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「ラーシュの指示でイースボル城に潜入していた時に、貴女ならば私の気持ちを汲み取ってくださるような気がしていたのてす」
「イースボル城に、潜入………?」
私は目を瞬いた。
「ええ。貴女が嫁いでくる前から、イースボル城の使用人に扮して、黒焔公爵の動向を探る密偵として、忍び込んでいたのですよ」
なんでとないことを伝えるように、アルヴァはそう言ってのける。
そう言えばアデルバート様が、イースボル城内へも暗殺者や密偵が数多く入り込んでいるから注意するようにと忠告を受けたのを思い出した。
まさか、アルヴァこそういう存在だったと知って、驚きが隠せなかった。
「余計なことかもしれませんが………黒焔公爵は、貴女が嫁いでこられてから、随分と変わるれましたよ」
アルヴァはにやりと笑う。
それを聴いた私は、若干慌てる。
………まさか、その………房事まで覗かれたりなんてことは………。
「大丈夫ですよ。流石に閨まで覗いたりするような趣味はありませんから」
まるで私の心が読めるのかと思うくらいに絶妙なタイミングでアルヴァがそう言った。
途端に私は顔が熱くなるのを感じた。
「黒焔公爵は人との触れ合いを嫌う孤高の存在だったはずなのに、貴女が嫁いできてからというもの、貴女の言動に振り回される様を見て、男なと誰も皆同じなのだと感じましたよ」
「私の言動?何も特別なことはしていないわよ?」
私はきょとんとしながらアルヴァを見た。
「貴女のいつもどおりの言動に、黒焔公爵は振り回されていたのですよ………。敵ながら、あの悩み苦悩する姿は共感しましたね」
そう言いながら、アルヴァは含み笑いをした。
「………シャトレーヌ様。スネーストルムとエルヴァリグルの争いは、終わるのでしょうか」
ふと、真顔になったアルヴァが、ポツリとそう呟いた。
「………最後に婚約者に………エルザに逢った時、エルザはスネーストルムとエルヴァリグルが手を取り合える日がきたら、どんなに素晴らしいだろう、と言っていたのが忘れられないのです」
………アルヴァの亡くなった婚約者・・・エルザさんもこの争いに疑問を持っていたのだわ………。
アデルバート様のご両親も、ラーシュも、アデルバート様も………この争いの被害者なのだと思う。
もう、これ以上の悲劇が生まれないように………争いを集結させられれば………。
私はエルザさんのドレスのスカートをきゅっと掴んだ。
外が俄に騒がしくなったのは、その時だった。
「イースボル城に、潜入………?」
私は目を瞬いた。
「ええ。貴女が嫁いでくる前から、イースボル城の使用人に扮して、黒焔公爵の動向を探る密偵として、忍び込んでいたのですよ」
なんでとないことを伝えるように、アルヴァはそう言ってのける。
そう言えばアデルバート様が、イースボル城内へも暗殺者や密偵が数多く入り込んでいるから注意するようにと忠告を受けたのを思い出した。
まさか、アルヴァこそういう存在だったと知って、驚きが隠せなかった。
「余計なことかもしれませんが………黒焔公爵は、貴女が嫁いでこられてから、随分と変わるれましたよ」
アルヴァはにやりと笑う。
それを聴いた私は、若干慌てる。
………まさか、その………房事まで覗かれたりなんてことは………。
「大丈夫ですよ。流石に閨まで覗いたりするような趣味はありませんから」
まるで私の心が読めるのかと思うくらいに絶妙なタイミングでアルヴァがそう言った。
途端に私は顔が熱くなるのを感じた。
「黒焔公爵は人との触れ合いを嫌う孤高の存在だったはずなのに、貴女が嫁いできてからというもの、貴女の言動に振り回される様を見て、男なと誰も皆同じなのだと感じましたよ」
「私の言動?何も特別なことはしていないわよ?」
私はきょとんとしながらアルヴァを見た。
「貴女のいつもどおりの言動に、黒焔公爵は振り回されていたのですよ………。敵ながら、あの悩み苦悩する姿は共感しましたね」
そう言いながら、アルヴァは含み笑いをした。
「………シャトレーヌ様。スネーストルムとエルヴァリグルの争いは、終わるのでしょうか」
ふと、真顔になったアルヴァが、ポツリとそう呟いた。
「………最後に婚約者に………エルザに逢った時、エルザはスネーストルムとエルヴァリグルが手を取り合える日がきたら、どんなに素晴らしいだろう、と言っていたのが忘れられないのです」
………アルヴァの亡くなった婚約者・・・エルザさんもこの争いに疑問を持っていたのだわ………。
アデルバート様のご両親も、ラーシュも、アデルバート様も………この争いの被害者なのだと思う。
もう、これ以上の悲劇が生まれないように………争いを集結させられれば………。
私はエルザさんのドレスのスカートをきゅっと掴んだ。
外が俄に騒がしくなったのは、その時だった。
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