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剣聖来訪
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弘治三年(1557年)五月 安濃津
安濃津の城下町は賑わいを見せ、通りを歩く人々の顔は明るい。
北畠領になってから、農業指導により米の収穫は格段に増えた。新田開発や綿花栽培、養蚕産業、流下式塩田による塩作り、源太郎資本で進められている清酒、味醂、酢、味噌、醤油の醸造、椎茸栽培も順調だ。
ただ椎茸栽培は、いまだ秘密裏に行われている。椎茸栽培が他家に漏れぬよう、間諜対策にも気を遣っている。
さらに機密性の高い真珠養殖事業も何とか形になった。これで南蛮等を相手の貿易でも高い利益が見込めるようになった。
源太郎が治める知行地は好景気に沸いていた。
他にも、井上専正の知行地は勿論、大河内頼房(大河内城主)の領内、大宮含忍斎(阿坂城主)の領内、芝山秀定の領内、家城之清(家城城主)の領内では、源太郎が農業指導者を派遣し、農政改革は進んでいる。
今の南伊勢から中伊勢では、盗賊や野党の類いが蔓延る事はない。
源太郎が編成する、常備兵から領内を巡回する警備隊が、厳しく取り締まったいる。
国人の三男以降の部屋住み者、農家で田畑を継げない次男以降、河原者からの志願者を厳しい訓練で鍛え上げ屈強な軍団を創りあげている。
彼等には、給金の他に住居として長屋と食事が与えられ、集団生活の中で規律と仲間意識を高めている。
彼等が戦死したとしても、遺族への補償が厚いため士気が高い。
この時代の雑兵の様に、負け戦と分かると、逃げ出すような事はない。
部隊も鉄砲隊・長槍部隊・弓兵部隊・騎馬部隊・弓騎兵部隊・工兵部隊・兵站部隊・衛生兵部隊と増員している。勿論、全員職業軍人である。
工兵部隊は、平時でも街道整備から河川の治水工事、築城、橋梁工事等忙しい。
安濃津湊には、沢山の船が行き来している。その中でも、三本マストで三角帆のトップスルスクーナー船が、風に向かって切りあがって行く。
中型のフリゲート艦と小型のコルベット艦が、伊勢湾を縦横無尽に疾る。
中型から小型とは言え、南蛮船基準での話で、決して小さな船ではない。中型では二列の砲列甲板が小型でも一例の砲列甲板を持つ。
「順調だな」
安濃津湊で、船を見る源太郎が呟く。
「今や、第五艦隊まで増えましたからね」
源太郎の側に控える神戸小南が同意する。
実際、小浜景隆の第一艦隊。
九鬼嘉隆の第二艦隊。
九鬼浄隆の第三艦隊。
向井正重の第四艦隊。
さらに、最近熊野衆が傘下に入り、
堀内氏虎の第五艦隊。
熊野衆の堀内氏虎が配下になった為、紀伊新宮に影響力を持つに至る。
「若、腹減りません?」
「佐助!」
「クックックッ」
源太郎と同じ歳位の少年が空腹を訴えると、小南が咎める。それを見た大嶋新左衛門親崇が笑いを堪える。
この少年の名前は上月佐助。最近、小南と共に源太郎の側に仕える伊賀の忍びだ。
「じゃあ、帰る途中で何か食べて帰るか」
「やった!そうこなくっちゃ!」
嬉しそうにはしゃぐ佐助に、小南は苦い顔をする。
「まあまあ、小南もそんなに怒らなくても良いよ」
源太郎がすかさずフォローするが、佐助は後で道順に怒られるんだろうなぁと思うが、佐助もまだ子供だから仕方がないと思うことにする。
城下の蕎麦屋(源太郎が蕎麦切りを広め、ざる蕎麦やかけ蕎麦を食べれる店を出させる)に三人で入る。
「オッちゃん、オイラかけ蕎麦ともり蕎麦!」
店に入るなり佐助が蕎麦を注文する。
「私はざる蕎麦を」
「「私も同じ物を」」
