5 / 5
革命記念日の夜
しおりを挟む
ナポレオンが、仏、墺、露の三皇帝が交えた1803年のアウステルリッツの戦いに勝ったことで、彼はヨーロッパ中から「悪魔」と呼ばれ恐れられる存在になった。
その勝利を記念して作られたのが凱旋門だ。
古代ローマに強く感化を受けていたナポレオンは、ローマの凱旋門に倣ってこの美しいアーチを築いたんだよ。つまりローマの皇帝たちがやってたみたいに、自分が戦争に勝って凱旋してきた時に、行進してきて凱旋門をくぐるのが目的だったわけ。
政治のやり方も、元老院を置いたりとか、シーザーと同じように勝利の月桂樹の冠を戴冠式でかぶったりとか、ローマを再現しようとした片鱗はあちこちに見られるよね。ナポレオン法典とかね。ユスティニアヌスのローマ法大全を愛読していた彼らしい法律だし。
ところでさっきも言ったように、この店「ル・プロコープ」は、1686年からあるパリで最も古いレストランだ。その著名な常連客たちには、ショパン、ヴォルテール、バルザック、ダントン、ロベス・ピエール、と見事に有名人が名を連ねている。
ベンジャミン・フランクリンなんかは、ここのテーブルで合衆国憲法を書いたらしい。
だからこの店に足を踏み入れると、その瞬間からまるで昔の世界に時をさかのぼったような雰囲気に包まれるんだ。
ここにはそんな、不思議な空気が流れてる。
◇ ◇ ◇
「うぅーーんんん」
レストランを出てセーヌ河沿いにエッフェル塔のほうに向かって歩いていた俺たち。パリではめずらしいくらい視界の開けた場所に出て、俺は思わず空に向かい思いっきり両腕を伸ばした。なんか届くんじゃないかって、気がしたんだよね。だってこの辺りって、ロダンの美術館とアンヴァリッドぐらいしか無くて、その先にエッフェル塔が立っているだけで、ずうっと緑の芝生が広がってる広大な空間だから。
「この後、どうしよっか? エッフェル塔の花火までまだすっごい時間あるし……」
「うん、夜11時の開始みたい」
パリの緯度は高い。北緯49度だから、アメリカとカナダの国境ラインと同じなんだ。ちなみに日本の最北端は45度。
つまりパリの日没は、夏の間はすっげえ遅いから、10時過ぎないと暗くならないんだよね。花火の前にシャン・ド・マルス公園で無料のコンサートがあるけど、これも夜の9時から。もちろんテレビ中継されるよぉ。
オペラ歌手が大勢招かれて、フランス国立シンフォニーの演奏が楽しめる贅沢なコンサートだ。
「彼は……彼のしたことは、ちゃんと引き継がれたのだろうか?」
おっさんが、誰に言うでもなくぽつりとつぶやく。
――そう、なぜかまだ俺たちと一緒にいるんだよ、この人。
「……ナポレオンのこと? なんか今朝のトリコロールカラーの飛行機雲みたいだよね。あの人の築いた栄光は、鮮やかにみんなの目に焼き付いてる。今ここにないけど」
「ふ……む、確かに」
「あ、それに……」
リナが一歩進み出た。
「……私の授業で、生のフランス語に触れるために、パリの人にインタビューしてる映像なんかよく見るんですけど、『一番尊敬してるフランス人は誰ですか?』っていう質問に返ってくる答えは大抵いつも、『ボナパルト』なんですよ」
その思いがけない賞賛に、おっさんは嬉しそうに笑うと、何かを胸に刻みつけるように、遠くから金色に光るアンヴァリッドの丸屋根を見上げた。
左後ろには彼のゆかりの地、エコール・ミリタリーの屋根が顔を見せ、右手奥にはエッフェル塔が優雅に佇んでいる。
金色の屋根の下に眠っているフランス史に残る英雄の棺……もちろんナポレオン・ボナパルトその人だ。
皇帝だった頃、正当な王家の出身じゃないことをコンプレックスに感じてた……。でも平民の身分から、あそこまで成り上がったことが、今にいたるまで国民から英雄として尊敬されている理由でもある。
のんびり歩いていたら、突然リナの電話が鳴った。従姉妹のお姉さんからだ。
