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41.読心術?
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ダンスを終えると、アデルバート様は私を伴って一通り挨拶に回った。
人嫌いなアデルバート様は、素っ気ない態度がある事は否めないけれど、きちんと社交もこなしている。
鍛錬場で顔見知りになった騎士も何人かいたけれど、私は殆どの方が初対面だった。
でも、どの方も皆私に対しては好意的な態度を示してくれた。もしかしたら表面上そう取り繕っているだけなのかもしれないけれど、それでもよそ者の私には、嬉しかった。
「奥方様のアミュレットのお陰で、俺は死なずに済んだんです。氷狼がのしかかってきた時に、このアミュレットから光が弾けて、氷狼を吹き飛ばしたんです!……本当に、何とお礼を申し上げたらいいのか……」
中でも、アミュレットのお陰で命拾いをした(……と信じ込んでしまった)人やその身内の方からは涙ながらに感謝されてしまい、逆に私が申し訳ない気持ちになってしまった。
そんな奇跡のような事が何度も起こるはずはないのだから、もっと皆が安心して戦えるように加護魔法の特訓もしないといけないわね。
そんな事を考えながら挨拶をこなしていく。
これを、今まではアデルバートお一人でされていたのね・・・。本当に、アデルバート様は不死身なのかと思うくらいに肉体的にも精神的にもお強い方だと思う。
他人に厳しい方だけれど、ご自身に対してはそれ以上に厳しい方ですものね……。
「慣れぬことで疲れただろう?」
「いえ、討伐に行かれた方たちのほうがずっと大変な思いをされておりますもの。もてなすのは私の役目ですから、これくらいの疲れは何てことありません」
これは、本心からの言葉だった。
王都では大した聖女の仕事は来なかったけれど、それでも魔獣討伐に向かう人を何人も見送ってきたし、実際に討伐に同行した事も一度だけあった。……だから、その大変さは知っているつもりだ。
「……そうか」
アデルバート様はそれだけ呟くと、それ以上は何も言わなかった。
なぜだかそこに、違和感を覚えた。挨拶が終わった絶妙なタイミングで、私を気遣ってくださったのかもしれないけれど、何か含みがある様に感じたのだ。
……もしかして、アデルバート様がお疲れなのかしら。
「あの、でも確かに疲れているのかもしれませんわ……」
取ってつけたようにそう呟いてみると、アデルバート様は溜息をついた。
「……皆、すまぬが妻の体調が優れぬようだ。私達は下がらせて貰うが、存分に楽しむが良い」
堂々とそう宣言するアデルバート様の表情は、どこか嬉しそうに見えた。
何と私の読みが当たったみたい。
何だか、アデルバート様の事が理解できた気がした。
人嫌いなアデルバート様は、素っ気ない態度がある事は否めないけれど、きちんと社交もこなしている。
鍛錬場で顔見知りになった騎士も何人かいたけれど、私は殆どの方が初対面だった。
でも、どの方も皆私に対しては好意的な態度を示してくれた。もしかしたら表面上そう取り繕っているだけなのかもしれないけれど、それでもよそ者の私には、嬉しかった。
「奥方様のアミュレットのお陰で、俺は死なずに済んだんです。氷狼がのしかかってきた時に、このアミュレットから光が弾けて、氷狼を吹き飛ばしたんです!……本当に、何とお礼を申し上げたらいいのか……」
中でも、アミュレットのお陰で命拾いをした(……と信じ込んでしまった)人やその身内の方からは涙ながらに感謝されてしまい、逆に私が申し訳ない気持ちになってしまった。
そんな奇跡のような事が何度も起こるはずはないのだから、もっと皆が安心して戦えるように加護魔法の特訓もしないといけないわね。
そんな事を考えながら挨拶をこなしていく。
これを、今まではアデルバートお一人でされていたのね・・・。本当に、アデルバート様は不死身なのかと思うくらいに肉体的にも精神的にもお強い方だと思う。
他人に厳しい方だけれど、ご自身に対してはそれ以上に厳しい方ですものね……。
「慣れぬことで疲れただろう?」
「いえ、討伐に行かれた方たちのほうがずっと大変な思いをされておりますもの。もてなすのは私の役目ですから、これくらいの疲れは何てことありません」
これは、本心からの言葉だった。
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「……そうか」
アデルバート様はそれだけ呟くと、それ以上は何も言わなかった。
なぜだかそこに、違和感を覚えた。挨拶が終わった絶妙なタイミングで、私を気遣ってくださったのかもしれないけれど、何か含みがある様に感じたのだ。
……もしかして、アデルバート様がお疲れなのかしら。
「あの、でも確かに疲れているのかもしれませんわ……」
取ってつけたようにそう呟いてみると、アデルバート様は溜息をついた。
「……皆、すまぬが妻の体調が優れぬようだ。私達は下がらせて貰うが、存分に楽しむが良い」
堂々とそう宣言するアデルバート様の表情は、どこか嬉しそうに見えた。
何と私の読みが当たったみたい。
何だか、アデルバート様の事が理解できた気がした。
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