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第20章 ダンジョン攻略依頼
おまけ(舞台裏) 第166話続き フミノちゃんのひとり御飯
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200匹以上の魔物を倒し、ライ君でゴーレム車を引っ張り、そして魔力が尽きるまで練習。結果、リディナもセレスもいつもの夕食の時間には既に熟睡。
一方、魔法をそれほど使っていない私はまだまだ眠くない。しかし話し相手はいない。本もここにあるものは一通り読み終わった。工作するような物も特に思いつかない。
どうしようかな。とりあえず夕食を食べながら考えようか。そう思って食事等が入った自在袋を漁る。
最近海辺を通っていないから魚が恋しい。なら今日の夕食はリディナが作ってくれた私専用海鮮丼だな。あれは本来昼食用、だけれど一人で食べるなら別にいいだろう。
そう思って自在袋の中を見たのだが……無い! 私専用海鮮丼が無い!
そうだ、ついこの間最後の1個を食べてしまったのだった。今思い出した。
勿論自在袋内には他にも私の昼食用に多種のメニューが入っている。カツ丼、それも卵とじ版とデミグラスソース版両方とか、鳥照り焼き丼、ビーフシチュー丼(ただし肉は鹿肉)、ロースト鹿丼……
丼ばかりなのはリディナが私の好みに合わせて作ってくれているから。私は1人の時は御飯もの、それも丼をかっ込むのが好きだ。丼なら飲み物が無くても問題無いし、器ひとつだけで済むから食べるときも片付ける時も面倒がなくていいので。
これらの丼のどれかで夕食にしようか。しかしどうもその気になれない。頭が完全に海鮮丼の気分なのだ。無いとわかると余計に恋しくなってしまう。
よし、仕方ない。こうなったら自分で作ろう。
普段、私は料理をしない。元々出来なかったという訳では無いのだが、リディナの腕が超絶過ぎるので作らなくなった。
何せリディナ、私しか知らないメニューであっても、一度私が作ったのを見て食べると、次は同じメニューを遙かに美味しく見栄え良く手際もよく作ってしまうのだ。
なおセレスも調理に関しては私よりよっぽど手際がいい。しかも味付けが上手だ。結果、私は作らない人になった。まあ言い訳だけれども。
しかし今に限っては作ってくれる人はいない。海鮮丼を食べたければ私自身の手で作るしか無い。
白飯はある。自在袋にもアイテムボックスにも入っている。だから炊く必要はない。魚もアイテムボックス内にそこそこ在庫がある。わさび代わりのホースラディッシュもリディナ特製刺身タレも入っている。
だからやるのは魚をさばいて刺身にする事だけ。
ならやろうではないか。久しぶりの調理を。
アイテムボックス内を確認し、まず出したのは市場ではキオダートと呼ばれる魚。ヒラメに似ているがもっと縦に長く身も分厚い。味もヒラメに似ている美味しい魚だ。
これはどうやってさばくのだっけな。よく見れば鱗もあるし。皮をはぐのだろうか……いや、皮を剥ぐのは無理だ。少なくとも手や包丁では。
こういうのって前はどうさばいていただろうか。何せ私、リディナと出逢う前はネズミまでさばいていた筈。それに比べれば魚なんて難しくないだろう。しかし包丁やナイフをつかった覚え、ないよな……
そうだ、思い出した。アイテムボックススキルでやったのだった。
これなら包丁やナイフは必要ない。木や鉄を加工するのと同じようにやればいいのだ。
ならば……私は偵察魔法で更にしっかりキオダートの身を確認する。重要なのはイメージだ。今回の場合、いかに鱗の層を薄く剥ぎ取れるか。あとは骨と身を切り分けるか。
自分の目と偵察魔法、監視魔法でじっくり見て意識する。表面ぎりぎりの形を捉える。この部分だけを収納する。しっかり念じて……出来た。
同じ方法で骨を探る。中骨の太さを意識して、そこだけこちら側に凹ませ、あとは骨ぎりぎりに……よし、身だけ収納出来た。
