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Episode.1 これが始まりの物語
9話 冒険者カード
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火の球が大地を焦がしながら、ぷるぷると震えているスライムに近づいていく。
そして火の球がスライムに接触した瞬間に、スライムが粉々に爆散する。
「はぁ……」
弾け飛んだスライムを横目に、僕は溜め息をつく。
もうこれで何体目だろうか。
二十二、いや二十三?
数え切れない程の数じゃあないが、流石に二十何発と魔法を撃っても平気で居られるほど僕の魔力は多くない。
こんなところにずっと居たら、いつしか僕は魔力不足で倒れてしまうだろう。
「もう、もう疲れたよ」
森に入った時とはうってかわって、よろよろと力なく歩き続ける僕だったが、その瞳に映る景色が一瞬にして切り替わった。
木々によって隠されていた青く広い空が、頭上に見える。
日差しが届かず暗かった視界が、眩いほどに輝いている。
――森を抜けたのだ。
あれからまだ十分も経っていないのだろう。
燦々と照りつける太陽も、空をゆっくりと泳ぐ雲の位置も、対して変わっているようには見えなかった。
そして目の前には、どこまでも広がっている平原と、その中にある街があった。
いや、そんなことよりも、だ。
「スライム、多すぎませんか……?」
なんなんだあの森は。
十分も経たずに抜けられるような森の中で、一体何体ものスライムと戦ったと思ってるんだ。
おかげで魔力はほぼすっからかんで、僕はへろへろ。
「街でマナポーションでも買って飲もうかな」
マナポーションといえば、銀貨一枚もしないはずだ。
魔法使いにとっては必需品だし、一番ランクも低いポーションだからね。
「そうと決まったら、さっさと歩いて街へ行こう!」
あと十数メートルだろうし、すぐにポーションを買って飲めば、魔力不足による疲れも消えるだろう。
すぐに街に入れればの話なんだけどね?
--------------------------------------
「お願いですから、もうへろへろなんですって! 街に入れてくださいよ! ポーションは自分で買いますから!」
「だから言ってるでしょう。冒険者カードが無ければ街には入れないんですって」
街に入るには冒険者カードが必要。
勿論僕は冒険者じゃないのでそんなもの持っているはずがない。
これは……予想外だった。
このせいで門番さんに止められ、今に至る。
そこで僕は、これならどうだと聞いてみる。
「分かりましたよ……じゃあ今ここで、冒険者カードを作ることはできませんか?」
「あぁ、それならできますすよ」
んん?
「なんで、それ言ってくれなかったんですか」
「いや、きっとみんなが知ってる事だと思いまして……そもそも冒険者カードが無いと街に入れないなら、何処で冒険者カードを作るんですか」
言われてみれば、確かにそう…だ……
「……」
「……」
沈黙が流れる。
僕はこの空気に耐えきれず、口を開いた。
「じゃ、じゃあ、それお願いできますか?」
「え、えぇ、全然いいですよ」
すると門番さんは懐から黒いカードのようなものを取り出し、僕に差し出した。
「これに触れるだけでいいです」
僕は言われたとおりにそのカードに触れてみる。
するとカードが淡く光り、僕の顔と名前、そして冒険者ランクが表示された。
「これで冒険者カードは完成です。冒険者ランクはギルドに掲示されているクエストをクリアすると上がります。その他の詳しい事は実際にギルドに行ってお確かめください」
「分かりました。ありがとうございました」
僕は門番さんにお礼を言い、街の中へと入っていった。
そして火の球がスライムに接触した瞬間に、スライムが粉々に爆散する。
「はぁ……」
弾け飛んだスライムを横目に、僕は溜め息をつく。
もうこれで何体目だろうか。
二十二、いや二十三?
数え切れない程の数じゃあないが、流石に二十何発と魔法を撃っても平気で居られるほど僕の魔力は多くない。
こんなところにずっと居たら、いつしか僕は魔力不足で倒れてしまうだろう。
「もう、もう疲れたよ」
森に入った時とはうってかわって、よろよろと力なく歩き続ける僕だったが、その瞳に映る景色が一瞬にして切り替わった。
木々によって隠されていた青く広い空が、頭上に見える。
日差しが届かず暗かった視界が、眩いほどに輝いている。
――森を抜けたのだ。
あれからまだ十分も経っていないのだろう。
燦々と照りつける太陽も、空をゆっくりと泳ぐ雲の位置も、対して変わっているようには見えなかった。
そして目の前には、どこまでも広がっている平原と、その中にある街があった。
いや、そんなことよりも、だ。
「スライム、多すぎませんか……?」
なんなんだあの森は。
十分も経たずに抜けられるような森の中で、一体何体ものスライムと戦ったと思ってるんだ。
おかげで魔力はほぼすっからかんで、僕はへろへろ。
「街でマナポーションでも買って飲もうかな」
マナポーションといえば、銀貨一枚もしないはずだ。
魔法使いにとっては必需品だし、一番ランクも低いポーションだからね。
「そうと決まったら、さっさと歩いて街へ行こう!」
あと十数メートルだろうし、すぐにポーションを買って飲めば、魔力不足による疲れも消えるだろう。
すぐに街に入れればの話なんだけどね?
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「お願いですから、もうへろへろなんですって! 街に入れてくださいよ! ポーションは自分で買いますから!」
「だから言ってるでしょう。冒険者カードが無ければ街には入れないんですって」
街に入るには冒険者カードが必要。
勿論僕は冒険者じゃないのでそんなもの持っているはずがない。
これは……予想外だった。
このせいで門番さんに止められ、今に至る。
そこで僕は、これならどうだと聞いてみる。
「分かりましたよ……じゃあ今ここで、冒険者カードを作ることはできませんか?」
「あぁ、それならできますすよ」
んん?
「なんで、それ言ってくれなかったんですか」
「いや、きっとみんなが知ってる事だと思いまして……そもそも冒険者カードが無いと街に入れないなら、何処で冒険者カードを作るんですか」
言われてみれば、確かにそう…だ……
「……」
「……」
沈黙が流れる。
僕はこの空気に耐えきれず、口を開いた。
「じゃ、じゃあ、それお願いできますか?」
「え、えぇ、全然いいですよ」
すると門番さんは懐から黒いカードのようなものを取り出し、僕に差し出した。
「これに触れるだけでいいです」
僕は言われたとおりにそのカードに触れてみる。
するとカードが淡く光り、僕の顔と名前、そして冒険者ランクが表示された。
「これで冒険者カードは完成です。冒険者ランクはギルドに掲示されているクエストをクリアすると上がります。その他の詳しい事は実際にギルドに行ってお確かめください」
「分かりました。ありがとうございました」
僕は門番さんにお礼を言い、街の中へと入っていった。
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