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番外編3
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モリーの野望
アリシアとジーンの結婚式は、王都のウィルフィス公爵領下にある教会で行われる。
「わあ、アリシア、すごく綺麗!」
控室にやって来たホリーが歓声を上げる。ホリーの妹であるモリーも一緒だ。
「アリシアお義姉さま、ものすごく綺麗です!」
12歳のモリーは、アリシアをうっとりと見つめる。
「ホリー、モリーもありがとう」
「アリシアの結婚式で親族席に座る事になるとは、思ってもみなかったわ」
「ホリーのお義兄さんだものね、ジーンは。それにホリーは私のお義姉さんになるんだし!」
ホリーと、アリシアの兄グレッグの結婚式は来年の春に決まった。あと約十カ月だ。
「ホリーも結婚式の準備でこれから忙しくなるわね」
「アリシアの準備見てたから大体の流れはわかったけど、自分たちがやるとなるとまた別物よね」
「そうね」
「それに、流石に公爵家の女主人になるには色々勉強しなくてはいけないのね…まあアリシアの王太子妃教育ほどじゃないから頑張るわ」
ホリーがため息混じりに言うと、アリシアはふふっと笑う。
「ホリーなら大丈夫よ。私も近くにいるんだし、一緒に頑張りましょうね!」
「そうね。アリシアよろしくね」
ホリーとアリシアが手を取り合っていると、モリーが「お姉さま方」と言う。
「モリー?」
「私にも家の取り仕切り方を教えてください」
「そうね、モリーも将来はお婿さんを迎えて伯爵家の女主人になるんだもの、一緒に勉強しましょう」
アリシアが言い、ホリーが頷く。
モリーは首を横に振った。
「女主人…ううん。じゃあジーンお義兄さまやグレッグお義兄さまに聞いた方が良いのかしら…?」
ぶつぶつと呟くモリーに、アリシアとホリーは首を傾げる。
「お姉さま、私、早く学園に入れる歳になりたいです!学園へ行ったら政治や経済、経営や運用の事を学んで、卒業したらロビンソン伯爵家を牛耳りたいのです!」
拳を握って力説するモリーをアリシアとホリーは呆然と眺める。
「ぎゅ…牛耳るの?」
「はい!」
アリシアが聞くと、モリーは勢い良く頷く。
「なので、伯爵位を継ぐお飾りの婿が必要なんです。放蕩者では困りますが自分が伯爵家を仕切りたい人でも困ります。上手く私に操られてくれる様な人が良いので、アリシアお義姉さまも良い人がいたら紹介してくださいね」
「はあ…」
「もう、モリー。結婚式前のアリシアに何頼んでるのよ」
ホリーが言うと、モリーはホリーの手を取る。
「ホリーお姉さま!お嫁に行く事にしてくれてありがとうございます。流石に私もお嫁に行った先の家を牛耳るのは難しいかと思っていたので、伯爵家を継ぐ役目を頂けて、本当に嬉しいです!」
「そ…そう。それは良かった…わ」
ホリーは自分が家を出る事で、妹へ家を継ぐという重圧を与えてしまったのではないかと気にしていたが、むしろ妹に喜ばれていると知って安堵した。
「あら、じゃあモリーちゃん、ウチの弟なんてどうかしら?」
控室に入って来たルナが言う。クララも一緒だ。
「ルナの弟さん?」
「アリシア、綺麗!かわいい!はあ~好き~」
ルナがうっとりと言う。
「ルナ様またダダ漏れてます。アリシア様おめでとうございます」
「ありがとう。ルナとクララは相変わらずね」
「弟さんは何歳ですか?」
うっとりしているルナへ、ずいっとモリーが迫る。
「こら、モリー」
ホリーが嗜めると、モリーは「だって~」と唇を尖らせる。
「ウチの弟、二人いるんだけど、下の弟が今15で今年学園に入学したの」
「三つ上か…悪くないわ」
モリーが頷く。
「この子がね、何と言うか…お父様似でね」
ルナが言い辛そうに言う。ルナの父と言えば、王宮の議会の議長だが、自分が娘に情報を漏洩している事に気付かないような人物だ。
「旦那様は残念な方です。そして、弟君は旦那様に似ています」
クララがキッパリと言い切った。
「…アリシア、すごく綺麗だ」
教会の扉の前で待っていたジーンは、やって来たアリシアの真っ白いドレス姿を見て、感嘆の声を上げる。
アリシアは美しいレースのロングドレーンが印象的なシンプルかつ、清楚なドレス姿だ。
「ジーンも、格好良い…」
ジーンはアリシアの髪の様なシルバーのテールコートを着ている。
「跡が残っちゃったな」
ジーンがアリシアの腕の傷跡を見て言う。レースで隠されているので、よく見ないと分からないが、湖に落ちた時の裂傷だ。
アリシアを落馬させて湖に落としたのは、王太子妃の座を狙うエバンス侯爵家が雇った輩だったと後に判明した。伯爵家の令嬢を誘拐した件から様々な罪が発覚し、エバンス侯爵家が取り潰されたのが春の頃の事だ。
「私は気にならないわ。ジーンは気にする?」
「全然」
二人は微笑み合って腕を組む。
そして、教会の扉が開いた。
アリシアとジーンの結婚式は、王都のウィルフィス公爵領下にある教会で行われる。
「わあ、アリシア、すごく綺麗!」
控室にやって来たホリーが歓声を上げる。ホリーの妹であるモリーも一緒だ。
「アリシアお義姉さま、ものすごく綺麗です!」
12歳のモリーは、アリシアをうっとりと見つめる。
「ホリー、モリーもありがとう」
「アリシアの結婚式で親族席に座る事になるとは、思ってもみなかったわ」
「ホリーのお義兄さんだものね、ジーンは。それにホリーは私のお義姉さんになるんだし!」
ホリーと、アリシアの兄グレッグの結婚式は来年の春に決まった。あと約十カ月だ。
「ホリーも結婚式の準備でこれから忙しくなるわね」
「アリシアの準備見てたから大体の流れはわかったけど、自分たちがやるとなるとまた別物よね」
「そうね」
「それに、流石に公爵家の女主人になるには色々勉強しなくてはいけないのね…まあアリシアの王太子妃教育ほどじゃないから頑張るわ」
ホリーがため息混じりに言うと、アリシアはふふっと笑う。
「ホリーなら大丈夫よ。私も近くにいるんだし、一緒に頑張りましょうね!」
「そうね。アリシアよろしくね」
ホリーとアリシアが手を取り合っていると、モリーが「お姉さま方」と言う。
「モリー?」
「私にも家の取り仕切り方を教えてください」
「そうね、モリーも将来はお婿さんを迎えて伯爵家の女主人になるんだもの、一緒に勉強しましょう」
アリシアが言い、ホリーが頷く。
モリーは首を横に振った。
「女主人…ううん。じゃあジーンお義兄さまやグレッグお義兄さまに聞いた方が良いのかしら…?」
ぶつぶつと呟くモリーに、アリシアとホリーは首を傾げる。
「お姉さま、私、早く学園に入れる歳になりたいです!学園へ行ったら政治や経済、経営や運用の事を学んで、卒業したらロビンソン伯爵家を牛耳りたいのです!」
拳を握って力説するモリーをアリシアとホリーは呆然と眺める。
「ぎゅ…牛耳るの?」
「はい!」
アリシアが聞くと、モリーは勢い良く頷く。
「なので、伯爵位を継ぐお飾りの婿が必要なんです。放蕩者では困りますが自分が伯爵家を仕切りたい人でも困ります。上手く私に操られてくれる様な人が良いので、アリシアお義姉さまも良い人がいたら紹介してくださいね」
「はあ…」
「もう、モリー。結婚式前のアリシアに何頼んでるのよ」
ホリーが言うと、モリーはホリーの手を取る。
「ホリーお姉さま!お嫁に行く事にしてくれてありがとうございます。流石に私もお嫁に行った先の家を牛耳るのは難しいかと思っていたので、伯爵家を継ぐ役目を頂けて、本当に嬉しいです!」
「そ…そう。それは良かった…わ」
ホリーは自分が家を出る事で、妹へ家を継ぐという重圧を与えてしまったのではないかと気にしていたが、むしろ妹に喜ばれていると知って安堵した。
「あら、じゃあモリーちゃん、ウチの弟なんてどうかしら?」
控室に入って来たルナが言う。クララも一緒だ。
「ルナの弟さん?」
「アリシア、綺麗!かわいい!はあ~好き~」
ルナがうっとりと言う。
「ルナ様またダダ漏れてます。アリシア様おめでとうございます」
「ありがとう。ルナとクララは相変わらずね」
「弟さんは何歳ですか?」
うっとりしているルナへ、ずいっとモリーが迫る。
「こら、モリー」
ホリーが嗜めると、モリーは「だって~」と唇を尖らせる。
「ウチの弟、二人いるんだけど、下の弟が今15で今年学園に入学したの」
「三つ上か…悪くないわ」
モリーが頷く。
「この子がね、何と言うか…お父様似でね」
ルナが言い辛そうに言う。ルナの父と言えば、王宮の議会の議長だが、自分が娘に情報を漏洩している事に気付かないような人物だ。
「旦那様は残念な方です。そして、弟君は旦那様に似ています」
クララがキッパリと言い切った。
「…アリシア、すごく綺麗だ」
教会の扉の前で待っていたジーンは、やって来たアリシアの真っ白いドレス姿を見て、感嘆の声を上げる。
アリシアは美しいレースのロングドレーンが印象的なシンプルかつ、清楚なドレス姿だ。
「ジーンも、格好良い…」
ジーンはアリシアの髪の様なシルバーのテールコートを着ている。
「跡が残っちゃったな」
ジーンがアリシアの腕の傷跡を見て言う。レースで隠されているので、よく見ないと分からないが、湖に落ちた時の裂傷だ。
アリシアを落馬させて湖に落としたのは、王太子妃の座を狙うエバンス侯爵家が雇った輩だったと後に判明した。伯爵家の令嬢を誘拐した件から様々な罪が発覚し、エバンス侯爵家が取り潰されたのが春の頃の事だ。
「私は気にならないわ。ジーンは気にする?」
「全然」
二人は微笑み合って腕を組む。
そして、教会の扉が開いた。
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