8 / 64
妃候補の二人はできている!?
ほぼ妃候補を離脱した、もう1人の候補。
しおりを挟む
あの笑顔で会話を強制終了し、私は人気のないところに移動した。
皇太子殿下には「リリーに殺されたくないので、速やかにリリー様の元に行くように」と指示されましたが、
そんな行動まで指図されたくはございません。
殺されると言うならば、殺されればいいのです。
……………いえ、いづれ国の頂点に立たれるお方で皇位継承者第一位の方に、
いくら気に入らないからとはいえ、そのようなことを言ってはなりませんね。
とはいえ、私とてひとりになりたいのです。
リリー様があの調子なので、いじめてストレス発散とはまいりませんし………。
中庭へと行くことにいたしました。
こんな授業開始前に中庭に誰かいることなんかないと思ったのですが、
このガサゴソという音が聞こえると言うことは、先客がいたようですね。
誤算でしたわ。
さっさと別の場所に…
「ローズ様」
と呼び止められた。
知り合いだったらしい。
よくよくみたら4聖貴族のリフロント家の御令嬢リーブ様と、バクランド家の御子息ガイア様だ。
「あら、リーブ様とバクランド卿、本日も仲慎ましいことで。
こんな人気のないところで相引きなんて、なにされてたんですの?」
「何もしてませんし!相引きじゃありません!」
リーブ様は顔を赤らめて私に反論する。
茶色で髪を結い上げ、控えめの性格の彼女は、一見地味だが。
こうやってあたふたする姿は純粋で実に可愛らしい。
「人の多く出入りする場所でそのようなことはしません」
一方バクランドの倅は堅物だ、冗談も通じない。
リーブ様と一緒にワタワタするくらいが可愛らしいのに。
「あなた方も勿体ぶるわね、もうみんな噂で知ってるわよ?
皇太子殿下も御公認と聞きましたわ、さっさと婚約発表なさいなさいな。
そうすれば無意味な妃選定式に出席する必要もございませんし」
「それでも4聖貴族としての義務は果たさなければ、
婚約発表はその後でも遅くはないと、2人で話し合っておりますし。」
「…」
私は実はリーブ様のことは結構好きだ。
確かに、一部能力的な部分では私には敵わないが、
それ以外の全てのことを卒なく完璧にこなし、思慮深く人望もある。
聖貴族としてはこれ以上ない有能な人材だ。
あーぁ、殿下に見る目があれば、これ以上ない有望株だったのにもったいない。
それもこれも殿下が皇太子殿下が最初に私たちのお披露目の時、
リーブ様のことを「大人しすぎてつまらない」などと言ったからですわ。
その直後、バクランドの倅にボコボコに殴られてましたが。
「何じっとリーブを睨んでるんです?いじめたら許さんですよ」
「いえ、あなた方のヒストリーを思い返していただけですわ。
で、冗談はこのくらいにしておいて、
実際のところ、あなた方はここで何をされていたの?」
実際に謎だ、別にこんなところで2人っきりになる必要があることはそうそうないだろう。
それこそ相引きでもない限り。
リフロントとバクランドのよほどの内密の話があったのかもしれないけれど
私は2人を見ると「どうしよう」と目線で示し合わせる。
「ローズにも関係あることだし…」
「そうですわね…事実確認も必要ですし。」
リーブ様は覚悟を決めたような顔で私を見る。
「ローズ様、実は……リリー様のことで………。」
「リリー様?」
皇太子殿下には「リリーに殺されたくないので、速やかにリリー様の元に行くように」と指示されましたが、
そんな行動まで指図されたくはございません。
殺されると言うならば、殺されればいいのです。
……………いえ、いづれ国の頂点に立たれるお方で皇位継承者第一位の方に、
いくら気に入らないからとはいえ、そのようなことを言ってはなりませんね。
とはいえ、私とてひとりになりたいのです。
リリー様があの調子なので、いじめてストレス発散とはまいりませんし………。
中庭へと行くことにいたしました。
こんな授業開始前に中庭に誰かいることなんかないと思ったのですが、
このガサゴソという音が聞こえると言うことは、先客がいたようですね。
誤算でしたわ。
さっさと別の場所に…
「ローズ様」
と呼び止められた。
知り合いだったらしい。
よくよくみたら4聖貴族のリフロント家の御令嬢リーブ様と、バクランド家の御子息ガイア様だ。
「あら、リーブ様とバクランド卿、本日も仲慎ましいことで。
こんな人気のないところで相引きなんて、なにされてたんですの?」
「何もしてませんし!相引きじゃありません!」
リーブ様は顔を赤らめて私に反論する。
茶色で髪を結い上げ、控えめの性格の彼女は、一見地味だが。
こうやってあたふたする姿は純粋で実に可愛らしい。
「人の多く出入りする場所でそのようなことはしません」
一方バクランドの倅は堅物だ、冗談も通じない。
リーブ様と一緒にワタワタするくらいが可愛らしいのに。
「あなた方も勿体ぶるわね、もうみんな噂で知ってるわよ?
