転生前から生粋の悪役令嬢は、百合ヒロインから逃亡したい!

木東

文字の大きさ
13 / 64
まずはデートをしませんか?

トリプルデート

しおりを挟む

それは貴族御用達のカフェだったのか、内装がとても豪華で景色も素晴らしく、
カフェの庭はとてもきれいに手入れをされておりました。

まぁ仲慎ましい…例えばリーブ様とバクランド卿が喜んで来そうというか、
とても絵になるでしょうね。

この紅茶も香り高いですし、
スイーツも可愛らしく作られていて、もちろんお味も絶品ですわ。


しかし………


「ローズ様、こちらのスイーツもおすすめですわよ、召し上がっては?」

そう言って、さっきからどんどんお皿の上にスイーツを乗せて行くリリー様

「気に入ってくれたならよかったよ」

ニコニコと笑う皇太子殿下。

皇太子殿下と妃候補の2人が、何かの打ち合わせとか深刻な話でもない、
たわいの無い話のためにこの3人の組み合わせというのは、
なんともおかしなものだ。

私の気にしすぎかもしれませんが。



「殿下のおすすめメニューもどれも素晴らしいですけど、
こちらのバラのデザートも目新しくて美味しそうですわ」

「気になるなら頼めばいいよ」

「まあ、いいんですの!?」

私は紅茶をずずっとすする。

もしこの場に私がいなければ、
この2人、とてもいい雰囲気の恋人同士に見えますわね。
やっぱりお似合いですわ、私場違いな気がしてまいりました。

そういえば、小説で見た2人もこんな感じだったなぁ…

いや、リリー様はもう少し遠慮がちだったような。
こんな太々しかったかしら?

私に好意を持ったせいで、遠慮がなくなってしまったのかしら


「ローズ様」


2人の様子を見てあれこれ考えていたら、リリー様から声をかけられた。
私はハッとして返事をする

「あ、なんでしょう」

「あとこれとこれとこれとこれ、これとこれを、3人分ずつ頼もうと思うのですが、
ローズ様は他に何か頼みたいものはございますでしょうか?」


私はそれを聞いてギョッとする。
いつの間にそんな話になっていたのだろうか、
そして後いくつ料理を頼むつもりなのだろうか

机の上にもすでにたくさんのスイーツが乗り切らないほど


「リリー様、食べ切れない量を頼むのはマナー違反ですわ、
皇太子殿下のお財布をそんなに使わせるわけにも…」

「でもせっかくですし、私はローズ様に満足していただきたいんです」

「余ったらテイクアウトすればいいし、お金のことは気にしないで
経済を回すのも僕らの役目だから。」

「私はもうお腹も満たされて満足しております、これ以上は結構ですわ。」

「そうですの?」

そういうとリリー様はしゅんと落ち込んで、飲み物だけを追加で注文した。


「それにしてもここのカフェ、どこで知りましたの?」

「もちろん、アカデミーのレディーたちだよ、
ここのスイーツがとてもおいしいと聞いてね、君たちにも気に入ってもらえるかと思って。」

「確かにいいお店ですわ、ね?ローズ様。」

「そうね」

いちいち引っ付かないでもらえると、もう少し美味しくいただけるのですけれど…

そんな私たちを見て皇太子殿下は笑う。

「本当に仲がいいみたいだね、ちょっと前までのことを考えれば信じられない光景だ。
あの告白現場を見た僕も、最初は本当に信じられなかったけど…仲がいいのは素直に嬉しいよ」

「ありがとうございます、でも急接近したのは確かに最近ですが、
私は最初から…初めてお会いした時から…………
いいえ、生まれた時からローズ様をお慕い申し上げておりましたわ。」


「へー…それは気がつかなかった。」


リリー様、そんな大袈裟な………。
そんなこと言われたら恐怖しかありませんわ。

皇太子殿下は質問を続ける

「2人は普段どんなことをしているの?
何か共通の趣味の話でも?」

「いえ…どうも何も」

「そうですわね、例えば今日なんか私の作ったクッキーを受け取ってくださって」

押し付けての間違いでは?

「その他にも、一緒に授業の準備をしてくださったり」

それは、あまりにもひっついて邪魔だったので、
私の仕事を押し付けていただけですわ。

「ランチの時間を楽しくおしゃべりしながら過ごしたり」

ほぼ強制的に隣に座って勝手にあなたが喋ってただけですわ。

「昨日なんて、授業中に居眠りをしてしまった私のために、
目を覚まさせようと、机に虫を放り込んでくださいまして」


それは喜ぶ話ではございませんわ!嫌がらせをしたんですもの!


その後も、間違ってはいないけど盛られた仲良い話を続けた。
あまりにもそれが恥ずかしくなって私は顔を手で覆う。


ある程度話を聞いた皇太子殿下はこんな質問をリリー様何投げかけた。


「リリーは、本当にローズのことが好きなんだね。
それはとてもよくわかったよ、
でも君は…一体ローズのどこがそんなに好きなの?」


その質問をした時、


さっきの和やかだった空気は一変。


冷ややかにな空気が流れた。

あんなにホクホクと盛った話を続けたリリー様が黙ってしまったのだ。
しばらくの沈黙の後、

「皆様、それを聞きますのね。」

とぽつりと呟いた。

確かに、リリー様は先ほどもバクランド卿に同じことを聞かれていた。
それに対して真面目に答えようとはしなかった。

でも、普通に考えたら質問した2人の方が正常だ。
だって、いじめられた人間を好きになったりしない、むしろこんなにくっつかないで関わりたくないと思うはずだ。

嫌がらせ以外の可能性で、こんなに私のことを好きになんてならないはずなのだ
私だって、リリー様の立場ならお断りだろう。

さっきとは違ってお店の中、お料理をいただいてまったりしてるこのタイミングなら、
リリー様は本音をおっしゃってくださるだろうか。

私は、リリー様の次の言葉をまった。

リリー様は口を開く

「でしたら、殿下お伺いいたします。」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

ゲーム未登場の性格最悪な悪役令嬢に転生したら推しの妻だったので、人生の恩人である推しには離婚して私以外と結婚してもらいます!

クナリ
ファンタジー
江藤樹里は、かつて画家になることを夢見ていた二十七歳の女性。 ある日気がつくと、彼女は大好きな乙女ゲームであるハイグランド・シンフォニーの世界へ転生していた。 しかし彼女が転生したのは、ヘビーユーザーであるはずの自分さえ知らない、ユーフィニアという女性。 ユーフィニアがどこの誰なのかが分からないまま戸惑う樹里の前に、ユーフィニアに仕えているメイドや、樹里がゲーム内で最も推しているキャラであり、どん底にいたときの自分の心を救ってくれたリルベオラスらが現れる。 そして樹里は、絶世の美貌を持ちながらもハイグラの世界では稀代の悪女とされているユーフィニアの実情を知っていく。 国政にまで影響をもたらすほどの悪名を持つユーフィニアを、最愛の恩人であるリルベオラスの妻でいさせるわけにはいかない。 樹里は、ゲーム未登場ながら圧倒的なアクの強さを持つユーフィニアをリルベオラスから引き離すべく、離婚を目指して動き始めた。

乙女ゲームの中の≪喫茶店の店長≫というモブに転生したら、推しが来店しました。

千見るくら
恋愛
社畜OL、乙女ゲームの世界に転生!? でも私が転生したのは――女主人公でも攻略対象でもなく、ただの喫茶店の店長(モブ)だった。 舞台は大人気乙女ゲーム『ときめき☆青春学園~キミの隣は空いてますか?~』。 放課後、女主人公と攻略キャラがデートにやってくるこの店は、いわば恋愛イベントスポット。 そんな場所で私は、「選択肢C.おまかせメニュー」を選んでくる女主人公のため、飲料メーカーで培った知識を駆使して「魂の一杯」を提供する。 すると――攻略キャラ(推し)の様子が、なんかおかしい。 見覚えのないメッセージウインドウが見えるのですが……いやいや、そんな、私モブですが!? 転生モブ女子×攻略キャラの恋愛フラグが立ちすぎる喫茶店、ここに開店! ※20260116執筆中の連載作品のショート版です。

転生したら悪役令嬢になりかけてました!〜まだ5歳だからやり直せる!〜

具なっしー
恋愛
5歳のベアトリーチェは、苦いピーマンを食べて気絶した拍子に、 前世の記憶を取り戻す。 前世は日本の女子学生。 家でも学校でも「空気を読む」ことばかりで、誰にも本音を言えず、 息苦しい毎日を過ごしていた。 ただ、本を読んでいるときだけは心が自由になれた――。 転生したこの世界は、女性が希少で、男性しか魔法を使えない世界。 女性は「守られるだけの存在」とされ、社会の中で特別に甘やかされている。 だがそのせいで、女性たちはみな我儘で傲慢になり、 横暴さを誇るのが「普通」だった。 けれどベアトリーチェは違う。 前世で身につけた「空気を読む力」と、 本を愛する静かな心を持っていた。 そんな彼女には二人の婚約者がいる。 ――父違いの、血を分けた兄たち。 彼らは溺愛どころではなく、 「彼女のためなら国を滅ぼしても構わない」とまで思っている危険な兄たちだった。 ベアトリーチェは戸惑いながらも、 この異世界で「ただ愛されるだけの人生」を歩んでいくことになる。 ※表紙はAI画像です

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。

悪役令嬢はモブ化した

F.conoe
ファンタジー
乙女ゲーム? なにそれ食べ物? な悪役令嬢、普通にシナリオ負けして退場しました。 しかし貴族令嬢としてダメの烙印をおされた卒業パーティーで、彼女は本当の自分を取り戻す! 領地改革にいそしむ充実した日々のその裏で、乙女ゲームは着々と進行していくのである。 「……なんなのこれは。意味がわからないわ」 乙女ゲームのシナリオはこわい。 *注*誰にも前世の記憶はありません。 ざまぁが地味だと思っていましたが、オーバーキルだという意見もあるので、優しい結末を期待してる人は読まない方が良さげ。 性格悪いけど自覚がなくて自分を優しいと思っている乙女ゲームヒロインの心理描写と因果応報がメインテーマ(番外編で登場)なので、叩かれようがざまぁ改変して救う気はない。 作者の趣味100%でダンジョンが出ました。

悪役令嬢の心変わり

ナナスケ
恋愛
不慮の事故によって20代で命を落としてしまった雨月 夕は乙女ゲーム[聖女の涙]の悪役令嬢に転生してしまっていた。 7歳の誕生日10日前に前世の記憶を取り戻した夕は悪役令嬢、ダリア・クロウリーとして最悪の結末 処刑エンドを回避すべく手始めに婚約者の第2王子との婚約を破棄。 そして、処刑エンドに繋がりそうなルートを回避すべく奮闘する勘違いラブロマンス! カッコイイ系主人公が男社会と自分に仇なす者たちを斬るっ!

バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました

美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?

処理中です...