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妃候補の二人はできている!?

18まで後少しだが…【皇太子視点】

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その日、父に呼び出された自分は書斎を訪れていた。

「アカデミーが、ある噂で荒れているらしいな」


さすが国王陛下、耳に入るのが早い。

「えぇ、なんでもリリーがローズに告白をしたとか」

「…………本当…………なんだな」

「自分も目撃しましたので、少なくとも告白したのは事実かと。」


国王陛下は額に手を当てる首を横に振る


「まさか『ライレイニ』と『レフレイム』が……2人とも辞退したりしたら………」


国王陛下は、ペンを握りしめたてをプルプル振るわせる。


「聖貴族に3人も可憐な女性がいるのに、誰もお嫁に来てくれなくなっちゃう、どーしよう!」


まるで嘘泣きのように机に突っ伏してえーんえーんと泣き
国王めっちゃ落ち込む。

入室した時の国王の威厳は一瞬でなくなった。


まずは、国王を宥めないと話が先に進まない


「陛下……いや、父上。あくまでリリーの方の一方的に想ってるだけで
ローズはなんとも想ってないみたいですよ」

「そうなの?」

それで少しだけホッとするしたのか

国王陛下は心を落ち着けると一つ咳払いをし、威厳を取り戻す。


「ならば話を戻そう、スペクトル、相手をどちらにするのか決めたのか?」


しかしもう、威厳のかけらも感じない。
これが神の子孫が住むと豪語している国の国王だと思うと情けない。

自分は首をポリポリと掻きながら答える


「いや、リリーとは楽しく会話はしますけど、
政治の助けになりそうなのはローズですかね?
でも最近リリーはローズに夢中で……」

「あー、やっぱり!!
やっぱりそうなんだ!!!うちにお嫁には来てくれないんだ!!!」


せっかく戻った威厳も、2人の話になると威厳を保ってられないらしい。


「ですから、そんなに心配する話では!」

「大体ね!普通皇太子といえばみんなから好かれてモテモテで!!!
女たちがあの手この手で蹴落としあって、皇太子を手に入れようとするはずなのに!!

なんでスペクトルはそんなにイケメンに育ってるのに、そっぽむかれてるの!?

リーブはバクランドと婚約、リリーは女性にうつつを抜かし、ローズからはそもそもアプローチがない!!
他の貴族は敷きたりが当たり前すぎて、遠巻きに見てるだけで近寄りはしない!!!!」


それは何かの小説を読みすぎなのではないだろうか。
それとも自分の時はそうだったんだろうか。

すいませんねぇ、モテない皇太子で。


「今まで女性が生まれなかったり?年齢がずれてしまっている場合は?
聖貴族以外の貴族から選ぶこともあったけど、こんな情けない………」

「さすがにショックです!実の父親そんなこと言われるのは!!」

自分だって好きでこのような事態になったわけではない。
それにここまで実の父親に焚き付けられれば黙っていられない!
プライドが許せない。

「父上、自分だって皇太子です。
本気を出せば女性の1人や2人たぶらかせます!」

「本当にぃ?」

疑いの眼差し。
しかし、このままでは進展はない。
18までには時間がないのだ。

「だったらさぁ、とりあえず3人のうち誰でもいいからデートしてきてよ。」


こうして皇太子は国王陛下に命令を下された。

とりあえずなんでもいいから誰か射止めてこいと。
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