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装備を造る為の準備
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工房付きの家に移って、一晩過ごした次の日、俺とエルはベッドの上で、今日の予定を話し合っていた。当然、二人とも裸だ。
「う~ん、はぁ、もう朝か」
ベッドを降りて、風呂場へ向かう。
シャワーを浴びて、昨日買った下着と服に着替える。丈夫な生地のズボンとシャツを着て、キッチンで朝食の準備をする。
エルは絶対料理出来ないだろうしな。
先ずは、水を入れた鍋を魔導コンロにかけて、干し肉を裂いて入れダシの替わりにする。カットした野菜を煮込み、塩胡椒で味を整える。
魔導コンロでフライパンを火にかけ、手早くベーコンエッグを作っていく。
同時に、昨日市場で買ったパンをスライスして焼いておく。
キッチンからの匂いに、エルが起きだしてきた。
「ふぁ~、おはよう」
「あぁ、おはよう」
「へぇ~、美味しそうじゃない」
二人で朝食を食べながら、今日の予定を話し合う。
「エルは今日どうするんだ?」
「カイトはどうするの?」
「俺は工房に魔力炉を造ったり、機織り機も造るから、一日つぶれると思うぞ」
「あなた、機織り機って、布地から作るつもり?」
エルが呆れ混じりに聞く。
「糸に紡ぐのが先だけどな。素材は十分あるから、自分で作れる物は自作する方向で考えているぞ」
俺がそう言った途端、エルが目を輝かせて俺の方を見てくる。
「当然、私の服や装備も作ってくれるんでしょう」
本当に遠慮がなくなったな。
「心配しなくても、下着まで作ってやるよ」
「……やだ、エッチ」
エルが顔を真っ赤にして恥ずかしがる。
基本的にこの世界の下着は紐パンだけど、何故か女性用の下着も色気の乏しい物しかない。だからこの際、エルの下着も俺好みの物を作ろうと決めた。
「じゃあ私は、掃除でもしようかな」
朝食の後片付けをエルに任せ、耐火煉瓦を焼く炉を作る為に、裏庭へ向かう。
雑貨屋で買った煉瓦を組み合わせ、炉を作っていく。粘土の成形から乾燥を魔法で済ませる。
耐火煉瓦作りと並行して、機織り機の製作に入る。木材は、たくさんストックしてあるトレント材を使う。普通の木材よりも、圧倒的に丈夫な物が出来あがる。
機織り機を工房の隅に置いて、取って置いたヒュージスパイダーの糸を紡いでいく。
「カイトお腹すいた~」
黙々と作業に没頭していたら、エルが空腹を訴えて来た。もうそんな時間みたいだ。
「お金渡すから、なんか買って来てよ」
エルに銀貨5枚渡す。
「了解!じゃあ行ってくる。お釣りはお駄賃ね」
そう言うと急いで出て行った。
エルは、屋台の串焼き肉やスープを買ってきた。どう考えても銀貨2枚も使ってない。
屋台で買った物でお昼を済ませ、エルはお昼寝、俺は作業に戻る。
縦糸と横糸を機織り機にセットだけすると、先に魔力炉の製作にかかる。
工房に魔力炉を組み立て、自動修復と耐火のエンチャントをかけておく。耐火煉瓦にもエンチャントはかけてあるが念のためだ。
Bランクの魔石をセットして、一応の完成をみる。
次に、機織り機で布地を織っていく。
糸の紡ぎ方を変えて、通常の糸と、太くて丈夫な糸を紡ぎ、スパイダーシルクと呼ばれる上質な布地と、丈夫さを追求した布地の二種類作ってみた。
糸を紡いでは織り、紡いでは織りを繰り返して、必要量の布地が出来た。
しかしスキルとジョブレベルの恩恵は凄いものだ。こんなスピードで布地が出来るなんて。
「今日はこの位でやめておくか。エルがお腹空かしてそうだからな」
