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第一章 召喚編
第36話 喋れば喋るほど
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只今、王妃様専用の客間で昼食中。
メンバーは王妃様とメアリー様とライと私。
幼児になった原因がわかったところで王妃様から昼食会のご招待を受けた。
ちょうどその時に私に挨拶をしにきてくれたライと一緒に。
王妃様は悪阻の時期を乗り越え安定期に突入したので今日から公務に復帰、その手始めにメアリー様と私とライを昼食に招いてくれたのだ。
ライには18歳の姿で年齢詐称のことを謝ろうと思っていたのになぜか2歳の姿で謝るはめになった。
これでは本当は18歳だという主張の真実味が薄れるではないか。
ライは「アヤカも大変なんだね」と言ってくれたが果たして私が本当は大人だと信じてくれたのか甚だ怪しい。
王妃様とメアリー様に至っては、18歳の姿で現れると思っていたら2歳の幼児の姿で現れた私をそれはもう喜んで迎えてくれ、メアリー様は私を膝に乗せ、王妃様は食べ物を私の口にせっせと運ぶ始末。
美女に囲まれウハウハのハーレム状態だ。
そんな私の状況をライは苦笑しながら見ていた。
この国は女の子が育ちにくいということで5歳くらいまで各家庭で大事に育てられる。
そのせいで2歳の女の子がそこらを歩いているなんてことはまずないらしい。
つまり、今の私は珍獣あつかいなのだ。
「本当に可愛いわね。私も女の子が欲しかったわ」
メアリー様には3人の息子さんがいるらしい。
「あら、男の子も可愛いわよ。ライモン様なんてそこいらのご令嬢よりも可愛らしいわ」と王妃様。
ギョッ、王妃様ったらそれは禁句ですよ~
私なんてそれを言ったら頬をつねられたんだから。
そっとライの様子をうかがうとやはり微妙な顔でかたまっていた。
ま、まずい、話題を変えなければ。
「ライは、まほうのてんしゃいなんでしゅ。それにかわいいのは、かおだけでしゅよ」
「アヤカ、さり気なく悪口言うのはやめようね」と、ライに睨まれた。
あ、あれ?褒めたはずなのになぜだ。
「ライはこれから、しゅてきなおとこになるんでしゅ。たぶん」
「アヤカ、たぶんは余計だよ」
怒られた。
「ライはいくじなしで、たまにいじわるもしゅるけど、いいところもあるんでしゅよ」
「ア~ヤ~カ~!もう喋らないでくれ。それほぼ悪口だから」
ち、違うよ。
悪口じゃないよ。
褒めてるんだってば。
そんな私達の会話を聞いて王妃様もメアリー様も大笑いしていた。
おかしいな? ここ笑うところじゃなくてライの良いところに感心するところなのに。
そんな和やかな?昼食会もお開きとなった。
護衛のビンセントさんが迎えに来てくれた。
ライと別れてビンセントさんに抱っこされながら自室に向かいます。
抱っこされて歩く振動が心地良く、私はビンセントさんの腕の中でいつしか眠りに落ちていた。
あーこの身体は燃費が悪いなぁと思いながら。
=================
「ほら、アヤカ、野菜も食べなきゃタメだよ。はい、あ~んして」
そう言いながら私の口元にほうれん草のキッシュを差し出したのはレイモンド殿下。
お昼寝から起きて待っていたのはオリゲール先生達による餌付けという羞恥プレイ。
只今、夕飯をマー君の膝に乗せられオリゲール先生とレイモンド殿下に食べさせてもらっている最中だ。
「小さいアヤはめちゃくちゃ可愛いな」
マー君はそう言いながら頭を撫でる。
「アヤカ、いっぱい食べて大きくなるんだよ」
オリゲール先生、今、私が小さいのは魔力の使いすぎによるものなのでたくさん食べても大きくはなりません。
それにしても幼児の口は言葉を正しく発音するのに不便だ。
おかげで『オル様』『レイ様』呼びが定着してしまった。
まあ、それも正しく発音出来ず、『オルしゃま』『レイしゃま』となってしまっているが呼ばれた本人達はすこぶるご機嫌なので良しとしましょう。
「もう、おなかいっぱいでしゅ」
「え? もう、良いのか? いつもの5分の1しか食べてないぞ」
オル様、体が5分の1に縮小したのでこの量が適量なんですよ。
「あ、ほらアヤカ、口にソースがついてるぞ」
そう言いながらオル様が私の口をナプキンで拭いてくれる。
おお! こ、これは恥ずかしけどなんだか嬉しい。
今は2歳児だもの許されるよね?
