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いちゃらぶ逆転えっち♡今日は俺が抱く
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「祐月、あの、お願いがあるんよ」
「いいぞ、やってやる」
「ちゃんと聞いてから決めてほしいなぁ!」
「俺にできることなんだろ? ならなんだって叶えるよ」
なんでそんなに男前なん。惚れてまうやろ。いやもうずぶずぶに惚れとるけど、好感度が青天井やどないしよ。そのうち気が狂って家から一歩も出やんでって泣いて縋りそうな自分が怖い。
全幅の信頼を寄せてくれてるのは嬉しいけど今回は真面目に考えて欲しい。嫌なら二度と言わない。けど、ほんまに叶えてくれたら嬉しいなぁ。
「僕、ぼくね、祐月を、その……」
「ゆっくりでいい、待ってるから」
「その、なぁ、だっ、抱きたいねん」
言うてもうた。嫌われるんじゃないかと怖くて俯いていたが、いつまで待っても祐月から返事がない。声も出ないほど嫌なのかと思って顔を上げると、真っ赤になった祐月が口をぱくぱくさせて固まっていた。かわいええわぁ。これ、もしかして……?
「祐月が、抱きたいって言われたん聞いて、嫌やったんよ。僕ってその男とおんなしやと思うて」
「おなじ? 駿希とあいつが?」
「おんなしやろ。祐月がどんな顔して、どんな声出して抱かれるのか、妄想することしかできひん」
「俺の、も、妄想って」
「いやや、許せへんの。ほうやからね、祐月の特別、僕にちょうだい。僕が唯一抱かれた男を、僕に唯一抱かれた男にしたい」
見開かれた瞳が潤んで煌めいていた。俺の言葉で、態度で、こんなにかわええ顔してくれる。あぁ、抱きたい。いつもされるみたいにぐちゃぐちゃにしてやりたい。
「なぁ、祐月、お願い聞いてくらはる?」
「……いいよ、なんだって、叶えてやる」
「ほんまに、ええの?」
「俺のぜんぶ、もらってくれ」
堪らなくなって抱きしめると首筋にすり寄ってきた。ええ匂いがして頭が沸騰する。あかん、我慢せんと。優しくせな、焦ったらあかん。そう言い聞かせるのに、身体は勝手に動いてしまう。頬を撫でてキスをする。落ちてくる涙が熱くて火傷しそうだ。
「ん、ぅ……っふ……」
舌を入れて絡めれば控えめに応えてくれる。もっと、と求めそうになるのを抑えて唇を離した。名残惜しげに唾液が糸を引いて切れる。
「あ……その、夜、待っててくれ。準備するから」
「うん、まっとる、待っとるよ」
夜が待ち遠しい。早く俺の手で乱れる祐月が見たい、見たいけど、俺って上手くできるんやろうか。男相手って祐月だけやし、いつも抱かれてたし、抱くのは初めてなわけで。やばい、やばいな、下手やって思われたら生きていかれへんもん。祐月っていっつも何してくれとったかな、余裕ないからほとんど覚えてへんねんどないしよぉ!
◽︎
結局ほとんど思い出せへんまま夜になってもうた。今日はお風呂別々で、俺はひと足先に寝室で待っている。はぁ、痛いことだけはせんようにせな。怖がられたないし、できれば気持ち良くなって欲しい。
ドアノブが動く音が聞こえて心臓が跳ねる。ぎぃ、と音を立てて開いた扉の向こうにはバスローブ姿の祐月がいた。髪の毛はまだ湿っていて、肌は火照っている。ベッドまで来ると腰掛けて俺を見下ろす。期待と不安が入り混じった顔はなんとも色っぽい。
「うまく、抱かれてやれないかも」
「僕も初めての時はそうやったやろ。ゆっくり少しずつしよな」
「ん、わかった」
「じゃあ、抱きしめてもええ?」
祐月は小さく頷くとおずおずと手を広げた。優しく抱きしめてがちがちの身体を緩めるように撫でる。緊張しているのがよくわかる。いつも俺のことリードしてくれるけど、今日は祐月やって初めてなんや。俺が初めての人になれているのだと実感すると胸が満たされていく。
しばらく抱き合っていると祐月の身体から力が抜けてきた。祐月の手が俺の背中を這う。その指先が背骨をなぞるように動いた。ぞくりと快感が走る。祐月が俺を煽るときの動きだ。耳元で名前を呼ばれて脳に直接響いたような気がして、一気に体温が上がる。
「しゅんき」
「なぁに、祐月」
「キス、したい」
「んふふ、かわええ。しよか」
厚い唇に噛みついてキスをする。受け身な祐月がかわいくて、つい意地悪をしたくなる。祐月の口内に侵入して歯列をなぞったり上顎を舐めたりして堪能してから祐月の顔を見ると蕩けそうな顔をしていた。舌を絡め取って甘噛みしてやると鼻にかかった声で喘ぐ。もっと聞きたい。
唇が離れるころにはすっかり脱力した祐月がもたれかかってきた。肩で息をして俺に身を預けている。なんて愛らしいお人。バスローブに手をかけて左右に開くと祐月の白い肢体が露わになった。無駄なものは何もなくて、傷一つなく滑らかで美しい。思わずため息が漏れてしまうほど。
「ほんに、綺麗やわぁ」