「まだ10時間もあるから、一度家に帰ってらっしゃいって、それで……よかったら、あなたも一緒に来ませんかって」
「え、俺?」
「なんか、お話ししたいそうだけど」ってリナが電話を差し出すので、俺は彼女の従姉妹と話すことになった。フランス人と結婚してこっちに住んでいる彼女の従姉妹は、ちょっと強引だけど割となんでも受け入れてくれそうな感じの人。アパルトマンは、セーヌ河を挟んでエッフェル塔の向かいにあるらしい。
「……でここから、どうやって従姉妹のお姉さん家に行けばいいんだろう?」
「おおっと、それじゃ私はこれで失礼」
「あれ、どしたん?」
俺がメトロの地図を調べようとしたとたん、おっさんは急に何かを思い出したように交差点を渡り、アンヴァリッドのほうへ横切っていった。
地元の人だし、いい歳したおっさんだし一人で大丈夫だとは思うけど、なんかいやに突然だったなあ。
ま、いっか。元気でね。
「メトロ、メトロ……と」
「うーん、ここからだとRERアンバリッド駅からC線に乗って、プレジデント・ケネディ駅で降りればいいかしら」
メトロの駅に歩きながら、リナがふとアンヴァリッドのほうに目をやった。
正面にナポレオンの銅像が建っている。
「ん……? なんか、マントがずり落ちそうじゃない? ほら、いかにも急いで走ってきてポーズとってるみたいに」
「うーん、やっぱり似てる。パレードの時、大統領もじっと見てたもの」
「え?」
「ほら、あの時ちょっとおじさまに目をとめて……」
「へえ……そうだったんだ。じゃああれは、君を見てたんじゃないんだ」
身長が170cm弱で、歴史と砲兵学に詳しくて、胃に優しいホロホロ鳥を好むおっさん。かつて「革命の申し子」と呼ばれた人……。
そんな人にこの革命記念日に会ったことは、ただの偶然なのだろうか……。
俺は、アンヴァリッドの屋根をもう一度見上げた。
――というわけで、最も感動を受けたミリタリー・パレードで出会った、お菓子みたいにスイートな女の子と俺は、その後も度々会うことになった。最初はおっさんがじゃまになるのかと心配したけど、あの人のおかげで話がはずんだんだから感謝すべきだよね。
最後に彼女の従姉妹から聞いた、エッフェル塔で打ち上げられる花火の鑑賞スポットを内緒でいくつか紹介しよう。
ここだけの話だから、あんまり広まっちゃうとだめだけど。
まずサクレクール寺院のあるモンマルトルの丘からなら、もちろん花火は見えるよ。でもね5.5kmも離れてて、なんか目の前に広がるパリ市内のはるか向こうに塔が立ってるって感じで、花火の迫力はないし音だってそんなに聞こえない。
そこでパリジャンやパリジェンヌは考える。
たとえばエッフェル塔に結構近いモンパルナスの「モン」は、山って意味だろ。つまり海抜が高いわけ。しかも花火からたった2kmしか離れてない。もちろんモンパルナスタワーだったら、レストランで食事しながら花火を鑑賞できるし、有料の屋上もあるんだ。そこが混んでて無理だったら、パストゥール通り(Blvd. Pasteur)がおすすめ。モンパルナスからこの通りを、エッフェル塔を見下ろす感じで、人が混雑して障害物にさえぎられる限界まで下っていくといいんじゃないかな。
それからもちろんトロカデロやシャイヨー宮殿は特等席だけど、ものすごく混雑する。
だからパッシー駅の近くにある、パッシー公園もおすすめ。他にもこのセーヌの対岸パッシーは土地が高くなっているので、通り沿いにエッフェル塔のほぼ全景が眺められちゃう場所はいろいろあるはず。
その他の穴場というと、セーヌ川に架かった橋の上だね。だって障害物が、なんにもないから。
そう、意外に塔の近くでも、気が邪魔になって見えないってことはよくある。
あ、それからシャン・ド・マルス付近のメトロの駅は、夕方から夜にかけて閉鎖されちゃうので注意してね。
以上――この街を訪れたら、きっと何か素敵なことが、君にも起こるんじゃないかな。
じゃあね、サリュー!(Salut)
その勝利を記念して作られたのが凱旋門だ。
古代ローマに強く感化を受けていたナポレオンは、ローマの凱旋門に倣ってこの美しいアーチを築いたんだよ。つまりローマの皇帝たちがやってたみたいに、自分が戦争に勝って凱旋してきた時に、行進してきて凱旋門をくぐるのが目的だったわけ。
政治のやり方も、元老院を置いたりとか、シーザーと同じように勝利の月桂樹の冠を戴冠式でかぶったりとか、ローマを再現しようとした片鱗はあちこちに見られるよね。ナポレオン法典とかね。ユスティニアヌスのローマ法大全を愛読していた彼らしい法律だし。
ところでさっきも言ったように、この店「ル・プロコープ」は、1686年からあるパリで最も古いレストランだ。その著名な常連客たちには、ショパン、ヴォルテール、バルザック、ダントン、ロベス・ピエール、と見事に有名人が名を連ねている。
ベンジャミン・フランクリンなんかは、ここのテーブルで合衆国憲法を書いたらしい。
だからこの店に足を踏み入れると、その瞬間からまるで昔の世界に時をさかのぼったような雰囲気に包まれるんだ。
ここにはそんな、不思議な空気が流れてる。
◇ ◇ ◇
「うぅーーんんん」
レストランを出てセーヌ河沿いにエッフェル塔のほうに向かって歩いていた俺たち。パリではめずらしいくらい視界の開けた場所に出て、俺は思わず空に向かい思いっきり両腕を伸ばした。なんか届くんじゃないかって、気がしたんだよね。だってこの辺りって、ロダンの美術館とアンヴァリッドぐらいしか無くて、その先にエッフェル塔が立っているだけで、ずうっと緑の芝生が広がってる広大な空間だから。
「この後、どうしよっか? エッフェル塔の花火までまだすっごい時間あるし……」
「うん、夜11時の開始みたい」
パリの緯度は高い。北緯49度だから、アメリカとカナダの国境ラインと同じなんだ。ちなみに日本の最北端は45度。
つまりパリの日没は、夏の間はすっげえ遅いから、10時過ぎないと暗くならないんだよね。花火の前にシャン・ド・マルス公園で無料のコンサートがあるけど、これも夜の9時から。もちろんテレビ中継されるよぉ。
オペラ歌手が大勢招かれて、フランス国立シンフォニーの演奏が楽しめる贅沢なコンサートだ。
「彼は……彼のしたことは、ちゃんと引き継がれたのだろうか?」
おっさんが、誰に言うでもなくぽつりとつぶやく。
――そう、なぜかまだ俺たちと一緒にいるんだよ、この人。
「……ナポレオンのこと? なんか今朝のトリコロールカラーの飛行機雲みたいだよね。あの人の築いた栄光は、鮮やかにみんなの目に焼き付いてる。今ここにないけど」
「ふ……む、確かに」
「あ、それに……」
リナが一歩進み出た。
「……私の授業で、生のフランス語に触れるために、パリの人にインタビューしてる映像なんかよく見るんですけど、『一番尊敬してるフランス人は誰ですか?』っていう質問に返ってくる答えは大抵いつも、『ボナパルト』なんですよ」
その思いがけない賞賛に、おっさんは嬉しそうに笑うと、何かを胸に刻みつけるように、遠くから金色に光るアンヴァリッドの丸屋根を見上げた。
左後ろには彼のゆかりの地、エコール・ミリタリーの屋根が顔を見せ、右手奥にはエッフェル塔が優雅に佇んでいる。
金色の屋根の下に眠っているフランス史に残る英雄の棺……もちろんナポレオン・ボナパルトその人だ。
皇帝だった頃、正当な王家の出身じゃないことをコンプレックスに感じてた……。でも平民の身分から、あそこまで成り上がったことが、今にいたるまで国民から英雄として尊敬されている理由でもある。
のんびり歩いていたら、突然リナの電話が鳴った。従姉妹のお姉さんからだ。
「まだ10時間もあるから、一度家に帰ってらっしゃいって、それで……よかったら、あなたも一緒に来ませんかって」
「え、俺?」
「なんか、お話ししたいそうだけど」ってリナが電話を差し出すので、俺は彼女の従姉妹と話すことになった。フランス人と結婚してこっちに住んでいる彼女の従姉妹は、ちょっと強引だけど割となんでも受け入れてくれそうな感じの人。アパルトマンは、セーヌ河を挟んでエッフェル塔の向かいにあるらしい。
「……でここから、どうやって従姉妹のお姉さん家に行けばいいんだろう?」
「おおっと、それじゃ私はこれで失礼」
「あれ、どしたん?」
俺がメトロの地図を調べようとしたとたん、おっさんは急に何かを思い出したように交差点を渡り、アンヴァリッドのほうへ横切っていった。
地元の人だし、いい歳したおっさんだし一人で大丈夫だとは思うけど、なんかいやに突然だったなあ。
ま、いっか。元気でね。
「メトロ、メトロ……と」
「うーん、ここからだとRERアンバリッド駅からC線に乗って、プレジデント・ケネディ駅で降りればいいかしら」
メトロの駅に歩きながら、リナがふとアンヴァリッドのほうに目をやった。
正面にナポレオンの銅像が建っている。
「ん……? なんか、マントがずり落ちそうじゃない? ほら、いかにも急いで走ってきてポーズとってるみたいに」
「うーん、やっぱり似てる。パレードの時、大統領もじっと見てたもの」
「え?」
「ほら、あの時ちょっとおじさまに目をとめて……」
「へえ……そうだったんだ。じゃああれは、君を見てたんじゃないんだ」
身長が170cm弱で、歴史と砲兵学に詳しくて、胃に優しいホロホロ鳥を好むおっさん。かつて「革命の申し子」と呼ばれた人……。
そんな人にこの革命記念日に会ったことは、ただの偶然なのだろうか……。
俺は、アンヴァリッドの屋根をもう一度見上げた。
――というわけで、最も感動を受けたミリタリー・パレードで出会った、お菓子みたいにスイートな女の子と俺は、その後も度々会うことになった。最初はおっさんがじゃまになるのかと心配したけど、あの人のおかげで話がはずんだんだから感謝すべきだよね。
最後に彼女の従姉妹から聞いた、エッフェル塔で打ち上げられる花火の鑑賞スポットを内緒でいくつか紹介しよう。
ここだけの話だから、あんまり広まっちゃうとだめだけど。
まずサクレクール寺院のあるモンマルトルの丘からなら、もちろん花火は見えるよ。でもね5.5kmも離れてて、なんか目の前に広がるパリ市内のはるか向こうに塔が立ってるって感じで、花火の迫力はないし音だってそんなに聞こえない。
そこでパリジャンやパリジェンヌは考える。
たとえばエッフェル塔に結構近いモンパルナスの「モン」は、山って意味だろ。つまり海抜が高いわけ。しかも花火からたった2kmしか離れてない。もちろんモンパルナスタワーだったら、レストランで食事しながら花火を鑑賞できるし、有料の屋上もあるんだ。そこが混んでて無理だったら、パストゥール通り(Blvd. Pasteur)がおすすめ。モンパルナスからこの通りを、エッフェル塔を見下ろす感じで、人が混雑して障害物にさえぎられる限界まで下っていくといいんじゃないかな。
それからもちろんトロカデロやシャイヨー宮殿は特等席だけど、ものすごく混雑する。
だからパッシー駅の近くにある、パッシー公園もおすすめ。他にもこのセーヌの対岸パッシーは土地が高くなっているので、通り沿いにエッフェル塔のほぼ全景が眺められちゃう場所はいろいろあるはず。
その他の穴場というと、セーヌ川に架かった橋の上だね。だって障害物が、なんにもないから。
そう、意外に塔の近くでも、気が邪魔になって見えないってことはよくある。
あ、それからシャン・ド・マルス付近のメトロの駅は、夕方から夜にかけて閉鎖されちゃうので注意してね。
以上――この街を訪れたら、きっと何か素敵なことが、君にも起こるんじゃないかな。
じゃあね、サリュー!(Salut)
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
今宵、薔薇の園で
天海月
恋愛
早世した母の代わりに妹たちの世話に励み、婚期を逃しかけていた伯爵家の長女・シャーロットは、これが最後のチャンスだと思い、唐突に持ち込まれた気の進まない婚約話を承諾する。
しかし、一か月も経たないうちに、その話は先方からの一方的な申し出によって破談になってしまう。
彼女は藁にもすがる思いで、幼馴染の公爵アルバート・グレアムに相談を持ち掛けるが、新たな婚約者候補として紹介されたのは彼の弟のキースだった。
キースは長年、シャーロットに思いを寄せていたが、遠慮して距離を縮めることが出来ないでいた。
そんな弟を見かねた兄が一計を図ったのだった。
彼女はキースのことを弟のようにしか思っていなかったが、次第に彼の情熱に絆されていく・・・。
可愛らしい人
はるきりょう
恋愛
「でも、ライアン様には、エレナ様がいらっしゃるのでは?」
「ああ、エレナね。よく勘違いされるんだけど、エレナとは婚約者でも何でもないんだ。ただの幼馴染み」
「それにあいつはひとりで生きていけるから」
女性ながらに剣術を学ぶエレナは可愛げがないという理由で、ほとんど婚約者同然の幼馴染から捨てられる。
けれど、
「エレナ嬢」
「なんでしょうか?」
「今日の夜会のパートナーはお決まりですか?」
その言葉でパートナー同伴の夜会に招待されていたことを思い出した。いつものとおりライアンと一緒に行くと思っていたので参加の返事を出していたのだ。
「……いいえ」
当日の欠席は著しく評価を下げる。今後、家庭教師として仕事をしていきたいと考えるのであれば、父親か兄に頼んででも行った方がいいだろう。
「よければ僕と一緒に行きませんか?」
第12回ネット小説大賞コミック部門入賞・コミカライズ企画進行「婚約破棄ですか? それなら昨日成立しましたよ、ご存知ありませんでしたか?」完結
まほりろ
恋愛
第12回ネット小説大賞コミック部門入賞・コミカライズ企画進行中。
コミカライズ化がスタートしましたらこちらの作品は非公開にします。
「アリシア・フィルタ貴様との婚約を破棄する!」
イエーガー公爵家の令息レイモンド様が言い放った。レイモンド様の腕には男爵家の令嬢ミランダ様がいた。ミランダ様はピンクのふわふわした髪に赤い大きな瞳、小柄な体躯で庇護欲をそそる美少女。
対する私は銀色の髪に紫の瞳、表情が表に出にくく能面姫と呼ばれています。
レイモンド様がミランダ様に惹かれても仕方ありませんね……ですが。
「貴様は俺が心優しく美しいミランダに好意を抱いたことに嫉妬し、ミランダの教科書を破いたり、階段から突き落とすなどの狼藉を……」
「あの、ちょっとよろしいですか?」
「なんだ!」
レイモンド様が眉間にしわを寄せ私を睨む。
「婚約破棄ですか? 婚約破棄なら昨日成立しましたが、ご存知ありませんでしたか?」
私の言葉にレイモンド様とミランダ様は顔を見合わせ絶句した。
全31話、約43,000文字、完結済み。
他サイトにもアップしています。
小説家になろう、日間ランキング異世界恋愛2位!総合2位!
pixivウィークリーランキング2位に入った作品です。
アルファポリス、恋愛2位、総合2位、HOTランキング2位に入った作品です。
2021/10/23アルファポリス完結ランキング4位に入ってました。ありがとうございます。
「Copyright(C)2021-九十九沢まほろ」
側妃の愛
まるねこ
恋愛
ここは女神を信仰する国。極まれに女神が祝福を与え、癒しの力が使える者が現れるからだ。
王太子妃となる予定の令嬢は力が弱いが癒しの力が使えた。突然強い癒しの力を持つ女性が異世界より現れた。
力が強い女性は聖女と呼ばれ、王太子妃になり、彼女を支えるために令嬢は側妃となった。
Copyright©︎2025-まるねこ
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる