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しおりを挟む「いい。すごい。もっと突き刺して。あぁ~いくぅ。これ最高。」
薄暗い部屋の中で獣となった少年が女に覆いかぶさって腰を打ち付けている。うつ伏せに寝そべる女の尻に少年は無言でピストンを続ける。濡れた割れ目に濡れたペニスが出ては入り、中をかき回している。
熱気が部屋に充満して、窓ガラスは曇っていた。
二人は教師と生徒だった。
女は名前を佐藤亜香里といった。新任教師として山間の小さな中学校に着任して半年と少し過ぎたばかりだった。
中学時代の三年間だけこの田舎に父親の仕事の関係で暮らしたことがある。それがきっかけで、「母校」への就任希望を出し、晴れて今年の四月から教鞭を振るうことになった。
どこで教師をしようと関係ない。そう考えてのことだった。
都会暮らしの方が長かったが思春期の甘酸っぱい記憶が美化されたのか、この町のことを特に嫌とは感じずにいたので抵抗なく戻ってきた。しかし、大人になった今ではこの町を「何もない街だな」と感じてしまう。
何もない町。この町には確かに大きなデパートや娯楽施設、おしゃれなカフェなどはなく小さなスーパー、飲食店が三件とコンビニが二件、歯医者や美容室だって数件。それだけだった。人口も一万人弱、おまけに観光地でもないため外部との接触は少なく、閉塞感に包まれていた。
初恋のあの人も、仲の良かった旧友もこの町にはもうおらず、みんな都会へ出て行ったようだ。
亜香里はふた月もせず、この何もない町に飽きた。
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