超ゲーム初心者の黒巫女召喚士〜動物嫌われ体質、VRにモフを求める〜

ネリムZ

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化け物集団誕生の前触れ

49 オレン目線)中の上 敏捷特化のダンジョン攻略継続中

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 オレンは異常に気づいた。
 蜘蛛の巣を落とすのでは無くフィールドに蓋をするかのように蜘蛛の巣を作っているのだ。
 これはオレンを捕まえる為の物では無いのかと、そう考えた。
 蜘蛛の巣が4個程出来た時に、ソレは起きた。
 反転したのだ。何が?視界?体?⋯⋯世界だ。
 ボス部屋のフィールドが反転したのだ。
 地面に居たはずのオレンは天井におり、そして落下して行く。
 思考停止状態から戻ったオレンはすぐに対応する。
 体を捻って躱すには1個目の巣だけではダメなのだ。
 先程も述べた通りに4個ある蜘蛛の巣を躱す為には空中だけでは不可能なのだ。
 ならば、どうするか?無ければ作れば良い。
 オレンはインベントリから食事用のカロリーメイトの箱買いで付いてくる物を取り出す。
 勿論、カロリーメイトだけで済まそうとすると栄養失調でステータスにペナルティが現れる。モフリは生肉ならなんでも良く、栄養も問題ない。
 だが、人間族のオレンはそうは行かない。そして、そんなダンボールゴミを蜘蛛の巣に落とした。

「粘糸」

 それを確認したオレンは足を下に向けてダンボールに着地して、ダンボールが傾くのに合わせて再び落下する。

「1個は躱して、1個は足場に!」

 蜘蛛の巣なので隙間がある。その隙間を通って落ちてダンボールを使って足場を作り落下して行く。
 そして、地面に足が⋯⋯付かない。
 再び世界が反転する。重力に従いオレンは落下して行く。
 地面に向かって。

「クソゲーカッ!」

 そんな叫びと共に体の向きを整えて蜘蛛の巣にダンボールを設置、着地して落下ではなく跳躍して行く。

「【跳躍】」

 跳躍して逆さのアラクネに接近して短剣を振るう。そして落下する。

「埒が明かない」

 ダンボールに着地して壁に向かって跳躍して壁に足を付けて【壁面走行】で天井に居るアラクネに接近して行く。
 アラクネはオレンが来るタイミングで前足の鎌で攻撃⋯⋯オレンはそのワンパターンの攻撃に飽き飽きしながら躱して回転して遠心力を乗せて斬る⋯⋯落ちる。壁に行くを繰り返す。
 体力の消費が激しい戦い方だがこれぐらいしか成功法が無く、アラクネを足場にしても天井に居るのはアラクネなので意味が無い。
 ただ、落下して行くだけだ。

「これで、3割!」

 スキルなんて使えないオレンは自力だけで削りに削って合計戦闘時間1時間になる所でようやく3割を削れた。
 天井の下の蜘蛛の巣は消えてアラクネが地面に着地して行く。

「1割事に戦い方が変わるのか⋯⋯フェイズ方式かな?地面に行ってくれるのはありがたい」

 地面に着地するオレン。
 地面に足が着いた瞬間に力を入れて接近する。
 アラクネに向かって短剣を突き刺すがアラクネは、場所が移動して行く。
 そしてオレンは虚空を刺すのであった。

「なんだ?」

 オレンは警戒してアラクネから距離を取ってアラクネを観察する。
 平行に足を動かす事もなく移動しているのだ。
 そして、アラクネは手をオレンに向けて紫色の液体を吹き出す。

「そんなの!」

 体操選手顔負けの動きで毒を躱して行く。
 ゲーム内だからこそ出来る動きをオレンはしている。
 そして、タイミングを見てアラクネに接近して行く。
 毒がオレンを避けるかのようにオレンは躱して行く。
 アラクネに接近して再び粘着⋯⋯アラクネは体が動く事無く後ろに下がり攻撃が当たらなかった。

「なんで?」

 当然の疑問を思いながらアラクネの足元を観察する。

「そう言う事か」

 アラクネの足のところには細い光が反射していた。糸であろう。

「つまり、今回の戦い方はコレって事でしょ?」

 ならば、簡単だとオレンは確認する。

「あんまり持って無いけど、最適解だ」

 オレンはインベントリから『火石』と呼ばれる序盤の町でも買えるようなアイテムを取り出す。
 だが、上級者でも愛用するアイテムだ。
 これは1回しか使えないが安く買えて魔法使いが居なくても火種を出せるのだ。
 火種を出して焚き火を起こすのがこのアイテムの役割、そして今回燃やすのは糸だ。
 糸に引火した火はフィールド全体に広がりアラクネを包み混んで行く。オレンはすぐに壁へと逃げる。

「気付いて無かっただけで全体に広がって居たのか」

 引火した火に呑まれたアラクネのHPは4割削れて火と共に糸が消える。

「さぁ、次はなんだ!」

 アラクネの手が下半身の蜘蛛の前足の鎌のようになって行く。

「あーハイハイ近接戦ね」

 得意分野だと言いたげなオレンの表情に答えるかのようにアラクネは今までに見せなかった程に積極的にオレンに接近する。
 その速度は言わずもがな、だが相手はAGI敏捷特化なのだ。
 見えているし認識出来るので冷静に躱す、そして真上から振り下ろされる左腕の鎌も躱す。
 体の重心を操作してずっと攻撃している関節部分に攻撃して行く。

「そろそろ切れると思うのに」

 同じ場所ばかりを攻撃出来る訳も無いので全ての攻撃が同じ部位に当たっている訳では無いがそれでも相当な回数を当てているのに切れる兆しが無い。

「バグは無さそうだな。最近運営のバグ修正多いし。なら、仕様?」

 それとも、攻撃力の無さ?

 オレンはそれでも粘着をして行く。そして、ついに5割を切った。

「一気にパターン変わるよね?」

 アラクネは1度オレンから距離を取りオレンを睨む。
 アラクネの下半身から蒸気が出て来る。

「一体て⋯⋯⋯⋯はは、私の努力を嘲笑う気かい?」

 アラクネの下半身は人間のそれとなり、アラクネの上半身の背中からは蜘蛛の足と鎌が現れる。
 完全に近接格闘タイプに変形し、更には上半身に足があるので拘束攻撃もあるだろうし、下半身が人間に近くなったので蹴り等もあるだろう。

「負ける気はサラサラ無いけど」

 桃が自らの時間を使って情報を集めて来てくれた。その恩義に向きいるには、勝つしかない。
 ならば、勝つ。
 オレンは短剣を6本取り出す。そして、指と指の隙間に短剣を入れて片手に4本の短剣、両手で8本、足に2本なので合計10本の短剣がある。
 オレンの手が短剣により獣の爪のようになった。
 1回の攻撃では色々と加味して変わってくる。そして、力を乗せる事が出来ないこの武器の持ち方だが、スナップを利用すればある程度誤魔化せ、1度の攻撃に4本であり、1本のダメージが減っても補えるだけはある。
 これはオレンなりの戦い方であり火力不足を補う為の数を作る為に生み出した戦略である。

「私の本気ガチって奴を見せてあげる」

 オレンには勝つ以外の選択肢ははなから存在しない。
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