U C LAでつかまえて

H・カザーン

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ハリウッド・ヒルズにようこそ

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 ここマルホランド・ドライブは、すごく曲がりくねっているけど、南側にはところどころダウンタウンが一望できる場所があって、昼間でも夜でも「わぁお!」って景色が見下ろせる。
 LAの中心部、いわゆるダウンタウンってさ、塔にとんがり屋根の乗った市庁舎だろ。円筒を積み重ねたUSバンクタワーは上に行くほど小さくなってウエディングケーキっぽい形だし、この国の西部で最も高いウィルシャー・グランドタワーなんかのランドマーク的な超高層ビルが、にょきにょきとまるで生えてるように群生してるんだ。もちろんそこからこのハリウッドの丘まで、建物がぎっしり続いてる。
 縦横に走る通りがチェスボードみたいで、流れる車の動きを見てると、「ああ、息づいてるんだなぁ、街そのものが」って感情が胸に湧き上がってくる。ヘッドライトや信号や、全ての建物の窓の中の一つ一つランダムな動きが、まるで四百万人の生息する「そこだけの世界」のごとく、もし夜なんかだったらもう宝石をぶちまけたような、すごく……、ものすごくドラマティックなんだ。

 今日オレがこれから訪ねて行くのは、教会の聖歌隊(クワイヤー)で知り合ったご婦人の家。ハリウッドの丘に一人で暮らしてるらしいんだけど、オレがツリーの配達のパートタイム・ジョブをしてたことが話題になったら、「パーティーの準備をするから、クリスマス・ツリーの飾りつけを手伝って」って話になったんだ。それと孫娘もUCLAに通ってるってことで、そのご婦人と意気投合しちゃってさ。その家にツリーを配達したのはオレじゃないんだけど、なんでも梯子に登らなきゃてっぺんの星を飾りつけられないくらい大きな、エンターテインメント用のモミの木らしい。
 ときおり、ダニエルに借りたピックアップトラックが、道端の砂利を踏んじゃって、はじき飛ばしていくのにヒヤヒヤさせられる。
「あっぶねえな」
 マルホランドはたいていのところは二車線だ。こんな急な丘の連なるとこよく二車線にしたよねって感じ。でも今みたいにスピード狂のポルシェに煽られたあげく追い越されたりすると、ついカスワード(ののしり)が口をついて出てしまう。……つっても相手に浴びせるわけじゃなく、もごもごつぶやくだけだよ。オレ、こう見えてもけっこう小心者なんで。
 ジェームズ・ディーンの「理由なき反抗」の撮影で使われた、グリフィス天文台(プラネタリウム)もこの近くにある。でもプラネタリウムやハリウッド・サインは、高速101(ワン・オー・ワン)――またの名をハリウッド・フリーウェイ――の東側で、例のチッキー・ランの、崖から彼の乗った車が落ちるシーンが撮影されたのは、もっとずっと西の海岸近くなんだ。
 そういえばジェームズ・ディーンって、愛車の赤いポルシェでマルホランド・ドライブを走るのがお気に入りだったらしいよ。「理由なき反抗」のアウトロー役のイメージや、自動車事故で亡くなったこともあって、乱暴なドライバーだと思われがちだけど、本当は結構安全運転だったって話だ。あ、ちなみに彼は、数ヶ月間UCLAの生徒だったんだよ。でもすぐに才能を見出されて俳優として活躍し始めたから、忙がしくなって大学を辞めざるをえなかったんだけれどね。
 とにかく高速より西にあたるこっち側のハリウッド・ヒルズは、東に比べて家の平均価格がさらにはね上がる。っていってもグリフィス・パークのあたりの地価が低いとか、治安が良くないとかいう意味では、決してないんだ。東側もすごい高級住宅地なんだから。ただそれよりさらに豪華な邸宅が多いのが、このウエストエリアってわけ。要するにベル・エア地区も、あの有名なグレイストーン・マンションのあるビバリーヒルズも、101(ワン・オー・ワン)の西側にあるんだよ。

