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集落の発見
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俺はサンクと森に踏み入っていた。
子供を産んで余り日が経っていないが、イリアがリハビリがてら俺の側に寄り添う。
スーラと俺が造るゴーレムの素材調達の為の魔物狩りや採掘は、騎士団や守備隊の訓練も兼ねて、複数個所で同時に行われている。
サンクを斥候に俺達は森の中を進む。
この際だから、今まで探索した事のないエリアを重点的に調べようと奥へ奥へと分け入る。
キラーエイプの群れが、連携して襲いかかってくる。それを俺は慌てる事なく一太刀で斬り捨てて行く。
イリアも体術と二本のショートソードを操る二刀流で、衰えを感じさせない動きで次々に葬り去って行く。
サンクも素早い身のこなしと投擲で、確実に数を減らして行く。
襲いかかる魔物を三人で瞬殺しながら、森の中を歩いていた時だった。
「イリアも体の調子は大丈夫みたいだな」
俺の目から見ても、イリアは出産前と変わりのない動きをしていると思った。
「そうですね。
これでカイト様のお側に居られると思います」
イリアは妊娠中とは言え、俺の側で警護出来なかったのが嫌だったようで、1日でも早く体調と戦闘感を戻したかったみたいだ。
「カイトの兄ちゃん、ストップ!」
そんな時サンクが何かを見つけたみたいだ。
「どうしたサンク?」
「これ、蜘蛛の糸だと思うんだけど……、ヒュージスパイダーかな?ヒュージスパイダーとは使い方が少し違うようにも感じるだけど……」
サンクが指差す先に、キラリと光る蜘蛛の糸の様な物が見えた。サンクが見つけたのは、木に絡まる蜘蛛の糸だった。確かにそれはヒュージスパイダーの糸にも見えたが、俺も蜘蛛系の魔物はヒュージスパイダーしか知らないので判断に困る。
「付近に魔物は居ないけどな」
そこで俺は探知範囲を広げて、周囲に該当の魔物が居ないか探索してみる。
「うん?」
俺が広範囲探知の魔法を使うと、探知に複数の反応が引っかかる。
「何か見つかったのか兄ちゃん?」
「あゝ、ヒュージスパイダーじゃ無いかもしれないけど、集落か群れみたいだな。
だけど数はそんなに多くないな」
俺の感知に引っかかったのは多くて十五程度だった。
「ゴブリンかオークが集落を作ってるなら、早いうちに潰しといた方がいいんじゃないか?兄ちゃん」
サンクの言う通りなんだけど、ゴブリンやオークの反応じゃないんだよな。俺の感知には、少なくても二種類の違った反応があった。
「取り敢えず確認してみるか」
俺達は反応があった場所へと行ってみる事にした。
慎重に気配を消しながら反応があった場所へと近付いて行く。
「なぁ兄ちゃん、これどう考えてもヒュージスパイダーじゃないよな」
「そうだな、ヒュージスパイダーにここまでの知恵は無かったと俺も思う」
反応があった場所へ近付くにつれ、蜘蛛の糸を張り巡らせ、まるで結界のようにも感じた。
「俺達が全員斥候系の技術を持って無かったら、相手に先に気付かれただろうな」
もうすぐ反応があった場所という時に、一体の反応が近付いて来る。その瞬間イリアがショートソードを構え、サンクがナイフを両手に持ち戦闘態勢に入る。
それを俺は手で抑える。
「ちょっと待って、俺が良いと言うまで手を出すな」
近づいて来る反応は警戒しているものの、魔物の反応とは違う事が分かった。ただ、冒険者ランクA推奨の魔物の領域に、人の集落があるというのが、違和感が多すぎた。
「立ち去りなさい!