案の定、エルがお腹を空かしていたので、手早く出来るステーキにした。スープは朝の残りだ。簡単なサラダを作り夕食にした。
エルもサラダくらい作ったらいいのに。
「ところでエルは、ジョブは戦士だろ。どんな装備が欲しいんだ?」
「実は私、魔法使いになりたいの」
あれ?戦士ジョブレベル5だったよな。装備も革鎧にショートソードだったし。その事をエルは聞いてみると。
「だって、初心者冒険者って言ったら、あの格好が正しいじゃない。でも私実は1/4エルフの血が入っているの。だから魔法使いが合ってると思うの」
何なんだ、そのいい加減なジョブの決め方。
「とりあえずエルは、最低限の近接戦闘能力を鍛えながら、魔法使いを目指そうか」
近接戦闘と聞いた瞬間、嫌な顔しやがった。要するに剣で斬ったりするより、遠くから魔法を撃ちたいらしい。
魔法属性は、風と水の二属性に適正があるらしい。
「じゃあさ、魔法発動媒体は指輪を二つ作るよ。俺も今まで使ってなかったから。あと近接戦闘用にショートソードかな。防具も革鎧が無難だよな」
俺はエルにお勧めの装備を提案していく。
「魔法使いなのに革鎧?そこはローブじゃないの」
「ローブも作ってあげても良いけど、下に革鎧は着てた方が良い」
「じゃあそれで良い。色は白ね」
注文が多いな。白だったら汚れない様に、エンチャントかけないとダメだな。
食後、エルと一緒に後片付けをして、今日は二人でお風呂に入った。
お風呂の後は、当然の様にエルを頂いた。
次の日も、俺は朝から工房に籠り生産に勤しむ。
色々な色の染料を、薬師の調合スキルを使い作成し布地を染める。
魔法で乾燥させたあと裁断していく。
エルと俺の服を着替えも含めて数着作る。
エルの下着もしっかりと作った。
服にかけたエンチャントは、
・防汚
・自動修復
・物理耐性
・魔法耐性
・温度自動調整
・サイズ自動調整
の六種類を施した。
一応、ヘタな革鎧よりも、防御力が高い服が出来上がった。
エルと俺の分のローブも作ると、一日潰れてしまった。
「う~ん、はぁ、もう朝か」
ベッドを降りて、風呂場へ向かう。
シャワーを浴びて、昨日買った下着と服に着替える。丈夫な生地のズボンとシャツを着て、キッチンで朝食の準備をする。
エルは絶対料理出来ないだろうしな。
先ずは、水を入れた鍋を魔導コンロにかけて、干し肉を裂いて入れダシの替わりにする。カットした野菜を煮込み、塩胡椒で味を整える。
魔導コンロでフライパンを火にかけ、手早くベーコンエッグを作っていく。
同時に、昨日市場で買ったパンをスライスして焼いておく。
キッチンからの匂いに、エルが起きだしてきた。
「ふぁ~、おはよう」
「あぁ、おはよう」
「へぇ~、美味しそうじゃない」
二人で朝食を食べながら、今日の予定を話し合う。
「エルは今日どうするんだ?」
「カイトはどうするの?」
「俺は工房に魔力炉を造ったり、機織り機も造るから、一日つぶれると思うぞ」
「あなた、機織り機って、布地から作るつもり?」
エルが呆れ混じりに聞く。
「糸に紡ぐのが先だけどな。素材は十分あるから、自分で作れる物は自作する方向で考えているぞ」
俺がそう言った途端、エルが目を輝かせて俺の方を見てくる。
「当然、私の服や装備も作ってくれるんでしょう」
本当に遠慮がなくなったな。
「心配しなくても、下着まで作ってやるよ」
「……やだ、エッチ」
エルが顔を真っ赤にして恥ずかしがる。
基本的にこの世界の下着は紐パンだけど、何故か女性用の下着も色気の乏しい物しかない。だからこの際、エルの下着も俺好みの物を作ろうと決めた。
「じゃあ私は、掃除でもしようかな」
朝食の後片付けをエルに任せ、耐火煉瓦を焼く炉を作る為に、裏庭へ向かう。
雑貨屋で買った煉瓦を組み合わせ、炉を作っていく。粘土の成形から乾燥を魔法で済ませる。
耐火煉瓦作りと並行して、機織り機の製作に入る。木材は、たくさんストックしてあるトレント材を使う。普通の木材よりも、圧倒的に丈夫な物が出来あがる。
機織り機を工房の隅に置いて、取って置いたヒュージスパイダーの糸を紡いでいく。
「カイトお腹すいた~」
黙々と作業に没頭していたら、エルが空腹を訴えて来た。もうそんな時間みたいだ。
「お金渡すから、なんか買って来てよ」
エルに銀貨5枚渡す。
「了解!じゃあ行ってくる。お釣りはお駄賃ね」
そう言うと急いで出て行った。
エルは、屋台の串焼き肉やスープを買ってきた。どう考えても銀貨2枚も使ってない。
屋台で買った物でお昼を済ませ、エルはお昼寝、俺は作業に戻る。
縦糸と横糸を機織り機にセットだけすると、先に魔力炉の製作にかかる。
工房に魔力炉を組み立て、自動修復と耐火のエンチャントをかけておく。耐火煉瓦にもエンチャントはかけてあるが念のためだ。
Bランクの魔石をセットして、一応の完成をみる。
次に、機織り機で布地を織っていく。
糸の紡ぎ方を変えて、通常の糸と、太くて丈夫な糸を紡ぎ、スパイダーシルクと呼ばれる上質な布地と、丈夫さを追求した布地の二種類作ってみた。
糸を紡いでは織り、紡いでは織りを繰り返して、必要量の布地が出来た。
しかしスキルとジョブレベルの恩恵は凄いものだ。こんなスピードで布地が出来るなんて。
「今日はこの位でやめておくか。エルがお腹空かしてそうだからな」
案の定、エルがお腹を空かしていたので、手早く出来るステーキにした。スープは朝の残りだ。簡単なサラダを作り夕食にした。
エルもサラダくらい作ったらいいのに。
「ところでエルは、ジョブは戦士だろ。どんな装備が欲しいんだ?」
「実は私、魔法使いになりたいの」
あれ?戦士ジョブレベル5だったよな。装備も革鎧にショートソードだったし。その事をエルは聞いてみると。
「だって、初心者冒険者って言ったら、あの格好が正しいじゃない。でも私実は1/4エルフの血が入っているの。だから魔法使いが合ってると思うの」
何なんだ、そのいい加減なジョブの決め方。
「とりあえずエルは、最低限の近接戦闘能力を鍛えながら、魔法使いを目指そうか」
近接戦闘と聞いた瞬間、嫌な顔しやがった。要するに剣で斬ったりするより、遠くから魔法を撃ちたいらしい。
魔法属性は、風と水の二属性に適正があるらしい。
「じゃあさ、魔法発動媒体は指輪を二つ作るよ。俺も今まで使ってなかったから。あと近接戦闘用にショートソードかな。防具も革鎧が無難だよな」
俺はエルにお勧めの装備を提案していく。
「魔法使いなのに革鎧?そこはローブじゃないの」
「ローブも作ってあげても良いけど、下に革鎧は着てた方が良い」
「じゃあそれで良い。色は白ね」
注文が多いな。白だったら汚れない様に、エンチャントかけないとダメだな。
食後、エルと一緒に後片付けをして、今日は二人でお風呂に入った。
お風呂の後は、当然の様にエルを頂いた。
次の日も、俺は朝から工房に籠り生産に勤しむ。
色々な色の染料を、薬師の調合スキルを使い作成し布地を染める。
魔法で乾燥させたあと裁断していく。
エルと俺の服を着替えも含めて数着作る。
エルの下着もしっかりと作った。
服にかけたエンチャントは、
・防汚
・自動修復
・物理耐性
・魔法耐性
・温度自動調整
・サイズ自動調整
の六種類を施した。
一応、ヘタな革鎧よりも、防御力が高い服が出来上がった。
エルと俺の分のローブも作ると、一日潰れてしまった。
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