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専属メイドと書いて鍛治師と読む
レイラさんの専属メイド、スーラさんが何故か俺の弟子に成りたいと土下座までしてきた。
レイラさんには酷く怒られた。せっかく見つけた専属メイドを取るなと、…………いや、もともとメイドじゃなかったじゃん。
まぁ、それでもトーレさんが来た事で、食事に関してはクリアしたから良いようなものの、レイラさんの身の回りの世話をする人は、また探さないといけない。
いや、元からスーラさんじゃ貴族の侍女は無理あるだろう。俺が怒られる筋合いはないと思うけど、それは言えない。
「ほお、なるほど、ふむ、このゴーレム核へ描き込んである術式は見事です」
「あゝ、AIね」
「えーあい?ですか?」
「人工知能って意味かな。ゴーレム核を造る時に魔法はイメージだから、出来るだけ詳細に自分の望む知性を持たせるイメージして描き込むんだ」
「目からウロコであります」
俺が何をしているかと言うと、ルフトの分解を諦めてもらう為、仕方なく色々教える羽目になった。
「カイト様は凄いです。この家のトイレやお風呂も凄い技術です。スーラがこの家に来たのは、運命なのです」
見た目は子供なんだけど圧が凄い。
「それでスーラさんは「スーラです」えっ?」
「弟子を呼ぶのに、さん付けはダメなのです」
「あ、ああ、じゃあ、スーラは何が作りたいとかの希望はあるの?」
そうなんだ、スーラさんは実は60歳、長い経験を持つ鍛治職人だ。ドワーフの60歳を人族で言うと20歳位なんだそうだ。
ただスーラは、鍛治師ジョブをカンストしているが、魔法系職業が鍛えられていない為、刻印魔法や錬金術、付与魔法を使えない。
「錬金術と付与魔法は、鍛治と魔導具には必須じゃないかな」
「剣や防具にエンチャントが掛かっている物は、マジックアイテムとして、ダンジョンから手に入れるしか方法がないのです」
それを聞いて俺はビックリする。
「えっ、装備にエンチャント掛けないの?」
どうやらドルファレス師匠に聞いた常識は、いまの時代の非常識みたいだ。
師匠の装備やハルバードには普通に何種類もエンチャントが掛かっていたから、それが普通だと思っていた。確かに元の素材が良くなければ、余りエンチャントを重ねられないけど。
「でも鍛治で金属を扱うなら、錬金術と土魔法はあると便利だよ。錬成と土魔法で、金属組織をイメージ通りに出来るし」
「金属組織??」
まあ、今直ぐには無理か。
「それで何を作りたい?」
「普通のマッドゴーレムやストーンゴーレムには興味ないのです。でもカイト様の造るゴーレムは違うのです」
「そうだね、俺のはオートマトンにゴーレム核を組み込んだ物だから、純粋なゴーレムではないね」
どちらかと言うと自律思考型ロボットだよな。
「あと、魔導具は勉強したいのです」
「ふむ、スーラは先ず付与魔術師の職業レベルと付与魔法スキルレベルを上げる所から始めようか。
後は、魔法使いと錬金術師かな。魔力操作は絶対必要だよ」
スーラは困惑しているようだ。
スーラは魔力操作のスキルを取得していない為、せっかくの鍛治魔法が死にスキルになっていた。
スーラ的には、成形魔法を使っても思い通りの結果が出ない為に、使えない魔法扱いだったみたいだ。
「そんなに無理なのです」
泣きそうなスーラが訴える。
「大丈夫だよ。職業レベルを上げてスキルを獲得する。後はスキルをひたすら使えば良いだけだよ。職業レベルが上がれば、職業スキルは上がり易いから、先に魔物を狩って職業レベルを上げきった方が良いね」
スーラは衝撃を受ける。自身の鍛治師レベルは、ひたすら鍛治仕事をする事で鍛えて来た。
