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9巻
9-3
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しばらくして一通り選別が済んだようだ。
メイド候補の中には、ボルトン辺境伯、ロックフォード伯爵、バーキラ王国宰相のサイモン様から送り込まれた人もいたらしい。そうした人達は、他の多くの貴族達から送り込まれた人達と違い、大精霊達の選別をパスしているとの事。
最終的に残ったメイド候補は、三十人だった。
なお、その人数に保護する子達は入っていない。そうした子達には、聖域で暮らさせながら出来る仕事を探させるんだって。
ウィンディーネが話しかけてくる。
「タクミ、終わったわ。あとは仕事場をボルトンと聖域とに分けるだけね」
「あの、面接は?」
「もう聞くべき話は聞いてあるわよ。どこの出身で何が出来るのか程度だけどね。でも、仕事は何も出来なくても問題ないでしょう?」
「……まあ、構わないけど」
そうして「なら、もう全員合格ね」と勝手に決めてしまったウィンディーネに、僕のいる意味は? と問い詰めたくなる。
僕は大きく肩を落とし、マリアに話しかける。
「はぁ……せめてベテランの方と即戦力の方とは、少しお話しさせてもらおうか。残りの子達はまずお風呂とご飯だね」
「じゃあ、先に私とマーニでボルトンの屋敷に連れていって、お風呂に入れてご飯を食べさせておきますね」
マリアが立ち上がりながらそう言い、マーニも頷く。
「ありがとう。ついでに、下着や着替えの服と日用品の買いだしもお願いね」
僕はマリアにお金を渡して、少女達の世話を頼んだ。それから、横で満足げにしているウィンディーネの方を見る。
「これでいいんだろ?」
「わかってるじゃない」
どうやったかわからないけど、ウィンディーネはボルトン辺境伯とセルヴスさんに、働き口を見つけられなかった孤児を集めさせていたらしい。それを聞いて唖然としていると、ウィンディーネから「手の届く範囲で助けてあげてほしい」と真面目な顔で言われた。
「タクミの手なら遠くまで届くでしょ。さあ、面接の続きをしましょう」
「はぁ、わかったよ」
何かハメられた感はあるけど、僕としても異論はない。実際、聖域でならいくらでも仕事はあるからね。
僕は、残ってもらった女の人達を見る。
メイド長候補の女性が一人と、二十代半ばから十代後半の四人の女性、合わせて五人の女性が残っていた。即戦力のメイド候補だ。
採用は決まったようなものだけど、一応年配の女性から面接を始めようかな。人となりを見ておきたいからね。
「メリーベルと申します。バーキラ王国ボルトン辺境伯領の生まれでございます。前職はとある辺境伯家でメイド長を務めていました」
上品そうに話すメリーベルさんだけど、「とある辺境伯家」って、ボルトン辺境伯家以外考えられないんだけど。
セルヴスさんを見ると、彼は複雑そうな表情をしていた。
「メリーベルは、確かにボルトン辺境伯家のメイド長でございました。それがこの話が動きだすやいなや、ゴドウィン様に暇乞いをいたしまして……」
「えっと、良かったんですか?」
「もちろんでございます。新しく刺激的な仕事に胸躍る気分でございます」
ニコニコとそう言うメリーベルさん。
どうやらそろそろ引退するつもりだったようだけど、僕が聖域とボルトンの屋敷のメイドを募集すると聞き、新人の教育をしながら聖域で暮らすのも悪くないと思ったそうだ。メリーベルさんは思いついたら即行動するタイプで、その日のうちに暇乞いをしたらしい。
「す、凄い行動力ですね」
「お褒めにあずかり光栄でございます、旦那様」
見事な角度で頭を下げるメリーベルさん。
ソフィアとマリアもメリーベルさんの独特の空気に呑まれていたけど、ともかくうちのメイド長は彼女で決まったようだな。
続いて、残りの四人の面接……というか自己紹介に移る。
「それでは私から自己紹介させていただきます。マーベルと申します。メリーベルは私の祖母でございます。メイドの仕事は祖母に仕込まれていますのでお任せください」
そう自己紹介したマーベルさんは、二十代半ばのライトブラウンの髪にクールな雰囲気で、いかにも仕事が出来そうな女性だった。四人の中で年齢が一番上らしく、既にリーダー的ポジションになっている。
次に自己紹介したのは、サーラさんという二十歳の女性。この世界には珍しい黒髪だけど、顔立ちは西洋人風で、大人しそうな美人さんだ。
その次がアンナさん。十八歳でセミロングの金髪を後ろでまとめた、元気そうな明るい印象を受ける少女。
最後の子がティファさん。十六歳で綺麗な青い髪の少女。青い髪の色っていかにも異世界だと思った。柔らかな雰囲気の子で、優しげな大きな垂れ目が印象的だ。
「先ほどの少女達の教育も、お祖母様と私達にお任せください」
マーベルさんがそう言って頭を下げると、練習したかのように、サーラさん、アンナさん、ティファさんも頭を下げた。
みんな角度までぴったり一緒だった。
「あ、ああ、頼むよ」
思わずそう言ってしまったけど、これって面接だったよね。名前と年齢しか聞いていない気がする。始まるまで緊張していた僕は何だったんだろ。
なお、このマーベルさんをはじめとする四人のメイドはそれぞれ、ボルトン辺境伯家、ロックフォード伯爵家、バーキラ王国の宰相サイモン様、そしてなんとロマリアの宰相ドレッド様からの紹介だった。
それでも、僕の情報は絶対に紹介元に漏らさないとの事。まあ、サイモン様やドレッド様もそういう目的で、彼女達を送り込んだんじゃないんだろうし。
ウィンディーネとシルフが言う。
「じゃあ、私達は聖域に戻るわね」
「あまり長く聖域以外で私達が顕現していると、どんな影響があるかわからないものね」
「ちょっ、大丈夫なのか?」
シルフの問題発言に僕が慌てていると、ドリュアスが言う。
「大丈夫よ、タクミちゃん。じゃあ、お姉ちゃんは行くわ」
続いて、セレネー、ニュクス。
「うん、面白かったわ」
「……バイバイ」
ドリュアス、セレネー、ニュクスが僕に手を振ったと思ったら次の瞬間、彼女達はその場から消えていた。
その後、僕はセルヴスさんにお願いして、今回不合格となった人達に、銀貨を五十枚ずつ配ってもらう事にした。欲深い貴族や商人から遣わされたとしても、わざわざボルトンまで長旅してきた人もいる。流石に手ぶらで帰すのは忍びないからね。
銀貨五十枚は日本円にすれば、五万円程度。少なくもないけど大した額じゃない。これは僕の自己満足だ。
セルヴスさんは、彼女達はそれぞれの貴族家からお金をもらっているので、そこまでする必要はないと言ったけどね。
まあ、僕のところで不採用でも、ボルトンもウェッジフォートも人手不足なので、仕事は色々とあると思う。
さて、やるべき事はたくさんあるぞ。うちで新しく働く事になる人達のために、服とかも作らないとな。僕がそう考えていると、僕の思考を読み取ったかのように、アカネが言ってくる。
「メイド服ね……当然、揃えるべきね」
「ルルと同じですニャ」
「スカートはロングにするわ」
早速、メイド服に決定してしまった。
うちではルルちゃんが、秋葉原のメイド喫茶で出てきそうなメイド服を着ていたりする。これは当然アカネの仕業。マリアが着ている服も、メイド服に見えなくはないけど。
「ふふふっ、色々とデザインしないと。カラーバリエーションも必要ね……」
アカネが自分の世界に入ってしまい、ブツブツと呟いている。
それから僕は、晴れて僕の屋敷の家宰になったセバスチャンとジーヴル、それとメイド長を任せるメリーベルを呼び、ボルトンの屋敷へ移動すると告げた。
最後にセルヴスさんに、騎士団の訓練所を貸してもらったお礼をもう一度言い、後日改めてお礼に伺うと言って、その場をあとにする。
◇
マリアとマーニは、雇い入れた少女達を、ボルトン辺境伯家から借りた馬車に乗せていったようだけど、僕の方はいつもの装甲馬車を使う事にした。
最初に見せておくと、面倒がなくていいと思ったんだ。
……でもそれは早計だったかもしれない。
僕がアイテムボックスから馬車を取りだすと、皆口を開けて呆然としてしまった。メリーベルの表情は面白かったけど、そんな事言うとあとで怒られそうだな。
更に亜空間から巨大な体躯をした、グレートドラゴンホースのツバキが現れると、マーベル達は悲鳴を上げた。
セバスチャンもジーヴルも腰を抜かしていて手伝えそうにないので、僕とレーヴァで手早く馬車にツバキを繋ぎ、みんなを馬車に乗るように促す。
「……わっ、わ、私が馭者を務めさせていただきます」
復活したジーヴルが慌ててそう言うけど、それは必要ない。
「うん。今後はジーヴルに馭者をしてもらう事もあるかもしれないけど、今日はいいから馬車の中でゆっくりしてて」
「「ひっ!」」
「紹介しておくね。彼女がアラクネのカエデ。僕達の家族だから」
僕が、ツバキの背にいつの間にか乗っているカエデを指差して言うと、ジーヴルとセバスチャンは言葉を失っていた。
「「…………」」
ボルトンの街でカエデは有名だから怖がる人はいないけど、王都で暮らしていたセバスチャンとジーヴルには刺激的だったみたいだ。
何とかセバスチャン達を馬車の中に押し込み、僕達はボルトンの屋敷に向けて走りだした。
4 人が増えると大変です
馬車で移動しつつ僕は思案する。
新しく僕のもとで働く事になった人達に、どこまで秘密を知ってもらおうか。転移ゲートや天空島などは教えない方が良さそうだけど……いや、もう隠す必要はないか。僕が聖域の管理者だという事も知られているしね。
やはり、転移ゲートだけは近いうちに話してしまおう。聖域まで移動するのに、毎回馬車なんて面倒だもの。
屋敷に到着し、ツバキを亜空間に、馬車をアイテムボックスに収納した僕は、セバスチャン達を屋敷の中へ誘う。だが、ボルトンの屋敷は警備用ゴーレムが常時警戒しているので、登録された人間以外は通れない。
僕はみんなに告げる。
「全員の魔力パターンを登録するので、順番に一人ずつ進んでください」
「こ、これが警備用ゴーレムでございますか……」
「……」
セバスチャンが、身長2メートル50センチの魔鋼製ゴーレムを見て身を固くする。メリーベルも絶句していた。まあそれも仕方ないと思う。どんな貴族や豪商でも、屋敷の警備にゴーレムは使わないだろうからね。
僕は固まる一同の登録を強引に済ました。
「よし。これでみんな、ゴーレムに止められたり攻撃されたりしなくなりました。じゃあ、中に入ってください」
屋敷に入ると、入り口すぐの場所で、マリアとマーニが連れ帰った少女達が身綺麗になって並んでいた。服は帰る途中で買ったようだ。お風呂に入ったおかげで肌のくすみが取れ、ゴワゴワだった髪の毛も整えられている。改めて見てみると、人族、ドワーフ族、獣人族と様々な種族の子がいた。年齢は上は十五歳くらい、下は十歳くらいに見える子もいる。
あまりにも若いので僕が首を傾げていると、マリアが説明してくれる。
「予算の厳しい孤児院では、年齢に関係なく働けるようになったら、強引に追いだしてしまう場合もあるらしいですね」
「……そうなんだ」
「「「「…………」」」」
僕達を見て、少女達は身体を強張らせていた。僕は、そんな少女達をリラックスさせるように優しく話す。
「みんなには、屋敷の管理のお手伝いをしてもらう事になります。それで、家宰の役目をしてもらうのが、こちらのセバスチャン。奥にいるジーヴルには、ひとまず補佐として働いてもらいます。メリーベルには、マーベル、サーラ、アンナ、ティファと一緒に、この子達の教育をお願いします」
僕がセバスチャンとメリーベルの方を見ると、二人はその視線の意味を理解したみたいで、女の子達に向かって自己紹介する。
「家宰のセバスチャンでございます。旦那様のスケジュール管理、貴族や商会との交渉など外向きの仕事が主になります。以後、お見知りおきを」
「メリーベルと申します。私はメイドの仕事と、屋敷の管理、旦那様や奥様方のお世話など、内向きの仕事の責任者となります。あなた達の直接の上司という事になりますね。ともにイルマ家のために頑張りましょう」
すると、少女達は声を揃えて応える。
「「「「よろしくお願いします!」」」」
少女達の中には幼い年少の子達もいる。今日だけで色んな事があり疲れてしまったようで、眠気を必死で我慢していた。
僕はマリアに声をかける。
「今日はもう部屋で休んでもらおうか」
「わかりました。みんな私について来て」
「「「「はい!」」」」
新しく人を雇うと決めてから、使用人用に建物を建てておいた。想定よりもだいぶ人数が多いけど、部屋とベッドには余裕があるかな。
マリアとマーニは、少女達を使用人用の建物へ連れていった。
その後、セバスチャンとメリーベル達メイドを交えて、みんなで話し合う。
ひとまずリビングに全員座ってもらい、改めて僕達の事を詳しく紹介する。うちには他では絶対見られない、カエデやタイタンといった仲間がいるからね。それを終えると、今後の予定を話しておく事にした。
「セバスチャンにはさっき話した通り、この屋敷で外との窓口として働いてもらいたい。ジーヴルはセバスチャンの補佐をお願い」
「「わかりました。精いっぱい務めます」」
なお、セバスチャンには更に重要な役目があって、シドニアでの教会建設のために、創世教やバーキラ王国、ロマリア王国の担当者と細かな話を詰めてもらいたい。
メリーベルやマーベル達にもさっき言ったけど、メイドとしての仕事の他に、少女達の教育により力を注いでもらおうと思う。
あとは、料理人の雇用や庭職人の雇用なんかも任せてしまおうと思っている。
みんな、僕が選ぶよりも確かだと思うしね。
◆
長く執事の仕事一筋に生きてきた私、セバスチャンが隠居を考え始めた時。セルヴスから、ある家の家宰をしてみないか、と誘われました。
どんな家なのか聞いてみると、貴族ではなく平民の家だと言うではありませんか。
しかもセルヴスは、自分の孫のジーヴルも誘ったのだとか。
少々気になったので、長年培った人脈を活かして情報を収集してみたところ、驚きの連続でした。近年、王国内で普及し、街の衛生環境を激変させた浄化の魔導具と、その機能が付いた便器を開発した方だったとは……
どうやら、そんな有名人であるイルマ・タクミ殿の、対外的な事全般を差配するお役目だそうです。
早速、募集に応募してみました。
面接当日、ボルトン辺境伯領の領都ボルトンの城にある騎士団の訓練所に行くと、たくさんの人が集まっておりました。その数二千人ほど。
応募者の顔ぶれを見て、イルマ殿がただ者ではない事が改めてわかりました。
というのも、八割以上が貴族の紐付き。しかも、ろくでもない貴族から送り込まれたのは明白でございます。イルマ殿に取り入ろうという魂胆でございましょう。
まあそれを言えば、私も送り込まれたようなものですが。セルヴスとは別に、宰相閣下と陛下からもお声かけいただいたので。
それはさておき、その後しばらくして家宰候補の面接が始まりました。
驚きました。長く生きてきて、常に冷静でいる自信がありましたが、その私が声を失いました。
面接官の座るテーブルに、大精霊様達が顕現されて並んでいるのです。
そんな私の驚愕をよそに、家宰の面接はあっという間に終わりました。
残ったのはたった二人、私とジーヴルだけ。
その後すぐに行われたメイドの面接も、それほど時間をかけずに終了。あれだけの人数がたった三十人ほどになっています。それ以外に、孤児院を出たばかりの子達も集められていましたが……
おや、あれはメリーベルではありませんか。
まさか彼女まで応募していたとは……
私の残りの人生は、なかなか面白い事になりそうです。
◆
私はメリーベルと申します。以後お見知りおきを……
さて、この度、あるお方がメイドを求めておられるとのお話を耳にいたしました。そのお方というのは、ボルトンでは知らぬ者がいない変わった人物。浄化の魔導具にてボルトンを清潔な街に変え、冒険者や病人向けに、安く効果の高いポーション類を普及させた錬金術師であり薬師。
彼の功績は、ボルトン辺境伯領躍進の原動力とさえ言われています。また彼は、ウェッジフォートの街の建設と、聖域の誕生に関わっているとされております。
そのお方、イルマ様という年若い青年が、ボルトンと聖域にある屋敷の管理を任せられるメイドを求めている。
これは応募しなければ――
早速ボルトンに出向いてみれば、我が孫のマーベルの姿を見つけたではありませんか! あの子は確か伯爵家で奉公していたはず。イルマ様と伯爵家の縁を繋ぐ役割でも担っているのでしょうか。
それにあれはセバスチャン様? あの方は公爵家の執事の職はどうしたのでしょう……
想像以上に、イルマ家はバーキラ王国にとって重要なのだと理解いたしました。ですが、私が冷静でいられたのはそこまで。
大精霊様? 何の冗談なのでしょうか。
えっ! 大精霊様達が面接されるのですか? 冗談ではなしに……はい、本当に大精霊様達が応募者を選別していました。それはもうスピーディーに。
開いた口が塞がらないとはこの事でしょう。二千人いた応募者が、あっという間にたった三十人ほどに減ってしまいました。
ただ、それ以外にも貧しい子供達を保護しています。そしてイルマ様はそれを何も言わず許していらっしゃるのです。
あっという間に面接の結果が出たようです。
家宰候補はセバスチャン様ともう一人、若い青年。メイドは私とマーベル、他の三人がメイド経験者ですね。
あとは、貧しい生まれの孤児でしょうか。年齢的に、孤児院を出て間もない子供達のようです。
昨今、好景気に沸くバーキラ王国ですが、孤児院出身者がまともな雇用先を得るのは難しいのが実情。男の子であれば仕事先を見つけられるでしょうが、女の子となると……
大精霊様と話されているイルマ様の様子を窺っていると、彼女達は全員雇用されるようです。
いずれにしても、これは私も責任重大ですね。素人を一人前に育てるのが私の仕事になるのですから。
徳の高い貴族家は、社会貢献の一環として孤児の保護などをするそうです。イルマ様もそういう立場という事でしょう。
ああ、自己紹介は私の番ですね。これから楽しくなりそうです。
メイド候補の中には、ボルトン辺境伯、ロックフォード伯爵、バーキラ王国宰相のサイモン様から送り込まれた人もいたらしい。そうした人達は、他の多くの貴族達から送り込まれた人達と違い、大精霊達の選別をパスしているとの事。
最終的に残ったメイド候補は、三十人だった。
なお、その人数に保護する子達は入っていない。そうした子達には、聖域で暮らさせながら出来る仕事を探させるんだって。
ウィンディーネが話しかけてくる。
「タクミ、終わったわ。あとは仕事場をボルトンと聖域とに分けるだけね」
「あの、面接は?」
「もう聞くべき話は聞いてあるわよ。どこの出身で何が出来るのか程度だけどね。でも、仕事は何も出来なくても問題ないでしょう?」
「……まあ、構わないけど」
そうして「なら、もう全員合格ね」と勝手に決めてしまったウィンディーネに、僕のいる意味は? と問い詰めたくなる。
僕は大きく肩を落とし、マリアに話しかける。
「はぁ……せめてベテランの方と即戦力の方とは、少しお話しさせてもらおうか。残りの子達はまずお風呂とご飯だね」
「じゃあ、先に私とマーニでボルトンの屋敷に連れていって、お風呂に入れてご飯を食べさせておきますね」
マリアが立ち上がりながらそう言い、マーニも頷く。
「ありがとう。ついでに、下着や着替えの服と日用品の買いだしもお願いね」
僕はマリアにお金を渡して、少女達の世話を頼んだ。それから、横で満足げにしているウィンディーネの方を見る。
「これでいいんだろ?」
「わかってるじゃない」
どうやったかわからないけど、ウィンディーネはボルトン辺境伯とセルヴスさんに、働き口を見つけられなかった孤児を集めさせていたらしい。それを聞いて唖然としていると、ウィンディーネから「手の届く範囲で助けてあげてほしい」と真面目な顔で言われた。
「タクミの手なら遠くまで届くでしょ。さあ、面接の続きをしましょう」
「はぁ、わかったよ」
何かハメられた感はあるけど、僕としても異論はない。実際、聖域でならいくらでも仕事はあるからね。
僕は、残ってもらった女の人達を見る。
メイド長候補の女性が一人と、二十代半ばから十代後半の四人の女性、合わせて五人の女性が残っていた。即戦力のメイド候補だ。
採用は決まったようなものだけど、一応年配の女性から面接を始めようかな。人となりを見ておきたいからね。
「メリーベルと申します。バーキラ王国ボルトン辺境伯領の生まれでございます。前職はとある辺境伯家でメイド長を務めていました」
上品そうに話すメリーベルさんだけど、「とある辺境伯家」って、ボルトン辺境伯家以外考えられないんだけど。
セルヴスさんを見ると、彼は複雑そうな表情をしていた。
「メリーベルは、確かにボルトン辺境伯家のメイド長でございました。それがこの話が動きだすやいなや、ゴドウィン様に暇乞いをいたしまして……」
「えっと、良かったんですか?」
「もちろんでございます。新しく刺激的な仕事に胸躍る気分でございます」
ニコニコとそう言うメリーベルさん。
どうやらそろそろ引退するつもりだったようだけど、僕が聖域とボルトンの屋敷のメイドを募集すると聞き、新人の教育をしながら聖域で暮らすのも悪くないと思ったそうだ。メリーベルさんは思いついたら即行動するタイプで、その日のうちに暇乞いをしたらしい。
「す、凄い行動力ですね」
「お褒めにあずかり光栄でございます、旦那様」
見事な角度で頭を下げるメリーベルさん。
ソフィアとマリアもメリーベルさんの独特の空気に呑まれていたけど、ともかくうちのメイド長は彼女で決まったようだな。
続いて、残りの四人の面接……というか自己紹介に移る。
「それでは私から自己紹介させていただきます。マーベルと申します。メリーベルは私の祖母でございます。メイドの仕事は祖母に仕込まれていますのでお任せください」
そう自己紹介したマーベルさんは、二十代半ばのライトブラウンの髪にクールな雰囲気で、いかにも仕事が出来そうな女性だった。四人の中で年齢が一番上らしく、既にリーダー的ポジションになっている。
次に自己紹介したのは、サーラさんという二十歳の女性。この世界には珍しい黒髪だけど、顔立ちは西洋人風で、大人しそうな美人さんだ。
その次がアンナさん。十八歳でセミロングの金髪を後ろでまとめた、元気そうな明るい印象を受ける少女。
最後の子がティファさん。十六歳で綺麗な青い髪の少女。青い髪の色っていかにも異世界だと思った。柔らかな雰囲気の子で、優しげな大きな垂れ目が印象的だ。
「先ほどの少女達の教育も、お祖母様と私達にお任せください」
マーベルさんがそう言って頭を下げると、練習したかのように、サーラさん、アンナさん、ティファさんも頭を下げた。
みんな角度までぴったり一緒だった。
「あ、ああ、頼むよ」
思わずそう言ってしまったけど、これって面接だったよね。名前と年齢しか聞いていない気がする。始まるまで緊張していた僕は何だったんだろ。
なお、このマーベルさんをはじめとする四人のメイドはそれぞれ、ボルトン辺境伯家、ロックフォード伯爵家、バーキラ王国の宰相サイモン様、そしてなんとロマリアの宰相ドレッド様からの紹介だった。
それでも、僕の情報は絶対に紹介元に漏らさないとの事。まあ、サイモン様やドレッド様もそういう目的で、彼女達を送り込んだんじゃないんだろうし。
ウィンディーネとシルフが言う。
「じゃあ、私達は聖域に戻るわね」
「あまり長く聖域以外で私達が顕現していると、どんな影響があるかわからないものね」
「ちょっ、大丈夫なのか?」
シルフの問題発言に僕が慌てていると、ドリュアスが言う。
「大丈夫よ、タクミちゃん。じゃあ、お姉ちゃんは行くわ」
続いて、セレネー、ニュクス。
「うん、面白かったわ」
「……バイバイ」
ドリュアス、セレネー、ニュクスが僕に手を振ったと思ったら次の瞬間、彼女達はその場から消えていた。
その後、僕はセルヴスさんにお願いして、今回不合格となった人達に、銀貨を五十枚ずつ配ってもらう事にした。欲深い貴族や商人から遣わされたとしても、わざわざボルトンまで長旅してきた人もいる。流石に手ぶらで帰すのは忍びないからね。
銀貨五十枚は日本円にすれば、五万円程度。少なくもないけど大した額じゃない。これは僕の自己満足だ。
セルヴスさんは、彼女達はそれぞれの貴族家からお金をもらっているので、そこまでする必要はないと言ったけどね。
まあ、僕のところで不採用でも、ボルトンもウェッジフォートも人手不足なので、仕事は色々とあると思う。
さて、やるべき事はたくさんあるぞ。うちで新しく働く事になる人達のために、服とかも作らないとな。僕がそう考えていると、僕の思考を読み取ったかのように、アカネが言ってくる。
「メイド服ね……当然、揃えるべきね」
「ルルと同じですニャ」
「スカートはロングにするわ」
早速、メイド服に決定してしまった。
うちではルルちゃんが、秋葉原のメイド喫茶で出てきそうなメイド服を着ていたりする。これは当然アカネの仕業。マリアが着ている服も、メイド服に見えなくはないけど。
「ふふふっ、色々とデザインしないと。カラーバリエーションも必要ね……」
アカネが自分の世界に入ってしまい、ブツブツと呟いている。
それから僕は、晴れて僕の屋敷の家宰になったセバスチャンとジーヴル、それとメイド長を任せるメリーベルを呼び、ボルトンの屋敷へ移動すると告げた。
最後にセルヴスさんに、騎士団の訓練所を貸してもらったお礼をもう一度言い、後日改めてお礼に伺うと言って、その場をあとにする。
◇
マリアとマーニは、雇い入れた少女達を、ボルトン辺境伯家から借りた馬車に乗せていったようだけど、僕の方はいつもの装甲馬車を使う事にした。
最初に見せておくと、面倒がなくていいと思ったんだ。
……でもそれは早計だったかもしれない。
僕がアイテムボックスから馬車を取りだすと、皆口を開けて呆然としてしまった。メリーベルの表情は面白かったけど、そんな事言うとあとで怒られそうだな。
更に亜空間から巨大な体躯をした、グレートドラゴンホースのツバキが現れると、マーベル達は悲鳴を上げた。
セバスチャンもジーヴルも腰を抜かしていて手伝えそうにないので、僕とレーヴァで手早く馬車にツバキを繋ぎ、みんなを馬車に乗るように促す。
「……わっ、わ、私が馭者を務めさせていただきます」
復活したジーヴルが慌ててそう言うけど、それは必要ない。
「うん。今後はジーヴルに馭者をしてもらう事もあるかもしれないけど、今日はいいから馬車の中でゆっくりしてて」
「「ひっ!」」
「紹介しておくね。彼女がアラクネのカエデ。僕達の家族だから」
僕が、ツバキの背にいつの間にか乗っているカエデを指差して言うと、ジーヴルとセバスチャンは言葉を失っていた。
「「…………」」
ボルトンの街でカエデは有名だから怖がる人はいないけど、王都で暮らしていたセバスチャンとジーヴルには刺激的だったみたいだ。
何とかセバスチャン達を馬車の中に押し込み、僕達はボルトンの屋敷に向けて走りだした。
