かぷせるあにまるず

せんのあすむ

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思い当たる節

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朝食を終え、支度を終えて、

「いってきま~す♡」

ミコナはまた元気に学校に向かいました。するとフカが黙ってその横につきます。学校までガードするために。

もっとも、事件なんて滅多に起きないから、気を付けないといけないのは交通事故でしょうね。

フカももちろんその辺は承知していて、周囲に目を配ります。

すると、携帯端末を見ながら自動車や自転車を運転している大人の姿が。

そして、向かいから携帯端末を操作しながら近付いてきた自転車に、フカが牙を剥いて飛びかかろうとするのを、

「ダメだよ。良くないことをしてるからってそういうのはダメ。それじゃ、良くないことをしてる人と同じになっちゃう…!」

ミコナが止めます。

それに対してフカは、

「何を甘っちょろいことを! ああいう奴には厳しく臨まなきゃいけないんだ!」

不満げに抗議しますが、ミコナは悲しそうな顔で、

「厳しく臨んだらそれで反省してくれるの? 本当に?」

フカに問い掛けました。その横を、自転車がすり抜けていきます。

「クソッ!」

フカのことさえ気付いた様子もなくやっぱり携帯端末を見ながら走り去る自転車を見ながらフカが忌々しげに悪態を吐きました。

そんなフカに、ミコナはますます悲しげな表情に。

「フカの言いたいことは私も分かるよ。でも、ぜんぜん知らない相手にいきなり怒られて、反省できる人なんてそんなにいるのかなあ……? その時には反省してるような態度を取っても、その後で、『変なのに絡まれた』とかSNSにアップしたりしないかな……?」

「……」

ミコナの指摘に、フカは黙ってしまいます。思い当たる節があったからです。

それはミコナのママが学生だった頃、同じように携帯端末を操作しながら自転車に乗っていた同じ大学の学生がいてそれで注意したんですけど、その相手は反省するどころか、SNSでママを晒し者にしたのでした。

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