「あんまり、まじまじと見ないでくれ」
「見させてや、好きなんよ」
「っ! はずかしい、から、あと少しにしてくれ」
肌に赤みが増して汗ばんでいる祐月は、それはもう艶やかだった。俺が好きやって言うたから、恥ずかしいのも我慢してくらはる。今すぐ貪りたい、逸る気持ちを抑えて手を繋いで指を絡める。そのままゆっくり押し倒して組み敷いた。絹糸のような黒髪が白いシーツによく映える。
「祐月、好きや。全部、僕にちょうだい」
「あげる、駿希にぜんぶ」
「嬉しい」
額に軽くキスを落としてから頬を辿って首筋へ。鎖骨にもちゅっ、と吸い付いて紅い花びらを散らす。祐月は痕を付けるのを許してくれた。これは僕んものっていう証だから、嬉しくて何度も付けてしまう。
胸にもひとつ咲かせて、それから乳首をつまんだ。くりくりと捏ねたり潰したりして可愛がる。もう片方は口に含んで舌先でつつく。
「ぅ、あ……っあ!」
「きもちええ?」
「ん、あ、ぅん……っふ……ぅ……♡」
恥じらって俺の右手を握りしめながら、声を漏らさないようにする姿がいじらしくて可愛い。もっと鳴かせたい、もっと快楽に溺れさせたい。そんな欲望が膨れ上がる。
「こっち、どぉなっとるかな」
「ぁ、あッ♡」
バスローブの裾を捲って触れるとそこは勃ち上がって先走りを溢していた。祐月が感じてくれていることに安心する。ゆるく扱きながら脚を開かせて後孔に触れた。ぬるい粘液で濡れていて、ここまで準備したのかと驚く。
「な、いいよ、挿れて。慣らしてあるから」
「うれしい、けど、僕がやりたかった」
「ははは! かわいいなァ、ごめん、つぎは任せる」
「ほんま? 次もあるん?」
「駿希がやりたいならな」
「やる、絶対やからね」
真剣な顔して念を押す俺をにまにまと余裕な表情で見ている祐月に悔しさが募る。涼しい顔しよって、さっきまで顔真っ赤で喘いどったのに! なんとかしてその余裕を崩したくて指を沈める。メスイキするまで手マンして泣かせてやる。
「ン、ふぅ、ひひ、違和感すごい」
「今に喘がせたるから覚悟しとってな♡」
「楽しみにしてる」
祐月は自分がいつものいじわるな顔をしていることに気づいていた。だってかぁいいんだもの、あんなことで拗ねた顔して、幼い男。駿希の先ほどまでの鋭い雄の雰囲気はすっかりなくなって、意地になってるかわいい男に早変わり。楽しくないわけがない。
「もっと深くていいよ、だいじょうぶ」
「無理せんでや?」
「ん、ぐ、むりじゃない、っは、俺は上背があるから大丈夫なの」
「嫌やったらすぐ言うて」
ずぶ、と根元まで入った中指を動かして前立腺を探す。熱いナカがきゅうきゅう締まって指が持っていかれそうだ。これ、挿れたら死ぬほど気持ちええやろぉな。腹に付くほど勃起したちんぽが下着で抑えられて窮屈だ。
祐月はというと、苦しげにはしているものの痛そうな様子はない。それどころか萎えてすらいないのだ。とりあえず一本に慣れさせて、二本、三本と増やしていくうちに祐月の声色が変わってくる。
「ぁ♡、ん、ふ、そこ♡それ、イイ♡」
「これか。ふふ、気持ちええ?」
「そ、ぁ、あっ♡」
「かわええ……♡」
祐月は目を閉じて快感に浸っている。眉根を寄せてぎゅうっとシーツを掴む姿に煽られて、腰に重い熱が溜まっていく。目の前でゆれるペニスを握って亀頭を擦ってやると背が弓なりに反って太ももががくがくと震えた。
「ぁ、ア♡まえ、つらいっ♡♡」
「イって、祐月♡」
「ひっ♡♡ぁ゙あ♡イ、くぅ゙~~♡♡♡」
勢いよく飛び出した白濁が手を汚していく。ナカが痙攣しててえろい。射精が終わって浅い息を繰り返す祐月に追い打ちをかけるように指を動かして前立腺を揉む。
「っ!? まっ、てぇ゙!♡いま゙、キヅい゙!♡♡」
「待たへん。気持ちよぉなって」
「あ、あぁ゙あ゙!♡ぃ、またイ゙ぐ♡イッぐ、あ゙♡んんっ!♡♡ぁ、ぅ゙あ゙ッ゙!♡♡」
狙い通りメスイキしてビクビクと身体を跳ねさせる祐月を見て口角が上がる。今度こそ指を抜いて、胸の辺りから徐々にキスをしていく。祐月は放心状態でころりと生理的な涙を流している。メスイキすると寂しくなるのはよく知ってるから、なるべく優しく甘やかしてやりたい。
「じょうずやったね、ええ子、かわええ」
「ふ、はふ、ぅ、しゅんき、いつもこうなのか」
「そう、最高にきもちええやろ」
「うん……死にそうなくらいイイ」
淫靡に笑った口に吸い付いて舌を差し入れる。唾液を流し込んで絡ませると喉を鳴らして飲み込む音が聞こえて興奮する。俺のキスに応えて舌を絡めてくる祐月が可愛くて仕方がない。
「ん、っは、祐月、こんなか挿れたい♡」
「挿れろ。俺をめちゃくちゃにしてくれ」
「男前やぁ、もう、ちょっとだけ恥じらい持ってくれへん?」
「かわいい駿希くんに見えてるから無理。かっこいい俺が好きだろう?」
「好き!!」
「はは、かわい」
あ~、男やなぁ。俺なんかすぐときめいて男の子になってまうのに、祐月はどれだけあられもない姿を晒そうが男のまま。そこが堪らなく好きだ。
祐月の柔らかくなったアナルにゴムを被せたちんぽを宛てがう。ひくつくそこは簡単に亀頭を飲み込んだ。ゆっくり押し進めながら、さっき見つけた前立腺を探る。奥の方にある膨らみを見つけてぐりっと押すと声にならない悲鳴を上げて背を仰け反らせた。
「ぁ゙、ンッ~~!♡♡ぅあ゙♡、これ、やばい♡」
「まだ全部やないよ」
「ぎ、ぁ♡♡まっ、でぇ♡とまって♡」
「もぉちょっと、がんばれ♡♡」
ぐぷぐぷ沈めていって全部おさめる。ちんぽをぎゅぅと食いしばるナカが熱くて溶けそうだ。祐月は顔を真っ赤にして涙目で必死に呼吸を整えていた。落ち着くまで待とうと思ってじっとしていたのに、勝手に腰が揺れて止まらない。
「ひ、はは♡いじわる♡♡好きにしろよ♡」
その言葉に抑えが効かなくなって祐月の脚を抱え直して律動を始める。ぱんっ♡ぱちゅ♡と肌がぶつかる音と結合部からの水音が響く。前立腺を押し潰しながら最奥まで突いて、抜けそうになるギリギリまで引き抜いて、また一気に貫く。
低い声が鼻にかかって甘ったるくなる。俺の名前を呼ぶ唇がなにより美味そうに見えて喘ぎ声ごと喰らいついた。くぐもった声が直接頭に響いて脳髄が痺れる。祐月は過ぎた快楽に混乱しているのか俺の背を引っ掻いて抵抗するが、肉壁は嬉々として絡みついてきて離そうとしない。
「んっ、ふぅ♡んぅ♡は、ふっ、うあ♡♡」
「ッはぁ♡♡えっろ♡きもちええなぁ♡」
「ちんぽ♡癖んなる♡♡イイ♡すき♡」
祐月はぐずぐずに蕩けきっていて、潤んだ目で俺を見つめる。背中に爪を立ててしがみつかれてがり、と引っ掻き傷ができた。痕つけてもろうた、俺の、おれの祐月♡もっと求めてくれ♡
「しゅんき♡もっと♡♡お゙ぁ♡、も、イぐ♡♡」
「そんな締めたら、出てまう」
「だせっ♡な゙か、ぁ゙♡ほしい♡♡」
「あかん♡もぉ、出るッ……!!♡♡」
一番奥までぎっちりハメて射精すると同時に祐月のちんぽからも精液が溢れる。下っ腹を汚してへそに溜まる白濁がえろい。イった直後のおちんぽをゆるゆると扱いてやるとごぷり、と残っていた分も吐き出した。ゴムを替えるために抜こうとすると腰を脚でぐっと引き寄せられる。肩で息をする祐月が泣きながら俺を見上げている。
「……こんまま、もっかいしよう♡♡」
「ゴム替えなあかんよ、破れたら精液なかに残ってまう」
「のこったら駿希がやって、俺がやるみたいに♡」
「どぉしてもこのまんまがええ?」
「うん、でてかないで。さみしいの、駿希のがわかってるだろ」
そう言われると何も言えなくなってしまう。さみしい、そうやな、寂しいよな。さんざん我が物顔で蹂躙したくせ、すぐ出てかれると心臓に穴が開いたみたいになる。ゴム破けたら俺が掻き出してやるか、俺がやってもらってるみたいに。
媚びてうねるひだが興奮を煽る。余計なことは考えずに、今はこの愛しい男をよがらせることだけ考えよう。すっかり復活してガチガチになったちんぽを奥に当てたまま揺さぶる。
「んぉ゙、お♡それ♡♡しゅきぃ♡♡」
「奥とんとんされるの好き? ほんまかわええなぁ♡」
「す、き♡ぁ、あ゙っ♡ぁ゙あ゙あ♡♡」
結腸口がちゅうっと吸い付いてくるのに合わせて腰を打ち付ける。身長差のせいでぶち抜くことはできなさそうだ。くそ、俺があと一回りでかかったらいけたのに! 祐月は奥を責められて気持ち良さそうにしている。眉根を寄せて切なげに鳴く姿がかわいくて酷いことしたくなる。
「おく♡あづい゙♡♡あ、あ゙ッ゙♡きもちい♡♡」
「あ~、奥やば♡俺もきもちええ♡♡」
「これ、ぁ゙♡すぐイ゙く♡ぅあ゙♡イぐ♡♡」
「く、ぅ♡、きっつ♡」
跳ねる腰を押さえつけて抽挿を激しくする。前立腺から奥までを擦り上げて、また浅いところに戻って亀頭で押し込む。祐月は身体中を赤く染めて身悶えしている。絶頂から降りられず声も出ないようだ。ぎゅうぎゅうと締め付けてくる肉筒に今にも射精しそうになるがなんとか耐える。
「ぉッ゙♡ッ~~!♡♡あ゙、ぅ゙~♡♡」
「泣くほどええんや♡うぁ、俺も、やば♡♡」
たぶん、このままやれば潮吹きしてくれる♡前立腺だけをごりごりいじめて、可哀想なほど勃ってるおちんぽを握って鈴口を擦る。丸まったつま先がピンと伸びてシーツを蹴っている。俺を見ていた祐月の瞳がぐるりと上を向いて、あ、イった♡祐月のおちんぽからは透明な液体が噴き出して顔までかかった。
「う、あ♡でる♡♡」
「ひぁ、あ゙♡♡ぁあ゙、う~~ッ♡♡♡」
我慢していたからか、どぷどぷ♡と濃い精液が出る。全部出し切るように何度か動くと祐月のナカがさらにきつく締まって痙攣した。祐月はというと、薄い腹筋をひくつかせて全身で感じ入っている。あかん、かわええ。
俺の首に腕を回して抱きついていた祐月は、力が抜けてしまったようでベッドに崩れ落ちた。ぼんやりとしていて、まだ快感が抜けきっていないらしい。ずる、と引き抜くも感じるようで小さく喘いだ。
「祐月、すき、愛しとる」
