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Episode.3 出会いと別れのセブンロード
27話 黒目黒髪の男①
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男――改めヒノ・カゲトは笑みを消したかと思うと、直ぐに長剣をこちらに突き出してきた。
何処から現れたのか、その長剣は赤い燭台の炎をその刀身に映していた。
「勝負だ、ロトル・ストムバート。――俺はお前を絶対に殺す」
「待て、何を言って――」
そう言いかけた僕は、目の前の光景に驚愕した。
消えた。ヒノ・カゲトは一瞬のうちに姿を消した。
魔力感知などしている暇はなかった。
だが微かに感じ取ることのできたそれは――
「スキルか固有スキルか、とりあえず何処から――」
そしてその時、ふと視界の端に何かが見えた。
考えている暇はない。僕はそれがヒノ・カゲトであると断定し魔法で迎え撃つ。
「『火槍』!」
「――――」
正解。
長剣を振り下ろしかけていたヒノ・カゲトは身をかわし、攻撃よりも回避を優先した。
しかしほっと一息ついている暇はない。
またもヒノ・カゲトは攻撃を仕掛けてきた。
だが――
「……なめてるのか、お前はぁっ! 『熱光線』!」
ヒノ・カゲトは悩むこともなく、まっすぐ走ってこちらへと向かってきた。
詠唱によって発現した赤い光は高速度でヒノ・カゲトの元へと迸り、その体を貫いた。
彼はなんの動きも見せなかった。
左右に動くこともなく、ただ魔法の餌食となった。
はずだった。
「何をして――消えた!?」
「――残念だったな。後ろだよ」
腹部を貫かれたヒノ・カゲトが一瞬にして消え、次は僕の背後に現れた。
炎によって作られた影が、長剣を振りかぶる彼の姿を写していた。
この状況からでは、回避することは不可能と言っていいだろう。
僕の体は斬撃によって切り裂かれ、真っ二つに――
「なってたまるか! ――『魔放出』ォ!」
「な……ゴリ押しかよ――!」
背後にいたヒノ・カゲトは魔力の波によって吹き飛ばされ、壁に激突する。
何とか窮地は免れることが出来たらしい。
だが、彼のスキルは何か。
それが分からなければ、この戦闘に勝つことは難しい。
まず第一に考えられるのは、空間転移系のスキルだ。
それがあれば姿を消して背後に回ることも可能だろう。
しかしそれはありえない。
何故なら、彼の腹部に外傷は見当たらなかった。
腹部を貫かれてから転移したのなら、その傷が無いはずがない。
なら次に考えられるのは――
「幻術系か、それとも状態変化系か。ってところか?」
「の、呑気にスキル系統の考察か? そんな暇……あるのかぁ?」
そう言ったヒノ・カゲトは、またもやその場から姿を消した。
確かにその通りだ。そんなことをしている暇はないのかもしれない。
だが――
「予防線は、張っておいた」
「――は」
僕は魔力の糸を張り巡らせていた。
だから、分かった。
「――そこだッ! 『魔狙撃』!」
属性のついたただの魔力が、超高速で何も無い空間に飛んでいく。
だが正確には何も無いのではない。
何も無いように見えるのだ。
とてもじゃないが避けきれない早さで迫る魔力を、彼はただ受け止めることしか出来ない。
「づっ……ぁあ!?」
「大当たりだな。これで終わりだ、ヒノ・カゲト」
痛ましい悲鳴と共に空間が揺らぎ、そこにいなかったはずの男が現れた。
脇腹を貫いたようで、黒い服には血が滲んでいた。
先程の攻撃を繰り返せば、絶対に勝てる。
「……何故」
――だが男は、それでもなお笑みを浮かべていた。
「何でだと思う? 分かるか?」
「――――」
ヒノ・カゲトは、貫かれた脇腹を手で押さえていた。
だが次の瞬間、彼は一瞬消えるように揺らぎ、また現れた。
依然として彼は脇腹を手で押さえていた。
しかしその下には――
「……何でっ!?」
「――傷なんて最初からなかったんだよ、馬鹿が」
――彼が押さえていた脇腹には、何処にも外傷が見当たらなかった。
そして彼の立つ背後の壁に、少し削られ焼け焦げた跡があった。
「死ね」
ヒノ・カゲトはそういうと長剣を握りしめ、呆然とする僕の腹部にそれを突き立て――
「クソが。あぶねえじゃねえか、ヒノ・カゲト!」
手を突き出した俺の前で、長剣が甲高い音を立てて落下した。
俺は迫る刃に直前で魔力の塊をぶつけ、自らの身を守った。
