24 / 67
昼休み。ふと思い出す。
しおりを挟む
昼休み前に、松本さんにも話を聞いて、これで4人の体調が確認できた。
お互いに、ざっくりとした予定ではあるが、まったくわからないよりはましである。
あれもこれもと考え、だんだん胃のあたりが重いような気がして、昼休みには、やわらかうどん食べたいなと、ピンポイントな思いとともに、昼休憩に出た。
入ろうと思っていたうどん屋は、みごとに入れなかった。
(やっぱり、いっぱいか~)
いつもは見かけいるだけなので、今日は入ってみようと思ってたのに…。
(体調もよくないし…)
いつもどおり、コンビニでおにぎりを買って公園にきた。会社に戻ってもよかったけど、今は1人でゆっくりしたい。
いい天気だし、そんなに寒くもない。ちょうどいい風が吹いていた。おにぎり食べながら、気が抜けて本当にゆっくりしていた。
(戻る前に、コーヒー買っていこう)
もうあまり時間もなくなった。戻って続きをしないと。
立ち上がろうとしたときに、スマホが鳴った。見たことない番号。
「?、はい」
「水澄さんですか?」
「よかった、渡辺です」
(渡辺?、誰だっけ?)
「すいません、この前のジャケットのことなのですが」
(思いだした!、そういえばそんなことあったっけ)
「何かありましたか?」
「色々見てみたんですが、ひょっとしたら、新しく買った方がいいかもと思って、電話させてもらったんですよ」
「そうなんですか」
(いや、直してくれるなら、その方がいいんだけど)
「金額的に、修理を頼むにしても、新しいの買えるかもと、思う値段だったので」
「水澄さんとしては、どちらがいいですか?」
「………」
「?、水澄さん?」
あのスーツは、自分がやっと働き出して自分で買ったやつだ。他の人が見てもたいしたことのない、本当に普通の。けど、自分に取って、どうしても大事にしたい服だった。
たぶん、着れなくなっても、置いておきたいほどの。
「すみません、直せなかったら、そのままでかまいません」
「でも」
「大丈夫です、なんなら取りにいきますよ」
ちょっと、イラッとした。他人にはたいしたことなくても、自分には、大事なもの。
「すみませんでした、あのジャケット大事にしてるんですね」
「?」
「いや急に静かになったから、ひょっとしたらかな」
「なんで?」
「わかるかって、わかりますよ」
(あからさまに、声には出なかったと思うけど)
「どうします?、ちゃんと直してもらうように、出しましょうか?」
(そういえば、結構な金額だって言ってたな、もういいか)
なんだか、あきらめてジャケットだけもらってこようか。
「もういいですよ」
「?」
「直さなくても大丈夫です、そのまま渡してくれますか?」
「だけど」
「いいんです」
「……そうですか」
「わかりました、クリーニングには出してあるので、出来しだい渡しに行きます」
「ありがとうございます」
「それでは、また連絡します」
電話を切って、会社に戻っていった。
とりあえず、メッセージ交換だけできるように、お互いに確認した。
こっちが、ただのあいさつだけ送ってみたら、なぜか向こうから、かわいい小鳥のアイコンがきた。ちょっと微笑ましかった。
お互いに、ざっくりとした予定ではあるが、まったくわからないよりはましである。
あれもこれもと考え、だんだん胃のあたりが重いような気がして、昼休みには、やわらかうどん食べたいなと、ピンポイントな思いとともに、昼休憩に出た。
入ろうと思っていたうどん屋は、みごとに入れなかった。
(やっぱり、いっぱいか~)
いつもは見かけいるだけなので、今日は入ってみようと思ってたのに…。
(体調もよくないし…)
いつもどおり、コンビニでおにぎりを買って公園にきた。会社に戻ってもよかったけど、今は1人でゆっくりしたい。
いい天気だし、そんなに寒くもない。ちょうどいい風が吹いていた。おにぎり食べながら、気が抜けて本当にゆっくりしていた。
(戻る前に、コーヒー買っていこう)
もうあまり時間もなくなった。戻って続きをしないと。
立ち上がろうとしたときに、スマホが鳴った。見たことない番号。
「?、はい」
「水澄さんですか?」
「よかった、渡辺です」
(渡辺?、誰だっけ?)
「すいません、この前のジャケットのことなのですが」
(思いだした!、そういえばそんなことあったっけ)
「何かありましたか?」
「色々見てみたんですが、ひょっとしたら、新しく買った方がいいかもと思って、電話させてもらったんですよ」
「そうなんですか」
(いや、直してくれるなら、その方がいいんだけど)
「金額的に、修理を頼むにしても、新しいの買えるかもと、思う値段だったので」
「水澄さんとしては、どちらがいいですか?」
「………」
「?、水澄さん?」
あのスーツは、自分がやっと働き出して自分で買ったやつだ。他の人が見てもたいしたことのない、本当に普通の。けど、自分に取って、どうしても大事にしたい服だった。
たぶん、着れなくなっても、置いておきたいほどの。
「すみません、直せなかったら、そのままでかまいません」
「でも」
「大丈夫です、なんなら取りにいきますよ」
ちょっと、イラッとした。他人にはたいしたことなくても、自分には、大事なもの。
「すみませんでした、あのジャケット大事にしてるんですね」
「?」
「いや急に静かになったから、ひょっとしたらかな」
「なんで?」
「わかるかって、わかりますよ」
(あからさまに、声には出なかったと思うけど)
「どうします?、ちゃんと直してもらうように、出しましょうか?」
(そういえば、結構な金額だって言ってたな、もういいか)
なんだか、あきらめてジャケットだけもらってこようか。
「もういいですよ」
「?」
「直さなくても大丈夫です、そのまま渡してくれますか?」
「だけど」
「いいんです」
「……そうですか」
「わかりました、クリーニングには出してあるので、出来しだい渡しに行きます」
「ありがとうございます」
「それでは、また連絡します」
電話を切って、会社に戻っていった。
とりあえず、メッセージ交換だけできるように、お互いに確認した。
こっちが、ただのあいさつだけ送ってみたら、なぜか向こうから、かわいい小鳥のアイコンがきた。ちょっと微笑ましかった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
30
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる