異世界立志伝

エルの装備を考えよう

　俺とエルの装備の製作に入って３日目。

　今日は、俺とエルの魔法発動媒体とエルのショートソードを作ろうと思う。

　今日も今日とて、俺は朝から工房に籠る。


　魔法発動媒体は、ミスリルの指輪型にした。

　錬金術でミスリル合金を少量錬成し、鍛治魔法の成形魔法で指輪を作成する。

　シンプルなデザインの指輪を作り、魔法文字を刻んでいく。

　・ミスリルのマジックリング
　　等級  上級ハイレア

　　サイズ自動調整
　　魔力操作補助
　　消費魔力削減
　　魔法威力増加
　　自動修復

　魔法発動媒体として必要な、ひと通りのエンチャントをかける。



　エルのショートソードは、オリハルコン合金で作ることにした。
　錬金術で、オリハルコンとミスリルの合金を作る。
　魔力炉にインゴットを入れ、熱したオリハルコン合金を、金床の上で魔力を込めながら叩いて、ショートソードの形に伸ばしていく。
　鍛治魔法の成形魔法（モーディング）で修正しながら作りあげる。
　研磨魔法（ポリッシュ）で仕上げると、白銀に輝くショートソードが出来上がった。


　・オリハルコンのショートソード
　　等級  伝説級レジェンド

　　　自動修復
　　　硬度強化
　　　靭性強化
　　　斬撃強化
　　　腐蝕耐性


　エルの革鎧は、ワイバーンの皮と地竜の鱗を使って作る。

「俺の分も革鎧作ろうかな」

　何故か革鎧は、鍛治スキルと鍛治ジョブの守備範囲に入る。
　革の胸当て、籠手、ブーツを作り。地竜の鱗で補強していく。


　・ワイバーンレザーアーマー
　　等級  伝説級レジェンド

　　　自動修復
　　　物理耐性
　　　魔法耐性
　　　状態異常耐性
　　　重量軽減
　　　温度自動調整
　　　サイズ自動調整

　レア個体の黒いワイバーンを使ったので、黒ベースの革鎧に、深いグリーンの地竜の鱗を成形魔法で変形させ貼り付けてある。
　デザイン的にはかなり良い出来だと思う。


　・ワイバーンレザーブーツ
　　等級  伝説級レジェンド

　　　自動修復
　　　物理耐性
　　　魔法耐性
　　　俊敏力強化
　　　温度自動調整
　　　サイズ自動調整

　ブーツも黒をベースに、爪先と踵を地竜の鱗で補強して、靴底もアダマンタイトで補強してある。


　・鬼神の籠手
　　等級  伝説級レジェンド

　　　自動修復
　　　物理耐性
　　　魔法耐性
　　　重量軽減
　　　腕力強化
　　　温度自動調整
　　　サイズ自動調整

　俺のオリハルコン合金の籠手も、ワイバーンレザーと地竜の鱗を使って改良した。
　地竜の爪を成形魔法で変形させ、アダマンタイトでコーティングして、ワイヤーを付け籠手に仕込んだ。 爪を射出出来るようにしたが、半分は悪ノリだ。


　・地竜の籠手
　　等級  上級ハイレア

　　　自動修復
　　　物理耐性
　　　魔法耐性
　　　温度自動調整
　　　サイズ自動調整

　エルの籠手は、軽さと手の自由度を阻害しない事に気をつけて作成した。



「さて、一応エルの装備が出来たけど、エルに遠距離攻撃させるなら、やっぱり銃だよな。右手にショートソード、左手に銃。うん、カッコイイ」

　前世では、いいおっさんだったカイトだが、ラノベも結構読んでいたみたいだ。

「当然、俺のぶんも作るのは確定だとして、ここはやっぱり魔導銃だよな。オヤクソクだし」

　銃のモデルは決めてある。エアガンで持っていた【トーラスレイジングブル8.375inカスタム】の形をもとに作る事にした。
　弾丸を撃つ訳ではないので、実銃での反動なんかは発生しない。
　シリンダーに魔石と術式を仕込み、シリンダーを回転させることにより、６種類の属性攻撃を可能にする。

　銃身をオリハルコン合金で作成。熱・冷気・電撃などへの耐性を強化するエンチャントをかける。
　銃身の上から、アダマンタイト合金でカバーして、四角く角張ったデザインと銃身の保護にする。

　発動する魔法は、火・氷・電・土・風・光の六属性とした。
　シリンダー内とそこに仕込んだ魔石に、各属性攻撃の術式を描き込んである為、適正のない属性の攻撃も可能だ。
　ただ魔法を発動する際、使うのは自前の魔力なので、エルに関しては、魔法職でのレベルアップを図り、魔力量を増やす必要がある。現在のエルの魔力量では６発撃てば、魔力が枯渇してしまう。


　俺用とエル用の二丁製作した。

　・魔導銃レイジングベヒモス
　　等級  伝説級レジェンド

　　　自動修復
　　　硬度強化
　　　靭性強化
　　　耐熱強化
　　　腐蝕耐性

　俺用の魔導銃は漆黒に、エル用の魔導銃は白銀にして、エル用の魔導銃はさらに重量軽減のエンチャントをかけている。

　魔導銃を右腰に装備する為の、ホルスターも革で製作する。

　ベルトにホルスターを取り付け、レイジングベヒモスをグリップが前に向く様に差す。

　シュッ！

　左手で抜き撃つ動作を繰り返す。魔導銃のズッシリとした重量感が手に馴染む。

「これで殴られたら死ねるな」

　ベルトを取り外し、白銀のレイジングベヒモスを持ち、その重量を確かめる。エンチャントのお陰で、自分の銃より随分軽く感じる。
　これならエルにも使えそうだ。


「エルの武器と防具はこれで大丈夫だな」


　何時も俺のアイテムボックスを、誤魔化して使うのも面倒だよな。
　そこで俺は、革の鞄を作り始める。
　肩からかけるタイプの鞄と、ウエストポーチを作り、それぞれに魔石を取り付け、そこに時空間魔法の空間拡張を付与する。

　一応、防汚と防水のエンチャントをかけておく。


　あとは、エルを使用者登録して、盗まれたりしても他人に使えなくすれば完成だ。

　装備品は、あと自分の刀を作る予定だが、それは明日以降で構わない。

　ただ冒険者ギルドに、行ってない事に気づいた。

　素材の査定額も聞いていないし、依頼を一つも受けていない。さすがに、これは不味いかもしれない。明日か明後日あたり、ギルドに顔を出さないとダメかな。