かぷせるあにまるず

せんのあすむ

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このお話は、決して

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このお話は、決して、

『昔の人は愚かだから、現代を生きる私たちはそうじゃないようにしましょう』

的な、誰かを下げることで自分達を優れたものに見せかけようとするためのものではありません。

事実、当時の人達についても、宇宙人というきっかけはあったにせよ、二人の科学者や、十歳の男の子と女の子のように、いち早く問題に気づいてそのために努力しようとした人達だってちゃんといたと描写されてます。

宇宙人の存在は、それに気付くためのきっかけをわかりやすく可視化しただけのものであって、救世主に助けてもらわなければ何もできない。ということを言いたいわけでもないのです。

あくまでも、大きく困難な問題であっても、皆が知恵を出し合い力を合わせればいつかは解決に導くこともできると言いたいだけですね。

だから、昔の人は愚かだったとか、救世主が現れなければ人間は何もできないなんて印象になるような劇にしてしまっては、ある意味では失敗だとも言えるでしょう。

そういう意味では、すごく劇を演じる側に大きな理解力や表現力を要求する劇とも言えるのかもしれません。

だけどそうは言っても、小学校の劇ですから、あまり深く考えて演じるわけでもないでしょう。そして、演じた内容が後々まで語り継がれるわけでもない。

「それでは、役を決めたいと思います」

劇の内容については何か議論するでもなく、早々に配役を決めることになりました。過去に行われた劇を見返すこともしない。

正直、子供達自身が、『決まったから仕方なく』という感じで望んでいるのが分かります。だけど、そういうことも含めて、学校側から『こうしなければいけない』と押し付ける姿勢ではないんでしょうね。

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