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「ローゼは双子だったと言う事に…できないかしら?」
アメリアがそう言うと、シドニーはうーんと考え込む。
「ローゼとそっくりな娘を養女にするにも、その娘の戸籍を作るなり、ひとまず誰かの家の娘にするなり、戸籍の改竄はしますよね?」
リリーが言うと、シドニーは「ああ」と頷く。
「だったらアメリア様の実子の方が…」
「ローゼはどうなんだ?希望はあるのか?」
クレイグがローゼに問う。
「私は、お母様の娘になれるならどちらでも良いんですけど、私が双子だったとすると、色々辻褄の合う設定を作るのは大変かなあ、とは思います」
ローゼがそう言うと、クレイグとシドニーは頷く。
「それだよな。それに、アメリアの娘が双子ではなかった事を知る人への根回しも要る」
「私の娘が双子ではない事を知る人?」
アメリアがきょとんとして言うと
「…私の元妻だ」
シドニーが言いにくそうに言った。
「「あ!」」
アメリアとリリーが同時に声を上げる。
「お義姉様!そうか…そうよね…」
「……」
「彼女の両親はもう亡くなっているそうだが、兄と妹がいるし、再婚相手もどの様な人物かわからないからな…」
シドニーが顎に手を当てて言う。
「……」
「人の口には戸を立てられないし、秘密を知る者は少ない方が良いと思う」
「そうね」
「はい」
クレイグの言葉に頷くアメリアとローゼ。リリーはシドニーを見つめながらそっと口を開く。
「…嫌です」
「リリー様?」
シドニーはリリーに視線を移す。
「シドニー様が元奥様と連絡を取り合ったり、秘密を共有したりするのは…嫌です」
「…リリー様」
リリーはハッとして勢い良く立ち上がった。
「申し訳ありません。私には関係のない事に口を出しました」
そう言うと「もう休みます」と言って部屋を出て行った。
-----
「アメリア様、ローゼ様…本当に…良かったです」
公爵家を飛び出してここを訪ねた時、ローゼを出迎えてくれた恰幅の良い侍女が、並ぶ二人を見て涙ぐんだ。
今夜は一緒に寝ようと言って、ローゼはアメリアの部屋へと招き入れられる。
ブルーと調度品にピンクの花が飾られた部屋。
「私の部屋に似てます。お兄様が整えてくれて…」
「私の瞳と同じ青だけど、この部屋はローゼの瞳の色なのよ。本当はずっとローゼの事、忘れた事はなかったわ…」
「お母様…」
アメリアはローゼの頭を撫でる。
「あんなに小さかった子に、もう恋人がいて結婚を考えてるなんてね…しかも王太子妃になろうとは…想像すらしてなかったわ」
「私もです」
クスクスと二人で笑う。
「養女になる時に名前も変えるんでしょう?」
「はい」
「もう決まってるの?」
「大体は…サ、サイオン殿下が」
「サイオン殿下が考えて下さったの?」
ローゼは赤くなって頷く。
「ローゼの双子なら『リーゼ』か『ローザ』と」
「あらかわいい。じゃあ養女になる時は?」
「ローゼかロゼと呼べる方が良いから『ロゼッタ』『ロゼール』『ローゼリア』『ローゼマリー』など…」
「色々考えて下さってるのね…」
「はい」
頬を染める娘をアメリアは微笑ましく眺める。
こんな日が来るなんて。そうローゼもアメリアも思っていた。
「ローゼという名前は私が付けたのよ」
「え?そうなんですか?」
「そうよ。私と同じピンクの髪を見て…私のアメリアと言う名前はアルメリアという花から取ってつけられたんですって。だから花から取ろうと思ってローゼって付けたの」
「そうなんだ…」
「だからローゼと呼び続けられるのは嬉しいわ」
大きなベッドに並んで横たわり、枕元の灯りを落とす。
「ねえローゼ…リリー様は…もしかして、お兄様の事を…?」
暗い中アメリアが言う。
「…ええ」
「そう。…大人の異性に憧れる時期なのかしら?」
「そんな時期があるんですか?」
「あるわ。子供の頃近所のお兄さんに憧れたり、家庭教師や学園の教師を好きになったり」
「ああ…」
それは何となくわかるわ。私が前世でゲームのサイオンを推してた気持ちに似てる。
あれ?じゃあ今の私がサイオン様を好きなのは、そういう時期だから?
「もちろん、憧れじゃなく本当の恋をする場合もあるけれどね」
「大人への憧れか、本当の恋かってわかる物なんですか?」
「んー…ある程度時間が経たないとわからないんじゃないかしら?」
「ある程度…」
「あら、何か不安になった?ローゼは大丈夫よ」
「…どうしてですか?」
「殿下が覚悟を決めているからよ。ローゼを離さないし、よそ見もさせないって。周りにもちゃんと顕示されて、ローゼをガッチリ囲い込む気満々だわ」
「ふえ!?」
サイオン様とまだ碌に話した事もないお母様が何でそんな事知ってるの!?
「今日殿下がお帰りになる前にローゼと二人でお話されている間に、私もお兄様たちに事情を説明してもらったじゃない?その時、そうお兄様とクレイグが言ってたわ」
「ローゼは双子だったと言う事に…できないかしら?」
アメリアがそう言うと、シドニーはうーんと考え込む。
「ローゼとそっくりな娘を養女にするにも、その娘の戸籍を作るなり、ひとまず誰かの家の娘にするなり、戸籍の改竄はしますよね?」
リリーが言うと、シドニーは「ああ」と頷く。
「だったらアメリア様の実子の方が…」
「ローゼはどうなんだ?希望はあるのか?」
クレイグがローゼに問う。
「私は、お母様の娘になれるならどちらでも良いんですけど、私が双子だったとすると、色々辻褄の合う設定を作るのは大変かなあ、とは思います」
ローゼがそう言うと、クレイグとシドニーは頷く。
「それだよな。それに、アメリアの娘が双子ではなかった事を知る人への根回しも要る」
「私の娘が双子ではない事を知る人?」
アメリアがきょとんとして言うと
「…私の元妻だ」
シドニーが言いにくそうに言った。
「「あ!」」
アメリアとリリーが同時に声を上げる。
「お義姉様!そうか…そうよね…」
「……」
「彼女の両親はもう亡くなっているそうだが、兄と妹がいるし、再婚相手もどの様な人物かわからないからな…」
シドニーが顎に手を当てて言う。
「……」
「人の口には戸を立てられないし、秘密を知る者は少ない方が良いと思う」
「そうね」
「はい」
クレイグの言葉に頷くアメリアとローゼ。リリーはシドニーを見つめながらそっと口を開く。
「…嫌です」
「リリー様?」
シドニーはリリーに視線を移す。
「シドニー様が元奥様と連絡を取り合ったり、秘密を共有したりするのは…嫌です」
「…リリー様」
リリーはハッとして勢い良く立ち上がった。
「申し訳ありません。私には関係のない事に口を出しました」
そう言うと「もう休みます」と言って部屋を出て行った。
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「アメリア様、ローゼ様…本当に…良かったです」
公爵家を飛び出してここを訪ねた時、ローゼを出迎えてくれた恰幅の良い侍女が、並ぶ二人を見て涙ぐんだ。
今夜は一緒に寝ようと言って、ローゼはアメリアの部屋へと招き入れられる。
ブルーと調度品にピンクの花が飾られた部屋。
「私の部屋に似てます。お兄様が整えてくれて…」
「私の瞳と同じ青だけど、この部屋はローゼの瞳の色なのよ。本当はずっとローゼの事、忘れた事はなかったわ…」
「お母様…」
アメリアはローゼの頭を撫でる。
「あんなに小さかった子に、もう恋人がいて結婚を考えてるなんてね…しかも王太子妃になろうとは…想像すらしてなかったわ」
「私もです」
クスクスと二人で笑う。
「養女になる時に名前も変えるんでしょう?」
「はい」
「もう決まってるの?」
「大体は…サ、サイオン殿下が」
「サイオン殿下が考えて下さったの?」
ローゼは赤くなって頷く。
「ローゼの双子なら『リーゼ』か『ローザ』と」
「あらかわいい。じゃあ養女になる時は?」
「ローゼかロゼと呼べる方が良いから『ロゼッタ』『ロゼール』『ローゼリア』『ローゼマリー』など…」
「色々考えて下さってるのね…」
「はい」
頬を染める娘をアメリアは微笑ましく眺める。
こんな日が来るなんて。そうローゼもアメリアも思っていた。
「ローゼという名前は私が付けたのよ」
「え?そうなんですか?」
「そうよ。私と同じピンクの髪を見て…私のアメリアと言う名前はアルメリアという花から取ってつけられたんですって。だから花から取ろうと思ってローゼって付けたの」
「そうなんだ…」
「だからローゼと呼び続けられるのは嬉しいわ」
大きなベッドに並んで横たわり、枕元の灯りを落とす。
「ねえローゼ…リリー様は…もしかして、お兄様の事を…?」
暗い中アメリアが言う。
「…ええ」
「そう。…大人の異性に憧れる時期なのかしら?」
「そんな時期があるんですか?」
「あるわ。子供の頃近所のお兄さんに憧れたり、家庭教師や学園の教師を好きになったり」
「ああ…」
それは何となくわかるわ。私が前世でゲームのサイオンを推してた気持ちに似てる。
あれ?じゃあ今の私がサイオン様を好きなのは、そういう時期だから?
「もちろん、憧れじゃなく本当の恋をする場合もあるけれどね」
「大人への憧れか、本当の恋かってわかる物なんですか?」
「んー…ある程度時間が経たないとわからないんじゃないかしら?」
「ある程度…」
「あら、何か不安になった?ローゼは大丈夫よ」
「…どうしてですか?」
「殿下が覚悟を決めているからよ。ローゼを離さないし、よそ見もさせないって。周りにもちゃんと顕示されて、ローゼをガッチリ囲い込む気満々だわ」
「ふえ!?」
サイオン様とまだ碌に話した事もないお母様が何でそんな事知ってるの!?
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