 お、そうこうするうちに、ミセス・グレンヴィルの家が見えてきた。オレは車をドライブウェイに止めた。こんな丘の上なのに、よくまあこれだけの前庭があるなっていうくらい広い庭には、ゲスト用に十台近く止められるスペースと花壇があった。バラが絡まるアーチの向こうには、もちろんLAの街が広がっている。もんくなしの絶景。ここからだと、交差する街並みは縦と横じゃなくて道が互いに斜めに交わってて、その交差の角度がまたかっこ良かった。
 でっかいリースの飾られたドアのチャイムを押すと、かなり遠くで、Ding Dongときれいな音色を奏でる。
「ようこそ、キャメロン」
 ミセス・グレンヴィルの温かいハグに迎えられる。カールしたプラチナブロンドの髪。笑った時に目尻に小ジワがちょこっと現れるぐらいで、大学生の孫がいるような年齢には全く見えないんだよね。
 リビングルームに通される、と……ぅわぁお! 超豪華な館。
 パレイシャル・マンション!
 いや、パレイシャル・マンションがムービースターの巨大な邸宅って意味だとしたら、この家はその一歩手前なのか!? だって不動産の広告に載ってる元マット・デイモン宅なんて、外観からして中世ヨーロッパの城だもん。
 話は逸れたけどこのグレンヴィル屋敷はダウンヒル側の建物で、入り口のある階(フロア)にキッチンやゲスト用のトワレットやリビングルームなどの部屋があり、もっと個人的な寝室やなんかは階下にあるらしい。つまり下に行くほどプライベートな階になるわけ。おそらく全ての窓から、ダウンタウンの眺望が楽しめる設計になってると思う。
 リビングルームは大きなガラス張りの壁で、そこから望むダウンタウンは、庭からの眺めより間近に迫ってくる感じ。リビングの横の扉は、庭へと通じてる。直接プールやガーデンテラスに出られるようになってるんだろうね。
 んで、手入れの行き届いた庭には、縦長のプールがあった。この季節だというのに枯葉の一枚すら浮いてない。透き通った青い水を風が撫でて、水面に反射する陽光を揺らしていく。
 プール奥の壁にあるのは、ロダンの作品『地獄の門』だ。白い壁に黒い鋳造の門がコントラストをなしていて、まさに美の極みってやつ。へぇえ、フランス政府公認のレプリカだってよ。横のキャプションボードに書いてある。なんかほんとの門みたいに見えるけどさ、もちろん開くわけじゃない。だってもし開いたりしたら、坂から転げ落ちちゃうからね。