「……ん、おれも、あいしてる♡」
ぽやぽやしている祐月の耳元で囁く。普段は滅多に聞けない甘えた声に嬉しくなった俺は、緩んだ頬をそのままにキスをした。舌を入れて絡めると応えてくれる。好きやなぁ、死んでいいくらい好きや。
「ん、ぢゅ♡っひ、はは、あはは!」
「なぁに、ご機嫌やねぇ?」
「おれに抱かれてるみたいだった」
にぱっと笑って答える祐月に言葉が詰まった。おれに、って祐月にやんなぁ……え、それって、めっちゃ恥ずかしいこと、やろ。鼓動が早くなって顔まで熱くなる。祐月はけらけらと楽しそうで、黙りこくった俺になんどもキスをする。
「駿希、俺に抱かれんの好きだもんなぁ?」
「う、あぁ、なんも言わんで……!」
「ちゃんと、気持ちいいことだって覚えてんのな。かわいい」
「言わんでやぁ!」
祐月の胸に倒れこんで顔を覆う。見られたないわこんな顔! 触れ合った肌から融けて混ざるような心地よさ。たとえ抱いとっても、俺はリードする側にはなれないんやな。
祐月の匂いに包まれて幸せに浸っていたら、頭を撫でられる。優しい手つきに安心するが、今日くらいは逆であるべきじゃないかと思う。祐月の手を取って指先に口づけを、そのまま指先を舐めてちゅう、と音を立てて吸い付く。祐月は驚いた顔をしたあと目を細めた。その表情に胸が高鳴る。
「やっぱり、勝たれへん」
「勝負だったのか?」
「ちゃうけどぉ、悔しい。僕ばっかり翻弄されとる」
「そうやってかわいい顔してるうちは、俺が勝つだろうよ」
かわいこぶっとるのもバレとるし! 祐月には敵わんのやなぁ。惚れた弱みってこういうことやろ。くつくつ喉奥で笑う祐月にあやすみたいにキスをされる。あからさまな年下扱い、それさえ嫌じゃないんだからとっくに手遅れだ。でも悔しいのには変わりないから、ちょっとしたお願いをする。
「な、また抱いてもええんやろ?」
「ん? うん、いいよ、どしたの」
「次は尿道開発するから覚悟しとって」
「……ッスー、まじ?」
「なんやって叶えてくれるって言うたもんね♡」
「い、言った。ウン、言ったなぁ、俺」
言質はとっとるから逃さへんよ。思いっきりかわいこぶって上目遣いとかしてみる。祐月は俺のかわええ顔にめっぽう弱い。視線をゆらゆら漂わせて考え込んでいる。もう一押しやな。
「僕んこと、一日中好きにしてええよ」
「わかった、やろう。いつにする?」
「んー、来週?」
「来週な、覚悟しておく」
あまりに食い気味の返答に少し危機感を覚える。あれこれ、言わん方がよかったかも……? でもこれで祐月の一日は俺だけのものやなぁ。楽しみにしとこ。骨張った腕の中でだらだら甘える。頬にあたる胸が柔らかでうれしくなった。俺のご飯で祐月がどんどん健康になっていく!
「祐月、ちゃんと太ってきたなぁ」
「飯が美味いからな」
「んふ、うれしい。もっと肉つけよぉな」
他愛もない話をぐだぐだと、この時間が好きだ。付き合ってからいっぱいお話してくれるようになって、ますます好きになった。目が合うたびにゆるく笑ってキスをする。動く気力がわくまでだらだら過ごして、お風呂入るか、こんまま寝てみたりするか……もう一回やるか。
「……勃っとる」
「アー、うん。男、だから」
「どっちがええ?」
「選ばせてくれんの?」
「まあ、僕が抱かれるんやったらちょっと待ってもらうけど」
「今日は、俺が抱かれる日なんだろ」
「はは、癖んなった?」
「次やったらなるかもなァ」
「じゃ、癖んなってや」
身体を起こしてゴムを引っ掴む。ここまで煽られちゃ男みせなあかんやろ。指を絡めてきつく握ってベッドに縫い付ける。俺のや、愛しいお人、特別な男! 自分でもわかるくらいギラついた顔しとるのに、祐月は変わらずかわええ駿希くんを見る顔してて。あ、こん人、俺んことが好きなんや。
「愛しとるよ! 祐月!」
「愛してるよ、駿希」
人生で一番の幸せはこん人に愛されとることや。誰にも譲らへん。俺が勝手に全部を渡したら、祐月の全部を丸ごとくれたんや。愛されとる。死んでも一緒におってなぁ、祐月。
「いいぞ、やってやる」
「ちゃんと聞いてから決めてほしいなぁ!」
「俺にできることなんだろ? ならなんだって叶えるよ」
なんでそんなに男前なん。惚れてまうやろ。いやもうずぶずぶに惚れとるけど、好感度が青天井やどないしよ。そのうち気が狂って家から一歩も出やんでって泣いて縋りそうな自分が怖い。
全幅の信頼を寄せてくれてるのは嬉しいけど今回は真面目に考えて欲しい。嫌なら二度と言わない。けど、ほんまに叶えてくれたら嬉しいなぁ。
「僕、ぼくね、祐月を、その……」
「ゆっくりでいい、待ってるから」
「その、なぁ、だっ、抱きたいねん」
言うてもうた。嫌われるんじゃないかと怖くて俯いていたが、いつまで待っても祐月から返事がない。声も出ないほど嫌なのかと思って顔を上げると、真っ赤になった祐月が口をぱくぱくさせて固まっていた。かわいええわぁ。これ、もしかして……?
「祐月が、抱きたいって言われたん聞いて、嫌やったんよ。僕ってその男とおんなしやと思うて」
「おなじ? 駿希とあいつが?」
「おんなしやろ。祐月がどんな顔して、どんな声出して抱かれるのか、妄想することしかできひん」
「俺の、も、妄想って」
「いやや、許せへんの。ほうやからね、祐月の特別、僕にちょうだい。僕が唯一抱かれた男を、僕に唯一抱かれた男にしたい」
見開かれた瞳が潤んで煌めいていた。俺の言葉で、態度で、こんなにかわええ顔してくれる。あぁ、抱きたい。いつもされるみたいにぐちゃぐちゃにしてやりたい。
「なぁ、祐月、お願い聞いてくらはる?」
「……いいよ、なんだって、叶えてやる」
「ほんまに、ええの?」
「俺のぜんぶ、もらってくれ」
堪らなくなって抱きしめると首筋にすり寄ってきた。ええ匂いがして頭が沸騰する。あかん、我慢せんと。優しくせな、焦ったらあかん。そう言い聞かせるのに、身体は勝手に動いてしまう。頬を撫でてキスをする。落ちてくる涙が熱くて火傷しそうだ。
「ん、ぅ……っふ……」
舌を入れて絡めれば控えめに応えてくれる。もっと、と求めそうになるのを抑えて唇を離した。名残惜しげに唾液が糸を引いて切れる。
「あ……その、夜、待っててくれ。準備するから」
「うん、まっとる、待っとるよ」
夜が待ち遠しい。早く俺の手で乱れる祐月が見たい、見たいけど、俺って上手くできるんやろうか。男相手って祐月だけやし、いつも抱かれてたし、抱くのは初めてなわけで。やばい、やばいな、下手やって思われたら生きていかれへんもん。祐月っていっつも何してくれとったかな、余裕ないからほとんど覚えてへんねんどないしよぉ!
◽︎
結局ほとんど思い出せへんまま夜になってもうた。今日はお風呂別々で、俺はひと足先に寝室で待っている。はぁ、痛いことだけはせんようにせな。怖がられたないし、できれば気持ち良くなって欲しい。
ドアノブが動く音が聞こえて心臓が跳ねる。ぎぃ、と音を立てて開いた扉の向こうにはバスローブ姿の祐月がいた。髪の毛はまだ湿っていて、肌は火照っている。ベッドまで来ると腰掛けて俺を見下ろす。期待と不安が入り混じった顔はなんとも色っぽい。
「うまく、抱かれてやれないかも」
「僕も初めての時はそうやったやろ。ゆっくり少しずつしよな」
「ん、わかった」
「じゃあ、抱きしめてもええ?」
祐月は小さく頷くとおずおずと手を広げた。優しく抱きしめてがちがちの身体を緩めるように撫でる。緊張しているのがよくわかる。いつも俺のことリードしてくれるけど、今日は祐月やって初めてなんや。俺が初めての人になれているのだと実感すると胸が満たされていく。
しばらく抱き合っていると祐月の身体から力が抜けてきた。祐月の手が俺の背中を這う。その指先が背骨をなぞるように動いた。ぞくりと快感が走る。祐月が俺を煽るときの動きだ。耳元で名前を呼ばれて脳に直接響いたような気がして、一気に体温が上がる。
「しゅんき」
「なぁに、祐月」
「キス、したい」
「んふふ、かわええ。しよか」
厚い唇に噛みついてキスをする。受け身な祐月がかわいくて、つい意地悪をしたくなる。祐月の口内に侵入して歯列をなぞったり上顎を舐めたりして堪能してから祐月の顔を見ると蕩けそうな顔をしていた。舌を絡め取って甘噛みしてやると鼻にかかった声で喘ぐ。もっと聞きたい。
唇が離れるころにはすっかり脱力した祐月がもたれかかってきた。肩で息をして俺に身を預けている。なんて愛らしいお人。バスローブに手をかけて左右に開くと祐月の白い肢体が露わになった。無駄なものは何もなくて、傷一つなく滑らかで美しい。思わずため息が漏れてしまうほど。
「ほんに、綺麗やわぁ」
「あんまり、まじまじと見ないでくれ」
「見させてや、好きなんよ」
「っ! はずかしい、から、あと少しにしてくれ」
肌に赤みが増して汗ばんでいる祐月は、それはもう艶やかだった。俺が好きやって言うたから、恥ずかしいのも我慢してくらはる。今すぐ貪りたい、逸る気持ちを抑えて手を繋いで指を絡める。そのままゆっくり押し倒して組み敷いた。絹糸のような黒髪が白いシーツによく映える。
「祐月、好きや。全部、僕にちょうだい」
「あげる、駿希にぜんぶ」
「嬉しい」
額に軽くキスを落としてから頬を辿って首筋へ。鎖骨にもちゅっ、と吸い付いて紅い花びらを散らす。祐月は痕を付けるのを許してくれた。これは僕んものっていう証だから、嬉しくて何度も付けてしまう。
胸にもひとつ咲かせて、それから乳首をつまんだ。くりくりと捏ねたり潰したりして可愛がる。もう片方は口に含んで舌先でつつく。
「ぅ、あ……っあ!」
「きもちええ?」
「ん、あ、ぅん……っふ……ぅ……♡」
恥じらって俺の右手を握りしめながら、声を漏らさないようにする姿がいじらしくて可愛い。もっと鳴かせたい、もっと快楽に溺れさせたい。そんな欲望が膨れ上がる。
「こっち、どぉなっとるかな」
「ぁ、あッ♡」
バスローブの裾を捲って触れるとそこは勃ち上がって先走りを溢していた。祐月が感じてくれていることに安心する。ゆるく扱きながら脚を開かせて後孔に触れた。ぬるい粘液で濡れていて、ここまで準備したのかと驚く。
「な、いいよ、挿れて。慣らしてあるから」
「うれしい、けど、僕がやりたかった」
「ははは! かわいいなァ、ごめん、つぎは任せる」
「ほんま? 次もあるん?」
「駿希がやりたいならな」
「やる、絶対やからね」
真剣な顔して念を押す俺をにまにまと余裕な表情で見ている祐月に悔しさが募る。涼しい顔しよって、さっきまで顔真っ赤で喘いどったのに! なんとかしてその余裕を崩したくて指を沈める。メスイキするまで手マンして泣かせてやる。
「ン、ふぅ、ひひ、違和感すごい」
「今に喘がせたるから覚悟しとってな♡」
「楽しみにしてる」
祐月は自分がいつものいじわるな顔をしていることに気づいていた。だってかぁいいんだもの、あんなことで拗ねた顔して、幼い男。駿希の先ほどまでの鋭い雄の雰囲気はすっかりなくなって、意地になってるかわいい男に早変わり。楽しくないわけがない。
「もっと深くていいよ、だいじょうぶ」
「無理せんでや?」
「ん、ぐ、むりじゃない、っは、俺は上背があるから大丈夫なの」
「嫌やったらすぐ言うて」
ずぶ、と根元まで入った中指を動かして前立腺を探す。熱いナカがきゅうきゅう締まって指が持っていかれそうだ。これ、挿れたら死ぬほど気持ちええやろぉな。腹に付くほど勃起したちんぽが下着で抑えられて窮屈だ。
祐月はというと、苦しげにはしているものの痛そうな様子はない。それどころか萎えてすらいないのだ。とりあえず一本に慣れさせて、二本、三本と増やしていくうちに祐月の声色が変わってくる。
「ぁ♡、ん、ふ、そこ♡それ、イイ♡」
「これか。ふふ、気持ちええ?」
「そ、ぁ、あっ♡」
「かわええ……♡」
祐月は目を閉じて快感に浸っている。眉根を寄せてぎゅうっとシーツを掴む姿に煽られて、腰に重い熱が溜まっていく。目の前でゆれるペニスを握って亀頭を擦ってやると背が弓なりに反って太ももががくがくと震えた。
「ぁ、ア♡まえ、つらいっ♡♡」
「イって、祐月♡」
「ひっ♡♡ぁ゙あ♡イ、くぅ゙~~♡♡♡」
勢いよく飛び出した白濁が手を汚していく。ナカが痙攣しててえろい。射精が終わって浅い息を繰り返す祐月に追い打ちをかけるように指を動かして前立腺を揉む。
「っ!? まっ、てぇ゙!♡いま゙、キヅい゙!♡♡」
「待たへん。気持ちよぉなって」
「あ、あぁ゙あ゙!♡ぃ、またイ゙ぐ♡イッぐ、あ゙♡んんっ!♡♡ぁ、ぅ゙あ゙ッ゙!♡♡」
狙い通りメスイキしてビクビクと身体を跳ねさせる祐月を見て口角が上がる。今度こそ指を抜いて、胸の辺りから徐々にキスをしていく。祐月は放心状態でころりと生理的な涙を流している。メスイキすると寂しくなるのはよく知ってるから、なるべく優しく甘やかしてやりたい。
「じょうずやったね、ええ子、かわええ」
「ふ、はふ、ぅ、しゅんき、いつもこうなのか」
「そう、最高にきもちええやろ」
「うん……死にそうなくらいイイ」
淫靡に笑った口に吸い付いて舌を差し入れる。唾液を流し込んで絡ませると喉を鳴らして飲み込む音が聞こえて興奮する。俺のキスに応えて舌を絡めてくる祐月が可愛くて仕方がない。
「ん、っは、祐月、こんなか挿れたい♡」
「挿れろ。俺をめちゃくちゃにしてくれ」
「男前やぁ、もう、ちょっとだけ恥じらい持ってくれへん?」
「かわいい駿希くんに見えてるから無理。かっこいい俺が好きだろう?」
「好き!!」
「はは、かわい」
あ~、男やなぁ。俺なんかすぐときめいて男の子になってまうのに、祐月はどれだけあられもない姿を晒そうが男のまま。そこが堪らなく好きだ。
祐月の柔らかくなったアナルにゴムを被せたちんぽを宛てがう。ひくつくそこは簡単に亀頭を飲み込んだ。ゆっくり押し進めながら、さっき見つけた前立腺を探る。奥の方にある膨らみを見つけてぐりっと押すと声にならない悲鳴を上げて背を仰け反らせた。
「ぁ゙、ンッ~~!♡♡ぅあ゙♡、これ、やばい♡」
「まだ全部やないよ」
「ぎ、ぁ♡♡まっ、でぇ♡とまって♡」
「もぉちょっと、がんばれ♡♡」
ぐぷぐぷ沈めていって全部おさめる。ちんぽをぎゅぅと食いしばるナカが熱くて溶けそうだ。祐月は顔を真っ赤にして涙目で必死に呼吸を整えていた。落ち着くまで待とうと思ってじっとしていたのに、勝手に腰が揺れて止まらない。
「ひ、はは♡いじわる♡♡好きにしろよ♡」
その言葉に抑えが効かなくなって祐月の脚を抱え直して律動を始める。ぱんっ♡ぱちゅ♡と肌がぶつかる音と結合部からの水音が響く。前立腺を押し潰しながら最奥まで突いて、抜けそうになるギリギリまで引き抜いて、また一気に貫く。
低い声が鼻にかかって甘ったるくなる。俺の名前を呼ぶ唇がなにより美味そうに見えて喘ぎ声ごと喰らいついた。くぐもった声が直接頭に響いて脳髄が痺れる。祐月は過ぎた快楽に混乱しているのか俺の背を引っ掻いて抵抗するが、肉壁は嬉々として絡みついてきて離そうとしない。
「んっ、ふぅ♡んぅ♡は、ふっ、うあ♡♡」
「ッはぁ♡♡えっろ♡きもちええなぁ♡」
「ちんぽ♡癖んなる♡♡イイ♡すき♡」
祐月はぐずぐずに蕩けきっていて、潤んだ目で俺を見つめる。背中に爪を立ててしがみつかれてがり、と引っ掻き傷ができた。痕つけてもろうた、俺の、おれの祐月♡もっと求めてくれ♡
「しゅんき♡もっと♡♡お゙ぁ♡、も、イぐ♡♡」
「そんな締めたら、出てまう」
「だせっ♡な゙か、ぁ゙♡ほしい♡♡」
「あかん♡もぉ、出るッ……!!♡♡」
一番奥までぎっちりハメて射精すると同時に祐月のちんぽからも精液が溢れる。下っ腹を汚してへそに溜まる白濁がえろい。イった直後のおちんぽをゆるゆると扱いてやるとごぷり、と残っていた分も吐き出した。ゴムを替えるために抜こうとすると腰を脚でぐっと引き寄せられる。肩で息をする祐月が泣きながら俺を見上げている。
「……こんまま、もっかいしよう♡♡」
「ゴム替えなあかんよ、破れたら精液なかに残ってまう」
「のこったら駿希がやって、俺がやるみたいに♡」
「どぉしてもこのまんまがええ?」
「うん、でてかないで。さみしいの、駿希のがわかってるだろ」
そう言われると何も言えなくなってしまう。さみしい、そうやな、寂しいよな。さんざん我が物顔で蹂躙したくせ、すぐ出てかれると心臓に穴が開いたみたいになる。ゴム破けたら俺が掻き出してやるか、俺がやってもらってるみたいに。
媚びてうねるひだが興奮を煽る。余計なことは考えずに、今はこの愛しい男をよがらせることだけ考えよう。すっかり復活してガチガチになったちんぽを奥に当てたまま揺さぶる。
「んぉ゙、お♡それ♡♡しゅきぃ♡♡」
「奥とんとんされるの好き? ほんまかわええなぁ♡」
「す、き♡ぁ、あ゙っ♡ぁ゙あ゙あ♡♡」
結腸口がちゅうっと吸い付いてくるのに合わせて腰を打ち付ける。身長差のせいでぶち抜くことはできなさそうだ。くそ、俺があと一回りでかかったらいけたのに! 祐月は奥を責められて気持ち良さそうにしている。眉根を寄せて切なげに鳴く姿がかわいくて酷いことしたくなる。
「おく♡あづい゙♡♡あ、あ゙ッ゙♡きもちい♡♡」
「あ~、奥やば♡俺もきもちええ♡♡」
「これ、ぁ゙♡すぐイ゙く♡ぅあ゙♡イぐ♡♡」
「く、ぅ♡、きっつ♡」
跳ねる腰を押さえつけて抽挿を激しくする。前立腺から奥までを擦り上げて、また浅いところに戻って亀頭で押し込む。祐月は身体中を赤く染めて身悶えしている。絶頂から降りられず声も出ないようだ。ぎゅうぎゅうと締め付けてくる肉筒に今にも射精しそうになるがなんとか耐える。
「ぉッ゙♡ッ~~!♡♡あ゙、ぅ゙~♡♡」
「泣くほどええんや♡うぁ、俺も、やば♡♡」
たぶん、このままやれば潮吹きしてくれる♡前立腺だけをごりごりいじめて、可哀想なほど勃ってるおちんぽを握って鈴口を擦る。丸まったつま先がピンと伸びてシーツを蹴っている。俺を見ていた祐月の瞳がぐるりと上を向いて、あ、イった♡祐月のおちんぽからは透明な液体が噴き出して顔までかかった。
「う、あ♡でる♡♡」
「ひぁ、あ゙♡♡ぁあ゙、う~~ッ♡♡♡」
我慢していたからか、どぷどぷ♡と濃い精液が出る。全部出し切るように何度か動くと祐月のナカがさらにきつく締まって痙攣した。祐月はというと、薄い腹筋をひくつかせて全身で感じ入っている。あかん、かわええ。
