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妃候補の二人はできている!?

妃候補が2人抜けてしまうと言うことは…

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リリー様のことで何かというと

「その………噂で聞きました、リリー様に告白されたと…
ほ…………本当にお二人はそのようなご関係になられたのでしょうか!?」


リーブ様、爆弾発言。


「な……何を!?」

「い、いえ、申し訳ございません。
人の趣味趣向に口を出すのは、よろしいことだとは思っていないのですが…
その…とはいえ…『ライレイニ』と『レフレイム』のことなので…
事情によってはその…私も身の振り方が……」

あぁ、なるほど、そう言うことですのね。

確かに、リーブ様も4聖貴族の1人。
バクランドには女性はいないから、万一にも私たちが2人とも相思相愛で妃の座を辞退したら、
妃候補がリーブ様ただお一人、そうなるほぼ決まりの婚約が白紙になる可能性がある。

「ただでさえ、リリーのことでアカデミー中が騒ぎになってる。
そんな時に、この話が他の人に聞かれては大変だ。
だから人目のつかないところで現状と今後の話をしていたんだです。」


「なるほど、そう言うことでしたの。
安心してくださいまし、リリー様の一方的な好意。
私がどうこうなることはあり得ませんわ。」

そういうと、リーブ様はほっと胸を撫で下ろした。


「それにしても、リリー様はなぜローズ様のことを…
もしかして、周りの噂が大きすぎて恋愛の好きと思われているだけで、
実は友情の…」


「それを願いましたが、残念ながら完全に愛ですわ、あれは。」

私だってLIKEを望みましたわ。
でも、リリー様の行動・言動が、その思い込みすら許してはくださらない。


「まぁ、元から面白い趣向をお持ちの方ではあったけどですね。」


「………そうでしたか?」

告白される前のリリー様は…自分の記憶では「ザ・ヒロイン」
確かに能天気ではあったし、抜けてるところもあった。
しかし性格や趣味に関しては他人より少しあざといくらいで、おかしなところは何も……

私が真剣に顎に手を添え考えていると、バクランド教は盛大なため息をつく


「いじめるなら、少しは相手の本質を理解してからやったらどうだですか?」


そう言われた私は、売り言葉に買い言葉で言い返す


「あら、私の人間観察能力は他の誰にも引けを取りませんわ!」


この世界のメインキャラの人物は、小説の事前知識があるからもちろん理解しておりますし、
作り物の世界だからといって、一人一人を蔑ろなんかに致しません、ちゃんと人として交流を深めてまいりました。



そうじゃないと、正当な理由でいじめができないじゃないもの。



それに、前世の仕事で養った人間観察能力
この能力で優秀な人間とそうでない人間を仕分けし続けてきた。
人事の仕事では大いに役立ったわ、その私に人間観察能力がないはずがございません。

えっ変と胸を張る私に、バクランドは私に思いっきり人差し指を突きつける


「じゃあ、なぜリリー様は、この時期、あの公衆の面前で、
あなたのような人間に告白をしたんだですか!?
人間観察濃色があるんなら、さっさと答えろです!」


バクランド卿のおかしな敬語よりも、
自分に告白したリリー様の気持ちを答えよという難題に雷を打たれたくらいに動揺する

確かに…………答えられない…………そんな

自分に衝撃を受ける。


確かに……………


「…」



「女同士とかどうこうと言うのに、口を出すつもりはないが
お前からあれだけの仕打ちを受けていて、こうなるのは全く意味がわからんです
心当たりは?」


私はフルフルと首を横にふる。
私とて、嫌われる振る舞いを進んで行ってきた。
なぜこうなったのかは一番私が聞きたい。

そんな時だった。



「ローズ様、ローズ様!どちらにいらっしゃいますの!?」


リリー様の声が聞こえてきた。


「隠れてないで出てきてくださいまし!
殿下とのお話が終わったことも、ここにいることも裏が取れてますのよ~!」


私はそれを聞いて、話の途中ではあったが
こっそり中庭抜け出そうとした。

しかし首根っこをあっさりとバクランドに掴まれてしまう
そして

「ライレイニ嬢!レフレイム嬢はここにおりますよ」

「ちょ、バクランドの倅!なんてことをするんですの!」


暴れて逃げようとする私と、乱暴なことをしないように咎めるリーブ様をよそに
「ちょうどいい」と言って手の力を緩めることはなかった。

リリー様と話でもしようと言うのでしょうか。

餌に私を使うなんてなんと無礼な。


結局私は逃げることはできず、リリー様がここまで到着してしまった。



「ローズ様!もう!殿下とのお話が終わったなら、
戻ってきてくださいよ!」



腕に抱きついて頬をすりすりと擦り付けるリリー様。


「なぜ私があなたのところに行かなきゃいけないのよ!」

かなりひどいことを言ったけれど、リリー様はそれについては何も反応しない
それよりも…

「リーブ様、バクランド卿ごきげんよう。
ローズ様返していただいても?」

と適当に挨拶を返す。

リーブ様もバクランド卿も噂を聞いただけで、状況を見たのは初めてだったのだろう。
ポカーンと大きな口を開けてこちらを眺めている。

そんな顔してる間にこちらは助けていただきたいのですけれども!


「本当に、仲がおよろしいのですね」

おずおずとリーブ様が口をひらいてそう言うと、
リリー様は満面の笑みで


「ええ、とっても。」

と返事をする。

「ライレイニ嬢、ひとつ聞いても?」

「なんでしょう?」

バクランドはリリー様に聞く


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