ここより先へは通しません!」
そこに俺達へ女性の声で警告がかけられる。木の陰から出て来たのは、白い髪に紅い瞳、何も纏わない上半身は女性だと分かる大きな胸を露わに、抜けるような白い肌をさらしていた。
ただその女性は普通ではなかった。この森に集落を造っている時点で普通じゃないのだけど、彼女は根本的に俺達とは違った。
「……アラクネ」
イリアが呟いた。
そう、彼女の下半身は蜘蛛のソレだった。
蜘蛛の下半身に女性の上半身。
それは文献ではアラクネと呼ばれた魔物と俺達は遭遇した。
子供を産んで余り日が経っていないが、イリアがリハビリがてら俺の側に寄り添う。
スーラと俺が造るゴーレムの素材調達の為の魔物狩りや採掘は、騎士団や守備隊の訓練も兼ねて、複数個所で同時に行われている。
サンクを斥候に俺達は森の中を進む。
この際だから、今まで探索した事のないエリアを重点的に調べようと奥へ奥へと分け入る。
キラーエイプの群れが、連携して襲いかかってくる。それを俺は慌てる事なく一太刀で斬り捨てて行く。
イリアも体術と二本のショートソードを操る二刀流で、衰えを感じさせない動きで次々に葬り去って行く。
サンクも素早い身のこなしと投擲で、確実に数を減らして行く。
襲いかかる魔物を三人で瞬殺しながら、森の中を歩いていた時だった。
「イリアも体の調子は大丈夫みたいだな」
俺の目から見ても、イリアは出産前と変わりのない動きをしていると思った。
「そうですね。
これでカイト様のお側に居られると思います」
イリアは妊娠中とは言え、俺の側で警護出来なかったのが嫌だったようで、1日でも早く体調と戦闘感を戻したかったみたいだ。
「カイトの兄ちゃん、ストップ!」
そんな時サンクが何かを見つけたみたいだ。
「どうしたサンク?」
「これ、蜘蛛の糸だと思うんだけど……、ヒュージスパイダーかな?ヒュージスパイダーとは使い方が少し違うようにも感じるだけど……」
サンクが指差す先に、キラリと光る蜘蛛の糸の様な物が見えた。サンクが見つけたのは、木に絡まる蜘蛛の糸だった。確かにそれはヒュージスパイダーの糸にも見えたが、俺も蜘蛛系の魔物はヒュージスパイダーしか知らないので判断に困る。
「付近に魔物は居ないけどな」
そこで俺は探知範囲を広げて、周囲に該当の魔物が居ないか探索してみる。
「うん?」
俺が広範囲探知の魔法を使うと、探知に複数の反応が引っかかる。
「何か見つかったのか兄ちゃん?」
「あゝ、ヒュージスパイダーじゃ無いかもしれないけど、集落か群れみたいだな。
だけど数はそんなに多くないな」
俺の感知に引っかかったのは多くて十五程度だった。
「ゴブリンかオークが集落を作ってるなら、早いうちに潰しといた方がいいんじゃないか?兄ちゃん」
サンクの言う通りなんだけど、ゴブリンやオークの反応じゃないんだよな。俺の感知には、少なくても二種類の違った反応があった。
「取り敢えず確認してみるか」
俺達は反応があった場所へと行ってみる事にした。
慎重に気配を消しながら反応があった場所へと近付いて行く。
「なぁ兄ちゃん、これどう考えてもヒュージスパイダーじゃないよな」
「そうだな、ヒュージスパイダーにここまでの知恵は無かったと俺も思う」
反応があった場所へ近付くにつれ、蜘蛛の糸を張り巡らせ、まるで結界のようにも感じた。
「俺達が全員斥候系の技術を持って無かったら、相手に先に気付かれただろうな」
もうすぐ反応があった場所という時に、一体の反応が近付いて来る。その瞬間イリアがショートソードを構え、サンクがナイフを両手に持ち戦闘態勢に入る。
それを俺は手で抑える。
「ちょっと待って、俺が良いと言うまで手を出すな」
近づいて来る反応は警戒しているものの、魔物の反応とは違う事が分かった。ただ、冒険者ランクA推奨の魔物の領域に、人の集落があるというのが、違和感が多すぎた。
「立ち去りなさい!
ここより先へは通しません!」
そこに俺達へ女性の声で警告がかけられる。木の陰から出て来たのは、白い髪に紅い瞳、何も纏わない上半身は女性だと分かる大きな胸を露わに、抜けるような白い肌をさらしていた。
ただその女性は普通ではなかった。この森に集落を造っている時点で普通じゃないのだけど、彼女は根本的に俺達とは違った。
「……アラクネ」
イリアが呟いた。
そう、彼女の下半身は蜘蛛のソレだった。
蜘蛛の下半身に女性の上半身。
それは文献ではアラクネと呼ばれた魔物と俺達は遭遇した。
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