俺の首に腕を回して抱きついていた祐月は、力が抜けてしまったようでベッドに崩れ落ちた。ぼんやりとしていて、まだ快感が抜けきっていないらしい。ずる、と引き抜くも感じるようで小さく喘いだ。
「祐月、すき、愛しとる」
「……ん、おれも、あいしてる♡」
ぽやぽやしている祐月の耳元で囁く。普段は滅多に聞けない甘えた声に嬉しくなった俺は、緩んだ頬をそのままにキスをした。舌を入れて絡めると応えてくれる。好きやなぁ、死んでいいくらい好きや。
「ん、ぢゅ♡っひ、はは、あはは!」
「なぁに、ご機嫌やねぇ?」
「おれに抱かれてるみたいだった」
にぱっと笑って答える祐月に言葉が詰まった。おれに、って祐月にやんなぁ……え、それって、めっちゃ恥ずかしいこと、やろ。鼓動が早くなって顔まで熱くなる。祐月はけらけらと楽しそうで、黙りこくった俺になんどもキスをする。
「駿希、俺に抱かれんの好きだもんなぁ?」
「う、あぁ、なんも言わんで……!」
「ちゃんと、気持ちいいことだって覚えてんのな。かわいい」
「言わんでやぁ!」
祐月の胸に倒れこんで顔を覆う。見られたないわこんな顔! 触れ合った肌から融けて混ざるような心地よさ。たとえ抱いとっても、俺はリードする側にはなれないんやな。
祐月の匂いに包まれて幸せに浸っていたら、頭を撫でられる。優しい手つきに安心するが、今日くらいは逆であるべきじゃないかと思う。祐月の手を取って指先に口づけを、そのまま指先を舐めてちゅう、と音を立てて吸い付く。祐月は驚いた顔をしたあと目を細めた。その表情に胸が高鳴る。
「やっぱり、勝たれへん」
「勝負だったのか?」
「ちゃうけどぉ、悔しい。僕ばっかり翻弄されとる」
「そうやってかわいい顔してるうちは、俺が勝つだろうよ」
かわいこぶっとるのもバレとるし! 祐月には敵わんのやなぁ。惚れた弱みってこういうことやろ。くつくつ喉奥で笑う祐月にあやすみたいにキスをされる。あからさまな年下扱い、それさえ嫌じゃないんだからとっくに手遅れだ。でも悔しいのには変わりないから、ちょっとしたお願いをする。
「な、また抱いてもええんやろ?」
「ん? うん、いいよ、どしたの」
「次は尿道開発するから覚悟しとって」
「……ッスー、まじ?」
「なんやって叶えてくれるって言うたもんね♡」
「い、言った。ウン、言ったなぁ、俺」
言質はとっとるから逃さへんよ。思いっきりかわいこぶって上目遣いとかしてみる。祐月は俺のかわええ顔にめっぽう弱い。視線をゆらゆら漂わせて考え込んでいる。もう一押しやな。
「僕んこと、一日中好きにしてええよ」
「わかった、やろう。いつにする?」
「んー、来週?」
「来週な、覚悟しておく」
あまりに食い気味の返答に少し危機感を覚える。あれこれ、言わん方がよかったかも……? でもこれで祐月の一日は俺だけのものやなぁ。楽しみにしとこ。骨張った腕の中でだらだら甘える。頬にあたる胸が柔らかでうれしくなった。俺のご飯で祐月がどんどん健康になっていく!
「祐月、ちゃんと太ってきたなぁ」
「飯が美味いからな」
「んふ、うれしい。もっと肉つけよぉな」
他愛もない話をぐだぐだと、この時間が好きだ。付き合ってからいっぱいお話してくれるようになって、ますます好きになった。目が合うたびにゆるく笑ってキスをする。動く気力がわくまでだらだら過ごして、お風呂入るか、こんまま寝てみたりするか……もう一回やるか。
「……勃っとる」
「アー、うん。男、だから」
「どっちがええ?」
「選ばせてくれんの?」
「まあ、僕が抱かれるんやったらちょっと待ってもらうけど」
「今日は、俺が抱かれる日なんだろ」
「はは、癖んなった?」
「次やったらなるかもなァ」
「じゃ、癖んなってや」
身体を起こしてゴムを引っ掴む。ここまで煽られちゃ男みせなあかんやろ。指を絡めてきつく握ってベッドに縫い付ける。俺のや、愛しいお人、特別な男! 自分でもわかるくらいギラついた顔しとるのに、祐月は変わらずかわええ駿希くんを見る顔してて。あ、こん人、俺んことが好きなんや。
「愛しとるよ! 祐月!」
「愛してるよ、駿希」
人生で一番の幸せはこん人に愛されとることや。誰にも譲らへん。俺が勝手に全部を渡したら、祐月の全部を丸ごとくれたんや。愛されとる。死んでも一緒におってなぁ、祐月。
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