33 / 67
どうしても、
しおりを挟む
ドアの向こうからハッカの香りがする。
ドアの向こうで、何かが倒れる音がしたから、誰かいるはずだ。
「水澄さん?」
たぶん向こうで、いるであろう人に声を掛けた。
「すいません……、今開けられないので、帰ってください」
「どうして」
「だいじょうぶですから、帰ってください」
「でも」
「早く帰ってください!」
ハッカの香りが、ずっと頭を揺さぶるように、香る。
拒絶されているのに、離れることができない。
「お願いです、開けてください」
「……いやです」
「開けてください!」
声に乗ってしまった少しの威圧と、自分の必死な思い。本当に久しぶりな感情に、自分でも驚く。
「お願いだから…開けて」
「こんな姿を見せたくないんです…」
弱々しい声がする。
「僕しかいませんから…」
他には誰もいませんから…
お願いだ、避けないで。大丈夫だから。
苦しいなら、助けるから、拒否しないで。
「つらくて苦しいんです、こんな情けない姿を見られたくないんです
こんな情けないの、俺じゃないのに……」
「だいじょうぶだから… 助けてあげる、僕は何も知らないから、どんな姿でも、あなたは同じ人なんです」
お願いだ。姿を見せて。僕を避けないで。
追記。
ミントとハッカですが、同じもののようです。(国産だと、ハッカ。それ以外はミントらしいです)
ドアの向こうで、何かが倒れる音がしたから、誰かいるはずだ。
「水澄さん?」
たぶん向こうで、いるであろう人に声を掛けた。
「すいません……、今開けられないので、帰ってください」
「どうして」
「だいじょうぶですから、帰ってください」
「でも」
「早く帰ってください!」
ハッカの香りが、ずっと頭を揺さぶるように、香る。
拒絶されているのに、離れることができない。
「お願いです、開けてください」
「……いやです」
「開けてください!」
声に乗ってしまった少しの威圧と、自分の必死な思い。本当に久しぶりな感情に、自分でも驚く。
「お願いだから…開けて」
「こんな姿を見せたくないんです…」
弱々しい声がする。
「僕しかいませんから…」
他には誰もいませんから…
お願いだ、避けないで。大丈夫だから。
苦しいなら、助けるから、拒否しないで。
「つらくて苦しいんです、こんな情けない姿を見られたくないんです
こんな情けないの、俺じゃないのに……」
「だいじょうぶだから… 助けてあげる、僕は何も知らないから、どんな姿でも、あなたは同じ人なんです」
お願いだ。姿を見せて。僕を避けないで。
追記。
ミントとハッカですが、同じもののようです。(国産だと、ハッカ。それ以外はミントらしいです)
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
30
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる