魔法で生きる、この世界

㌧カツ

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Episode.3 出会いと別れのセブンロード

16話 回想~5 days~⑤

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 その後の二日間も、何ごともなく平穏な時間が流れていった。
 ただひたすらにクエストを受けては達成し、たまに休憩し。
 そんなことを繰り返していれば、気付けば既に出発の前日である五日目だった。

「荷物に不足は無いか、もう一度確認しておこう」

「へーい」

 誰かの気の抜けた返事とともに、確認作業が開始する。
 買い物の際に書いておいたメモを見ながら、荷物を次々に鞄の中に入れていく。
 最後の荷物を入れ、僕は一つ深い息を吐いた。

「よし、僕の方は何もなかったよ」

「ん、俺もなしだ」

「私は……あっ」

 僕とミクトが不足が無いことを報告する中で、ルミネはどこか困った顔をしていた。
 何か不足品があったのだろうか。
 僕はルミネに声をかけた。

「何か足りなかった?」

「うん……ちょっと」

「じゃあ今から買いに行けば間に合うんじゃね? 俺も付いていくわ」

「そ、そう。じゃあ、お願い」

 何だろうか。
 ルミネの表情や声色に違和感を感じるような気がする。

 不意に僕と目が合ったルミネは、直ぐにサッと目を逸らした。
 何かあるような気もするが、ここで無理に引き止めて問いただすのも悪い。

「分かった。なるべく早めにね」

「ありがとう」

 そう言うとルミネは僕に背を向け、ミクトと並んで大通りに出ていった。
 離れていく二つの背中を見ていて、僕は不意に思った。

「ミクトって背低いんだな」

 今まで気づかなかったというのも変な話だ。
 しかし並んで歩く二人の背の高さは、何か微妙にミクトの方が高いような気もするけどやっぱり同じなんじゃないかっていうぐらいに差が小さい。
 もしかしたら、ミクトの背が低いのではなくルミネの背が高いのかもしれない。

 そんなどうでもいいようで少し放っておけない事を考えているうちに、二人の姿はいつの間にか人混みの中に消えていた。


-----------------------------------


「よし。これで今度こそ完璧かな」

「そうね。心配かけてごめんなさい」

 二人が買ってきたルミネの荷物を鞄に入れ、それで今度こそ完璧に準備は完了した。
 後は明日を待つのみだ。

「夕食を食べて、寝て。早めに起きて正門に集合だ」

「了解ー」

「てことで解散! 夕食まで自由時間!」

 僕の言葉を皮切りに、二人はそれぞれ別の方向へと歩いていった。
 僕も外で何かしようかと思ったが、明日のためにも体力は温存しておいた方がいいかもしれない。

 開け放たれた『デイブルーム』の出入口に背を向け、僕は二階への階段に足をかけた。
 靴の上からでは床の冷たさは分からないが、恐らくひんやりと冷えていることだろう。
 汚れつつも定期的な掃除によりある程度清潔に保たれている廊下は、いつもよりどこか明るく見えた。

「明日でここともさよなら、か」

 全く、嬉しいんだか寂しいんだか分からない。

 僕は部屋の鍵を鍵穴に差し込み、ゆっくりと扉を開いた。
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