繰り返した結果、綺麗に3枚におろせてしまった。この魚は本来は5枚おろしの筈だったような……まあいいだろう。出来たのだから文句はない。
縁側部分をやはりアイテムボックスで切り分けて完成。さくになったので刺身用にカットすればOKだ。勿論これもアイテムボックススキルで。
同じ方法でオラータと呼ばれる黒鯛っぽい魚、パラミータと呼ばれるカツオとマグロの中間みたいな魚もさばく。基本と違うがきれいにサクになったので問題はない。
うん、これで白身と赤身の3種盛り。部位違いも含めれば5種盛りくらい。刺身はこんなものでいいかな。
出た骨とかアラはどうしようか。確かリディナは一度焼いて、それから煮出して出汁をとっていた。ならばと思って真似してみる。
熱魔法と炎魔法でカリッカリにした後、水魔法で圧力かけまくった状態の超高温なお湯で出汁とり。うん、黄金色のいい出汁がとれた。
これにリディナ特製刺身タレを加えひと煮立ち。魔法で一気に冷まして味見。うむ、よしよし、私好みの味だ。
あ、思いついてしまった。この汁、ただ汁として飲むだけじゃない。この味なら出来る、あれが、きっと。
それなら御飯も、酢飯にする予定だったが白飯に変更。アイテムボックスに入っていた御飯をちょい熱魔法で加熱しほかほかに。
ただ汁を試す前に、まずは基本から。
まずは刺身をリディナ特製刺身タレにつけ、御飯と一緒に口にIN。うん、間違いない。旨い。アイテムボックスに入っていたから新鮮でまだ歯ごたえもある。
各部位をしっかり味わって楽しむ。うむ、良きかな。
しかし今日のメインはこれからだ。
御飯の上に刺身をのせる。更に以前作った海苔を魔法でちょいあぶって、バリバリ破いて御飯の上に。更にその上にすりおろしたホースラディッシュをちょこんとのせてと。
仕上げだ。先程作った冷やし出汁を上からジャバーっとかける。これで完成、私特製海鮮茶漬けだ。茶は使っていないけれど。
刺身とのり、御飯と出汁すべてをかっ込む。行儀が悪いと言われそうだけれど、誰も見ていないから問題無い。
やっぱり予想通り美味しい。一気にお椀一杯分をかっ込む。
うん、時々は自分で調理もしよう。刺身限定なら私でも調理できる。
しかし、とりあえず今はもう一杯、おかわりして……
一方、魔法をそれほど使っていない私はまだまだ眠くない。しかし話し相手はいない。本もここにあるものは一通り読み終わった。工作するような物も特に思いつかない。
どうしようかな。とりあえず夕食を食べながら考えようか。そう思って食事等が入った自在袋を漁る。
最近海辺を通っていないから魚が恋しい。なら今日の夕食はリディナが作ってくれた私専用海鮮丼だな。あれは本来昼食用、だけれど一人で食べるなら別にいいだろう。
そう思って自在袋の中を見たのだが……無い! 私専用海鮮丼が無い!
そうだ、ついこの間最後の1個を食べてしまったのだった。今思い出した。
勿論自在袋内には他にも私の昼食用に多種のメニューが入っている。カツ丼、それも卵とじ版とデミグラスソース版両方とか、鳥照り焼き丼、ビーフシチュー丼(ただし肉は鹿肉)、ロースト鹿丼……
丼ばかりなのはリディナが私の好みに合わせて作ってくれているから。私は1人の時は御飯もの、それも丼をかっ込むのが好きだ。丼なら飲み物が無くても問題無いし、器ひとつだけで済むから食べるときも片付ける時も面倒がなくていいので。
これらの丼のどれかで夕食にしようか。しかしどうもその気になれない。頭が完全に海鮮丼の気分なのだ。無いとわかると余計に恋しくなってしまう。
よし、仕方ない。こうなったら自分で作ろう。
普段、私は料理をしない。元々出来なかったという訳では無いのだが、リディナの腕が超絶過ぎるので作らなくなった。
何せリディナ、私しか知らないメニューであっても、一度私が作ったのを見て食べると、次は同じメニューを遙かに美味しく見栄え良く手際もよく作ってしまうのだ。
なおセレスも調理に関しては私よりよっぽど手際がいい。しかも味付けが上手だ。結果、私は作らない人になった。まあ言い訳だけれども。
しかし今に限っては作ってくれる人はいない。海鮮丼を食べたければ私自身の手で作るしか無い。
白飯はある。自在袋にもアイテムボックスにも入っている。だから炊く必要はない。魚もアイテムボックス内にそこそこ在庫がある。わさび代わりのホースラディッシュもリディナ特製刺身タレも入っている。
だからやるのは魚をさばいて刺身にする事だけ。
ならやろうではないか。久しぶりの調理を。
アイテムボックス内を確認し、まず出したのは市場ではキオダートと呼ばれる魚。ヒラメに似ているがもっと縦に長く身も分厚い。味もヒラメに似ている美味しい魚だ。
これはどうやってさばくのだっけな。よく見れば鱗もあるし。皮をはぐのだろうか……いや、皮を剥ぐのは無理だ。少なくとも手や包丁では。
こういうのって前はどうさばいていただろうか。何せ私、リディナと出逢う前はネズミまでさばいていた筈。それに比べれば魚なんて難しくないだろう。しかし包丁やナイフをつかった覚え、ないよな……
そうだ、思い出した。アイテムボックススキルでやったのだった。
これなら包丁やナイフは必要ない。木や鉄を加工するのと同じようにやればいいのだ。
ならば……私は偵察魔法で更にしっかりキオダートの身を確認する。重要なのはイメージだ。今回の場合、いかに鱗の層を薄く剥ぎ取れるか。あとは骨と身を切り分けるか。
自分の目と偵察魔法、監視魔法でじっくり見て意識する。表面ぎりぎりの形を捉える。この部分だけを収納する。しっかり念じて……出来た。
同じ方法で骨を探る。中骨の太さを意識して、そこだけこちら側に凹ませ、あとは骨ぎりぎりに……よし、身だけ収納出来た。
繰り返した結果、綺麗に3枚におろせてしまった。この魚は本来は5枚おろしの筈だったような……まあいいだろう。出来たのだから文句はない。
縁側部分をやはりアイテムボックスで切り分けて完成。さくになったので刺身用にカットすればOKだ。勿論これもアイテムボックススキルで。
同じ方法でオラータと呼ばれる黒鯛っぽい魚、パラミータと呼ばれるカツオとマグロの中間みたいな魚もさばく。基本と違うがきれいにサクになったので問題はない。
うん、これで白身と赤身の3種盛り。部位違いも含めれば5種盛りくらい。刺身はこんなものでいいかな。
出た骨とかアラはどうしようか。確かリディナは一度焼いて、それから煮出して出汁をとっていた。ならばと思って真似してみる。
熱魔法と炎魔法でカリッカリにした後、水魔法で圧力かけまくった状態の超高温なお湯で出汁とり。うん、黄金色のいい出汁がとれた。
これにリディナ特製刺身タレを加えひと煮立ち。魔法で一気に冷まして味見。うむ、よしよし、私好みの味だ。
あ、思いついてしまった。この汁、ただ汁として飲むだけじゃない。この味なら出来る、あれが、きっと。
それなら御飯も、酢飯にする予定だったが白飯に変更。アイテムボックスに入っていた御飯をちょい熱魔法で加熱しほかほかに。
ただ汁を試す前に、まずは基本から。
まずは刺身をリディナ特製刺身タレにつけ、御飯と一緒に口にIN。うん、間違いない。旨い。アイテムボックスに入っていたから新鮮でまだ歯ごたえもある。
各部位をしっかり味わって楽しむ。うむ、良きかな。
しかし今日のメインはこれからだ。
御飯の上に刺身をのせる。更に以前作った海苔を魔法でちょいあぶって、バリバリ破いて御飯の上に。更にその上にすりおろしたホースラディッシュをちょこんとのせてと。
仕上げだ。先程作った冷やし出汁を上からジャバーっとかける。これで完成、私特製海鮮茶漬けだ。茶は使っていないけれど。
刺身とのり、御飯と出汁すべてをかっ込む。行儀が悪いと言われそうだけれど、誰も見ていないから問題無い。
やっぱり予想通り美味しい。一気にお椀一杯分をかっ込む。
うん、時々は自分で調理もしよう。刺身限定なら私でも調理できる。
しかし、とりあえず今はもう一杯、おかわりして……
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