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第一章 異世界に来ちゃった
イオとメム
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「え、男って……俺とかティエとか……男じゃん」
「??ワタシ?」
こてん、と首を傾げて本気で困惑しているティエをまじまじと見つめる。
え、嘘でしょ。もしかして女の人だった??いやいや、流石に俺だって男と女の人の骨格の区別くらいつくよ。ティエは完全に男ですよ!
「男と女で分かれるでしょ、性別……」
「性別はイオとメムよ?」
何ですって??イ……え??何??
今度は俺が困惑する側になる。お互いの知識が全く噛み合わない中、とりあえず俺は俺の知ってる男女の違いを説明した。ついてるもんが違う、とか、体の成長度合いが違うとか、骨格が違うとか。
「獣人族の雌雄みたいなものかしら……?」
えええ!!!獣人いるの!?というか獣人には男女あるの!?いや、ちょっと待て。あの時のボードをよーーーく思い出せ、俺。俺の種族の横。『ヒト族(メム体)』って書いてなかったか?
俺の知る男がメムって事か?
「ヒト族はね、簡単に言えば……子を孕ます方がイオで生む方がメムね」
んん?俺難聴になったかな??生む方が……何だって?
っていうかちょっと待って?俺記憶ない設定なのに男女の違い、とか話して大丈夫なやつ?これもうこの世界の人間じゃないってバレるくない?いや!獣人には男女の違いがあるみたいだし、記憶はないけどそれは覚えてた的な言い訳が通用するか!?
「そう言えば……スナオはメム体よね」
「えっ!何で?」
俺言ってないのに何故わかる?というか……メムは子供を生める、とかわけわからん事言われたけど!俺がそれだってまだ認めたくないんだけど!ボードを信じるなら、メム体って書いてあったし。
「んー……本能……?」
曰く、イオはメムに対して庇護欲だとか征服欲、他に嗜虐心だとか無意識に感じるんだそう。反対にメムはイオに対して安心感や幸福感、逆に強い恐怖心を感じる事もあるんだとか。
あとはメムの方が体格的に劣る事が多いとか。もちろんメムでもイオに負けないくらいムッキムキの人もいるし、逆にイオでもメムより儚げな人もいるそう。
さらには“番”と言われる相手がいて、番同士は特別な匂いを感知する事が出来、イオは一度手に入れた番は生涯守り抜く。けど、もしも番のメムが先に死んでしまったら気が狂う程の苦しみに襲われるんだとか。
しかも番の数は人によって1人~複数までまちまちで、その番の匂いとかも普段からわかる訳じゃなく、ふとした時に感じたりする程度だから番に出会える人もいれば一生出会えず番ではない人と結婚する人もいるそうだ。
そしてイオよりもメムの方が匂いを感知する能力が優れているのは、どちらかと言えば力で勝るイオに番だからと無理矢理淘汰されるのを防ぐため独自に進化させたのだと言われているらしい。
そりゃそうだよね。自分の番が俺を誘拐しようとしたあのおっさん達やクソ眼鏡みたいな人だったらこっちから願い下げだし。
ちなみにイオが番だと確信できるのはメムが番の匂いを自分から出してアピールした時か……その……ヤッてる最中にお互いの体から番の匂いが溢れ出すからわかる、らしい。
「……何か……頭痛くなってきた……」
番とか……結婚とか……出産とか……俺男だし!庇護とか征服とかそんなんされたくないし!
「やだ、また熱が出てきたのかしら!お昼まで時間あるし少し寝てなさいな」
いや、多分熱とかそういうあれじゃなく、普通に自分の置かれた状況に頭痛と目眩を感じるだけなのでお気になさらず。でもとりあえず今は何も考えたくなくてお言葉に甘えて寝ることにした。わけわからん時には寝るに限るよな。
「??ワタシ?」
こてん、と首を傾げて本気で困惑しているティエをまじまじと見つめる。
え、嘘でしょ。もしかして女の人だった??いやいや、流石に俺だって男と女の人の骨格の区別くらいつくよ。ティエは完全に男ですよ!
「男と女で分かれるでしょ、性別……」
「性別はイオとメムよ?」
何ですって??イ……え??何??
今度は俺が困惑する側になる。お互いの知識が全く噛み合わない中、とりあえず俺は俺の知ってる男女の違いを説明した。ついてるもんが違う、とか、体の成長度合いが違うとか、骨格が違うとか。
「獣人族の雌雄みたいなものかしら……?」
えええ!!!獣人いるの!?というか獣人には男女あるの!?いや、ちょっと待て。あの時のボードをよーーーく思い出せ、俺。俺の種族の横。『ヒト族(メム体)』って書いてなかったか?
俺の知る男がメムって事か?
「ヒト族はね、簡単に言えば……子を孕ます方がイオで生む方がメムね」
んん?俺難聴になったかな??生む方が……何だって?
っていうかちょっと待って?俺記憶ない設定なのに男女の違い、とか話して大丈夫なやつ?これもうこの世界の人間じゃないってバレるくない?いや!獣人には男女の違いがあるみたいだし、記憶はないけどそれは覚えてた的な言い訳が通用するか!?
「そう言えば……スナオはメム体よね」
「えっ!何で?」
俺言ってないのに何故わかる?というか……メムは子供を生める、とかわけわからん事言われたけど!俺がそれだってまだ認めたくないんだけど!ボードを信じるなら、メム体って書いてあったし。
「んー……本能……?」
曰く、イオはメムに対して庇護欲だとか征服欲、他に嗜虐心だとか無意識に感じるんだそう。反対にメムはイオに対して安心感や幸福感、逆に強い恐怖心を感じる事もあるんだとか。
あとはメムの方が体格的に劣る事が多いとか。もちろんメムでもイオに負けないくらいムッキムキの人もいるし、逆にイオでもメムより儚げな人もいるそう。
さらには“番”と言われる相手がいて、番同士は特別な匂いを感知する事が出来、イオは一度手に入れた番は生涯守り抜く。けど、もしも番のメムが先に死んでしまったら気が狂う程の苦しみに襲われるんだとか。
しかも番の数は人によって1人~複数までまちまちで、その番の匂いとかも普段からわかる訳じゃなく、ふとした時に感じたりする程度だから番に出会える人もいれば一生出会えず番ではない人と結婚する人もいるそうだ。
そしてイオよりもメムの方が匂いを感知する能力が優れているのは、どちらかと言えば力で勝るイオに番だからと無理矢理淘汰されるのを防ぐため独自に進化させたのだと言われているらしい。
そりゃそうだよね。自分の番が俺を誘拐しようとしたあのおっさん達やクソ眼鏡みたいな人だったらこっちから願い下げだし。
ちなみにイオが番だと確信できるのはメムが番の匂いを自分から出してアピールした時か……その……ヤッてる最中にお互いの体から番の匂いが溢れ出すからわかる、らしい。
「……何か……頭痛くなってきた……」
番とか……結婚とか……出産とか……俺男だし!庇護とか征服とかそんなんされたくないし!
「やだ、また熱が出てきたのかしら!お昼まで時間あるし少し寝てなさいな」
いや、多分熱とかそういうあれじゃなく、普通に自分の置かれた状況に頭痛と目眩を感じるだけなのでお気になさらず。でもとりあえず今は何も考えたくなくてお言葉に甘えて寝ることにした。わけわからん時には寝るに限るよな。
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