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エピローグ+あとがき
あとがき①
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いやー、やっと終わりました。
いかがでしたでしょうか。
私の現在の感想ですが…
「どうして、こうなった?」
当初の予定だと、もっと戦も多くて、もっと違う人が勝つ予定だったのに…
まさかの、天下分け目系の合戦がなく終わってしまうという結果に。毛利攻めとかも勝ち負けはっきりした感じでしたしね…。
終わってからなので本当のところを書きますと、当初立てたプランでは、基本的には島津・毛利の薩長が勝つ形を想定していました。
ひょっとして、そこに修正なり逆転が入るとしたら前田だろうなということで、前田が切支丹と東南アジアネットワークを押さえさせるという形だったんですよね。
ある程度、進めていたらどちらが勝つかというのが見えてくるだろうと思っていたら。
まさか、松平忠直が抜け出してしまうとは…
まず根本として、徳川家康が大坂の陣で負けた場合に、そこからどうなるか、江戸幕府の考え方が通用するかというと、「それは無理だろう」という結論に至りました。このあたりは切支丹一揆までで明らかだと思いますが、家康・秀忠が雑巾をぎゅうぎゅうに絞っていたのでそこから更に絞ってももう水は出ません。そういう状態だったと思います。つまりまあ、徳川は無理だろうと。
歴史的にこのような「天下統一の最後の戦いで失敗した」人というのを考えた時に、ちょっとマイナーですが五胡十六国時代の前秦・符堅が近いかなと思いました。この人は、華北を統一して、南北統一に臨んだ淝水の戦いで負けてしまい、統一ならなかったばかりか前秦という国もそこから一気に瓦解してしまったわけですね。
徳川政権もそれに近い形になるのではと思ったわけです。
ですので、絞り切った雑巾をもう一度水につける、ということで違った形に引っ張らないと難しいだろうと思いまして、島津か、あるいは前田にその役回りを与えたつもりだったわけですが…
この前半の時点で、豊臣秀頼の立ち位置はやや不安定ではありました。とりあえず家康・秀忠の首をとった時点で停戦は間違いないはずなので、その期間内の毛利や島津との動きを見たうえで立ち位置を定めようという感じでしたが。
その「はっきりしない位置」にいた秀頼と忠直がくっついたというのが、第一の誤算でした。
とは言っても、これを考えた時は、「何だかんだ言って義兄弟にはあたるし、それもアリだということで、ちょっと目から鱗的な展開になって面白いな」とうまいこと考えたつもりではいました。幸村&宗茂コンビというこの時代なら最強コンビも結成できますし。
展開的にも好評でしたので、ここは間違いではないんですよね。
第二の誤算は、筑後川の戦いの後、島津家久がサクッと和睦を提案したこと。
この時点で、「あれ、これで島津、もう勝てないじゃないか」となるわけですが、戦うか和睦かとなると、義久や義弘なら別の手をとったかもしれませんが、家久なら和睦してつかず離れずの距離を取るのが自然でしょうからね。
で、もうこの時点で忠直の立ち位置が反徳川を取り込む形で目指すというようなものになっている。信綱が切支丹の提案出したあたりで、「あ、これ、ほぼ勝つ形だ。他勢力挽回不可能になっている」という理解になってきます。
忠直を暗殺するとかすれば方向性を取り戻せるけど、さすがにそれは美しくない。
いや、実際の歴史ではそういうこともありますけど、家康・秀忠が死ねばどうなるかというのをありそうな形で説明するのに、不慮の暗殺みたいな要素を取り込むのは話が違うではないかと。
ですので、最上騒動とか竹野川の戦いやっている頃には「どうしたものかな~。これ収拾つくのかなぁ」と考えていました。
忠直が勝つという路線だとすると前田も割合簡単に従わせられるけど、越前と江戸で天下分け目やるのはあまりにドロドロしすぎているし、その形は避けたいよなぁ、でも、江戸が、特に家光と江が納得する方法なんてあるかなぁと。
と色々考えていた時に、急遽浮上してきたのが「立ち位置のはっきりしなかった秀頼」というか、茶々ですね。「おお、この家光の負け方って秀頼と同じじゃないか。なら、体験者の姉が江に言うのが一番いいだろう。しかも、秀頼は忠直といい関係築いていて、協力しそうだし」と。
というあたりで、方向性が見えてきて、宇喜多秀家が解説役という形で復帰し、あとは「何か使い道があるかもしれない」と切腹間違いなしの状況のまま放置しておいた加藤明成の出番となりました。
実質再登場に近い加藤明成は、前田利常を完全に諦めさせる一手が欲しかったんですよね。もちろん、彼を出さずに済ませることはできましたし、その方がむしろ自然であったことも間違いありません。というより、あの状況で謀反起こす馬鹿は普通いません(汗
ただ、前田と家光と忠直のにらみ合いで一、二年更に続くというのは、ダラダラ伸ばすだけになってしまいそうでしたので、ご都合主義でもとりあえず終わらせてくれということで謀反させた次第です。
とりあえず、加藤明成と加藤家の人達には可哀相でしたが、一応終結となりました。最初、1620年くらいで終わるのだろうと思っていたのが、1616年末には終わったということで予想外の速さでした。
政治の世界で雪崩現象というのがありますが、こういうものなんでしょうね。
終わってみまして、もちろん長年の宿題が解決したという満足感はあるのですけれど、やはり一時代の断面を切り開くというのは難しいなと思った次第です。ある程度消化できたつもりではいましたが、全然消化不良だったなぁと痛感。
もう少し修正して、より多くの人物が目立つようにもしたかったかなとも思います。ただ、今後、修正していくことになるのか、あるいは別の要素を加えてまた違った形で構成してみるか。そこはまだ決まっていません。
次回、各人物についての感想を加えて、締めとしたいと思います。
最後になりましたが、最後までお付き合いいただきまして、本当にありがとうございました。
二〇二一年 川野遥拝
いかがでしたでしょうか。
私の現在の感想ですが…
「どうして、こうなった?」
当初の予定だと、もっと戦も多くて、もっと違う人が勝つ予定だったのに…
まさかの、天下分け目系の合戦がなく終わってしまうという結果に。毛利攻めとかも勝ち負けはっきりした感じでしたしね…。
終わってからなので本当のところを書きますと、当初立てたプランでは、基本的には島津・毛利の薩長が勝つ形を想定していました。
ひょっとして、そこに修正なり逆転が入るとしたら前田だろうなということで、前田が切支丹と東南アジアネットワークを押さえさせるという形だったんですよね。
ある程度、進めていたらどちらが勝つかというのが見えてくるだろうと思っていたら。
まさか、松平忠直が抜け出してしまうとは…
まず根本として、徳川家康が大坂の陣で負けた場合に、そこからどうなるか、江戸幕府の考え方が通用するかというと、「それは無理だろう」という結論に至りました。このあたりは切支丹一揆までで明らかだと思いますが、家康・秀忠が雑巾をぎゅうぎゅうに絞っていたのでそこから更に絞ってももう水は出ません。そういう状態だったと思います。つまりまあ、徳川は無理だろうと。
歴史的にこのような「天下統一の最後の戦いで失敗した」人というのを考えた時に、ちょっとマイナーですが五胡十六国時代の前秦・符堅が近いかなと思いました。この人は、華北を統一して、南北統一に臨んだ淝水の戦いで負けてしまい、統一ならなかったばかりか前秦という国もそこから一気に瓦解してしまったわけですね。
徳川政権もそれに近い形になるのではと思ったわけです。
ですので、絞り切った雑巾をもう一度水につける、ということで違った形に引っ張らないと難しいだろうと思いまして、島津か、あるいは前田にその役回りを与えたつもりだったわけですが…
この前半の時点で、豊臣秀頼の立ち位置はやや不安定ではありました。とりあえず家康・秀忠の首をとった時点で停戦は間違いないはずなので、その期間内の毛利や島津との動きを見たうえで立ち位置を定めようという感じでしたが。
その「はっきりしない位置」にいた秀頼と忠直がくっついたというのが、第一の誤算でした。
とは言っても、これを考えた時は、「何だかんだ言って義兄弟にはあたるし、それもアリだということで、ちょっと目から鱗的な展開になって面白いな」とうまいこと考えたつもりではいました。幸村&宗茂コンビというこの時代なら最強コンビも結成できますし。
展開的にも好評でしたので、ここは間違いではないんですよね。
第二の誤算は、筑後川の戦いの後、島津家久がサクッと和睦を提案したこと。
この時点で、「あれ、これで島津、もう勝てないじゃないか」となるわけですが、戦うか和睦かとなると、義久や義弘なら別の手をとったかもしれませんが、家久なら和睦してつかず離れずの距離を取るのが自然でしょうからね。
で、もうこの時点で忠直の立ち位置が反徳川を取り込む形で目指すというようなものになっている。信綱が切支丹の提案出したあたりで、「あ、これ、ほぼ勝つ形だ。他勢力挽回不可能になっている」という理解になってきます。
忠直を暗殺するとかすれば方向性を取り戻せるけど、さすがにそれは美しくない。
いや、実際の歴史ではそういうこともありますけど、家康・秀忠が死ねばどうなるかというのをありそうな形で説明するのに、不慮の暗殺みたいな要素を取り込むのは話が違うではないかと。
ですので、最上騒動とか竹野川の戦いやっている頃には「どうしたものかな~。これ収拾つくのかなぁ」と考えていました。
忠直が勝つという路線だとすると前田も割合簡単に従わせられるけど、越前と江戸で天下分け目やるのはあまりにドロドロしすぎているし、その形は避けたいよなぁ、でも、江戸が、特に家光と江が納得する方法なんてあるかなぁと。
と色々考えていた時に、急遽浮上してきたのが「立ち位置のはっきりしなかった秀頼」というか、茶々ですね。「おお、この家光の負け方って秀頼と同じじゃないか。なら、体験者の姉が江に言うのが一番いいだろう。しかも、秀頼は忠直といい関係築いていて、協力しそうだし」と。
というあたりで、方向性が見えてきて、宇喜多秀家が解説役という形で復帰し、あとは「何か使い道があるかもしれない」と切腹間違いなしの状況のまま放置しておいた加藤明成の出番となりました。
実質再登場に近い加藤明成は、前田利常を完全に諦めさせる一手が欲しかったんですよね。もちろん、彼を出さずに済ませることはできましたし、その方がむしろ自然であったことも間違いありません。というより、あの状況で謀反起こす馬鹿は普通いません(汗
ただ、前田と家光と忠直のにらみ合いで一、二年更に続くというのは、ダラダラ伸ばすだけになってしまいそうでしたので、ご都合主義でもとりあえず終わらせてくれということで謀反させた次第です。
とりあえず、加藤明成と加藤家の人達には可哀相でしたが、一応終結となりました。最初、1620年くらいで終わるのだろうと思っていたのが、1616年末には終わったということで予想外の速さでした。
政治の世界で雪崩現象というのがありますが、こういうものなんでしょうね。
終わってみまして、もちろん長年の宿題が解決したという満足感はあるのですけれど、やはり一時代の断面を切り開くというのは難しいなと思った次第です。ある程度消化できたつもりではいましたが、全然消化不良だったなぁと痛感。
もう少し修正して、より多くの人物が目立つようにもしたかったかなとも思います。ただ、今後、修正していくことになるのか、あるいは別の要素を加えてまた違った形で構成してみるか。そこはまだ決まっていません。
次回、各人物についての感想を加えて、締めとしたいと思います。
最後になりましたが、最後までお付き合いいただきまして、本当にありがとうございました。
二〇二一年 川野遥拝
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