皇太子殿下も御公認と聞きましたわ、さっさと婚約発表なさいなさいな。
そうすれば無意味な妃選定式に出席する必要もございませんし」
「それでも4聖貴族としての義務は果たさなければ、
婚約発表はその後でも遅くはないと、2人で話し合っておりますし。」
「…」
私は実はリーブ様のことは結構好きだ。
確かに、一部能力的な部分では私には敵わないが、
それ以外の全てのことを卒なく完璧にこなし、思慮深く人望もある。
聖貴族としてはこれ以上ない有能な人材だ。
あーぁ、殿下に見る目があれば、これ以上ない有望株だったのにもったいない。
それもこれも殿下が皇太子殿下が最初に私たちのお披露目の時、
リーブ様のことを「大人しすぎてつまらない」などと言ったからですわ。
その直後、バクランドの倅にボコボコに殴られてましたが。
「何じっとリーブを睨んでるんです?いじめたら許さんですよ」
「いえ、あなた方のヒストリーを思い返していただけですわ。
で、冗談はこのくらいにしておいて、
実際のところ、あなた方はここで何をされていたの?」
実際に謎だ、別にこんなところで2人っきりになる必要があることはそうそうないだろう。
それこそ相引きでもない限り。
リフロントとバクランドのよほどの内密の話があったのかもしれないけれど
私は2人を見ると「どうしよう」と目線で示し合わせる。
「ローズにも関係あることだし…」
「そうですわね…事実確認も必要ですし。」
リーブ様は覚悟を決めたような顔で私を見る。
「ローズ様、実は……リリー様のことで………。」
「リリー様?」
1
あなたにおすすめの小説
完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい
咲桜りおな
恋愛
オルプルート王国第一王子アルスト殿下の婚約者である公爵令嬢のティアナ・ローゼンは、自分の事を何故か初対面から溺愛してくる殿下が苦手。
見た目は完璧な美少年王子様なのに匂いをクンカクンカ嗅がれたり、ティアナの使用済み食器を欲しがったりと何だか変態ちっく!
殿下を好きだというピンク髪の男爵令嬢から恋のキューピッド役を頼まれてしまい、自分も殿下をお慕いしていたと気付くが時既に遅し。不本意ながらも婚約破棄を目指す事となってしまう。
※糖度甘め。イチャコラしております。
第一章は完結しております。只今第二章を更新中。
本作のスピンオフ作品「モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~」も公開しています。宜しければご一緒にどうぞ。
本作とスピンオフ作品の番外編集も別にUPしてます。
「小説家になろう」でも公開しています。
【長編版】悪役令嬢は乙女ゲームの強制力から逃れたい
椰子ふみの
恋愛
ヴィオラは『聖女は愛に囚われる』という乙女ゲームの世界に転生した。よりによって悪役令嬢だ。断罪を避けるため、色々、頑張ってきたけど、とうとうゲームの舞台、ハーモニー学園に入学することになった。
ヒロインや攻略対象者には近づかないぞ!
そう思うヴィオラだったが、ヒロインは見当たらない。攻略対象者との距離はどんどん近くなる。
ゲームの強制力?
何だか、変な方向に進んでいる気がするんだけど。
悪役令嬢の慟哭
浜柔
ファンタジー
前世の記憶を取り戻した侯爵令嬢エカテリーナ・ハイデルフトは自分の住む世界が乙女ゲームそっくりの世界であり、自らはそのゲームで悪役の位置づけになっている事に気付くが、時既に遅く、死の運命には逆らえなかった。
だが、死して尚彷徨うエカテリーナの復讐はこれから始まる。
※ここまでのあらすじは序章の内容に当たります。
※乙女ゲームのバッドエンド後の話になりますので、ゲーム内容については殆ど作中に出てきません。
「悪役令嬢の追憶」及び「悪役令嬢の徘徊」を若干の手直しをして統合しています。
「追憶」「徘徊」「慟哭」はそれぞれ雰囲気が異なります。
悪役令嬢の心変わり
ナナスケ
恋愛
不慮の事故によって20代で命を落としてしまった雨月 夕は乙女ゲーム[聖女の涙]の悪役令嬢に転生してしまっていた。
7歳の誕生日10日前に前世の記憶を取り戻した夕は悪役令嬢、ダリア・クロウリーとして最悪の結末 処刑エンドを回避すべく手始めに婚約者の第2王子との婚約を破棄。
そして、処刑エンドに繋がりそうなルートを回避すべく奮闘する勘違いラブロマンス!
カッコイイ系主人公が男社会と自分に仇なす者たちを斬るっ!
断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます
山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。
でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。
それを証明すれば断罪回避できるはず。
幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。
チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。
処刑5秒前だから、今すぐに!
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
転生しましたが悪役令嬢な気がするんですけど⁉︎
水月華
恋愛
ヘンリエッタ・スタンホープは8歳の時に前世の記憶を思い出す。最初は混乱したが、じきに貴族生活に順応し始める。・・・が、ある時気づく。
もしかして‘’私‘’って悪役令嬢ポジションでは?整った容姿。申し分ない身分。・・・だけなら疑わなかったが、ある時ふと言われたのである。「昔のヘンリエッタは我儘だったのにこんなに立派になって」と。
振り返れば記憶が戻る前は嫌いな食べ物が出ると癇癪を起こし、着たいドレスがないと癇癪を起こし…。私めっちゃ性格悪かった!!
え?記憶戻らなかったらそのままだった=悪役令嬢!?いやいや確かに前世では転生して悪役令嬢とか流行ってたけどまさか自分が!?
でもヘンリエッタ・スタンホープなんて知らないし、私どうすればいいのー!?
と、とにかく攻略対象者候補たちには必要以上に近づかない様にしよう!
前世の記憶のせいで恋愛なんて面倒くさいし、政略結婚じゃないなら出来れば避けたい!
だからこっちに熱い眼差しを送らないで!
答えられないんです!
これは悪役令嬢(?)の侯爵令嬢があるかもしれない破滅フラグを手探りで回避しようとするお話。
または前世の記憶から臆病になっている彼女が再び大切な人を見つけるお話。
小説家になろうでも投稿してます。
こちらは全話投稿してますので、先を読みたいと思ってくださればそちらからもよろしくお願いします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる