いずれ最強の錬金術師?

小狐丸

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4巻

4-1

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 ◇


 シドニア神皇国しんこうこくの勇者召喚に巻き込まれた僕、タクミが異世界ミルドガルドに転生してきて、三年以上の月日が経つ。
 勇者達とは色々あったんだけど、彼らの中でシドニアに不信感を持っていたアカネという女の子を保護する事になった。そんなわけで、僕達『ノルンの翼』はなかなか大所帯のパーティになっている。
 エルフの剣士であるソフィアにメイドのマリア、蜘蛛くもの下半身と女の子の上半身を持つアラクネのカエデ。
 あとは狐人族こじんぞくのレーヴァ、彼女は僕の錬金術の手伝いをしてくれている。マリアと同じようにメイドをしてくれているのが、ウサ耳をやした兎人族とじんぞくのマーニ。マーニは未亡人だったんだけど、僕が引き取ったんだ。
 その他には、鉄壁てっぺきの防御を誇るゴーレムのタイタン、僕達の馬車を引いてくれるドラゴンホースのツバキがいる。
 それに加えて、新メンバーのアカネに、彼女の専属の侍女だったルルちゃん。ルルちゃんは10歳くらいの猫人族ねこじんぞくの女の子だ。
 つい先日、そんなメンバーでソフィアの故郷、ユグル王国に行ってきた。
 ソフィアは故郷に複雑な思いを持っていたみたいなんだけど、無事家族との再会を果たした。
 でもちょっと気になる事がある。エルフの中には、ソフィアを我が物にしようと企む悪い奴がいるらしくて……



 1 髑髏どくろの王


 ソフィアの故郷からの帰路、馭者ぎょしゃをしていたソフィアが突然馬車を止めた。そして、不思議そうな顔をして周囲を見回す。

「どうしたの? ソフィア」
「何かが呼んでいるような気がします。ごくかすかな気配なのですが……助けを求めているみたいな……」

 ソフィアは何かを感じ取ったみたいなんだけど、確かな事は分からないようだ。
 ソフィアによると、助けを求めているのは人ではないらしい。でも放ってはおけないし、行くべきだと僕の直感も告げている。

「じゃあ、その気配がする方へ行ってみよう。何もなければそれで良いし、本当に何者かが助けを求めていて、僕達が助けられたらさ」
「はい、ありがとうございます」

 それから僕達は道を外れて、進路を変更した。随分ずいぶん走ったなと思い始めた頃、かすかにしおの匂いがしてきた。

「海が近いのか。という事は、大陸の西端まで来たのかな」

 僕がそう言った時、ソフィアが声を上げる。

「あっ、あの場所です」

 ソフィアが示したのは、大昔の村か街と思われる廃墟はいきょだった。既に建物は風化していて、残骸ざんがいがわずかに残るのみ。
 中央には直径50メートルくらいの泉があり、海に向かって流れ出している。集落はすたれてしまったとはいえ、泉の水はき続けているらしい。
 ただ、ここは――

魔境まきょうになっているね」

 魔境とは魔素があふれ、魔物が寄り付くようになった場所。
 空気は酷くよどみ、魔物が持つ特有の魔力――瘴気しょうきが漂っている。未開地に点在する魔境の中でも、ここは特に濃度が高いんじゃないかと思った。
 僕はみんなに声をかける。

「これほど瘴気が濃いのに魔物の姿が見えない。と、いう事は…………みんな! 戦闘準備!!」

 僕はすぐさま馬車から飛び降りると、ツバキを急いで馬車から外した。他のみんなも馬車を飛び出し、それぞれ武器を構え警戒する。

「アカネ、マーニは、ルルちゃんを援護!」

 僕がそう叫んだ時――
 廃墟の地面から何かがぞろぞろとい出てきた。ゾンビ、グール、スケルトンなどの大量のアンデッドだ。
 これが、濃密な瘴気が存在するにもかかわらず魔物の姿が見えなかった理由だろう。アンデッドが他の魔物を寄せ付けなかったのだ。
 僕、アカネ、レーヴァが同時に声を上げる。

