裏切られた人生に

文字の大きさ
20 / 32
第2章

19

しおりを挟む
「じゃあラウルくん。体幹と持久力は大分ついたみたいだから言っていたとおり剣を触ろうか。どんな剣を持ちたいとかはまだ流石に決めてないよな?」

「はい。まだ何も決めてないです」

「じゃあ、自分で触って試してみるか?流石にラウル君の屋敷には置いていないから、今度俺の屋敷に来るといい。あ、あとトレーニングは目標を達成したからといって辞めないようにな!」

「分かりました。じゃあまた後日エトムントさんのお屋敷にお邪魔させてもらいます」

「あぁ。待ってる。あとラウル君と同い年の息子が俺にもいるんだが会ってやってくれないか?俺が同い年の子供に教えていると知ったら会いたいとうるさくてな」
 
(エトムントさんの息子か。前の人生でも会ったことないな)

「俺は別に大丈夫です」 

 ラウルがそう言うとエトムントは嬉しそうに感謝を告げた。

「そうか!ありがとう!あとラウル君すまないが今日の剣術の授業はここまでだ。騎士団に用事があって少し早く終わってしまう!申し訳ない!」 
 
「分かりました。次またお願いします」

 そう言うとエトムントは急いで馬車に乗り騎士団へと向かって行った。

(お父様に一応エトムントさんの屋敷に行くことは伝えたほうがいいな。確か今日は休みだったはず)

 


♦︎



 ラウルは汗を流した後、フリードリッヒのいる執務室へ来ていた。


「ラウルが自分からここに来るなんて珍しいな。何かあったのか?」

「次の剣術の授業でエトムントさんの屋敷にお邪魔することになりました。そのことだけ一応伝えておこうと思って」

「そうか。分かった。また従者に伝えておく」

「お願いします」

 ラウルはそう言って頭をすこし下げた。

「あと前に言っていた魔法の授業をしてくれる先生なんだが来月来てくれるそうだ」

(魔法の先生って前のときと一緒なんだろうか・・・・・・・・あの人結構スパルタでほんとにキツいんだよな。そのおかげで魔力が桁違いに伸びたけど)

「分かりました。ありがとうございます・・・・・・・・あの、お父様も昔冒険者になりたかったって本当なんですか?」

 それを聞いたフリードリッヒは一瞬目を丸くする。

「あぁエトムントが言ったのか。確かに私も昔は冒険者になりたかった。だがラウルみたいに確固たる意思がなかったからな・・・・・途中で諦めたことに何の後悔もない。お前は私と違い意思が強い子だ。だからきっと大丈夫」 
 
 フリードリッヒは優しい目でラウルを見て、頭をすこしだけ撫でた。


「・・・・・・・・ありがとうございます」

(・・・・・・はぁ。俺も過去のことをずっとウジウジしてたらダメだ。自分の未来のためにどれだけ今頑張れるかだよな)





 
 
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

寂しいを分け与えた

こじらせた処女
BL
 いつものように家に帰ったら、母さんが居なかった。最初は何か厄介ごとに巻き込まれたのかと思ったが、部屋が荒れた形跡もないからそうではないらしい。米も、味噌も、指輪も着物も全部が綺麗になくなっていて、代わりに手紙が置いてあった。  昔の恋人が帰ってきた、だからその人の故郷に行く、と。いくらガキの俺でも分かる。俺は捨てられたってことだ。

琥珀の檻

万里
BL
砂漠の王国の離宮「琥珀の間」で、王・ジャファルは、異母弟であるアザルを強引に抱き、自らの所有物であることを誇示していた。踊り子の息子として蔑まれ、日陰の存在として生きてきたアザルにとって、兄は憎悪と恐怖の対象でしかなかった。 しかし、その密事を見つめる影があった。ジャファルの息子であり、次期王位継承者のサリムである。サリムは叔父であるアザルに対し、憧憬を超えた歪な独占欲を抱いていた。 父から子へ。親子二人の狂おしい執着の視線に晒されたアザルは、砂漠の夜よりも深い愛憎の檻に囚われていく。

恋人に捨てられた僕を拾ってくれたのは、憧れの騎士様でした

水瀬かずか
BL
仕事をクビになった。住んでいるところも追い出された。そしたら恋人に捨てられた。最後のお給料も全部奪われた。「役立たず」と蹴られて。 好きって言ってくれたのに。かわいいって言ってくれたのに。やっぱり、僕は駄目な子なんだ。 行き場をなくした僕を見つけてくれたのは、優しい騎士様だった。 強面騎士×不憫美青年

巻き戻った悪役令息のかぶってた猫

いいはな
BL
婚約者のアーノルドからある日突然断罪され、処刑されたルイ。目覚めるとなぜか処刑される一年前に時間が巻き戻っていた。 なんとか処刑を回避しようと奔走するルイだが、すでにその頃にはアーノルドが思いを寄せていたミカエルへと嫌がらせをしており、もはやアーノルドとの関係修復は不可能。断頭台は目の前。処刑へと秒読み。 全てがどうでも良くなったルイはそれまで被っていた猫を脱ぎ捨てて、せめてありのままの自分で生きていこうとする。 果たして、悪役令息であったルイは処刑までにありのままの自分を受け入れてくれる友人を作ることができるのか――!? 冷たく見えるが素は天然ポワポワな受けとそんな受けに振り回されがちな溺愛攻めのお話。   ※キスくらいしかしませんが、一応性描写がある話は※をつけます。※話の都合上、主人公が一度死にます。※前半はほとんど溺愛要素は無いと思います。※ちょっとした悪役が出てきますが、ざまぁの予定はありません。※この世界は男同士での婚約が当たり前な世界になっております。 初投稿です。至らない点も多々あるとは思いますが、空よりも広く、海よりも深い心で読んでいただけると幸いです。 また、この作品は亀更新になると思われます。あらかじめご了承ください。

【完結】義兄に十年片想いしているけれど、もう諦めます

夏ノ宮萄玄
BL
 オレには、親の再婚によってできた義兄がいる。彼に対しオレが長年抱き続けてきた想いとは。  ――どうしてオレは、この不毛な恋心を捨て去ることができないのだろう。  懊悩する義弟の桧理(かいり)に訪れた終わり。  義兄×義弟。美形で穏やかな社会人義兄と、つい先日まで高校生だった少しマイナス思考の義弟の話。短編小説です。

愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない

了承
BL
卒業パーティー。 皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。 青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。 皇子が目を向けた、その瞬間——。 「この瞬間だと思った。」 すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。   IFストーリーあり 誤字あれば報告お願いします!

転生したようだけど?流れに身を任せていたら悪役令息?として断罪されていた――分からないまま生きる。

星乃シキ
BL
発作の後に目覚めたら、公爵家嫡男の身体だった。 前世の記憶だけを抱えたまま生きるレイは、ある夜、男の聖女への嫌がらせの罪で断罪される。 だが図書室の記録が冤罪を覆す。 そしてレイは知る。 聖女ディーンの本当の名はアキラ。 同じ日本から来た存在だった。 帰りたい聖女と、この身体で生きるレイ。 秘密を共有した二人は、友達になる。 人との関わりを避けてきたレイの人間関係が、少しずつ動き始める。

劣等アルファは最強王子から逃げられない

BL
リュシアン・ティレルはアルファだが、オメガのフェロモンに気持ち悪くなる欠陥品のアルファ。そのことを周囲に隠しながら生活しているため、異母弟のオメガであるライモントに手ひどい態度をとってしまい、世間からの評判は悪い。 ある日、気分の悪さに逃げ込んだ先で、ひとりの王子につかまる・・・という話です。

処理中です...