 例のクリスマス・ツリーはリビングに置いてあった。本当にてっぺんには全然手が届かないほどでっかいんだけど、リビングってのがまた広くって、その背の高いツリーすらそれほど大きく感じないくらいでかい家だった、まいったね。床の大理石がモザイク模様になってたり、グランドピアノもあったりして、まさに宴(うたげ)のための邸宅ってイメージ。
 本当にこの人は、一人でこんなとこに住んでるんだろうか? そりゃもちろん掃除やなんかは、ハウスキーパーがやってるだろうし、庭は庭師が面倒見てるに違いないだろうけど。
 ミセス・グレンヴィルはキッチンとリビングの間のドアを開けた。壁の後ろに作られた、もうストアルームと呼ぶべき広さのクロゼット。
「梯子はここにあるわ。ツリーの飾りは、リビングに出しておいたし、それから……これがツリーの飾りつけね」
 彼女が渡してくれたのは、お絵かきソフトに描かれたクリスマス・ツリーのデッサン画。
 これってミセス・グレンヴィルが描いたのかな? えっと、なんつうかヘタウマっていうよりウマヘタ? 美術専攻のダニエルだったら、キュービズムで色が数種に統一されてるから気品が感じられる、とか言いそう。あいにくアート系の語彙に乏しいオレには、それが限界。
「じゃあそれを参考にして、上のほうから飾り始めてくれる? 届くとこは後で私がやるから。あ、そうだわ、その前に……」
 彼女は銀のお盆に乗った緑の小枝をつまんで、下に向けて差し出した。
「先に、エントランス・ホールの天井に、これを取り付けて欲しいの」
 緑の柔らかい丸っこい葉は、何枚か重なるように広がって、枝分かれせずに一本に三、四個の房になって連なっている。葉に隠れるように、緑色のみずみずしい小さな実が顔を覗かせていた。どうやらそのリボンで束ねられた枝は、彼女が今持っているように下向きに玄関の天井のフックにつるすものらしい。
「はぁい。で、なんですかこれ?」
「ミッスルトゥ(ヤドリギ)よ」
「あれ? ミッスルトゥって、ギザギザした濃い緑の葉と赤い実がついたやつじゃ……」
「それは、ヒイラギ(ホーリィ)でしょ。ほらドアの外にあるリース」
 そう言って入り口の扉を示した。ぁそっか、言われてみればさっき入ってくる前に、玄関のドアにすごく大きなクリスマス・リースが飾ってあったっけ。うん確かに、ギザギザの葉や赤い実がついてた。
「初めて見ました、これ」
 そりゃツリーの配達やってたから、ファールやパインなんかのモミの木の種類には詳しくなったけどさ。他の植物に関しては、さっぱりだぜ。なんせフツーの学生なんで。
「そうなの? それじゃ、ミッスルトゥの下で誰かと……」
 うおっと、いきなり何て話題をふってくるんですかぁ! ったくマダムったら容赦ないんだから。
「そ、その話は聞いたことありますけど。えっと北欧の神が、ミッスルトゥの矢かダーツか、なんか尖ったやつで殺されてしまったんじゃなかったでしたっけ?」
 オレはさりげなく、話題をそっちからそらして、むかし学校で教わった古い言い伝えを口にする。
「……そう、バルダールね。彼は病気や毒や獣や、地球上にあるあらゆるものから守られていて、決して傷つけられないという神の祝福を受けたの。けれど、ただひとつミッスルトゥだけはまだ小さくて、神の誓いに含まれていなかったことを、ライバルのロキに知られちゃうのよね。それでロキはバルダールの盲目の弟をだまし、ミッスルトゥのダーツをふざけて投げさせたところ、なんとそれが刺さってバルダールは死んでしまうの」
 嘆き悲しんだ母親の涙がミッスルトゥの実になったので、神は『この植物は、二度と武器に使われることはない。この木の下を通る者は、みな口づけをせん』と宣言したという伝説だ。
 うん、いい話だ。それがなんで、「ミッスルトゥの下に立っている女性には、キスしていい」なんて、女の子がドン引きしそうな、エピソードのほうが有名になっちゃうんだろう。
「でもバルダールは、ラグナロク――終末の日――の後にちゃんとよみがえったから、心配しなくていいのよ」
 ミセス・グレンヴィルは、ハミングしながら「あとでお茶にしましょうね」とキッチンのほうへ向かった。ハミングの曲目は、ほらあの――私はただミッスルトゥの下で待っていたいだけなのよ――っていうやつ。「オール・アイ・ウォント・フォー・クリスマス・イズ・ユー」だっけ? この人ってば、軽やかに人差し指で、空中に指揮するようにリズムをとりながら歌ったりして……ほんとになんてキュートな女性なんだろ!
 オレはミッスルトゥを手早く取り付けちゃってから、その後一時間近くモミの木の飾りつけに専念した。下枝のほうもオレがやっちゃおうと思ってさ。いろんな方向から見てバランスよく飾るのって、けっこう難しいんだ。もうさぁ、彼女の立てるコツコツという軽いヒール音が近づいてくるのに、気づかないくらい熱心に。
「まあ、ほとんど仕上げてくれたのね。とてもセンスがあるわ、ありがとうキャメロン」
 リビングに戻ってきたミセス・グレンヴィルの顔は、非常にご満悦だった。
「高いところは、だいたい終わりました」
「もう、梯子は必要なさそうね。片付けてきてくれる? その後で、お茶にしましょう。ブレックファスト・ルームにいらして」
 うぉう、ブレックファスト・ルームときたぜ。
 いやいくらアメリカの住宅が広いったって、普通の家はブレックファスト・ルームなんてもん無いからね。この前のアンドレイニ先生宅でさえ、ダイニングルーム以外にはキッチン・カウンターの横に家族用の丸テーブルがあるだけだった。ああいうのはルームじゃなくて、ブレックファスト・エリアって呼ぶ。つまりだからこそ、ハリウッドヒルズの邸宅が別格である所以(ゆえん)なわけなんだよなぁ~。もうそういうのは潔く認めるしかない。
 道具を片付けてたら、ちょうど隣の書斎から、羽ぼうきを持ったハウスキーパーの女性が出てきた。四十代前半ぐらい?
「こんにちは。あのぉ、手を洗いたいんですけど……」
「ええ、どうぞ」
 バスルームを指し示す時ニコッと笑ったけど、その後すぐまた真面目な顔に戻って掃除を続けた。怖そうな感じではなく静かな人なんだよね。
 そのとき玄関のチャイムが鳴った。
「私が出ます」
 ハウスキーパーさんはキッチンのミセス・グレンヴィルに呼びかけると、玄関ホールに向かう。
「ありがと、エマ」
 とキッチンから、ミセス・グレンヴィルの声。
 来客だったら、お茶をいただかずに失礼したほうがいいかな……。
 おっとせっかくだから、この家のバスルームってすごいんだぜって話を、ここでしておこう。細かいタイルで綺麗な模様が描かれてるっていうのも必見だけど、それよりもメンズ、レディスに加えて、ハンディキャップ用のトイレまでこのフロアにあるんだよ。合計三つ。これなら何十人招待しても、全く問題ないと思う。

 オレがブレックファスト・ルームに顔を出すと、ミセス・グレンヴィルの横にはジーンズ姿の若い女の子が立っていた。見事なハニーブロンドの……ん? ちょっと待って、この後ろ姿ってどっかで……。
「キャメロン!」
「シャ、シャーリー……ン!!」
 驚きで互いに二人とも言葉が続かない。
「あら、お知り合い?」
 優雅に微笑むミセス・グレンヴィル。
 そうか確かにグレンヴィルってのは、どっかで聞いたことのある名前だったんだ。シャーリーン・グレンヴィル……。そう言われれば彼女のメアドは、sharlinegrenville@……だったよ。だって連絡先ゲットしてSNSのチャット始めたら、もう関心はファミリー・ネームなんかより、どうやってデートに誘おうかとか、すっかりそっち方面に行っちゃうじゃん。思考が全然別のベクトルに向いてたみたいで、教会で知り合ったご婦人と関係ある苗字だとか、考えもしなかったよ。
「そういえば、あなた期末試験が終わったら、帰省するのよね? キャメロン」
 ミセス・グレンヴィルに聞かれて我に返る。
「は、はい」
「お家は遠いの?」
「ロスアンジェルス・カウンティ内です」
「だったら、そんなに遠くないわよね。二十二日に、ここでクリスマス・パーティーを開くんだけど、夕方からの都合はいかが? せっかくお知り合いになったんだし、キャメロンをご招待してもいいかしら、シャーリーン?」
「え? ええ、もちろん」
 ここでシャーリーンがほんのり頬を染めたのを、オレは見逃さなかった。
 キッチンから、ミントンのティーセットをテーブルまで運んでくるシャーリーンの手が、カタカタと小刻みに震えている。
 オレはミセス・グレンヴィルのまなざしを受け止めて、しっかり頷きこう答えた。
「はい! ぜひ喜んで」
 ティーセットを落とされないか心配したのだろうか、ミセス・グレンヴィルはシャーリーンからトレイごと受け取ってテーブルに置き、温めたカップに慣れた手つきで紅茶を注ぎ始める。
「キャメロン、あなたのお友達で、来られそうな人いる?」
「あ……えと、ダニエルだったらきっと大丈夫だと思います。寮が締まったあとも、帰省前にしばらくうちに泊まるんで」
 特に庭にあるあのロダンの門が見られる機会を、アート専攻のあいつが逃すはずはない。
 ミセス・グレンヴィルは「ぜひご一緒に」とにっこり微笑んで、紅茶のカップをソーサーに乗せる。
 ダージリンは、濃いリッチな香りを漂わせてた。ケーキ皿に乗せられたパティスリーの生クリームが、濃厚なのに甘すぎなかったんで、オレはちょっと感動してしまった。
 食べ終わったら、iPhoneで、シャーリーンが去年のパーティーの写真を見せてくれた。タキシードの正装(フォーマル)の人もいたけど、おもにセミ・フォーマルが基準らしい。うん、これならUCLAの改まった機会に着るスーツでいいから、ダニエルも寮のクロゼットに置いてるはず。
 シャーリンってば、自分が写っているのは恥ずかしがってさっさとスライドしてしまうんだけど、髪を結ってドレスアップしている彼女の写真、もっとゆっくり見たかったぜ。ま、パーティーの時またそのヘアスタイルを拝めるんだろうから、楽しみにしてるよ。
 プティ・フールのラム酒の香りと、紅茶の香りに包まれた、ハリウッドヒルズのブレックファスト・ルーム。けれどそれより、オレにはもっと他の香り……何かいいことが起きそうな予感みたいなものが、今にも弾けそうな気がしていた。
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