「「「ピュリィフィケーション!」」」

 浄化魔法ピュリィフィケーションが放たれると、ゾンビ、グール、スケルトンの群れはその場で崩れ、魔石を残して消えていった。
 しかし、ピュリィフィケーションに耐えた個体がいくつか残っている。
 浄化魔法をレジストしたのは、スケルトンナイト、スケルトンジェネラル。残ったそいつらに、ソフィアとマリアが魔法で追い討ちをかけようとしたところ――


「GUAAAAAAーーーー!!」


 突如として空気を震わせる雄叫おたけびが響き渡り、死者の軍団の奥に、漆黒しっこくよろいをまとった一回り大きい骸骨がいこつ顕現けんげんした。
 髑髏の王スケルトンキングだ。
 こいつがアンデッドを生み出しているらしい。

「っ! 五秒だけ時間を稼いで!」

 僕の指示を受けてみんなが散るが、その間もスケルトンキングは次々眷属けんぞくを召喚し続ける。
 アカネとレーヴァが、一定の範囲に効果を発揮するエリアヒールを放つ。続けて、ソフィアとマリアは魔法を乱れ撃った。
 タイタンが亜空間から現れ、背中の魔力ジェット推進器を噴かして、スケルトンジェネラルにぶち当たる。強烈なシールドバッシュをくらったスケルトンジェネラルが粉々になると、タイタンはその周りにいたスケルトンをまとめて粉砕し始めた。
 カエデの操る糸が、スケルトンナイトやジェネラルを鎧ごと切り裂いていく。ツバキも体当たりやひづめで踏んづけてスケルトンをほうむっている。
 マーニとルルちゃんも戦闘に参加しており、二人はメイスでスケルトンと戦っていた。スケルトンには剣よりも鈍器どんきが有効なので、二人は使い慣れないメイスを振り回しているのだ。
 みんなが奮闘する中、やっと僕の準備が整う。永遠にも感じた五秒だった。
 そして僕は告げる。


聖域結界サンクチュアリフィールド!!」


 魔力を大量に込めた、光属性魔法の広域浄化魔法だ。
 聖域結界サンクチュアリフィールドの清浄な光が、廃墟全体を呑み込むように広がっていく。
 魔物としてのランクが低いスケルトンやスケルトンソルジャーが、一瞬にして魔石を残して消えていった。高位のスケルトンナイトやジェネラルは消えなかったが、動きが緩慢になる。その隙を逃さずソフィア達が葬っていく。


〈スキル「光属性魔法」のレベルが上がりました〉
〈スキル「術式制御じゅつしきせいぎょ」のレベルが上がりました〉


 いくつかのスキルレベルが上がるメッセージを聞きながら、僕は氷槍ひょうそう氷魔槍アイスブリンガー】をアイテムボックスから取り出す。そして、スケルトンキングに向かって駆けだした。

「GUAAAAAAーーーー!!」

 清浄な光を放つサンクチュアリフィールドの中で、苦しげに叫ぶスケルトンキング。そこへ至る道を、タイタンとカエデが開いてくれる。
 僕はアイスブリンガーを振るい、スケルトンナイトやジェネラルを蹴散らしながら、髑髏の王のもとへ走った。
 ぎ払い、突き刺し、叩き潰す。
 アイスブリンガーを振るいながら、さらに体術を織り交ぜる。


〈スキル「槍王術そうおうじゅつ」のレベルが上がりました〉
〈スキル「拳王術けんおうじゅつ」のレベルが上がりました〉


 襲いくるスケルトンナイトやジェネラルの剣や槍を、直感スキルと気配察知スキル、回避スキルを駆使して避けながらたおしていく。


〈スキル「直感」のレベルが上がりました〉
〈スキル「気配察知」のレベルが上がりました〉
〈スキル「回避」のレベルが上がりました〉

〈条件を満たしました。スキル「心眼」を取得しました〉


 手に入れた新しいスキル「心眼」の効果により、周囲の敵の動きが手に取るように分かるようになった。
 僕の進む速度がさらに加速し、やがて目標に到達する。


 ガキッ!!


 僕の繰り出したアイスブリンガーと、スケルトンキングの巨大な大剣がぶつかり合い、火花を散らした。
 スケルトンキングが一筋縄ではいかない相手なのは直感的に分かってる。久しぶりの強敵との闘いに、僕は自分の持つ能力の全てを使うと決めた。
 こうして、僕と髑髏の王との闘いが幕を開けた。


 ◇


 スケルトンキングは3メートルを超える巨躯きょくにもかかわらず、僕の想像を超える速度で動いた。振るわれる大剣から放たれる風は、それだけで暴風のようだ。
 戦闘の直前に、心眼スキルを取得したおかげで、僕はスケルトンキングの猛攻に何とか対処する事が出来ていた。
 ちなみに、スケルトンキングの周りにはべるスケルトンナイト、スケルトンジェネラルはタイタンとカエデが引き受けてくれている。またソフィア達も、弱っているスケルトンナイト達を殲滅せんめつしてくれた。
 ただし、僕らが辛うじて有利でいられるのはサンクチュアリフィールドがあるからだ。これが消える前に、スケルトンキングをたおさなくては。
 僕は覚悟を決めると、全身に魔力をまとって一段と気を引き締めた。
 それにしても、スケルトンキングが身につけているあの漆黒の鎧、いったいどんな素材で出来ているのか。さっきから攻撃を当てているのに、尋常じゃない防御力だ。
 それでも攻撃を続けていると、スケルトンキングの動きが少しずつにぶくなってきた気がする。そう思っていたら、偶然アイスブリンガーを突き刺した箇所が凍り始めた。
 敵の動きが止まった。その隙を狙い、僕は鋭く踏み込んでスケルトンキングのひざ掌底しょうていを打ち込む。


 バキャン!


 スケルトンキングの膝をおおっていた鎧が粉々に壊れる。もちろん僕の力が強かったわけじゃない。錬金術の「分解」を発動させたのだ。
 続けて僕は、苦しまぎれに大剣をめちゃくちゃに振り回すスケルトンキングの横をすり抜け、その膝を目がけてアイスブリンガーを突き入れた。
 バランスを崩したスケルトンキングが、大地を揺らして前に倒れる。
 それでもすぐに起き上がろうとするスケルトンキング。僕は前に回り込み、手に魔力を集める。そして、渾身こんしんの力を込めた掌底を奴の顔に向けて放った。
 スケルトンキングの魔力が抵抗するが、強引に魔力を込めて抑えつける。そのまま再び「分解」を発動し、スケルトンキングの頭部を崩壊させた。
 スケルトンキングの手足から力が失われ、巨体が大きな音を立てて崩れ落ちる。
 直後、スケルトンキングに呼び出されていた眷属も力を失っていった。同じタイミングでサンクチュアリフィールドの光が消失。
 その場には、魔石と鎧が散乱していた。


 肩で息をする僕のもとへ、ソフィアが駆け寄ってくる。

「お怪我けがはないですか?」
「お疲れさま。みんなは大丈夫?」

 ソフィアに続いて、ルルちゃんとアカネがやってきた。

「ルルちゃんも大丈夫だった?」
「はい! いっぱいレベルが上がりました!」
「魔石以外にも、けっこう鎧を残しているのね」

 アカネが周りを見渡して、スケルトンナイトやジェネラルがドロップした鎧や武器を確認している。

「魔石と、使えそうな武器と鎧は回収しようか」
「了解」
「はい」

 アカネと遅れてやってきたレーヴァが、僕の指示に従ってドロップした魔石や武器防具類を回収していく。
 一方ソフィアは、スケルトンキングの鎧を外し、大きな魔石を取り出した。そして僕の前で手を差し出す。

「タクミ様、私達に助けを求めていたのは、これのようです」

 ソフィアの手には魔石のほかに、ピンポン球サイズの植物の種のような物があった。

「何かの種?」
「世界樹、の種だと言っています」

 どうやらソフィアには種の声が聞こえるらしい。

「世界樹? 世界樹の種がどうしてこんなところに?」
「ユグル王国にある世界樹、ユグドラシルは大地と地脈の浄化をしています。世界樹がなければ、この世界はまたたく間に魔境に呑み込まれてしまうでしょう。しかし、世界樹だけでは魔境の広がりに抗う事は出来ません。そこで世界樹は種を生み出すのです」

 なるほど、世界樹にはそんな機能があったんだ。
 またソフィアによると、さっきのスケルトンキングは体内に世界樹の種を取り込んだために異常とも思える強さになったのかもしれない、との事だった。
 でも何故、世界樹の種がこんなところにあって、スケルトンキングに取り込まれたのか、それはソフィアでも分からないようだ。本来、世界樹は桃に似た実をつけ、その中の種はユグル王国内で厳重に管理されているらしい。
 考えても分からない事はさておき、僕はソフィアに尋ねる。

「それで、その世界樹の種は、僕達にどうしてほしいって言ってるの?」
「はい、この地に植えてほしいと言っています。ただ、光属性の魔力を分けてほしいとの事です」

 世界樹の種は、発芽するために光属性の魔力を必要としてるみたいだ。本来なら必要ないんだけど、スケルトンキングに取り込まれて弱っているらしい。
 そのくらいならと、僕、アカネ、レーヴァの三人で、世界樹の種に光属性の魔力を注ぐ事にしたんだけど……



 2 精霊樹


 最初に僕が、世界樹の種に魔力を込める事になった。
 世界樹の種は、乾いたスポンジが水を吸うように、ドンドン僕の魔力を吸い込んでいく。僕の魔力を全て吸い尽くす勢いで。

「……っ、これ、けっこうキツイね」

 マナポーションで魔力を回復してあったから良かったものの、魔力量に自信のある僕の魔力をほとんど吸い込んでもまだ足りないみたいだ。
 アカネが僕の後に続く。

「じゃあ次は私ね。今回の戦いで随分レベルアップ出来たから、魔力量もだいぶ増えたわよ」

 アカネは僕の手から世界樹の種を取り、僕と同じように魔力を込める。

「……うっ、まだ足りないの?」
「じゃあ次は私ですね」

 限界まで魔力を吸われふらふらになったアカネに代わって、レーヴァが種に魔力を込め始める。しばらくすると……

「あっ! 魔力がオーバーフローしてますね。これ以上は吸わないです」

 世界樹の種は、僕ら三人分の魔力を吸ってようやく満足したらしい。
 ソフィアが種の声を聞き、通訳してくれる。

「もう大丈夫だそうです。次に、泉のほとりにいてほしいと言っています」

 その後、僕達はソフィアに指示されたように泉のほとりに行った。そして、そこに世界樹の種を蒔いてあげた。

「水をあげた方が良いよね」

 そう言って僕は、土をかぶせた上から魔力を込めた水をかける。何故かそうした方が良いと直感が働いたんだ。
 そこでふと気づく。

「そういえばこの泉の水、腐ってはいないけど、綺麗ではないよね」

 ここは、スケルトンキングとその眷属、それとゾンビやグールをたおした場所。サンクチュアリフィールドとピュリィフィケーションの浄化能力で、魔境とは思えないほど清浄な土地となっているけどやっぱり気になる。
 僕はマナポーションを飲んで少し休憩すると、泉に向かって範囲を絞ったサンクチュアリフィールドを発動した。
 すると、泉の水は今まで以上に清浄になった。

「やっぱり多少は瘴気由来のけがれがあったみたいだね。これで世界樹の種も発芽しやすいだろう」
「じゃあ私も光属性魔法の練習を兼ねて、この付近を浄化していくわね」

 僕が泉の水を浄化したのを見て、アカネがそう提案してきた。そうして彼女は、レーヴァと連れ立って、かすかな瘴気も残さぬ勢いで浄化を始めた。
 さて、魔石とドロップアイテムの回収は終わったみたいだし、アカネとレーヴァの浄化が終わったらボルトンに戻ろうかな。
 そう思っていたら、ふと何かが動く気配がして振り返った。

「なっ!?」

 たった今蒔いたばかりの世界樹の種が、もう双葉を出していた。
 しかも、みるみるうちに成長し、あっという間に1メートルほどになってしまった。既に青々とした葉っぱが二十枚くらい付いている。
 僕は驚きながらソフィアに尋ねる。

「世界樹って、こんなに成長が速いの?」
「い、いえ。魔力が豊富な土地では成長が速いと聞いた事はありますが、ここまで速いとは信じられません」

 その後、ソフィア経由で世界樹の種改め精霊樹(ユグドラシルの種から育った樹は、精霊樹と呼ぶらしい)の要望を聞いた。精霊樹は、周辺をサンクチュアリフィールドで囲って、魔物などが寄り付きにくくなるようにしてほしいらしい。
 これには、僕とレーヴァで手分けして当たる事にした。
 まず土魔法で1メートルほどの石の杭を作り、山ほど手に入れた魔石にサンクチュアリフィールドの魔法を刻んで、その杭にはめ込んでいく。
 百本作り上げたそれらを、精霊樹を中心として円形に打ち込んでいった。

「樹にアゴで使われる僕らって……」
「精霊樹にアゴがあるの?」

 ぽつりと呟いた僕のボヤキに、ルルちゃんが不思議そうに聞いてきた。
 精霊樹にお願いされるままに、簡易のサンクチュアリフィールドを作った僕達は、その日は野営をして翌日ボルトンに帰る事にした。
 ちなみに、昨日の時点で1メートル程度だった精霊樹は、翌朝2メートルまで成長していた。


 ◇


 ボルトンに戻って三日後、僕達は再び精霊樹のところへ行く事にした。
 周囲の魔力を吸収して機能し続ける、サンクチュアリフィールドの魔導具の改良版を設置するためだ。この前設置した魔導具は簡易のものだから、しっかりしたのを設置すると精霊樹と約束したのだ。
 樹と約束したなんて言うと、どういう事なんだと思われそうだけど……
 あの場所は魔境だったため魔素が濃い。だからサンクチュアリフィールドで浄化しても、時間が経てばまた魔物の巣窟そうくつになってしまう。精霊樹が大きくなったら周辺を浄化してくれるだろうけど、それまではあの場所を浄化し続ける魔導具が必要だった。
 馬車で精霊樹のある泉のほとりまでやってきた僕達は、目の前の光景に唖然あぜんとしてしまった。

「……あれ、この間の場所だよね?」
「……はい、あの泉と樹の位置から間違いないと思います」

 僕がソフィアにそう確認した理由。
 それは、精霊樹が10メートル近くの高さに成長し、幹の太さも僕が抱えられないほど太くなっていたからだ。
 驚くのはそれだけじゃない。剥き出しだった不毛の地面に、青々とした草が一面生えている。
 僕達は馬車を止めて、歩いて精霊樹の側まで来る。

「ねえ、清浄な感じがするんだけど、気のせいじゃないよね」
「はい、まるで聖域のようです」

 その精霊樹を中心とした土地は、弱いゴーストやゾンビ程度なら瞬時に消滅させてしまいそうなほど、清浄な魔力が満ちていた。ソフィアも僕の意見に頷いている。

「ボルトンの教会よりも清浄な気がするわ」
「アカネもそう思う? 一本の樹なのにこんな空間を作ってしまうなんて精霊樹って大したもんだな」

 僕がそう言うと、ソフィアが否定する。

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