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「ノア、今日は食堂でお昼をいただこうと思うの。ついてきてくださる?」
「もちろんにございます、イザベル様」
「ありがとう、ノア。それじゃあ、行きましょうか」
「はい」
あっという間にお昼になり、今日はみんなが使う食堂で食べるというイザベル様の後ろを歩く。目を光らせてイザベル様の危険がないかは当たり前のように警戒する。階段に差し掛かり、今度はイザベル様の前を歩こうと階段を一段下りて、振り返り、手を差し伸べた時だった。ドンっと突き飛ばされ、階段から身を投げ出す形になるイザベル様。咄嗟に空中でイザベル様の身体を抱え込んでそのまま庇う。周囲からは悲鳴が上がるし、私の方は昨日痛めつけられた場所に新たな痛みが与えられて正直、意識が飛びそうになったが、なんとかこらえた。
「イザベル様、ご無事でしょうか?申し訳ありません、このような危険に晒してしまいました」
「ノア、ノアは無事なの?!私のことはいいのよ!!ノアが庇ってくれたから・・・」
「私は問題ありません。イザベル様、万が一、がございますので保健室へ向かいましょう」
さっと立ち上がり、ざわつく周囲の人たちに怪我はしていないように見せる。たかだか、階段から落ちた程度で騒がれるような従者は、従者失格だから。イザベル様に怪我はないように思うが、それでも怪我をさせていたらとんでもないことになるので保健室へ向かうよう進言する。
「怪我はないわ・・・」
「そういうわけにはいきません。イザベル様が突き飛ばされたのを私は見ております。先生に事情の説明もありますので」
「そう、ね・・・。わかったわ」
「それではお身体、失礼いたします」
「の、ノア!?」
ふわりとイザベル様を横抱きにし駆け足気味に保健室へ向かう。階段を駆け下りて、保健室の近くまで来たら先生がこちらに走ってきて、ドアを開けてくれる。もしかしたら話が言っていたのかもしれない。
「いったい、なにが・・・」
戸惑いを隠せない先生に、見たままを伝え、イザベル様にお怪我がないかを確認してもらう。その間に来ていた担任教師にもう一度同じことを説明する。
「オルブライト、お前の方は大丈夫なのか?」
「問題ありません、それよりもイザベル様は・・・」
「ダンフォード嬢は大丈夫だ、怪我はない。お前のおかげだ」
「ご無事でよかった・・・」
「周囲の生徒によれば、ベインズ嬢が逃げていくのを見た、といっていた」
「ベインズ嬢が・・・ですか」
冷たい声が保健室に響いた。その声は、ランドルフ王子殿下で。後ろを振り向けばランドルフ様の後ろには主様とカーティス様もいる。主様たちの顔は険しく、眉間になんてこれでもかというほどしわが寄っている。
「もちろんにございます、イザベル様」
「ありがとう、ノア。それじゃあ、行きましょうか」
「はい」
あっという間にお昼になり、今日はみんなが使う食堂で食べるというイザベル様の後ろを歩く。目を光らせてイザベル様の危険がないかは当たり前のように警戒する。階段に差し掛かり、今度はイザベル様の前を歩こうと階段を一段下りて、振り返り、手を差し伸べた時だった。ドンっと突き飛ばされ、階段から身を投げ出す形になるイザベル様。咄嗟に空中でイザベル様の身体を抱え込んでそのまま庇う。周囲からは悲鳴が上がるし、私の方は昨日痛めつけられた場所に新たな痛みが与えられて正直、意識が飛びそうになったが、なんとかこらえた。
「イザベル様、ご無事でしょうか?申し訳ありません、このような危険に晒してしまいました」
「ノア、ノアは無事なの?!私のことはいいのよ!!ノアが庇ってくれたから・・・」
「私は問題ありません。イザベル様、万が一、がございますので保健室へ向かいましょう」
さっと立ち上がり、ざわつく周囲の人たちに怪我はしていないように見せる。たかだか、階段から落ちた程度で騒がれるような従者は、従者失格だから。イザベル様に怪我はないように思うが、それでも怪我をさせていたらとんでもないことになるので保健室へ向かうよう進言する。
「怪我はないわ・・・」
「そういうわけにはいきません。イザベル様が突き飛ばされたのを私は見ております。先生に事情の説明もありますので」
「そう、ね・・・。わかったわ」
「それではお身体、失礼いたします」
「の、ノア!?」
ふわりとイザベル様を横抱きにし駆け足気味に保健室へ向かう。階段を駆け下りて、保健室の近くまで来たら先生がこちらに走ってきて、ドアを開けてくれる。もしかしたら話が言っていたのかもしれない。
「いったい、なにが・・・」
戸惑いを隠せない先生に、見たままを伝え、イザベル様にお怪我がないかを確認してもらう。その間に来ていた担任教師にもう一度同じことを説明する。
「オルブライト、お前の方は大丈夫なのか?」
「問題ありません、それよりもイザベル様は・・・」
「ダンフォード嬢は大丈夫だ、怪我はない。お前のおかげだ」
「ご無事でよかった・・・」
「周囲の生徒によれば、ベインズ嬢が逃げていくのを見た、といっていた」
「ベインズ嬢が・・・ですか」
冷たい声が保健室に響いた。その声は、ランドルフ王子殿下で。後ろを振り向けばランドルフ様の後ろには主様とカーティス様もいる。主様たちの顔は険しく、眉間になんてこれでもかというほどしわが寄っている。
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