この世界の生産職は、全てが物を造る事でレベルを上げるのが常識だった。
鍛治師なら、鍛治スキルを鍛えるうちに、鍛治師レベルも上がるという認識だ。
戦闘職、生産職に関わらず、魔物を狩って職業レベルが上がるシステムが忘れ去られている。
ドルファレス師匠の国が亡んで五百年以上経つけど、その間に幾つもの国が生まれては亡んできたのだろう。そうして幾つもの知識が失われて来たのだろう。
ゴンドワナ帝国のあの軍勢に違和感があったのも、そんな理由もあるかもな。
普通は、戦術や装備の進化は時代を経て進む筈なのに、むしろ後退しているのは、国が滅びる理由が人間同士の戦争だけじゃなく、魔物が原因で国が知識ごと失われる事が過去にあったんだろう。
まあ、今はスーラの事だな。
「カイト師匠!スーラは戦えないのです」
「師匠?」
「スーラは弟子なのです。師匠と呼ぶのが正しいのです」
「まぁ、それは良いや。それで戦闘に関しては任せて貰って大丈夫だよ。ルキナだって魔物狩りに行くからね」
スーラがポカンとしている。
「大丈夫、最初はトドメを刺すだけの簡単な仕事だから」
俺はそう言って魔導銃をアイテムボックスから取り出す。スーラは、鍛治師レベルがカンストしているので、魔力量に余裕があるから直ぐに使えるだろう。
「こ、これは?」
スーラの目は、魔導銃に釘付けだ。
スーラに魔導銃を説明すると、スーラは乗り気になってくれた。
「明日、皆んなで魔物狩りに出掛けるか。イリアとコレットも、武器の使用感を確かめないといけないから」
この後、イリア用に造ったグルカナイフを見たスーラが、興奮して暫く質問責めにあったのは余分だった。
しかも、次の日、スーラのパワーレベリングの為に、皆んなで出掛けノトスを出た所で汎用軍用車両を出した後が大変だった。何とかスーラを乗せて走り出すと、そのスピードにまたまた興奮状態に、車内がうるさくて、スーラがルキナに怒られていた。
その日は、魔法使いジョブをカンストして貰い、魔力操作は地道に鍛錬して貰おう。
レイラさんには酷く怒られた。せっかく見つけた専属メイドを取るなと、…………いや、もともとメイドじゃなかったじゃん。
まぁ、それでもトーレさんが来た事で、食事に関してはクリアしたから良いようなものの、レイラさんの身の回りの世話をする人は、また探さないといけない。
いや、元からスーラさんじゃ貴族の侍女は無理あるだろう。俺が怒られる筋合いはないと思うけど、それは言えない。
「ほお、なるほど、ふむ、このゴーレム核へ描き込んである術式は見事です」
「あゝ、AIね」
「えーあい?ですか?」
「人工知能って意味かな。ゴーレム核を造る時に魔法はイメージだから、出来るだけ詳細に自分の望む知性を持たせるイメージして描き込むんだ」
「目からウロコであります」
俺が何をしているかと言うと、ルフトの分解を諦めてもらう為、仕方なく色々教える羽目になった。
「カイト様は凄いです。この家のトイレやお風呂も凄い技術です。スーラがこの家に来たのは、運命なのです」
見た目は子供なんだけど圧が凄い。
「それでスーラさんは「スーラです」えっ?」
「弟子を呼ぶのに、さん付けはダメなのです」
「あ、ああ、じゃあ、スーラは何が作りたいとかの希望はあるの?」
そうなんだ、スーラさんは実は60歳、長い経験を持つ鍛治職人だ。ドワーフの60歳を人族で言うと20歳位なんだそうだ。
ただスーラは、鍛治師ジョブをカンストしているが、魔法系職業が鍛えられていない為、刻印魔法や錬金術、付与魔法を使えない。
「錬金術と付与魔法は、鍛治と魔導具には必須じゃないかな」
「剣や防具にエンチャントが掛かっている物は、マジックアイテムとして、ダンジョンから手に入れるしか方法がないのです」
それを聞いて俺はビックリする。