源太郎と新左衛門、小南も注文すると席に着く。
蕎麦を食べ終えて、お茶を飲んでいた源太郎の眉がピクリと動く。
源太郎の変化を見逃さず、すかさず小南と佐助が警戒態勢に入り、新左衛門が刀を持って立ち上がる。
「ホッホッホッ、いや中々、我が弟子の息子もたいしたもんじゃのう。
才ある者は才ある者を惹きつけるのかのう。
皆若いが、これからが楽しみな子達じゃ」
そこには一人の老人が座って、手酌で酒を飲んでいたが、ただの老人ではない事は全員が感じとっていた。
(そういや父上が、塚原卜伝を招くと言ってたな)
「率爾ながらお尋ねします。塚原土佐守殿とお見受けします。私は、北畠権中納言が一子、北畠源太郎と申します」
源太郎は、音を立てずフワリと立つと挨拶をする。
「いかにも、卜伝で構わんよ。御主の父の所へ訪ねる途中に、余りに賑わっている街の様子を見る為にふらりと立ち寄っただけじゃ」
卜伝に座るよう促される。
卜伝の弟子達は、先に多気御所へ向かっているそうだ。
「では卜伝様、父上の居られる多気御所まで先導致します」
源太郎がそう言うと、小南がスッと立ち上がる。
「では馬の準備と井上様に報告しておきます」
そう言うと小南はかき消える。
その後、卜伝を馬房へ案内すると、馬の準備をして待機している小南に加え大之丞(大宮景練)と小次郎(芝山秀時)と見送りの味兵衛(井上専正)、大河内教通がいた。
卜伝に全員を紹介したあと、卜伝用に馬を用意する。
「これは……」
源太郎の飛影を始めとする重種の迫力に、言葉を失くす。
三頭の重種が並ぶ様は、剣聖といえど驚くに値するものだったようだ。
卜伝の為に用意された馬もアラブ種をベースに改良された馬で、軽種ゆえ重種程の迫力と力強さはないが、体高はデストリアやフリージアンよりは低いが、さほど変わらない。
「では先導します」
源太郎の飛影を先頭に、その横に卜伝が馬を並べ、大之丞、小次郎と続き、小南、佐助の馬が続く。
整備が進んでいる街道を軽快に馬を走らせ、陽が沈む前には多気御所に到着する。
多気御所では具教に歓待され、多気御所近くに卜伝とその弟子達用の屋敷を用意されていた。
翌朝、前日泊まった源太郎達も一緒に、稽古に励んでいた。
「どうですかな」
早速始まった稽古を見守る卜伝に具教が問う。
「……二年じゃな。忙しいじゃろうが、二年通わせよ。さすれば、一の太刀を授ける事も出来るじゃろう」
卜伝の確信に近い言葉に具教は頷く。
「我が子ながら、少し妬けますな」
「なに、儂もあれ程の素材は初めてじゃ。儂こそ嫉妬しておるわ。カッカッカッ」
卜伝はそう言うと笑うと木刀を持ち、「さて稽古をつけるとするか」と歩き出す。
結論から言えば、やはり剣聖は剣聖だという事だ。源太郎を始め、大之丞や新左衛門、小次郎や小南から佐助まで転がされた。
勿論、源太郎は全力の身体強化を使用していないが、単純な速さや力の強さではない技術と、立会の間を、これでもかと言う位見せつけられた。
源太郎は、初めて高い壁に全力で立ち向かえる事を嬉しく思った。
安濃津城へ戻る源太郎に、卜伝が忙しいだろうが、出来るだけ稽古に通うよう言いつけた。
また卜伝も安濃津城へわざわざ出張り、源太郎達へ稽古をつけてくれた。
こうして源太郎は、剣術の師匠となった塚原卜伝による剣術の稽古、弓や馬術の稽古などの武術鍛錬と、魔法による水軍の艦載砲の作製、同じく野砲の作製。土魔法での安濃津城下の開発や新田開発手伝い。鹿や猪等の農作物や森林に害をなす害獣の駆除と、非常に濃密な、けれど充実した日々を過ごしていた。
この年、尾張の織田信長が弟信勝を清洲城に誘い出し殺害。尾張国支配に向け走り出す。
源太郎は、北畠家の滅亡を回避出来るのか?
安濃津の城下町は賑わいを見せ、通りを歩く人々の顔は明るい。
北畠領になってから、農業指導により米の収穫は格段に増えた。新田開発や綿花栽培、養蚕産業、流下式塩田による塩作り、源太郎資本で進められている清酒、味醂、酢、味噌、醤油の醸造、椎茸栽培も順調だ。
ただ椎茸栽培は、いまだ秘密裏に行われている。椎茸栽培が他家に漏れぬよう、間諜対策にも気を遣っている。
さらに機密性の高い真珠養殖事業も何とか形になった。これで南蛮等を相手の貿易でも高い利益が見込めるようになった。
源太郎が治める知行地は好景気に沸いていた。
他にも、井上専正の知行地は勿論、大河内頼房(大河内城主)の領内、大宮含忍斎(阿坂城主)の領内、芝山秀定の領内、家城之清(家城城主)の領内では、源太郎が農業指導者を派遣し、農政改革は進んでいる。
今の南伊勢から中伊勢では、盗賊や野党の類いが蔓延る事はない。
源太郎が編成する、常備兵から領内を巡回する警備隊が、厳しく取り締まったいる。
国人の三男以降の部屋住み者、農家で田畑を継げない次男以降、河原者からの志願者を厳しい訓練で鍛え上げ屈強な軍団を創りあげている。
彼等には、給金の他に住居として長屋と食事が与えられ、集団生活の中で規律と仲間意識を高めている。
彼等が戦死したとしても、遺族への補償が厚いため士気が高い。
この時代の雑兵の様に、負け戦と分かると、逃げ出すような事はない。
部隊も鉄砲隊・長槍部隊・弓兵部隊・騎馬部隊・弓騎兵部隊・工兵部隊・兵站部隊・衛生兵部隊と増員している。勿論、全員職業軍人である。
工兵部隊は、平時でも街道整備から河川の治水工事、築城、橋梁工事等忙しい。
安濃津湊には、沢山の船が行き来している。その中でも、三本マストで三角帆のトップスルスクーナー船が、風に向かって切りあがって行く。
中型のフリゲート艦と小型のコルベット艦が、伊勢湾を縦横無尽に疾る。
中型から小型とは言え、南蛮船基準での話で、決して小さな船ではない。中型では二列の砲列甲板が小型でも一例の砲列甲板を持つ。
「順調だな」
安濃津湊で、船を見る源太郎が呟く。
「今や、第五艦隊まで増えましたからね」
源太郎の側に控える神戸小南が同意する。
実際、小浜景隆の第一艦隊。
九鬼嘉隆の第二艦隊。
九鬼浄隆の第三艦隊。
向井正重の第四艦隊。
さらに、最近熊野衆が傘下に入り、
堀内氏虎の第五艦隊。
熊野衆の堀内氏虎が配下になった為、紀伊新宮に影響力を持つに至る。
「若、腹減りません?」
「佐助!」
「クックックッ」
源太郎と同じ歳位の少年が空腹を訴えると、小南が咎める。それを見た大嶋新左衛門親崇が笑いを堪える。
この少年の名前は上月佐助。最近、小南と共に源太郎の側に仕える伊賀の忍びだ。
「じゃあ、帰る途中で何か食べて帰るか」
「やった!そうこなくっちゃ!」
嬉しそうにはしゃぐ佐助に、小南は苦い顔をする。
「まあまあ、小南もそんなに怒らなくても良いよ」
源太郎がすかさずフォローするが、佐助は後で道順に怒られるんだろうなぁと思うが、佐助もまだ子供だから仕方がないと思うことにする。
城下の蕎麦屋(源太郎が蕎麦切りを広め、ざる蕎麦やかけ蕎麦を食べれる店を出させる)に三人で入る。
「オッちゃん、オイラかけ蕎麦ともり蕎麦!」
店に入るなり佐助が蕎麦を注文する。
「私はざる蕎麦を」
「「私も同じ物を」」
源太郎と新左衛門、小南も注文すると席に着く。
蕎麦を食べ終えて、お茶を飲んでいた源太郎の眉がピクリと動く。
源太郎の変化を見逃さず、すかさず小南と佐助が警戒態勢に入り、新左衛門が刀を持って立ち上がる。
「ホッホッホッ、いや中々、我が弟子の息子もたいしたもんじゃのう。
才ある者は才ある者を惹きつけるのかのう。
皆若いが、これからが楽しみな子達じゃ」
そこには一人の老人が座って、手酌で酒を飲んでいたが、ただの老人ではない事は全員が感じとっていた。
(そういや父上が、塚原卜伝を招くと言ってたな)
「率爾ながらお尋ねします。塚原土佐守殿とお見受けします。私は、北畠権中納言が一子、北畠源太郎と申します」
源太郎は、音を立てずフワリと立つと挨拶をする。
「いかにも、卜伝で構わんよ。御主の父の所へ訪ねる途中に、余りに賑わっている街の様子を見る為にふらりと立ち寄っただけじゃ」
卜伝に座るよう促される。
卜伝の弟子達は、先に多気御所へ向かっているそうだ。
「では卜伝様、父上の居られる多気御所まで先導致します」
源太郎がそう言うと、小南がスッと立ち上がる。
「では馬の準備と井上様に報告しておきます」
そう言うと小南はかき消える。
その後、卜伝を馬房へ案内すると、馬の準備をして待機している小南に加え大之丞(大宮景練)と小次郎(芝山秀時)と見送りの味兵衛(井上専正)、大河内教通がいた。
卜伝に全員を紹介したあと、卜伝用に馬を用意する。
「これは……」
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三頭の重種が並ぶ様は、剣聖といえど驚くに値するものだったようだ。
卜伝の為に用意された馬もアラブ種をベースに改良された馬で、軽種ゆえ重種程の迫力と力強さはないが、体高はデストリアやフリージアンよりは低いが、さほど変わらない。
「では先導します」
源太郎の飛影を先頭に、その横に卜伝が馬を並べ、大之丞、小次郎と続き、小南、佐助の馬が続く。
整備が進んでいる街道を軽快に馬を走らせ、陽が沈む前には多気御所に到着する。
多気御所では具教に歓待され、多気御所近くに卜伝とその弟子達用の屋敷を用意されていた。
翌朝、前日泊まった源太郎達も一緒に、稽古に励んでいた。
「どうですかな」
早速始まった稽古を見守る卜伝に具教が問う。
「……二年じゃな。忙しいじゃろうが、二年通わせよ。さすれば、一の太刀を授ける事も出来るじゃろう」
卜伝の確信に近い言葉に具教は頷く。
「我が子ながら、少し妬けますな」
「なに、儂もあれ程の素材は初めてじゃ。儂こそ嫉妬しておるわ。カッカッカッ」
卜伝はそう言うと笑うと木刀を持ち、「さて稽古をつけるとするか」と歩き出す。
結論から言えば、やはり剣聖は剣聖だという事だ。源太郎を始め、大之丞や新左衛門、小次郎や小南から佐助まで転がされた。
勿論、源太郎は全力の身体強化を使用していないが、単純な速さや力の強さではない技術と、立会の間を、これでもかと言う位見せつけられた。
源太郎は、初めて高い壁に全力で立ち向かえる事を嬉しく思った。
安濃津城へ戻る源太郎に、卜伝が忙しいだろうが、出来るだけ稽古に通うよう言いつけた。
また卜伝も安濃津城へわざわざ出張り、源太郎達へ稽古をつけてくれた。
こうして源太郎は、剣術の師匠となった塚原卜伝による剣術の稽古、弓や馬術の稽古などの武術鍛錬と、魔法による水軍の艦載砲の作製、同じく野砲の作製。土魔法での安濃津城下の開発や新田開発手伝い。鹿や猪等の農作物や森林に害をなす害獣の駆除と、非常に濃密な、けれど充実した日々を過ごしていた。
この年、尾張の織田信長が弟信勝を清洲城に誘い出し殺害。尾張国支配に向け走り出す。
源太郎は、北畠家の滅亡を回避出来るのか?
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