4 人が増えると大変です
馬車で移動しつつ僕は思案する。
新しく僕のもとで働く事になった人達に、どこまで秘密を知ってもらおうか。転移ゲートや天空島などは教えない方が良さそうだけど……いや、もう隠す必要はないか。僕が聖域の管理者だという事も知られているしね。
やはり、転移ゲートだけは近いうちに話してしまおう。聖域まで移動するのに、毎回馬車なんて面倒だもの。
屋敷に到着し、ツバキを亜空間に、馬車をアイテムボックスに収納した僕は、セバスチャン達を屋敷の中へ誘う。だが、ボルトンの屋敷は警備用ゴーレムが常時警戒しているので、登録された人間以外は通れない。
僕はみんなに告げる。
「全員の魔力パターンを登録するので、順番に一人ずつ進んでください」
「こ、これが警備用ゴーレムでございますか……」
「……」
セバスチャンが、身長2メートル50センチの魔鋼製ゴーレムを見て身を固くする。メリーベルも絶句していた。まあそれも仕方ないと思う。どんな貴族や豪商でも、屋敷の警備にゴーレムは使わないだろうからね。
僕は固まる一同の登録を強引に済ました。
「よし。これでみんな、ゴーレムに止められたり攻撃されたりしなくなりました。じゃあ、中に入ってください」
屋敷に入ると、入り口すぐの場所で、マリアとマーニが連れ帰った少女達が身綺麗になって並んでいた。服は帰る途中で買ったようだ。お風呂に入ったおかげで肌のくすみが取れ、ゴワゴワだった髪の毛も整えられている。改めて見てみると、人族、ドワーフ族、獣人族と様々な種族の子がいた。年齢は上は十五歳くらい、下は十歳くらいに見える子もいる。
あまりにも若いので僕が首を傾げていると、マリアが説明してくれる。
「予算の厳しい孤児院では、年齢に関係なく働けるようになったら、強引に追いだしてしまう場合もあるらしいですね」
「……そうなんだ」
「「「「…………」」」」
僕達を見て、少女達は身体を強張らせていた。僕は、そんな少女達をリラックスさせるように優しく話す。
「みんなには、屋敷の管理のお手伝いをしてもらう事になります。それで、家宰の役目をしてもらうのが、こちらのセバスチャン。奥にいるジーヴルには、ひとまず補佐として働いてもらいます。メリーベルには、マーベル、サーラ、アンナ、ティファと一緒に、この子達の教育をお願いします」
僕がセバスチャンとメリーベルの方を見ると、二人はその視線の意味を理解したみたいで、女の子達に向かって自己紹介する。
「家宰のセバスチャンでございます。旦那様のスケジュール管理、貴族や商会との交渉など外向きの仕事が主になります。以後、お見知りおきを」
「メリーベルと申します。私はメイドの仕事と、屋敷の管理、旦那様や奥様方のお世話など、内向きの仕事の責任者となります。あなた達の直接の上司という事になりますね。ともにイルマ家のために頑張りましょう」
すると、少女達は声を揃えて応える。
「「「「よろしくお願いします!」」」」
少女達の中には幼い年少の子達もいる。今日だけで色んな事があり疲れてしまったようで、眠気を必死で我慢していた。
僕はマリアに声をかける。
「今日はもう部屋で休んでもらおうか」
「わかりました。みんな私について来て」
「「「「はい!」」」」
新しく人を雇うと決めてから、使用人用に建物を建てておいた。想定よりもだいぶ人数が多いけど、部屋とベッドには余裕があるかな。
マリアとマーニは、少女達を使用人用の建物へ連れていった。
その後、セバスチャンとメリーベル達メイドを交えて、みんなで話し合う。
ひとまずリビングに全員座ってもらい、改めて僕達の事を詳しく紹介する。うちには他では絶対見られない、カエデやタイタンといった仲間がいるからね。それを終えると、今後の予定を話しておく事にした。
「セバスチャンにはさっき話した通り、この屋敷で外との窓口として働いてもらいたい。ジーヴルはセバスチャンの補佐をお願い」
「「わかりました。精いっぱい務めます」」
なお、セバスチャンには更に重要な役目があって、シドニアでの教会建設のために、創世教やバーキラ王国、ロマリア王国の担当者と細かな話を詰めてもらいたい。
メリーベルやマーベル達にもさっき言ったけど、メイドとしての仕事の他に、少女達の教育により力を注いでもらおうと思う。
あとは、料理人の雇用や庭職人の雇用なんかも任せてしまおうと思っている。
みんな、僕が選ぶよりも確かだと思うしね。
◆
長く執事の仕事一筋に生きてきた私、セバスチャンが隠居を考え始めた時。セルヴスから、ある家の家宰をしてみないか、と誘われました。
どんな家なのか聞いてみると、貴族ではなく平民の家だと言うではありませんか。
しかもセルヴスは、自分の孫のジーヴルも誘ったのだとか。
少々気になったので、長年培った人脈を活かして情報を収集してみたところ、驚きの連続でした。近年、王国内で普及し、街の衛生環境を激変させた浄化の魔導具と、その機能が付いた便器を開発した方だったとは……
どうやら、そんな有名人であるイルマ・タクミ殿の、対外的な事全般を差配するお役目だそうです。
早速、募集に応募してみました。
面接当日、ボルトン辺境伯領の領都ボルトンの城にある騎士団の訓練所に行くと、たくさんの人が集まっておりました。その数二千人ほど。
応募者の顔ぶれを見て、イルマ殿がただ者ではない事が改めてわかりました。
というのも、八割以上が貴族の紐付き。しかも、ろくでもない貴族から送り込まれたのは明白でございます。イルマ殿に取り入ろうという魂胆でございましょう。
まあそれを言えば、私も送り込まれたようなものですが。セルヴスとは別に、宰相閣下と陛下からもお声かけいただいたので。
それはさておき、その後しばらくして家宰候補の面接が始まりました。
驚きました。長く生きてきて、常に冷静でいる自信がありましたが、その私が声を失いました。
面接官の座るテーブルに、大精霊様達が顕現されて並んでいるのです。
そんな私の驚愕をよそに、家宰の面接はあっという間に終わりました。
残ったのはたった二人、私とジーヴルだけ。
その後すぐに行われたメイドの面接も、それほど時間をかけずに終了。あれだけの人数がたった三十人ほどになっています。それ以外に、孤児院を出たばかりの子達も集められていましたが……
おや、あれはメリーベルではありませんか。
まさか彼女まで応募していたとは……
私の残りの人生は、なかなか面白い事になりそうです。
◆
私はメリーベルと申します。以後お見知りおきを……
さて、この度、あるお方がメイドを求めておられるとのお話を耳にいたしました。そのお方というのは、ボルトンでは知らぬ者がいない変わった人物。浄化の魔導具にてボルトンを清潔な街に変え、冒険者や病人向けに、安く効果の高いポーション類を普及させた錬金術師であり薬師。
彼の功績は、ボルトン辺境伯領躍進の原動力とさえ言われています。また彼は、ウェッジフォートの街の建設と、聖域の誕生に関わっているとされております。
そのお方、イルマ様という年若い青年が、ボルトンと聖域にある屋敷の管理を任せられるメイドを求めている。
これは応募しなければ――
早速ボルトンに出向いてみれば、我が孫のマーベルの姿を見つけたではありませんか! あの子は確か伯爵家で奉公していたはず。イルマ様と伯爵家の縁を繋ぐ役割でも担っているのでしょうか。
それにあれはセバスチャン様? あの方は公爵家の執事の職はどうしたのでしょう……
想像以上に、イルマ家はバーキラ王国にとって重要なのだと理解いたしました。ですが、私が冷静でいられたのはそこまで。
大精霊様? 何の冗談なのでしょうか。
えっ! 大精霊様達が面接されるのですか? 冗談ではなしに……はい、本当に大精霊様達が応募者を選別していました。それはもうスピーディーに。
開いた口が塞がらないとはこの事でしょう。二千人いた応募者が、あっという間にたった三十人ほどに減ってしまいました。
ただ、それ以外にも貧しい子供達を保護しています。そしてイルマ様はそれを何も言わず許していらっしゃるのです。
あっという間に面接の結果が出たようです。
家宰候補はセバスチャン様ともう一人、若い青年。メイドは私とマーベル、他の三人がメイド経験者ですね。
あとは、貧しい生まれの孤児でしょうか。年齢的に、孤児院を出て間もない子供達のようです。
昨今、好景気に沸くバーキラ王国ですが、孤児院出身者がまともな雇用先を得るのは難しいのが実情。男の子であれば仕事先を見つけられるでしょうが、女の子となると……
大精霊様と話されているイルマ様の様子を窺っていると、彼女達は全員雇用されるようです。
いずれにしても、これは私も責任重大ですね。素人を一人前に育てるのが私の仕事になるのですから。
徳の高い貴族家は、社会貢献の一環として孤児の保護などをするそうです。イルマ様もそういう立場という事でしょう。
ああ、自己紹介は私の番ですね。これから楽しくなりそうです。
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