「えっ、装備にエンチャント掛けないの?」
どうやらドルファレス師匠に聞いた常識は、いまの時代の非常識みたいだ。
師匠の装備やハルバードには普通に何種類もエンチャントが掛かっていたから、それが普通だと思っていた。確かに元の素材が良くなければ、余りエンチャントを重ねられないけど。
「でも鍛治で金属を扱うなら、錬金術と土魔法はあると便利だよ。錬成と土魔法で、金属組織をイメージ通りに出来るし」
「金属組織??」
まあ、今直ぐには無理か。
「それで何を作りたい?」
「普通のマッドゴーレムやストーンゴーレムには興味ないのです。でもカイト様の造るゴーレムは違うのです」
「そうだね、俺のはオートマトンにゴーレム核を組み込んだ物だから、純粋なゴーレムではないね」
どちらかと言うと自律思考型ロボットだよな。
「あと、魔導具は勉強したいのです」
「ふむ、スーラは先ず付与魔術師の職業レベルと付与魔法スキルレベルを上げる所から始めようか。
後は、魔法使いと錬金術師かな。魔力操作は絶対必要だよ」
スーラは困惑しているようだ。
スーラは魔力操作のスキルを取得していない為、せっかくの鍛治魔法が死にスキルになっていた。
スーラ的には、成形魔法を使っても思い通りの結果が出ない為に、使えない魔法扱いだったみたいだ。
「そんなに無理なのです」
泣きそうなスーラが訴える。
「大丈夫だよ。職業レベルを上げてスキルを獲得する。後はスキルをひたすら使えば良いだけだよ。職業レベルが上がれば、職業スキルは上がり易いから、先に魔物を狩って職業レベルを上げきった方が良いね」
スーラは衝撃を受ける。自身の鍛治師レベルは、ひたすら鍛治仕事をする事で鍛えて来た。
この世界の生産職は、全てが物を造る事でレベルを上げるのが常識だった。
鍛治師なら、鍛治スキルを鍛えるうちに、鍛治師レベルも上がるという認識だ。
戦闘職、生産職に関わらず、魔物を狩って職業レベルが上がるシステムが忘れ去られている。
ドルファレス師匠の国が亡んで五百年以上経つけど、その間に幾つもの国が生まれては亡んできたのだろう。そうして幾つもの知識が失われて来たのだろう。
ゴンドワナ帝国のあの軍勢に違和感があったのも、そんな理由もあるかもな。
普通は、戦術や装備の進化は時代を経て進む筈なのに、むしろ後退しているのは、国が滅びる理由が人間同士の戦争だけじゃなく、魔物が原因で国が知識ごと失われる事が過去にあったんだろう。
まあ、今はスーラの事だな。
「カイト師匠!スーラは戦えないのです」
「師匠?」
「スーラは弟子なのです。師匠と呼ぶのが正しいのです」
「まぁ、それは良いや。それで戦闘に関しては任せて貰って大丈夫だよ。ルキナだって魔物狩りに行くからね」
スーラがポカンとしている。
「大丈夫、最初はトドメを刺すだけの簡単な仕事だから」
俺はそう言って魔導銃をアイテムボックスから取り出す。スーラは、鍛治師レベルがカンストしているので、魔力量に余裕があるから直ぐに使えるだろう。
「こ、これは?」
スーラの目は、魔導銃に釘付けだ。
スーラに魔導銃を説明すると、スーラは乗り気になってくれた。
「明日、皆んなで魔物狩りに出掛けるか。イリアとコレットも、武器の使用感を確かめないといけないから」
この後、イリア用に造ったグルカナイフを見たスーラが、興奮して暫く質問責めにあったのは余分だった。
しかも、次の日、スーラのパワーレベリングの為に、皆んなで出掛けノトスを出た所で汎用軍用車両を出した後が大変だった。何とかスーラを乗せて走り出すと、そのスピードにまたまた興奮状態に、車内がうるさくて、スーラがルキナに怒られていた。
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