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56.生存者※残虐シーンあり
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「……誰か、いるの?」
私は立ち止まり、静かに声をかけてみる。
「……うぅ……」
微かに、呻き声が聞こえた。
「アデルバート様、ドミニク。誰かいるわ」
「……シャトレーヌ、下がっていろ」
アデルバート様が剣を構えて私を背中に庇う。
「た……すけ……て……」
今度は、さっきよりもはっきりと、男性の声が耳に届く。
私は、アデルバート様とドミニクに目で合図をした。
アデルバート様が、剣に炎を纏わせて氷を砕くと、両足を氷塊に潰された、青年がいた。
身なりを見る限り、村人だろうけれど、足からの出血が酷い。
「待って!今助けるわ!」
私はドミニクの静止を跳ね除けて、青年に駆け寄ろうとしてアデルバート様に捕まった。
「無闇に飛び出すな」
「……はい、申し訳ありません」
しまった。瀕死の怪我人を見て、つい先走ってしまったわ。
「ほら、言っただろう」といった表情のアデルバート様に謝罪すると、今度はアデルバート様と共にに青年に近付いた。
「私が治すわ。だからあと少しだけ、頑張って頂戴」
私は青年に声をかけると、魔力を両手に集中させた。
「治療」
これ程の広範囲で足が潰れていると、体の組織自体も相当なダメージを受けているはずだ。急激な治療を行うと、体にも負担をかけるのだと、大聖女様から教わったことがある。
私は、まるでパンを練って成形するように、ゆっくりと治癒魔法を注いでいった。
少しずつ、少しずつ青年の足が、原型に戻っていく。
……ただ、私の治癒魔法では失われた血液までは再生することはできない。
でもとにかく足の怪我をなんとかしないと。私は一心不乱に魔力を送った。
「……おい、大丈夫か?」
私の横で青年を見守っていたドミニクが、そっと声をかけた。
おそらくここまで傷が塞がれば、痛みはもうないはずだけれど……。
「……は……」
青年が混濁した意識のまま、何かを話そうとしているようだ。
「イースボルから、黒焔公爵が討伐隊を率いて参りましたから、安心してくださいな」
私は、弱った青年を安心させるように、にこりと微笑んだ。
今度は体力を回復させる治癒魔法を使うと、いくらか青年の呼吸が安定してきた。
「この者を、野営へ運べ。意識が回復し次第話を聞こう」
アデルバート様がドミニクに指示する。
ドミニクは頷くと、青年を抱えあげた。
「俺は先に野営に戻ります。黒焔公爵様達も捜索が終わったらすぐにお戻り下さい」
「ああ、分かった」
青年を馬に乗せると、ドミニクは自分も馬に跨り、颯爽と駆けていく。その姿を見送ると、アデルバート様と私は、他の騎士達と共に再び生存者の捜索にあたったのだった。
私は立ち止まり、静かに声をかけてみる。
「……うぅ……」
微かに、呻き声が聞こえた。
「アデルバート様、ドミニク。誰かいるわ」
「……シャトレーヌ、下がっていろ」
アデルバート様が剣を構えて私を背中に庇う。
「た……すけ……て……」
今度は、さっきよりもはっきりと、男性の声が耳に届く。
私は、アデルバート様とドミニクに目で合図をした。
アデルバート様が、剣に炎を纏わせて氷を砕くと、両足を氷塊に潰された、青年がいた。
身なりを見る限り、村人だろうけれど、足からの出血が酷い。
「待って!今助けるわ!」
私はドミニクの静止を跳ね除けて、青年に駆け寄ろうとしてアデルバート様に捕まった。
「無闇に飛び出すな」
「……はい、申し訳ありません」
しまった。瀕死の怪我人を見て、つい先走ってしまったわ。
「ほら、言っただろう」といった表情のアデルバート様に謝罪すると、今度はアデルバート様と共にに青年に近付いた。
「私が治すわ。だからあと少しだけ、頑張って頂戴」
私は青年に声をかけると、魔力を両手に集中させた。
「治療」
これ程の広範囲で足が潰れていると、体の組織自体も相当なダメージを受けているはずだ。急激な治療を行うと、体にも負担をかけるのだと、大聖女様から教わったことがある。
私は、まるでパンを練って成形するように、ゆっくりと治癒魔法を注いでいった。
少しずつ、少しずつ青年の足が、原型に戻っていく。
……ただ、私の治癒魔法では失われた血液までは再生することはできない。
でもとにかく足の怪我をなんとかしないと。私は一心不乱に魔力を送った。
「……おい、大丈夫か?」
私の横で青年を見守っていたドミニクが、そっと声をかけた。
おそらくここまで傷が塞がれば、痛みはもうないはずだけれど……。
「……は……」
青年が混濁した意識のまま、何かを話そうとしているようだ。
「イースボルから、黒焔公爵が討伐隊を率いて参りましたから、安心してくださいな」
私は、弱った青年を安心させるように、にこりと微笑んだ。
今度は体力を回復させる治癒魔法を使うと、いくらか青年の呼吸が安定してきた。
「この者を、野営へ運べ。意識が回復し次第話を聞こう」
アデルバート様がドミニクに指示する。
ドミニクは頷くと、青年を抱えあげた。
「俺は先に野営に戻ります。黒焔公爵様達も捜索が終わったらすぐにお戻り下さい」
「ああ、分かった」
青年を馬に乗せると、ドミニクは自分も馬に跨り、颯爽と駆けていく。その姿を見送ると、アデルバート様と私は、他の騎士達と共に再び生存者の捜索にあたったのだった。
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