【完結】ずっと、だいすきです

  *  ゆるゆ

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あなたのもの

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「……っ……ぁ、ゲォルグ、さま……や……ぁ……」

 とろけるような愛撫に、セバは泣き声だ。

 ほんのちょっと噛んでくれただけでも達してしまうのに、長い指で、くちびるで、舌で、白い歯で、胸をいじられたら、ビクビクふるえる身体が、あまい雫を噴きあげた。

「おか、しく、なる、から……も……おね、がぃ……!」

 腕を、指を、足をからめて、すがるのに

 はやく

 はやく

 ほしぃのに、ちっとも、くれない。


 ずっと、ずっと、あなたがほしかったのに。

 こんなに、濡れて、とろけているのに。


 焦らすだなんて、拷問です。

 熱と欲に熔けた瞳で、濡れたくちびるで哀願したら、ゲォルグの耳朶が紅に染まる。


「10年我慢したのに、最後の最後に我慢できなくなって、セバをめちゃくちゃに傷つけるなんて、死んでもいやだ」

 泣きそうなゲォルグに、きょとんとしたセバが笑う。


「ゲォルグさまがしてくださることは、すべて、たまらない悦びです」

 知らなかったですか?

 セバが、笑う。
 真っ赤になったゲォルグが、抱きしめてくれる。


「……セバならきっと、俺が他の誰かと伴侶になっても、セバとじゃない子をもうけても、それでも、絶対に俺を愛しつづけてくれると──信じてた」

 あまい声に

「うれしい」

 とろけて、笑う。


「セバが他の誰かと伴侶になっても、セバが他の男と子をもうけても、それでもずっと、俺はセバを愛するように」

 まっすぐな瞳で告げられた言葉に、ぐしゃりとゆがんだ瞳で抱きついた。


「……号泣、しちゃうから。こんなに欲しがっていないときに、聞かせてください」

 ささやきは、涙声だ。

 ゲォルグが、笑ってくれる。


 くちびるが重なって

 熱い舌がからまったら

 それだけで吐息はあまくかすれた。


「もっと、もっと、あなたのものに、してください」

 燃えてしまいそうなほど、恥ずかしくて、消えいりたくて

 それでも、あなただけを欲しがって、ぐしゃぐしゃに濡れてしまう身体を、貫いてほしくて

 そっと、そっと、足を開いた。


「セバ」

 あなたのために付けられた名を呼んで、抱きしめてくれる。

 かさなるくちびるが、からまる舌が、とろけて。

 鍛錬でごつごつになった長いゲォルグの指が、燃えるセバのなかを、やさしく熔かした。


「……や……もぅ……ほし……ゲォルグ、さま……!」

 はやく

 はやく

 あなたを、ください

 もっと、もっと、あなたのものに、してください


 涙と熱に濡れた哀願を抱きしめて、ゲォルグが微笑んでくれる。


「はじめて逢ったときから、ずっと、ずっと、セバだけを、あいしてる」

 熱いささやきとともに、やさしく貫かれた。


 ──俺のなかに、あなたが、いる

 ずっと、ずっと、ほしかった、あなたが


「ぁ、あァ……!」

 よろこびの声が、あふれて

 あまい雫が、噴きあがる。


 10年もの間、なんて薄っぺらでお粗末な幻想を抱いて眠っていたのだろう。


 ほんとうのあなたは、こんなにも熱くて

 こんなにも、烈しくて

 こんなにも、愛しくて


「ゲォルグ、さま……」

 しあわせの涙で、あなたが、見えない。


「あいしてる」

 ささやいても、ささやいても

 抱きしめても、抱きしめても

 足りなくて


「ゲォ、ルグ、さ、ま……!」

 すがる身体が、あまくふるえた。


 もうとっくに限界で、こぼす雫も残っていなくて

 それでも、あなたと、離れたくない。


「ルグでいい。様もいらない。呼んで、セバ」

 からだの奥で、あなたが、燃える。


「ルグ……!」

 かさなるくちびるが、かさなるあいしてるが、つながるからだが、熔けてゆく。



 ……イルヤさまとジーグさまのお気もちが、初めて、わかりました。


 腰が砕けても、あなたと、繋がっていたいです。







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