかったのですよ。亡くなった妻がしっかりした子ども達をたくさん残してくれましたからな。しかし、先王陛下の最後のお子だと言う、秘された末の姫君に少し興味が湧いて、後添いの話を受けたのです。王家に恩を売りたくもありましたし……ま、世馴れた老人のつまらぬ考えでしたが」
「……今、なぜそれを私に?」
あけすけな告白に、リザは少しだけ好感を持って尋ねた。その肩にエルランドの手が置かれている。
「姫は正い選択をしたと伝えるために」
侯爵はエルランドに向き直った。
「キーフェル卿、今回の件に関しては、これ以上厄介なことにはならないとお約束しよう。つまらぬ欲を出すと国が乱れる元だと、私からあちらにも言って聞かせる。そのくらいの意見を言う力はあるつもりだよ。王家が威信を保っていられるのは、我ら貴族の働きがあってこそなのだから。貴族とは家柄を誇るものではない。王家、ひいては国家への忠誠を誇るものだ」
「……」
「だが、国家にとって、王家とは必要なものでもある。多くの貴族や、軍隊、民草には象徴となる拠り所が必要なのだから。卿もわかっておられようが」
「御意」
エルランドは拳を胸に当てた。軍隊式の敬礼である。
「あちらはまぁその……愚かではないものの、特に深いお考えをお持ちではない。常に損得勘定で動くある意味御し易いお方だ。だから心配する必要はない」
公爵はリザに片目をつぶって見せた。
「だが、あの侍従に関しては、私もそろそろ腹に据えかねていたところである。あれに関しては近いうちにけじめをつける。筆頭侍従は財産の半分を没収の上、クビだな」
「そうして頂けるとありがたく存じます」
エルランドは冷淡に言った。
「ではリザ姫、ここであなたに会えてよかった。いや、どうかな? 少し惜しくなってしまったかもしれない……いや、これは冗談だが」
シュラークはエルランドの瞳がぎらりと光ったのを見て苦笑した。
「それではキーフェル卿ご夫妻、またいつかお会いしよう。我が領地にもぜひお越しくだされ」
鷹揚に手を振り、公爵は去っていく。
残された二人はほっと肩を落とし、お互いを見つめあった。
「……やれやれ、やっぱりここは油断ができない場所だ。リザ、こんなところさっさと出よう」
「ええ! 行きましょ!」
二人は手を繋いで一気に階段を下りた。リザのドレスが大きく膨らむ。
下で待ち構えていたコルとセローに合流すると、一行はそのまま正面大扉から外に出た。
冬の穏やかな午後である。陽はすでに傾きかけていた。
「ねぇエル……私、離宮に行きたい。行ってもいい?」
リザはエルランドの袖を掴んで言った。
「白藤宮へ? もちろん。ここからだと少し遠いな。馬で行こうか」
「いいの?」
リザは晴々とした様子で元気よく歩き出した。セローが準備をするためにすぐに駆けだした。
「ああ! 懐かしいわ! 半年も経っていないのに、随分前のことのよう!」
エルランドとリザを乗せたアスワドは、軽快に所々雪の積もった庭や小道を抜けていく。すれ違う衛兵や召使が目を丸くしてその姿を目で追っていたが、二人は意にも解さなかった。
そして、広い裏庭の奥。主要宮の屋根が木立に隠れてしまうところに、小さな離宮は佇んでいた。
住む人がいなくなったせいか、一層朽ちた感がある。それはもの寂しく美しい風景だった。季節が巡れば、いずれ森に飲み込まれてしまうだろう。
「リザ様? リザ様だ!」
庭の方から青年が顔を出した。
「まぁ! オジー! オジーじゃないの! どうして私が来るとわかったの?」
「エルランド様から知らせをもらって」
「伝えたの俺ですー」
セローが口を挟んだ。
「リザ様、見違えます!」
オジーは走ってきてリザの両手を取った。
「少しは太って貧相じゃなくなったでしょう?」
リザは自慢そうに胸を張った。
「いや、そうだけど。そうじゃなくて……すごくその……綺麗になったと言うか」
「そうよ。私いろいろ経験して勉強して、ちょっとだけ綺麗になったの。もう以前の私とは違うわ。エル……エルランド様もいるし」
「はぁ……お幸せならよかったです」
その噛み合わなさは相変わらずだとオジーは思ったが、横のエルランドが蕩けそうな顔をしているので、何を言っても無駄だと悟った。
「オジーがいるならニーケも連れてくればよかった。今日はお留守番なの、でも東の通りのウィルター商会に逗留しているからいつでも会いに来てね。しばらくはいるから」
「ありがとうございます。離宮は、あのまま日のままです」
「……もう住めないわね」
リザは落ち葉の舞い込んだかつての住まいに足を踏み入れた。
居間も寝室も、自立の一歩となった温室も、リザ達が出て行った時のまま、そこにあった。
静かな廃墟となって──。
ここで十九年もの間、リザは暮らしたのだ。最初は母と、その後はニーケと。
「お母様のお墓は? あのまま?」
「ええ。俺が時々手入れをしてます」
リザは離宮の裏に回った。名前のみ刻まれた小さな墓標がそこにある。
その名前も苔に埋もれ、半ばに見えなくなっていた。オジーが供えてくれたのだろう、小さな白い花束が露を含んでいる。
「お母さん、リザよ。会いに来たわ」
リザは小さな墓石の前に両膝をついた。後ろでエルランドもひざまづいている。
「私ね、居場所ができたの。とても素敵なところよ。だからお母さんはもう泣かなくていいのよ。私も、もう泣かない」
リザはそう言って、さっきエルランドに渡された青い宝石を花の横に置いた。
「お母上、大切な娘御は、私がきっとお守り申し上げる。安らかに眠られよ」
背中に温かさを感じてリザは微笑んだ。
静かな冬の森。小さな墓標に朽ちた離宮。
かつてそこだけがリザの世界だったのだ。
「十九年間、私を守ってくれてありがとう」
立ち上がったリザは、振り向かなかった。
「さようなら」
***
「ウェルター殿、いろいろ世話になったな。俺たちは明後日、イストラーダに帰る。北方よりは雪は少ないと言っても、やはり冬旅は厳しいから」
エルランドは優しくリザを見ている。
たった五日間の王都滞在だったが、もう十分だった。思ったことは全て果たせた。還らぬものもあったが、それはもういいのだ。欲しいものは全て手に入ったのだから。
「明日なのね」
「はい。私どももできる限りの準備をお手伝いします。それはそうと、今朝支店の方から報告が来たのですが。リザ様が花の絵付けをされた陶器は、出したその日中に全部売れたそうですよ」
「え⁉︎」
リザは思わず声をあげた。
「それは本当?」
「ええ。買っていたのは、主に市井の方々で、贅沢品ではなく、日用品としての需要だったそうです。価格にほとんど差がなかったら誰でも綺麗なものを使いたいですもの」
パーセラが今使っている茶器もリザが絵付けをしたものである。リザがお土産に持ってきたのだ。
「すごいじゃないか!」
「エルランド様。商人としての私の勘ですが、これはきっとイストラーダの産業の一つになります。ですからリザ様、これからもお続けなさいませ」
「新しい産業……私が絵を描いた陶器が……」
「そうだ。上手に描ける者が増えたら、村娘達の冬の仕事となる。そしたら春の市に出せるぞ」
「……」
リザが花の絵を描き始めたのは、死んだ母が庭師の下働きだったから花に興味を持ち、父王が植物絵図をくれたからだ。
それは陶器の絵付けという、思ってもみなかった形で成果になった。
リザはウェルターを見、それからエルランドを見た。彼は大きく頷いてくれた。
「ありがとう。私、やるわ。ええ、もっともっとやってみたい! ああ早くイストラーダに帰りたいわ!」
リザは東の空を見つめている。
冬晴れの空はどこまでも透明で、清麗な風が吹き抜けて行った。
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