そして攻撃を防がれたはずのヒノ・カゲトは笑みを浮かべて言う。
「――待ってたぜ。『ロトル・ストムバート』」
何処から現れたのか、その長剣は赤い燭台の炎をその刀身に映していた。
「勝負だ、ロトル・ストムバート。――俺はお前を絶対に殺す」
「待て、何を言って――」
そう言いかけた僕は、目の前の光景に驚愕した。
消えた。ヒノ・カゲトは一瞬のうちに姿を消した。
魔力感知などしている暇はなかった。
だが微かに感じ取ることのできたそれは――
「スキルか固有スキルか、とりあえず何処から――」
そしてその時、ふと視界の端に何かが見えた。
考えている暇はない。僕はそれがヒノ・カゲトであると断定し魔法で迎え撃つ。
「『火槍』!」
「――――」
正解。
長剣を振り下ろしかけていたヒノ・カゲトは身をかわし、攻撃よりも回避を優先した。
しかしほっと一息ついている暇はない。
またもヒノ・カゲトは攻撃を仕掛けてきた。
だが――
「……なめてるのか、お前はぁっ! 『熱光線』!」
ヒノ・カゲトは悩むこともなく、まっすぐ走ってこちらへと向かってきた。
詠唱によって発現した赤い光は高速度でヒノ・カゲトの元へと迸り、その体を貫いた。
彼はなんの動きも見せなかった。
左右に動くこともなく、ただ魔法の餌食となった。
はずだった。
「何をして――消えた!?」
「――残念だったな。後ろだよ」
腹部を貫かれたヒノ・カゲトが一瞬にして消え、次は僕の背後に現れた。
炎によって作られた影が、長剣を振りかぶる彼の姿を写していた。
この状況からでは、回避することは不可能と言っていいだろう。
僕の体は斬撃によって切り裂かれ、真っ二つに――
「なってたまるか! ――『魔放出』ォ!」
「な……ゴリ押しかよ――!」
背後にいたヒノ・カゲトは魔力の波によって吹き飛ばされ、壁に激突する。
何とか窮地は免れることが出来たらしい。
だが、彼のスキルは何か。
それが分からなければ、この戦闘に勝つことは難しい。
まず第一に考えられるのは、空間転移系のスキルだ。
それがあれば姿を消して背後に回ることも可能だろう。
しかしそれはありえない。
何故なら、彼の腹部に外傷は見当たらなかった。
腹部を貫かれてから転移したのなら、その傷が無いはずがない。
なら次に考えられるのは――
「幻術系か、それとも状態変化系か。ってところか?」
「の、呑気にスキル系統の考察か? そんな暇……あるのかぁ?」
そう言ったヒノ・カゲトは、またもやその場から姿を消した。
確かにその通りだ。そんなことをしている暇はないのかもしれない。
だが――
「予防線は、張っておいた」
「――は」
僕は魔力の糸を張り巡らせていた。
だから、分かった。
「――そこだッ! 『魔狙撃』!」
属性のついたただの魔力が、超高速で何も無い空間に飛んでいく。
だが正確には何も無いのではない。
何も無いように見えるのだ。
とてもじゃないが避けきれない早さで迫る魔力を、彼はただ受け止めることしか出来ない。
「づっ……ぁあ!?」
「大当たりだな。これで終わりだ、ヒノ・カゲト」
痛ましい悲鳴と共に空間が揺らぎ、そこにいなかったはずの男が現れた。
脇腹を貫いたようで、黒い服には血が滲んでいた。
先程の攻撃を繰り返せば、絶対に勝てる。
「……何故」
――だが男は、それでもなお笑みを浮かべていた。
「何でだと思う? 分かるか?」
「――――」
ヒノ・カゲトは、貫かれた脇腹を手で押さえていた。
だが次の瞬間、彼は一瞬消えるように揺らぎ、また現れた。
依然として彼は脇腹を手で押さえていた。
しかしその下には――
「……何でっ!?」
「――傷なんて最初からなかったんだよ、馬鹿が」
――彼が押さえていた脇腹には、何処にも外傷が見当たらなかった。
そして彼の立つ背後の壁に、少し削られ焼け焦げた跡があった。
「死ね」
ヒノ・カゲトはそういうと長剣を握りしめ、呆然とする僕の腹部にそれを突き立て――
「クソが。あぶねえじゃねえか、ヒノ・カゲト!」
手を突き出した俺の前で、長剣が甲高い音を立てて落下した。
俺は迫る刃に直前で魔力の塊をぶつけ、自らの身を守った。
そして攻撃を防がれたはずのヒノ・カゲトは笑みを浮かべて言う。
「――待ってたぜ。『ロトル・ストムバート』」
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