ありがとうの気持ちを込めてオル様に微笑むとそっと頬を撫でてくれた。
ああもうこのまま幼児でも良いかも。
「ほら、アヤまだデザート食べてないじゃないか」
マー君のその言葉にそうだったと思い直した。
「でじゃーと、たべましゅ」
私のその一言にオル様達はにっこりと笑顔を見せた。
「「「可愛い!!」」」
メンバーは王妃様とメアリー様とライと私。
幼児になった原因がわかったところで王妃様から昼食会のご招待を受けた。
ちょうどその時に私に挨拶をしにきてくれたライと一緒に。
王妃様は悪阻の時期を乗り越え安定期に突入したので今日から公務に復帰、その手始めにメアリー様と私とライを昼食に招いてくれたのだ。
ライには18歳の姿で年齢詐称のことを謝ろうと思っていたのになぜか2歳の姿で謝るはめになった。
これでは本当は18歳だという主張の真実味が薄れるではないか。
ライは「アヤカも大変なんだね」と言ってくれたが果たして私が本当は大人だと信じてくれたのか甚だ怪しい。
王妃様とメアリー様に至っては、18歳の姿で現れると思っていたら2歳の幼児の姿で現れた私をそれはもう喜んで迎えてくれ、メアリー様は私を膝に乗せ、王妃様は食べ物を私の口にせっせと運ぶ始末。
美女に囲まれウハウハのハーレム状態だ。
そんな私の状況をライは苦笑しながら見ていた。
この国は女の子が育ちにくいということで5歳くらいまで各家庭で大事に育てられる。
そのせいで2歳の女の子がそこらを歩いているなんてことはまずないらしい。
つまり、今の私は珍獣あつかいなのだ。
「本当に可愛いわね。私も女の子が欲しかったわ」
メアリー様には3人の息子さんがいるらしい。
「あら、男の子も可愛いわよ。ライモン様なんてそこいらのご令嬢よりも可愛らしいわ」と王妃様。
ギョッ、王妃様ったらそれは禁句ですよ~
私なんてそれを言ったら頬をつねられたんだから。
そっとライの様子をうかがうとやはり微妙な顔でかたまっていた。
ま、まずい、話題を変えなければ。
「ライは、まほうのてんしゃいなんでしゅ。それにかわいいのは、かおだけでしゅよ」
「アヤカ、さり気なく悪口言うのはやめようね」と、ライに睨まれた。
あ、あれ?褒めたはずなのになぜだ。
「ライはこれから、しゅてきなおとこになるんでしゅ。たぶん」
「アヤカ、たぶんは余計だよ」
怒られた。
「ライはいくじなしで、たまにいじわるもしゅるけど、いいところもあるんでしゅよ」
「ア~ヤ~カ~!もう喋らないでくれ。それほぼ悪口だから」
ち、違うよ。
悪口じゃないよ。
褒めてるんだってば。
そんな私達の会話を聞いて王妃様もメアリー様も大笑いしていた。
おかしいな? ここ笑うところじゃなくてライの良いところに感心するところなのに。
そんな和やかな?昼食会もお開きとなった。
護衛のビンセントさんが迎えに来てくれた。
ライと別れてビンセントさんに抱っこされながら自室に向かいます。
抱っこされて歩く振動が心地良く、私はビンセントさんの腕の中でいつしか眠りに落ちていた。
あーこの身体は燃費が悪いなぁと思いながら。
=================
「ほら、アヤカ、野菜も食べなきゃタメだよ。はい、あ~んして」
そう言いながら私の口元にほうれん草のキッシュを差し出したのはレイモンド殿下。
お昼寝から起きて待っていたのはオリゲール先生達による餌付けという羞恥プレイ。
只今、夕飯をマー君の膝に乗せられオリゲール先生とレイモンド殿下に食べさせてもらっている最中だ。
「小さいアヤはめちゃくちゃ可愛いな」
マー君はそう言いながら頭を撫でる。
「アヤカ、いっぱい食べて大きくなるんだよ」
オリゲール先生、今、私が小さいのは魔力の使いすぎによるものなのでたくさん食べても大きくはなりません。
それにしても幼児の口は言葉を正しく発音するのに不便だ。
おかげで『オル様』『レイ様』呼びが定着してしまった。
まあ、それも正しく発音出来ず、『オルしゃま』『レイしゃま』となってしまっているが呼ばれた本人達はすこぶるご機嫌なので良しとしましょう。
「もう、おなかいっぱいでしゅ」
「え? もう、良いのか? いつもの5分の1しか食べてないぞ」
オル様、体が5分の1に縮小したのでこの量が適量なんですよ。
「あ、ほらアヤカ、口にソースがついてるぞ」
そう言いながらオル様が私の口をナプキンで拭いてくれる。
おお! こ、これは恥ずかしけどなんだか嬉しい。
今は2歳児だもの許されるよね?
ありがとうの気持ちを込めてオル様に微笑むとそっと頬を撫でてくれた。
ああもうこのまま幼児でも良いかも。
「ほら、アヤまだデザート食べてないじゃないか」
マー君のその言葉にそうだったと思い直した。
「でじゃーと、たべましゅ」
私のその一言にオル様達はにっこりと笑顔を見せた。
「「「可愛い!!」」」
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